新型コロナから復活した王者が9年越しの先輩超えを果たして王座防衛!

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 24日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『INNOVATION7』が開催され、TORUが政宗を制してTTT認定インディー統一無差別級王座の2度目の防衛に成功した。

 TTT(TOTAL TRIUMPH TEAM)とは、故・ターザン後藤さんに薫陶を受け、ミスター雁之助を師に持つ黎明期インディープロレスの後継者的存在であるガッツ石島が2020年1月に“インディープロレス統一”を掲げて旗揚げした団体であり、PWC、FMW、IWA JAPANなどの流れを汲むベテラン選手たちが数多く参戦中。90年代インディープロレスの“おもちゃ箱をひっくり返したようなプロレス”の魂を令和の世に伝え続けている団体だ。

 TORUはTTTのエースとして旗揚げ時から強い期待を背負っていたものの、怪我に泣き団体内ではシングル戦線からはしばらく遠ざかっていた。
 しかし、昨年4月から始動した新生・天龍プロジェクトでのTORUは初回からのレギュラー参戦メンバーの座を掴んで注目を集め、同年11月にはシングルトーナメント『龍魂杯』で天プロのシングル&タッグ王者を全員倒して優勝を果たす快挙を達成。今年2月には至宝・インターナショナルジュニアヘビー級王座(※IJ王座)を戴冠した。
 6月には佐藤光留を相手にIJ王座を明け渡したものの、同月にはTTTの至宝・インディー統一無差別級王座を戴冠。今やTORUは天龍源一郎も大絶賛するシングルプレイヤー“龍魂三銃士”の1人に数えられ、プロレス界で強い存在感を放つ選手となっている。

 8月大会ではTORUが新型コロナ陽性判定を受け欠場。同大会では、政宗がTORUのタッグパートナーである瀧澤晃頼から勝利を収め「TTTの選手、大したことないな。そんな大したことないTTTの選手が持ってるベルトに挑戦したいと思いますけども」と余裕たっぷりの態度でインディー統一無差別級王座に挑戦表明を行っていた。
 両者はかつて道頓堀プロレスに同時に所属していたことがあるが、両者のシングルは今回が9年ぶり2度目。前回のシングルマッチはTORUがまだ駆け出しの頃で第1試合でのチャレンジマッチのような扱いであったという。
 同団体を離れてからも親交を深めてきた2人だが、不思議とシングルマッチで再戦することがないまま9年の時が経過。王者のTORUが政宗を挑戦者として迎え撃つという当時とは逆の立場での再戦が実現することに対してはインディープロレスファンから熱い注目を集めていた。


 試合はプロレスの“基本のキ”をなぞるような基礎に忠実なグラウンドレスリングの攻防が展開され互いが歩んできた9年の歴史を確かめ合う。
 政宗が老獪な技術でじわじわとアドバンテージを握っていき、TORUの左ヒザに狙いを定めた一点集中攻撃を展開。政宗が中盤に放ったロープに足をかけながらのドラゴンスクリューではTORUが尋常ならざる悲鳴を上げてしばらく動けなくなりあわやレフェリーストップかという場面もあったが、TORUは自ら左足を叩いて鼓舞し王者の意地を以てリングに戻る。
 政宗は足4の字固めや骨喰(※アンクルホールド)を軸に苛烈に左ヒザを追い込んでいくが、TORUは敢えて痛む足で放つドロップキックをカウンターで叩き込むことで流れを変え、雷切をフジヤマドラゴン(※変形ニーリフト)で、骨喰を首固めで切り返すなど政宗を知り尽くしているが故の返し技で粘りに粘り、政宗がロープに飛んで勝負に出たところをフランケンシュタイナーから丸め込んで3カウントを奪った。

 ぼろぼろになりながらも勝利をつかんだTORUは、ベルトを受け取ると政宗の前に這っていって座礼。政宗はTORUの頭をなででから両手の人差し指を立てて再戦を誓い、TORUの右手を掲げて勝利を祝福してから去っていく。

 TORUが大会を締めようとしたところ、インディー界屈指のテクニシャンかつ“曲者”として知られるCHANGOが乱入しTORUの顔面にスプレーを噴射。ショッキングな場面を作り出して会場を支配してから口に出す劇場型の王座挑戦表明を行い、TORUもこれを受諾。次回10月15日大会でTORUvsCHANGOのインディー統一無差別級王座戦が確定的となった。

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