【会見全文】『PANCRASE 333』の4大タイトルマッチ出場選手が調印式に登場!各選手が意気込みを語った!

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 4月13日午後、都内新宿区にて『PANCRASE 333』で組まれている4大タイトルマッチの調印式が行われた。
 出席者は、ライト級王座統一戦でぶつかる久米鷹介(ALIVE/第7代王者)・アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/暫定王者)、バンタム級王座統一戦の中島太一(ロータス世田谷/第4代王者)・田嶋椋(OOTA DOJO/暫定王者)、女子ストロー級チャンピオンシップのKAREN(パラエストラ柏/王者)・ソルト(マルスジム/1位)、女子フライ級チャンピオンシップの端貴代(和術慧舟會AKZA/第2代王者)/NØRI(PRAVAJRA/1位)。
 8選手は質疑応答のあと、廣瀬隆司キング・オブ・パンクラス評議委員長の立ち会いのもと出場誓約書にサインした。
 各選手の質疑応答は以下。


▼ライト級王座統一戦 5分5R
久米鷹介(ALIVE/第7代王者)
VS
アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/暫定王者)

――まず、両選手から一言ずつ意気込みをお願いします。
アキラ「アキラです。久米選手はタイトルを獲ったのが2016年(9月)で、そこから約7年、ずっとライト級トップに君臨し続けている偉大なチャンピオンです。やっと挑戦できるということで、すごく気合いが入っています。
 その偉大なチャンピオンをしっかりリスペクトしながらぶっ倒して、ライト級の新しい歴史を立川から作っていきたいなと思っています」

久米「久米鷹介です。もう1年半近く試合の間隔を空けてしまったんですけども、こういう素晴らしいアキラ選手という対戦相手を用意していただいて統一戦をさせていただけることをパンクラスさんに感謝しています。
 これだけ素晴らしい、ここまで勝ち上がって暫定王者になって、アキラ選手は人としてもファイターとしてもリスペクトできる選手だと思います。そのアキラ選手に向かって、多くの人に支えられながら毎日充実した日々を送らせていただいておりますので、皆さんへの感謝をしっかり胸に刻みながら、全力でアキラ選手に向かっていきたいと思います。

――改めて、お互いの印象をお聞かせください。
アキラ「長い間ずっとチャンピオンでいるので、本当に尊敬できる選手です。前、一緒に写真を撮ってもらったことがあるんですけど、人間的にも素晴らしい選手だと思います」

久米「先ほども言ったように、アキラ選手は人としてもファイターとしてもトータルで素晴らしい選手だと思っていますので、自分の全てを懸けて全力で臨める相手だと思っています。

――久米選手は久しぶりの試合になりますが、どんなケガだったのか、回復の過程など、言える範囲でお願いします。
久米「蓄積という部分もあると思うんですけど、思いのほか治りが順調にいかなかったです。蓄積という面もあるので、どことは明確に分かりづらい部分もあって、どこか1ヵ所という感じではないです。ただ、完全に練習を止める期間はそんなに長くなかったです。練習自体は早い段階でできておりまして、全力では今年に入ってできていたと思います。その前も、スパーリングにも取り組めてはいたんですけど、少し怖さもありました。ただ、自分が本気を出して練習できる段階まで近づくのに、ちょっと時間がかかってしまいました」

――アキラ選手、暫定王者として正王者と闘うことに関してはいかがですか。
アキラ「そうですね。形の上では統一戦なんですけど、自分はチャレンジャーだと思っているので。久米選手に全力で挑戦させていただくと考えています」

――どんな試合展開、勝ち方を考えていますか。
アキラ「そうですね、あんまり言うとバレちゃうので(笑)。でも、久米選手は毎回素晴らしい試合、激闘を繰り広げて来ているので、僕も久米選手を追い越せるように仕上げて来ているので、激闘をお送りしたいと思います」

