【試合詳細】9・24 TTT新木場大会 【インディー統一無差別級】TORUvs政宗 【インディー統一6人タッグ】藤原秀旺&ガーリン・シュー・ペローズB(後藤恵介)&ガーリン・シュー・ペローズC(竹田光珠)vs塚本拓海&木村太輔&ジョニー・ヘイワードJr ガッツ石島&バナナ千賀vs黒田哲広&怨霊

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『INNOVATION7』
日程:2022年9月24日(土)
開始:19:00
会場:東京都・新木場1stRING
観衆:168名(満員)

▼「新木場闘会始」 30分1本勝負
○ツトム・オースギ(フリー)
9分3秒 ツキノイシ→片エビ固め
●政岡純(フリー)

▼「SURVIVAL TAG WAR」 30分1本勝負
○マスクドミステリー/阿部史典(BASARA)
9分28秒 レインメーカー式チョークスラム→体固め
●瀧澤晃頼/木下亨平(ダブ)

▼「スペシャルタッグマッチ」 30分1本勝負
ガッツ石島/●バナナ千賀(フリー)
9分56秒 サムソンクラッチ
○黒田哲広(フリー)/怨霊(666)

▼「TTT認定インディー統一6人タッグ選手権試合」 60分1本勝負
【王者組】○藤原秀旺(アライヴアンドメジャーズ)/ガーリン・シュー・ペローズB(後藤恵介)(フリー)/ガーリン・シュー・ペローズC(竹田光珠)(666)
14分36秒 ロマンチックを突き抜けろ!→エビ固め
【挑戦者組/渡鳥連合】塚本拓海(BASARA)/木村太輔(アライヴアンドメジャーズ)/●ジョニー・ヘイワードJr
※初代王者組が2度目の防衛に成功。

▼「TTT認定インディー統一無差別級選手権試合」 60分1本勝負
【王者】○TORU
24分45秒 フランケンシュタイナー→エビ固め
【挑戦者】●政宗(フリー)
※第3代王者が2度目の防衛に成功。

TORUが政宗との9年ぶり2度目のシングルマッチを制してインディー統一無差別級王座防衛!秀旺&ガーリンズが渡鳥連合と王座戦を経て世界統一を目指し和解?

第1試合


 今大会のオープニングマッチは、インディー界を代表するスピードスター対決。
 オースギは千賀との“Speed of Sounds”、政岡は木下との“REAL HIPSTAR”と主にタッグでTTTに出場することが多い中、同団体での両者のシングルマッチは貴重と言える。

 ゴングが鳴ると組み合ってリストの取り合い、腰投げからヘッドシザースの攻防を展開しクリーンブレイク。互いにロープに飛び、政岡はリープフロッグ、オースギは側転で互いの攻撃をかわしながら走りオースギがティヘラで先制。政岡は追撃を許さず首固めの形で転がし、マットに手をついたオースギの指へのフットスタンプ。さらに場外へ連れ出しリング鉄柱や入場時に持ち込んでいた『清掃中』の置き看板を使って攻撃。
 
 政岡はロープに飛びながら往復ランニングフットスタンプを見舞っていき、エルボー合戦を仕掛ける。オースギが連打で優勢を掴みかけると政岡は顔面かきむしりからロープへ振ろうとする。これをリバースした政岡が回転エビ固め。政岡はオースギの腕をキャッチして首へ巻きつける形のスリーパーで捕らえそのままカバージョへ。

 オースギがブレイクすると再びエルボー合戦に。オースギが優勢となると政岡は再び顔面をかきむしってからロープに振るが、オースギはフライングフォアアームで反撃。復路でもう一発フライングフォアアームでふっ飛ばし、ヒップトスからネックスプリングで跳ね起きて見せるという身体能力を見せつける。
 さらにスワンダイブ攻撃を狙うが政岡がこれをかわしてビッグブートを叩き込み、ロープへのスタナー。トップロープを超えて振り子式のセントーンを見舞う。続けて雪崩式ブレーンバスターを狙うが、オースギが振り払ってダイビング・バックエルボー。

