「一切世に知られない物語があるのも知ってほしい」NOSAWA論外を引退試合で介錯した石森太二が涙のメッセージ!

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 21日、東京都・東京ドームにて、プロレスリングNOAH『chocoZAP presents KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST” LOVE ~HOLD OUT~』が開催され、NOSAWA論外が27年あまりの現役生活に幕を下ろした。

 NOSAWA論外は、KIKUZAWA、MAZADA、FUJITA、TAKEMURAらによるユニット・東京愚連隊で活躍。2000年の結成以降、アメリカ・メキシコ・日本など国内外の数多の団体に参戦してきた。選手としてだけではなく名プロデューサーとしても知られる論外だが、2023年2月21日のNOAH東京ドーム大会での引退を表明。他では見られないレアかつ豪華なカードが並び、絶対にハズレがない大会としてプロレスファンから長年支持を集めてきた東京愚連隊興行も昨年12月20日にフィナーレを迎えた。

 粛々と“終活”を進めてきた論外だったが、今年1月には全日本プロレスに乗り込み「最後、全日本プロレスで思い出じゃなく記念を残したい」とアジアタッグ王座に挑戦表明。その後はケンドー・カシンとともに悲願の王座戴冠を果たし、今月5日には大仁田厚&ヨシタツと全日本プロレス史上初の電流爆破デスマッチを行って王座を明け渡すなど、最後までプロレス界を引っ掻き回し続けた。

 論外の引退試合は、NOSAWA論外&MAZADAvs外道&石森太二のタッグマッチ。
 2018年から新日本プロレスに活躍の場を移した石森のNOAHへの帰還、東京愚連隊とBULLET CLUBの対抗戦という超豪華カードが実現した。

 論外は、引退試合に向けて石森との20年来の関係を語りつつ、「16年くらい前、それこそ東京ドームで邪道さん、外道さんと、NOSAWA、MAZADAで闘って。その負けが多分人生の中で一番悔しいかもしれない。最後はやっぱ『ずーっと意識してきた外道さんの足元すくってみてえなあ、1回だけ』って気持ちですね」と外道への思いを吐露していた。

 論外&MAZADAがおなじみの愚連隊連携攻撃で石森に先制攻撃を見舞い、注目の論外vs外道の対面へ。いきなり外道が外道クラッチ、論外が超高校級ラ・マヒストラルを狙い合うスリリングな展開となるも、石森が1vs2での大立ち回りを見せて形勢を逆転し、論外にYes Lock。
 グロッキー状態となる論外だったが、救援に向かってくるMAZADAを自ら制し、座り込んだ状態で両手を広げたり首を掻っ切るポーズを取ったりと、介錯を求めるかのような仕草で攻撃を誘発。石森がブラディークロスを叩き込むと3カウント。わずか4分43秒での決着に場内からは「えっ……?!」と戸惑いの声が上がった。

 4人はToo Sweetのハンドサインを合わせて健闘を称え合い、論外はファンの歓声に手を挙げて応えながら盟友・MAZADAとともに退場していった。

 リング上では感極まった様子を見せているように見えた論外だが、「なんだろう?『ああ、終わったな』って感じですね。でも、俺本当に辞めるんですかね?いや、辞めますよ。見ての通り動けないんで、もう。でも、いろんな人のおかげで最後来れたんで。本当によかったです。特になさそうですね。メイン武藤さんだから、当然記事にもならないと思うんで。大丈夫ですよ。でも、本当にありがとうございました。帰ります」とあっさりした様子で会場をあとに。


 一方、介錯人を務めたた石森は、ときに涙で言葉をつまらせながら「何とも言えない気持ちだよ。20年前に出会ったときはまさか今、俺がNOSAWA論外を介錯するとは思わなかったけど。俺たちの関係はほとんど知らないヤツらが多数だと思うけど、ホント語り尽くせない部分、たくさんの思い出がある。それを言葉にすればするほど安っぽく見える。プロレスには地獄の世界を生き抜いてきた俺たちみたいに一切世に知られない、こういう物語があるっていうのも知ってほしい。そして、この時代にNOSAWA論外っていうプロレスラーがいたこと、忘れないでほしい。ダメだ。うまくしゃべれねえや。今日ここまでだ」と語って去っていった。

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