――久米選手は、どんな試合展開を考えていますか。手の内を明かさない範囲でお願いします。
久米「自分は、自分のやることをやるだけです。もう長いことやって来ましたので、培って来たものをアキラ選手にぶつけるだけです。僕は一応、正規王者ですけれども、ちゃんと勝ち上がってきた暫定チャンピオンであるアキラ選手に、全力でぶつかって行くという気持ちです。先ほど話されていたように、アキラ選手も覚悟をされていると思うので、自分もしっかり覚悟を持って臨んでいきたいと思います」

――お互いの直近の試合(久米=2021年12月、雑賀ヤン坊達也戦/腕ひしぎ十字固めで一本勝ち、アキラ=2022年9月、松本光史戦/TKO勝ち)を見て、どのように感じたか教えてください。
久米「トータルの面で強い選手というのはわかっていたんですけど、松本選手をしっかりKOしているということで、フィニッシュ力もあると思いましたし、しっかり倒せる技術があるなと。ちょうど自分が試合をしていない間でしたので、改めて身が引き締まる思いでした」

アキラ「ヤン坊選手との試合、ただただ、すごいなと思いました。最初に効かされたんだけど、その時、久米選手のパンチも入っていて、そこからチャンピオンの意地で一本勝ちまで、という感じで、すごいものを見せられて。でも、自分が追っていく目標はこの人なんだなと思って気合いの入った試合ですね」

――久米選手、試合発表の際のリリースに「この試合を決めるまで、何度引退を考えただろうか」という文言がありました。怪我があった最中でしたが、やはり引退が頭をよぎったりしたのでしょうか。
久米「キャリアも重ねて来ましたし、いつ終わってもおかしくないというのは常に考えていることで。実際、ずっとできるものではないので、俺はいつも頭にあります。でも、アキラ選手との試合だったりとか、周りで自分と一緒に練習している若い人たちの頑張る姿を見てモチベーションにしながら、一緒に切磋琢磨していきたいという思いはあります」

――アキラ選手、石渡(伸太郎)選手がセコンドにつくようになってから、変わったことがあれば教えてください。
アキラ「いろんなところで変わりましたけど、練習に向かう姿勢とか、そういうところから全て教わっています。試合に向かう姿勢もそうですし、普段の生活もそうですし。ガラッと変わりました」

――試合の中ではいかがですか。
アキラ「試合が決まったら、石渡さんと作戦を立てて、それを生かしながら練習して、という感じです」

――今、お2人の前にそれぞれベルトがあります。そのベルトに対する思いをお聞かせください。
アキラ「去年の9月に暫定王者としてベルトは獲ったんですけど、やはりまだ、ちゃんと自分のベルトだとは思ってないので、ここで久米選手を倒して、しっかり僕のものにしたいなと思います」

久米「今回もまた試合間隔は空けてしまったんですけど、やはりこのベルトを持っているということで、試合ができずにいた期間も『強くあろう』という気持ちにしてくれる大切なベルトです。このベルトが闘うモチベーションの1つになっていることは間違いありませんので、大切なものの1つだと思っています」


▼バンタム級 王座統一戦 5分5R
中島太一(ロータス世田谷/第4代王者)
VS
田嶋 椋(OOTA DOJO/暫定王者)

――まず、両選手から一言ずつお願いします。
田嶋「自分は暫定王者ということで、正規王者の中島選手に向かっていくという形になるんですけど、すごく楽しみです。しっかり自分のやることをやって勝ちに行きます」

中島「中島太一です。タイトル統一戦ということなんですけど、僕はいつもタイトルマッチとか、ベルトとか、チャンピオンとか関係なく、1つの試合として考えて練習しているので、これも1つの試合です。どれも大切な試合で、大切じゃない試合とかはないので、これも大切な試合の1つだと思っています。
 とにかく最強になることを常に考えて練習して来ました。今回もちゃんと自分の実力を出せるようにしっかり準備して来たので、当日は思い切り暴れたいと思います」