 オースギはツキノイシを狙うが、政岡が暴れて着地しレフェリーをオースギに投げつける。オースギが思わずキャッチすると、政岡はレフェリーを突き飛ばし、その視界外でオースギへ急所蹴りからトラースキック連打。さらにAmbitionsの体勢に入るが、オースギがスクールボーイ。キックアウトした政岡がトラースキックを放つとオースギがかわして首固め。政岡が回転エビ固めで切り返すとオースギが自ら後転して起き上がりランニングニー。すかさず飛びついてツキノイシで突き刺し3カウントを奪った。

第2試合


 ミステリー&阿部のトンパチタッグに対するは、最近REAL HIPSTARと組むことが多い瀧澤と木下のタッグ。

 ミステリーと木下の対面でゴングが鳴ると、リストロックの応酬から木下がレッグロックに捕らえながらブリッジするというクラシカルな足攻め。ミステリーがスリーパーからの腰投げで切り返してクリーンブレイクし両者タッチ。

 阿部と瀧澤の対面となると瀧澤がティヘラで先制して場外に放り捨てるが、阿部がアイル・ビー・バックで帰還。瀧澤はガットショットで迎撃し再びティヘラからじっくりとしたネックロック。阿部もネックロックで切り返しつつ自軍コーナーに持ち帰りミステリーにタッチ。
 ミステリーは首投げからニードロップ、ネックロックからカバージョで固め阿部にタッチ。
 阿部はビンタを見舞ってヒップトスで叩きつけミステリーにタッチ。
 ミステリーは首へのエルボースタンプ連打も、瀧澤はエルボーバッドの連打で突っ張り、ロープに飛んでフライング・クロスボディ。木下にタッチ。
 木下はエルボー連打も、ミステリーはリーチの長さを生かして喉輪で止め、そのままチョークスラムを狙う。木下は背面着地してロープに飛びランニングエルボー。さらにミステリーの巨体をブレーンバスターで投げようとするが、こらえたミステリーが豪快にブレーンバスター。阿部にタッチ。

 阿部は木下をロープに振ってヒザを低空ドロップキックで打抜き、回転浄土宗を発射も木下が回避して串刺しゼロ戦キック。もう一発串刺し攻撃を狙うが阿部がドロップキックで迎撃し、再び回転浄土宗を狙うが木下がビッグブートで止め、滞空時間の長いふわりとした美しいフォームで組み付く回転エビ固め。阿部がエビ固めで切り返しつつジャックナイフを狙うが、木下が上下をひっくり返してエビ固め。阿部がキックアウトすると木下がロープに飛ぶが、阿部がフランケンシュタイナーで迎え撃ち、3回目の回転浄土宗に挑戦も、木下が徒歩で回避し、コーナーに誤爆した阿部の顔面に瀧澤がエプロンを駆けてジャンピング・ハイキック。タッチを受けた瀧澤がショットガンドロップキックで吹き飛ばすと自軍コーナーまで戻った木下がミステリーにタッチ。

 再びミステリーと瀧澤の対面となると、瀧澤がチンクラッシャーからドロップキック、串刺しビッグブートと畳み掛けロープに飛ぶが、ミステリーがカウンターのクロスチョップ。

 ミステリーは串刺しバックエルボーからダブルアーム・スープレックス、ダイビング・ラリアットと畳み掛けるが木下がカット。阿部が4度目の回転浄土宗を狙うが、木下が延髄斬りで撃退。しかし阿部はアイル・ビー・バックで帰還して伊良部パンチをクリーンヒット。

 ミステリーがチョークスラムを狙うと瀧澤はウラカン・ラナで切り返し、ブルーサンダーからチルト3の体勢も、ミステリーが手首を取りレインメーカー式チョークスラムで叩きつけて3カウントを奪った。

第3試合


 ガッツ&千賀の同期タッグに対するは、インディープロレス界を黎明期から今に至るまで最前線で戦い抜いてきた黒田&怨霊の合計年齢100歳を超えるベテランタッグ。
 ガッツは「おばけ怖い!」と怨霊との握手を拒否し、試合開始直後にロックアップで組み合った際には噴射されたエクトプラズムでむせる。怨霊がリストロックに捕らえるとガッツはグラウンドに持ち込もうとするが、ウエイト差を気にしたか怨霊が距離を取りクリーンブレイク。ガッツが千賀にタッチ。
 千賀と怨霊はスピーディかつ無駄のない美しいグラウンドレスリングを展開し首の取り合い。怨霊がフロントネックロックに捕らえた瞬間に千賀が余裕を残してロープに足をかけブレイク。怨霊が黒田にタッチ。
 黒田は手4つからの力比べで圧倒するも、千賀は自ら倒れて黒田の足関節を獲り、ヘッドロックに切り替えつつ自軍コーナーに持ち帰りガッツにタッチ。
 
 ガッツは怨霊をヘッドロックで捕らえ、ガッツと千賀がリング中央に向かって突っ込み、4人同時に倒れるエストレージャな光景が展開。その際、怨霊の肉体のどこからかエクトプラズムの塊が飛び出して宙を舞う。ガッツは黒田をロープに振ってバックエルボー。

 千賀は黒田をコーナーに連行し、掟破りの千ちゃんカッターを狙うが、これに怒った黒田が本家・哲っちゃんカッターで迎撃。さらにリング鉄柱を使った哲っちゃん足殺し。怨霊が足を痛めた千賀に追撃を狙うが、千賀がドロップキックでふっ飛ばしガッツにタッチ。

 ガッツは黒田、怨霊をそれぞれショルダータックルでなぎ倒し、2人まとめてダブルラリアット。ガッツは怨霊へパワースラム、串刺しラリアットからブルドッギング・ヘッドロック。ガッチリと体固めも、怨霊がマッドハンドでカウントを叩くレフェリーの腕を止めてしまう。

 ガッツはゴーストバスターでの怨霊退散を狙うが、怨霊が着地してロープに飛びくるくるエルボー。黒田にタッチ。

 黒田はガッツにラリアットからWARスペシャル。さらにもう一発ラリアットを狙うが、ガッツがカウンターのラリアットで叩き伏せ、千賀にタッチ。

 千賀は黒田にトラースキック、ガッツがニールキック。黒田のピンチを見て怨霊がエクトプラズムを噴射するが、これが黒田の顔面に誤爆。


 千賀は黒田にスクールボーイ、前転式延髄斬り、カンクーン・トルネードと発射も、黒田がこれを回避して自爆させる。千賀も即座に追撃に移ろうとするが、黒田が組み付いてサムソンクラッチで3カウントを奪った。

第4試合


 秀旺とガーリン・シュー・ペローズ軍団の関係の起こりは、2021年9月に遡る。
 秀旺はガーリン・シュー・ペローズAを名乗り、ガーリン・シュー・ペローズBを引き連れて登場。秀旺は試合中に、Bは試合後のバックステージでマスクを取って後藤恵介としての正体を明かすなど、一発ネタで終わるものと思われていた。
 しかし、後藤はガーリンBとしての出場を続け、さらには竹田光珠もガーリン・シュー・ペローズCとして登場するなどガーリン軍団は増殖。その勢いのままに2022年6月にはこの3人でTTT認定インディー統一6人タッグ王座を戴冠するに至った。

 しかし、秀旺はガーリン軍団と組んでの試合に熱中するあまり、渡鳥連合の面々とはあまり絡まなくなっていったことから渡鳥連合の中で不満が蓄積。
 渡鳥連合とガーリン軍団の軋轢は小競り合い程度で済んでいたが、前回大会で秀旺&塚本拓海がタッグ王座に挑戦した際にガーリン軍団が秀旺を救出すべく介入したことが敗北につながったことを受け塚本の堪忍袋の緒が切れた。
 これにより、渡鳥連合は秀旺派と塚本派に分かれ内紛に突入。塚本は「秀旺の目を覚まさせてやる」と6人タッグ王座奪取を宣言していた。