――改めて、お互いの印象をお願いします。
田嶋「打撃が強いなという印象でし。全部トータルで行ける選手だと思っています」

中島「若くして暫定王者になって、すごいなと思っています。すごく頑張る選手だなという印象です」

――田嶋選手は、中島選手がケガで欠場している間に暫定王者になりました。その時の印象はいかがでしたか。
中島「チャンスをものにしたというのはあるので、“持ってる”のかなとは思っています」

――どんな試合展開になりそうでしょうか。
中島「自分の得意なところを思い切りぶつけて、相手がやりたいことを全部潰して、自分の格闘技を常に押し付けていく試合にしたいです」

――田嶋選手、中島選手の欠場中に暫定王者になったということで、まだ上に壁がありますね。
田嶋「そうですね。まだ上に『暫定』という文字があるので、それを取りたいですね」

――田嶋選手は、NBT優勝、MVP獲得、そして暫定王座と、去年はとても良い年だったと思いますが、今年はどんな年にしたいですか。
田嶋「今年も去年と同じように、どんどんステップアップしていきたいですね」

――中島選手はどんな年にしたいですか。
中島「格闘技もプライベートも素晴らしい1年にしたいと思っています。もちろん、今後について考えることはあるんですけど、勝たないと進めないので、それはこの試合が終えわってからちゃんと考えます」

――下馬評では、中島選手有利と言われていますが。それに関してご自身ではどう思いますか。
中島「この試合は、本当に油断大敵だと思っています。なので、そういう下馬評とか、僕の方が勝つ可能性があるとか言われていても、そういうところで油断したら絶対にダメだと思っているので、そこは全く油断はせず、しっかり練習して来ました。
 過去最高・最強を更新しているし、今までで一番考えて練習してきたという自信もあります。セコンドとか仲間といろいろ話し合って考えて、常に考えて練習して来たので、すごく強くなっていると思います。

――中島選手の言葉を受けて、田嶋選手、いかがですか。
田嶋「自分も同じように、前回の自分より強くなっていますし、前回よりも練習量も多いです。今回もしっかり勝てるように準備して来ているので、それをぶつけるだけです」

――中島選手は、これまでフェザーとバンタムを行き来していましたが、やはりバンタムが一番力が出せると思っていますか。
中島「そうですね。フェザー級でもできると思ってたんですけど、前回(2021年5月、フェザー級タイトルマッチでISAOに挑戦、判定負け)ああいう負け方をしてしまって、やっぱり僕はバンタムとフェザーとかじゃなくて、ちゃんとバンタムに絞ってやった方がいいのかなと思いました」

――お2人は身長が同じ174cm、体型的にも近く、またファイトスタイルも似ているような感じがしますが、違うと思う点はどのようなところでしょうか。
中島「田嶋選手もどっちもできますし、確かに似たようなファイトスタイルだと思うので、特にここが違うというのはそんなにないんじゃないですか」

――では、上回っているところは?
中島「スピード、パワー、スタミナ、テクニックです」

――田嶋選手はいかがでしょうか。
田嶋「中島選手は打撃もすごくキレがありますし、試合を見ていてすごいなと思いますね。スピード、スゲェなと思います」

――上回っているところは?
田嶋「こういう場なので、自分が全部上回っていると言います(笑)」

――統一戦後については、どう考えていますか?
中島「もちろんステップアップしたいとは常に思っています。あとは、どういうオファーが来るかですね。良いオファーが来たところへ行きたいです」

田嶋「自分は統一したらパンクラスを盛り上げたいし、あとは世界とも闘ってみたいなと思っています」

――田嶋選手はRoad To UFCの応募には、名前を入れていましたか。
田嶋「入れてました「

――参加できていたら、どうなっていましたか?
田嶋「正直、Road To UFCには参加したかったですね」

――それは成らなかったということで、次に向けては?
田嶋「ここでしっかり勝って中島選手を倒せば、周りの評価はけっこう上がると思います。世界に行けるような評価の上がり方をすると思うので、しっかり勝ちたいという感じですね」