 かつての秀旺を思い出させるためか、木村は入場時に雀卓をリングに持ち込み渡鳥連合でカード賭博を開始。秀旺らが入場するとそのまま襲撃し場外戦へ。リングには雀卓のみが鎮座し選手たちは外で闘っているという不思議な光景が広がる。

 リングに秀旺と木村が戻ると、荒れた空気から一転してUWFを思わせるヒリついた格闘プロレスが展開され、木村が足を借り倒してグラウンドに持ち込むと秀旺が見事な回転体を見せて圧倒。マウントを取って上から掌底を落とすと木村がキャッチして三角絞を狙う。秀旺は上から潰してヘッドロックに捕らえコーナーに押し付けて逆水平チョップ、投げっぱなしノーザンライト・スープレックス・ホールドからガービーにタッチ。

 ガービーは木村にボディプレスを見舞うが、その後の過剰なアピールの隙を突いた木村がボディに一撃入れヘイワードにタッチ。

 ヘイワードは固いホッケーマスクをぶつけるヘッドバッドから首を絞めながらの押さえ込み。販促カウント4で手放すとガービーが逃げ帰ってガーシーにタッチ。

 ガーシーはプッシュアップや虚空へ放つソバットなどでヘイワードを威嚇。ヘイワードがじりじりと距離を詰めていくと、塚本からエプロンから手を伸ばしガーシーの首根っこをつかんで引き寄せ自軍コーナーで集団暴行。

 木村とガーシーの対面となると、木村が見事な一本背負いから腕十字。これはガービーがカット。木村はヒップトスからエルボードロップを連打し塚本にタッチ。
 塚本はガーシーにビッグブート連打からチンロック。さらにブレーンバスターを狙うが、ガーシーがチンクラッシャーで切り返して秀旺にタッチ。

 秀旺は相手コーナーの木村&ヘイワードに打撃を見舞って場外に落とし、ついでにガービー&ガーシーにも打撃を見舞って場外に落としてから塚本に人差し指を突きつけ一騎打ちをアピール。
 秀旺と塚本は県政の打撃を放ちながらじりじりと距離を詰めていくが、組み合った塚本が刹那の大内刈りで叩きつけ、腕のクラッチを解かずそのまま腕十字、秀旺の動きに合わせて三角絞を狙うが秀旺は上から潰して頭を抜き体固め。塚本がキックアウトすると、秀旺の顔面に強烈なビンタ。秀旺もビンタで返して撃ち合いになるが、塚本の怒りの張り手の威力は凄まじく連打を浴びた秀旺がダウン。塚本はコーナーに詰めてチョップを連打し、力任せの腰投げ。再びコーナーに詰めて張り手を連打しブレーンバスター・ホイップ。グロッキー状態の秀旺を見下ろしつつ、ヘイワードにタッチ。

 塚本がボディスラムでセットし、木村がダイビング・ボディプレス、ヘイワードがラリアットと連撃。ヘイワードに塚本&木村が加勢し祈祷式合体パワーボムを狙うが、ガービー&ガーシーがカットし、秀旺がヘイワードをショルダースルー。

 ガービー&ガーシーのトレイン攻撃からガーシーのトラースキック、ガービーのダイビング・セントーンが立て続けに決まり、秀旺がバックドロップ。これを塚本がカットし、秀旺と正面から幾度もラリアットでぶつかり合う。
 塚本が優位をつかむが、ロープに飛んだ秀旺は起死回生のチャンス of LOVE(※ニールキック)を叩き込んで撃退し、ヘイワードをロマンチックを突き抜けろ!(※変形バックドロップ)で叩きつけて3カウントを奪った。

木村「塚ちゃん、しょうがねえよ、もう。藤原はさあ、今までもずっとこんな感じでかき回してきたわけだからさ、もうしょうがねえんじゃねえの?今回。いがみ合ってもさ、しょうがねえし、また一緒にやってくしか無いよ多分これ。TTTはさ、インディー統一目指してるみたいだけど、渡鳥連合は世界統一だから!」
塚本「お前(秀旺)の言葉はよ、一個も刺さんなかったけどよ、木村太輔の言葉は刺さりまくるんだ。でもさ、お前と知り合って10年ちょっと。木村さん、確かにね、コイツはその10年前からずーーーっとこんな感じでしたよね」
木村「確かにねえ……」
塚本「そんな藤原秀旺ってのは、破天荒で、メチャクチャで、アホで、バカで、マヌケで、フヌケで。でもそんな藤原秀旺が大嫌いだったり、大好きだったり、なんかお前にしかない魅力ってのを俺は感じて、どんだけ破天荒でメチャクチャな秀旺が、そんな秀旺が好きだから俺らは渡鳥連合に入ったんですよね。入ったんだよ、俺は。だから、今日の試合ではちょっとまだ答えがあるかどうかも分かんなけど、まだ藤原秀旺のすべてを受けきってないと思うから」

秀旺「帰ってくんないかな?いいよ、分かったよ、そういうのは。帰ってくれ、分かったから。どーも皆さんこんばんは!藤原秀旺です!まあ、世の中色々あるけど、俺は俺の道を往きたいと思うし、TTT、もしこの箱じゃなくてもっと大きい箱に俺らがもっと力をつけて連れていきたいと思いますので、まあ、そんな感じですよ」


 秀旺が雨降って地固まるような温かい雰囲気をぶち壊しにするマイクを終えた瞬間、ガービー&ガーシーがセコンドに付いていた瀧澤を襲撃し、いつものメロン記念日グッズでの拘束から誘拐。もはや日常風景と化した瀧澤の拉致には誰一人慌てることも止めることもなく、本気で嫌がりながら連行されていく瀧澤を皆で見守った。

第5試合


 8月大会ではTORUが新型コロナ陽性判定を受け欠場。同大会では、政宗がTORUのタッグパートナーである瀧澤晃頼から勝利を収め「TTTの選手、大したことないな。そんな大したことないTTTの選手が持ってるベルトに挑戦したいと思いますけども」と余裕たっぷりの態度でインディー統一無差別級王座に挑戦表明を行っていた。

 両者はかつて道頓堀プロレスに同時に所属していたことがあるが、両者のシングルは今回が9年ぶり2度目。前回のシングルマッチはTORUがまだ駆け出しの頃で第1試合でのチャレンジマッチのような扱いであったという。
 同団体を離れてからも親交を深めてきた2人だが、不思議とシングルマッチで再戦することがないまま9年の時が経過。王者のTORUが政宗を挑戦者として迎え撃つという当時とは逆の立場での再戦が実現することに対してはインディープロレスファンから熱い注目を集めていた。

 両者しっかりを握手を交わしてから試合開始のゴング。
 ロックアップでの力比べからクリーンブレイク、手4つでじりじりと距離を詰めながらのバックの取り合い、スタンドでのリストの取り合い、グラウンドでのレッグロックの取り合いと、プロレスの“基本のキ”を濃縮したような展開が2人の歩んできた歴史を物語る。
 TORUはクルックヘッドシザース、ネックロック、後頭部への低空ドロップキック、チンロックと首へのダメージを集中させる。しかし、TORUが引き起こそうとした瞬間に政宗がチンクラッシャーからDDTと電光石火の反撃コンボを見せる。

 政宗はフェイントを交えながらのネックツイストからトップロープを超えてセントーン・アトミコ。政宗はTORUをロープに振って突っ込んでいくが、TORUはこれを回避して政宗をエプロンに落とし、政宗の足をセカンドロープにかけてグリーンキラーと見せかけマジックスクリュー。

 TORUは政宗を場外に放り出し、エプロンの角に首を叩きつける形で河津掛け。政宗は一旦リングに戻ってからすぐまた場外へエスケープするなどたっぷり間を取ってダメージを回復させつつTORUを焦らす老獪さを発揮。TORUはリング中央でどっしりと待ち受ける。