――中島選手には、これまでのキャリア、蓄積があるという自負があると思います。
中島「経験があっても、強くない人もいるんですよ。経験をどうやって日々の練習に活かすか。それで強くなっていくのであって、経験があるから自分が強いとか思ってないです。
 また、経験があるから強いとか思うと過信につながるので。そういうところは全部捨てて、初心に返って練習しています」

――八隅(孝平)さん、青木(真也)さんといった人たちが後ろにいることによる意識の変化はありますか?
中島「僕のわからないことは全部答えてくれて、今回も八隅さんと青木さんがセコンドについてくれるんですけど、2人に相談して対策をちゃんとしていますし、普段の練習も見てもらっていてどんどんレベルアップしているので、良い自信につながっています」

――田嶋選手、前戦(2022年12月、TSUNE戦/TKO 勝ち)は逆転勝利でしたが、それは自信になっていますか?
田嶋「あの試合では、すごく劣勢だったんですけど、最後、気持ちを出してああいう形になれたっていうのは、何かひとつ自分の中で殻が破れたというか、そういう、成長できる試合でした」

――試合の中で成長していると感じていますか。
田嶋「そうですね、毎試合ありますね」

――師匠(太田純一・OOTA DOJO代表)のセコンドは、試合中に大きな声が飛ぶのでわかりやすいと思うのですが、選手としてはいかがですか。
田嶋「もう全部、声が入ってくるので。何をしていても聞こえてくるので、あ、次あれやらなきゃ、これをやらなきゃって感じです」


▼ストロー級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ 5分5R
KAREN(パラエストラ柏/第4代QOP)
VS
ソルト(マルスジム/1位)

――まず、両選手に意気込みをおうかがいします。
ソルト「マルスジムから来ましたソルトです。一度勝った相手なので、4月30日はまた私が勝ってベルトを持って帰りたいと思っています」

KAREN「このたびPRAVJRAからパラエストラ柏に移籍しましたKARENです。去年タイトルマッチに挑戦させていただいてからベルトを獲って1年が経ちました。このままベルトを持ったまま世界に行きます。まず、この初防衛戦、しっかり勝って、またイチから勝ちを積み上げていきたいと思います」

――前回、対戦した時のお互いの印象をお願いします。
ソルト「うーん……(長考)KAREN選手は、思った以上に力が強くて、組んだ時とか強くて、ヒジが鋭い選手なので怖いなと思いました」

――今回はどんな展開にしたいですか。
ソルト「前回も3Rって初めてだったんですけど、今回5分5Rはもちろん初めてなので、5Rしっかりスタミナをもたせる練習はして来ているので、あとは自分の集中力を切らないように、そして自分の得意なところを見せられる試合にしたいなと思っています」

KAREN「(前回の試合は)ストロー級で言ったらソルト選手は長身で、リーチも長い選手で、実際に闘ってみてもリーチを活かした打撃系の選手の印象です」

――前回は負けてしまいましたが、今回はどんな闘いにしたいですか。
KAREN「前回の試合の反省や、見つかった課題など、練習環境も変わって、心機一転で、日々練習でいろいろ学んで研究してっていうので得たことをしっかり出したいです。自分は5分5Rをフルで闘ったことはないんですけど、フルでも(しっかり闘いたい)。今まで練習して来たことをしっかり出せば勝てると思っているので、しっかり勝ちたいと思います」

――パラエストラ柏に移籍して初めての試合なんですが、練習環境など変わっていかがですか。
KAREN「自分はまだ知らないことがいっぱいあったな、というのをいろいろ経験できて、日々、充実した練習ができています」