 政宗がリングに戻るとともにTORUが突っ込んでいって後頭部へのエルボースタンプを猛連打。さらにスイングネックブリーカー、クロスアーム式スイングネックブリーカーと連発しジャストフェイスロックの体勢も、政宗が指に噛みついて脱出するというガムシャラな執念を見せる。

 政宗がロープに飛ぶが、TORUは彪馬殺しで迎撃。さらに串刺し攻撃を狙うも、政宗はこれをかわし、TORUの右足をロープに引っ掛けつつ宙ぶらりんになった左足にドラゴンスクリュー。これを受けたTORUは激痛にのたうち回り悲痛な声を上げる。政宗は場外に追っていって鉄柱に叩きつけるニークラッシャー。そしてリングの下からスパナを取り出して見せつけてからリング下に放り込むという、『コイツを使うまでもない』という苛烈な挑発を見せる。

 TORUは激痛に耐えながらなんとか場外カウント19でリングに戻るが、政宗はニークラッシャーから足4の字固め。レフェリーがTORUの顔を覗き込んでチェックしているときだけ自分はロープを握って反り上げるというベテランの妙技を垣間見せつつコウモリ吊り落としの体勢も、TORUは振り払って延髄斬り。しかし着地の際にも足にダメージが入ったTORUは立ち上がるのが遅れ、政宗の低空ドロップキックをヒザに受けてしまう。それでもTORUは下から組み付き根性のバックドロップ。垂直落下式ブレーンバスターでの早期決着を狙うが、政宗はヒザへの関節蹴りで怯ませコウモリ吊り落とし。ロープに跳ぶTORUがドロップキックでカウンター。

 TORUはDガイストからロープへの串刺しシャイニング・ウィザード。再び垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、政宗は脇固めを狙うと見せかけてのラ・マヒストラル。キックアウトに足を取り、ついに骨喰を決めて序盤からの足攻めの伏線を回収にかかる。TORUが必死にロープを目指すと引き寄せてレッグロック・スープレックスと容赦なし。
 TORUの起き上がり際に政宗がランニングニーを発射もこれをかわしたTORUがロープに飛ぶ。政宗はこれを蜻蛉切で迎撃し雷切を狙うが、これをこらえたTORUがフジヤマドラゴンで切り返し首へのエルボー連打。政宗も膝関節へのガットショット、ローキックを連打。TORUは苦痛に顔を歪めながらも「来いやァ!」と雄たけびを上げる。

 TORUは逆水平チョップ、ローリングエルボーから垂直落下式ブレーンバスターの体勢へ。これを政宗が首固めで切り返しつつ足を取って骨喰から蛇櫓を狙うが、TORUが下から組み付いて首固め。

 政宗が持ち上げてバックドロップを狙った所で、TORUが持ち上げられた勢いを使ったニーリフトを顔面に叩き込み、フランケンシュタイナーでカウント3を奪った。

 ぼろぼろになりながらも勝利をつかんだTORUは、ベルトを受け取ると政宗の前に這っていって座礼。政宗はTORUの頭をなででから両手の人差し指を立てて再戦を誓い、TORUの右手を掲げて勝利を祝福してから去っていた。

 TORUがベルトを掲げて記念撮影に応じようとしたところ、今大会には出場していないはずのCHANGOがヌルリとリングに上がりTORUの背後を取る。TORUが振り向いたところへ顔面へスプレー噴射。

 髪型や髪色が同じであったことから「瀧澤くんかと思ったら違った」と漏らす解説の須山氏に対し、CHANGOは「私の名前はCHANGOです」とあてこするような口調で自己紹介。

CHANGO「偶然新木場の道を歩いていて、偶然ドタバタ音がしたから見に来たんだよ。そしたらいい試合してんじゃないの!TORUさぁ~ん!お前はホントにいつもいい試合するよね。そして政宗さんとTORUさんの試合を見て、これは、これは次!俺が行かなきゃいけないって興奮して飛び出して来ちゃったァ!TORUさん、次、TTT(ティーティーティー)のこの輝くお前がシコシコシコシコ磨いてきた権威のあるベルトに、CHANGOが次挑戦するゥ~ッって言おうと思ったけど!俺、TTT(ティーティーティー)でなぁ~んも実績ないよぉ!どーしよー。チャンピオンのTORUさぁん。僕、このまま帰ったほうがいいでしょうかぁ?僕も困ってます」

TORU「1個言っていいスか?」
CHANGO「ダメ」
TORU「英語の“A”が3つ並んでたらなんて読みます?」
CHANGO「トリプルエー」
TORU「Tが3つ並んでますけど、ウチ、TTT(ティーティーティー)じゃなくてTTT(トリプルティー)なんスよ。それが1つ。覚えといてください」
CHANGO「すみませんでした!」
TORU「ハイ。CHANGOさん!あなたもどこの団体でもどこの会場でも、よくお会いしますねえ。僕は勝手にあなたのことをハードワーカーって呼んでるんですよ。そんなインディープロレス界のハードワーカー、CHANGOさんの挑戦、まさにこのベルトに相応しい挑戦者じゃないでしょうか?でもなあ、オイ。ちょっとやり方が気に食わんぞ。あぁ?」
CHANGO「すみません、僕の悪い癖です」
TORU「アンタの脳みそがあれば、SNSで挑戦表明動画を貼り付けるとか、得意そうじゃないですか。でも!わざわざ会場に来て、行動を起こす。その感じ、嫌いじゃないですよ」
CHANGO「ぐーぜんだって!偶然通りかかった!」
TORU「そんな私服着てるんですか、偶然(笑)」
CHANGO「割といつもこんな感じだよ!」
TORU「まあいいや、じゃあ10月どうですか?タイトルマッチ!ガッツさん!(※会場出入り口で見守っていたガッツが即OKサインを出す)早いっすね(笑)じゃあ10月15日、この新木場でタイトルマッチ、やろうじゃないですか」
CHANGO「緻密に計算して挑戦しようって人もたくさんいて、俺もそっち派なんだけど、たまにはこうやって言ってみるもんだなあ!ヘヘヘ。10月15日、ここ新木場1stRING。俺とお前のタイトルマッチ、俺の挑戦を期待する人はこの中で5人くらいかもしんないけどな、お前を応援してるお客様は多分何百人といるんだろうなあ!そいつらの唖然とする顔、俺は大好物だから、その顔を見るために僕はその日までとっても頑張っておくよぉ!ハァッハッハッハァ!ありがとうございました」

(※CHANGOが去っていく)

TORU「無事に2度目の防衛に成功しました!来月はCHANGOと防衛戦、キッチリ片付けて、その先のプランも考えてることたくさんあるから楽しみにしといてください。じゃあまた来月お会いしましょう!ありがとうございました!」

<大会後コメント>

(※ガービー&ガーシーが瀧澤をカメラの前に連行してくる)
ガーリン・シュー・ペローズB&ガーリン・シュー・ペローズC&瀧澤晃頼
ガービー「キビキビ歩け!」
ガーシー「歩けオラ」
ガービー「こっち(サムライTVのカメラ)見ろ!」
瀧澤「見えねーんだよ!」
ガービー「メロン記念日ばっかり着けやがってよ。ハロープロジェクトが好きなのか?柴田あゆみが好きなのか?」
瀧澤「誰だよ!」
ガービー「レゲエが好きなんだろ?サマーれげぇ!レインボー。7人祭だな。柴田あゆみだな。つまりだ、10月2日、渡鳥連合の興行がある。B、C、(瀧澤を指して)D!」
瀧澤「やだ!やだやだ!」
ガービー「組むぞ!見とけ!D!」
瀧澤「やだ!やーだー!」
(※瀧澤を引き回しながら消えていく)