――ソルト選手、修斗から来て2戦目でタイトルマッチです。いかがでしょうか。また、パンクラスという団体に対する印象はいかがでしょうか。
ソルト「アマチュアのキックボクシングをやってからの総合格闘技だったんですけど、どちらもまだ、試合数が少なかったのに、KAREN選手にこの試合を受けてもらって、ありがたいなと思っています。
 パンクラスは、ずっと藤野(恵実)選手の印象がすごくあって。今、ランキングだけで言ったら自分の方が上になっているわけなんですけど……(考え込む)。パンクラスは、すごいレジェンドの選手がいる団体というイメージがあります」

――KAREN選手、移籍しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
KAREN「きっかけと言うか、さらに高みを目指して強くなりたいって思ったので」

――練習相手も増えたと思いますが、どんな人たちと練習していますか。
KAREN「今までは、女子の練習相手はNØRIしかいなかったんですけど、移籍してからは、浅倉カンナ選手だったりとか、今回パンクラスデビュー戦の重田ホノカ選手とかと。浅倉選手とか、そういうベテランのすごい選手と練習できていることがありがたいなと思っています」

――ソルト選手は、練習環境はいかがでしょうか。
ソルト「北海道はあまりジムがないので、その中でもマルスジムにキックの選手だったり柔術の選手だったりっていう、総合をやってない方が出稽古に来てくれています。あと、ケージを設置してもらえて、マルスジムの中でですが、すごく良い環境で練習できています」

――さきほど藤野選手の名前が出ましたが、藤野選手もこの大会に出場します。藤野選手は「タイトルマッチより、自分たちの方が強くてレベルの高い試合を見せる、それが自分のやることだ」と話していました。その言葉を受けて、お2人はどう思いますか。
ソルト「藤野選手の試合は、すごく楽しみだなっていうのもあって。自分の試合は、まだ試合数が少ないので。ただ、今まで1試合ごとに大きく成長できていると思うので、前回の試合で学んだことを出して、過去の試合の中で一番強い自分を出すだけだなって思っています」

KAREN「藤野選手の試合と自分たちは、また違う闘いだと思うので。その2人よりもはるかに盛り上がる試合をします」

――北海道から修斗、DEEP、パンクラスといった日本の団体で王座に挑戦する、チャンピオンになりたいっていう意気込みのほどをお願いします。
ソルト「北海道で頑張っている選手はいるんですが、年齢的に若いと東京に行ったりとかする中で、自分のジムだったら中村(未来)選手が最初に総合格闘技のライセンスを初めて取って、次に私がチャンピオンシップに挑戦できる機会をもらって。これで自分が勝てばさらに盛り上がると思いますし、北海道でもっと人も増えると思うし、私はすごく遅くから始めたんですけど、遅くからでも、女性でも、ここまで来られるよっていう証明ができるのかなと思います」

――KAREN選手、今まで負けがなかった中で前回初めて敗戦して、でも自分がクイーンであるというあたり、葛藤があったのではないかと思います。それを、ご自分の中でどのように消化してきたのでしょうか。
KAREN「消化したかは分からないですけど、今まで勝ち続けてきて、はじめて負けを経験して。でも、自分に足りなかった部分に気づくきっかけになりましたし、成長できるきっかけになった試合だったと思っています」

――今クイーンで、ある意味頂点に立っているわけですけど、自分に伸び
しろはまだまだあるとお考えですか。
KAREN「そうですね。まだまだですね。知らない技だったり技術だったりもそうですし、いろんなことでまだまだ知らない部分があるので、経験して吸収して、クイーンとしてさらに強いクイーンになります」

――ソルト選手、タイトルに挑戦する選手に失礼なのですが、まだあまり情報がない状態なので、これまでのスポーツ歴や経歴などを教えてください。
ソルト「スポーツは格闘技は一切やっていなくて、学生の頃はバスケットボール部で、すごく強かったわけでもなく、普通に部活を楽しんでやっていたと言う感じでした。
 社会人になって、格闘技の大会を主催している方が『格闘技、見においで』と誘ってくださって、見に行ったのが初めてです。その時、韓国人選手と日本人選手のMMAだったんですけど、それを見て、私も試合をしてみたいと思って、そのままマルスジムに入った感じです」

――試合がきっかけで入られたんですね。
ソルト「はい。そうだったんですけど、総合を始めてみたものの、向いてないなと思って、すぐにキックボクシングに移りました」

――そのあと、またMMAをやってみようと思ったのはなぜだったのでしょうか。
ソルト「キックボクシングはアマチュアだったんですけど、自分と体重が合う相手がなかなかいなくて、試合もなかなかできなくて。で、東京でアマチュアのトーナメントの試合をしたんですけど、北海道から何回も来るというのが難しくて、体調もちょっと崩してしまったんです。それで、いったんは諦めようとしたんですけど、諦めきれなくて。そして、どうせ再挑戦するなら最初にやった総合格闘技で、と思って挑戦しました」

――プロ5戦目でこういう機会が訪れたということに関してはいかがですか。
ソルト「すごく早いっていうか、正直、ラッキー、じゃないですけど、もし自分が勝ったら、これからすごいプレッシャーがかかりますし、負けられないと思うので、もしチャンピオンになったら、これからすごく辛いんだろうなという覚悟はしています」

――ちなみに、ソルトというリングネームは、どこからつけたのでしょうか。
ソルト「アンジェリーナ・ジョリーの『ソルト』っていう映画が好きで、そこからつけました。映画は見てないんですけど、あのアンジーの雰囲気が好きで」

――え、映画は見てないんですか(笑)
ソルト「ちゃんと全部は見てないんですけど(笑)、少しだけ見て、あの雰囲気がいいなと思いました」


▼フライ級クイーン・オブ・パンクラス チャンピオンシップ 5分5R
端 貴代(和術慧舟會AKZA/第2代チャンピオン)
VS
NØRI(PRAVAJRA/1位)

――まず最初に、両選手とも意気込みをお願いします。
NØRI「皆さま、4試合の調印式ということで、長らくお付き合いいただきましてありがとうございます。PRAVAJRA所属のNØRIです。まず今回、女子フライ級タイトルマッチで端選手が正規のチャンピオンになっての(※シッジ・ホッシャが怪我のためタイトル返上)タイトルマッチです。今回は挑戦を受けてくださり、ありがとうございます(端に向かい会釈)。今回は本当に勝つために来ました。前回と同じ内容にはさせないので、試合内容も含めてぜひ期待してください」

端「和術慧舟會AKZAの端貴代です。今日は長い時間ありがとうございます。まず、日本にこのベルトが戻ってきたことをとても嬉しく思っております。そして今回、メインカードのチャンピオンシップの1つとして挑ませていただけることを大変嬉しく思っております。ありがとうございます。
 今回の試合に関しては、前回闘った同じ相手ということであって、5Rを闘ったと追うことも含め、今回は早めに仕留めて、このベルトをしっかりと自分のもとに戻したいと思います」

――前回の試合(2021年10月)をした時の、お互いの印象をお聞かせください。
NØRI「前回、初めての5分5Rを端選手と闘って、端選手の強さ、粘り強さ、経験値と、たくさんの壁を感じた試合でした。ただ、一度対戦しているからこそ、お互いの手の内はバレていると思っているので、それ以上に自分のパフォーマンスをしっかりと出し切りたいと思います」

――今回はどんな試合展開にしたいですか。
NØRI「とにかくパンクラスファンの方や、前の試合を知っている方は、同じ展開になるだろうと思っている方も多分少なからずいると思うので、あれからの自分の成長を全て出し切って、たとえ5R行っても全ラウンド取る。でも、この試合は5Rまで行かずに早期決着でフィニッシュしたいと思います」