木村太輔&塚本拓海&ジョニー・ヘイワードJr.
塚本「まあ前回の新木場大会で藤原秀旺に対する不信感というか、どういうふうになにをやりたいのか分かんなくて。ある意味こっちが問いかけたというか、頭にきた部分があった。冷静じゃなかった部分もあったかもしれない。で、今日やってみてまだ物足りないと思った部分は正直あるし、まだわからない部分もあるけど、木村さんの言葉が自分の心に刺さったというか。思い返せば十何年前からあんな感じの人だったし、なんかそこに改めてブチ切れたりとか、今までもそうやってきたしね。要所要所分かりづらいところも含めた、そこが彼の持ち味かなと」
木村「今日は半分照れてた部分もあったんじゃないかな。あそこでそのまま仲直りして終わるってわけにもいかないって意地もあったのかもしれないし。この結果を受けて、とりあえず11月23日のアライヴアンドメジャーズの東金大会は木村塚本藤原3人でやるんで。これは絶対決定なんで。向こうは拒否するかもしれないけど」
塚本「大丈夫でしょ」
木村「大丈夫だよね」
塚本「彼なりの照れくささから来てるところがあるから」
木村「俺は見ててそう思ったね。世界統一に向けた第一歩としてやりましょう」

藤原秀旺
「まあ、今日はある意味で俺自身が次のステージに行くときに、その前に世界が終わりを告げています。2026年かな。近い将来。その次に俺がどこに行くのかとなったときに、塚本拓海。日本語でいうと仲直りと、それに近い言葉があるならいいのかなと思うけども、そのなかでとにかく今は紅白歌合戦であるとか、レコード大賞。そういったものも全て辞退して白旗を揚げるということもあって。そういった意味では、終わりの始まりということじゃないかと思う。その中で塚本拓海が俺に対してやってくれたことっていうのは、いいんじゃないですか。渡鳥連合にとって次に進めるんじゃないかと思います。ありがとう」

TORU
――政宗選手とは9年ぶり2度目のシングルマッチということですが、いかがでしたか
「9年前は僕が道頓堀プロレスに所属になったばっかりの若手のぺーぺーのときに、政宗さんが道頓堀プロレス所属の先輩で、確か第1試合だったと思いますよ。第1試合で、ホントにチャレンジマッチみたいな試合で10分足らずで負けた記憶がありますけども。それ以来、あってもおかしくないカードだったんですけど、なかなかシングルマッチが無かったんですよ。この東京の自分のホームリングのメインイベントでタイトルかけてってシチュエーションで政宗さんと戦えたのは感慨深いし、9年前の僕とは全く違うってことも政宗さんに改めて分かっていただけたと思います」

――9年前のチャレンジマッチのような試合から、今回王者として政宗選手を迎え撃って勝利する試合となりました
「ホントに9年前は1新人が先輩レスラーに挑むって図式でしたけど、今回は僕がチャンピオンで。先月僕はコロナで欠場しましたけど、政宗さんの方から挑戦表明してくれたってのが僕の中では大きかったですね。僕が『政宗さんとやりたい』って言うんじゃなくて、政宗さんが『TORUとベルトかけて闘いたい』って言ってくれたことが非常に嬉しいし、お世話になった先輩やし、大好きな先輩なんで。ただ、勝手な僕のアレですけど、政宗さんは最近そんなにシングルマッチの大舞台、タイトルマッチとか見たことなかったし、やっぱり本気の政宗さんを見たい、感じたいと思っていたんで。結果的にこんだけヒザを痛めつけられることになりましたけど、僕は本気の政宗さんとベルトかけて戦えて、勝てたことを非常に嬉しく思いましたね」

――試合後には思わぬ襲撃者が現れ挑戦表明をしていきました
「CHANGOさんはホントに、リング上でもいいましたけど、本当にハードワーカー。もう、ホントに仕事として、プロとして尊敬してる部分はメチャクチャあるし、ホントどこ行ってもいるし、どんな試合でも自分を出し切って、CHANGOの色に染め上げる能力ってのは、何百人といるプロレスラーの中で数少ない人間だと思ってるんで。尊敬してるんですけど、あの人はああやって小馬鹿にしたような感じでコメントとかも出しますけど、僕は尊敬の気持ちを持ってCHANGOさんをぶっ潰しますよ。嬉しいですよ、CHANGOさんが挑戦表明してくれたことが」

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