――端選手、前回の試合がいかがでしたか。
端「そうですね、蹴りの間合い、蹴りを主体としたスタイルが得意な選手だと思っています。前回もすごくステップワークに戸惑うこともあったので、今回はそういったことのないような、自分らしい試合をしたいと思っております」

――端選手は久しぶりの試合になりますが、休んでいる間、練習などはどのようにされていたのでしょうか。
端「暫定王者になってから、やはり正規王者のベルトに挑戦したいと思ってお話をさせていただいていました。結局、実現することはなかったんですけど、それに向けて日々練習には取り組んでいたので、特に試合がなかったから練習をしないとかそういったことではなく、常に試合をするために練習をしています」

――NØRI選手は同じ大会で妹のKAREN選手の試合もありますが、姉妹王者にとか、そういった意識はありますか。
NØRI「そうですね、KARENがタイトルマッチで王座を奪還しているところを見ているので。で、今回同じ日にタイトルマッチ。私の相手もKARENの相手も一度負けている選手ということで、お互いに課題のある試合にはなるとは思うんですけど。チームは別になりましたけど、姉妹でベルトを獲りたいっていうところは変わらないですし、同日に獲れるっていう滅多に来ないチャンスをセッティングしていただけたので、必ず姉妹でチャンピオンになりたいと思います」

――前戦を踏まえて、今回に向けて取り組んできたことがあれば教えてください。
端「特に打撃の面で、今までのやり方とは少し違う方向のトレーニングをしてきました」

――それは、(NØRIの)あまりないファイトスタイルに向けてのトレーニングですか。
端「はい、そうですね」

NØRI「前試合で端選手のオールラウンダーぶりをすごく痛感しているので、自分らしさをしっかりと出すためのパフォーマンスを、ケージの上でしっかりと出し切れる練習をしてきています。相手が端選手だからということではなくて、打撃の面、寝技、組み技、全てにおいてリードしないと端選手には勝てないと思っているので、オールラウンドに練習してきました」

――その間、DEEP JEWELSに参戦したり(2022年11月、ミッコ・ニルバーナに判定勝ち)してきたわけですけど、試合をしながら少しずつ変えてきたということでしょうか。
NØRI「そうですね。試合をしながら、足りないところを確認したり。試合間隔をあまり空けないで試合を重ねられたのは、ケージに落ち着いて上がれるかなというのはあるんですけれども、やはり選手それぞれ違う特徴があるので、違った相手に対していかに自分が出し切れるかっていうところでの、パフォーマンスについては、経験がしっかり積めて修正もして来られたかなと思います」

――KAREN選手が移籍したことで、練習相手が1人減った形になります。その中で、どのように練習をして来られたのでしょうか。
NØRI「今は兄のDARANIと練習をしているんですけれども、KARENは1つ下の階級で、端選手も大きい方なので、DARANIとのトレーニングで、組み技などより集中して取り組めました。KARENが抜けたからといって練習メニューが大きく変わったりとかというのはありません。自分の試合に集中して挑めるので、今回楽しみです」

――KAREN選手がパラエストラ柏に移られましたが、最初は皆さんで出稽古に行って、NØRI選手たちは移籍するんじゃなくてそこで学んだこと、気づいたことを持ち帰って自分たちで練習していると聞いたんですけど、その経験を経て、練習内容に変化があったりとか、加わったことがあれば教えてください。
NØRI「もともと、自分のファイトスタイルが他とは違っていますし、そこを特徴として、そこを活かしての試合に取り組んでいました。
 出稽古をして、いろいろスクランブルとかやったりして、いろんな体格の選手と組めたことによって得た収穫とかがあったので、それをいかに自分のスタイルに落とし込んでいくか。前回負けてから、絶対にもう一度挑戦するという気持ちはずっとあったので、常にそこに合わせてどう吸収できるかっていうところに練習の中心を置いていました。
 なので、出稽古に行ってそこで得たものがあったり、ここにプラスで自分のやり方でミックスしたらいいかなとか、そういったところで収穫はありました」

――端選手、試合前、どれぐらいまでご家業(墨田区・トンカツが名物の飲食店「三好弥」)のお手伝いをされているんですか。
端「いつも土日の仕事を一緒にやってるんですけれども、今回の「試合は30日日曜日なので、この週だけは一緒にできないかな、という感じですかね」

――冗談ではなく本当に訊きたかったのですが、揚げ物が名物のお店なので、空気中にも脂分があって、減量が辛いとか、あと減量中なのに周りに揚げ物がたくさんあって、気持ち的にブレるということはないですか。
端「あまりそこまで意識したことはないですかね(笑)。一応、売り物なので」

――ゲンを担いで、試合前にカツを食べるということはありますか。
端「それも、したことはないですね(笑)」

――前王者であるシッジ・ホッシャ選手との試合が叶わなかったということで、気持ち的にはどのようなものがあったのでしょうか。
端「シッジ選手との試合をお願いしたのは1回だけじゃなくて3回くらい心を折られたというか、『なぜ、やらないんだ』という気持ちがあったんですけど、でも絶対に挑戦はしたかったので、そこの部分では心を折ることなく、妥協することなく、試合を進めていただけるように願っていました」

――今回こういう形になって、改めていかがでしょうか。
端「正直、試合をして得たベルトではないので、私自身はやはり勝ってベルトを獲りたいと思っていて。今回の試合は、そういった挑戦でもあるなと思っています」

――端選手は女子格闘技の黎明期からずっと現役を続けていらっしゃる選手としてレジェンド的な伝え方をどうしてもしてしまうのですが、ご自身としては、長くやってきたことに対するプライドなどはいかがでしょうか。
端「1つ1つが大切な試合だと思って取り組んで何十年もやってきているので、それに対しての自分自身の気持ちというのは、すごく格闘技愛というのか、そういったプライドというのはあります」

――今、試合に向けて一番モチベーションを上げてくれるものは何ですか。
端「一番上げていただけるのは、皆さまの応援です。やはり自分1人だと辛いことがあったりしたときに落ち込んでしまったりするけれど、そういうときに仲間がいてくれたり、支えてくれる人がいたりすることが、頑張らなきゃっていうモチベーションになると思います」

――先ほどご家業の話が出ましたが、そういう場でも応援してくれる人に身近に接したりすることができますか。
端「はい、そうですね。すごく一緒に仕事ができることが嬉しいと思いますし、母も私のことを応援してくれているので、すごくありがたいと思っています」

――NØRI選手、前回の結果を経て、今回の試合は新しいものを見せたいという試合なのか、それとも積み上げたものを出したいのか、どちらが大きいですか。
NØRI「今まで積み上げてきたものを出し切ることですね。もう何回も言ってるかもしれないんですけど、本当に前回は、自分的には本当に何もさせてもらえなかったなっていうのを痛感しているので、新しいことをやろうというのではなくて、今までやってきたことを出し切りたい。そのために練習も取り組んでていますし、出し切ってこそ勝てると思っています。本当に今回は勝つためにケージに上がるので」

――KAREN選手は別のチームに移籍されましたけど、先ほどから見ていると、姉妹の絆は強いんだなと思いました。そして、兄のDARANI選手と一緒に練習をされている、そういったところで兄妹として見せたいというものがあったら教えてください。
NØRI「すごく正直に言うと、特にないんですけど(笑)、KARENはKARENで自分で選択をして自分の挑戦を決めているので、そこに関しては家族として応援しています。チームが離れたからといって、練習する場所が変わったからといって、兄妹が変わるわけではないので。
 私もKARENに刺激をもらっていますし、今回同じ大会に2人で出るのも久しぶりなので、しっかり楽しんで、噛み締めて挑みたいと思います」

 4大タイトルマッチが行われる『PANCRASE 333』は、4月30日、立川ステージガーデンにて14時30分ゴング予定。

(写真・文/佐佐木 澪)

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