核兵器廃絶を願うプロレスラーが拳銃で王者を撲殺も部下に裏切られて失脚

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 19日、東京都・新木場1stRINGにてTTTプロレスリング『PROGRESS 3』が開催。定アキラが藤原秀旺を追放してゴキブリ商会を掌握した。

 TTTプロレスリングは、故・ターザン後藤さんが掲げた“インディー統一”の遺志を受け継ぐガッツ石島が旗揚げした団体。90年代インディーの空気を色濃く残したディープなメンバーが参戦しており、令和最新型の“平成”を創り上げている。
 2020年1月に旗揚げしたTTTは旗揚げ直後にコロナ禍に見舞われ、いきなり興行が出来なくなり解散の危機に瀕するという波乱の立ち上がりを見せる。
 しかし、TTTは同じくコロナ禍にあえぐ地元商店街とタッグを結成し、商店街振興のためのプロレスイベントを継続的に行うといった草の根運動で支持を拡大。この活動は行政にも認められ、東京都の商店街振興事業の一環として多数の商店街と合同で行われるようになるなど社会から高く評価。昨年12月には初の後楽園ホール進出、2026年1月9日に2度目の後楽園大会を決定しているなど上り調子だ。

 TTTは観衆の洗脳活動を主とする奇行系ヒールユニット【ゴキブリ商会】から侵略を受けており、ガッツは昨年12月の後楽園大会で長らく奪われていた至宝・インディー統一無差別級王座を奪還。それでも抗争はなおも続いており、遺恨を深め続けた結果として今大会ではTTT本隊vsゴキブリ商会の全面対抗戦が60分3本勝負で行われることに。

 ワンチームで結束を深めるTTT本隊に対し、ゴキブリ商会には不安要素があった。
 前回大会ではガッツの持つインディー統一王座に定が挑戦したが、秀旺が凶器攻撃での過剰な介入を行ったために定が反則負けに。秀旺はブチ切れる定を無視してウクライナとロシアの問題について独自の解決案を語る毒電波を垂れ流し始めたため、定の中に大きな不満が溜まっていることが予想されていた。

 1本目は、ゴキブリ商会の奇襲から巧みな悪の連携が冴え渡り、藤田がロープを掴みながらの丸め込みで神崎を仕留めてあっという間に勝利。
 2本目は、愛する神崎がやられたことでブチ切れた橋之介が捨て身の空中殺法で活路を開き、本隊が逆襲。ガッツと定が真っ向からやり合う中、秀旺が拳銃で殴りかかってのアシストを狙う。これが定に誤爆し、隙を突いたガッツが定をラリアットで叩き伏せて3カウント奪取。

 秀旺と定の間にギスギスした空気が流れる中で3本目が開始。
 怒りでスイッチが入った定は、普段の挑発的なムーブを封印して冷酷なファイトで本隊を圧倒。タッグパートナーの後藤が定を徹底サポートしたのも手伝って一方的な試合展開が続く。
 最後は再び定とガッツの対面となり、定がガッツの顔面にトランスレイヴ&トラースキックを連打。秀旺の拳銃攻撃も今度はガッツにヒットし、最後は定がガッツを必殺のスパインバスターで仕留めて3カウント。2-1でゴキブリ商会の勝利となった。


 試合を決めた定を差し置いてマイクを取った秀旺は、自らが核兵器廃絶を願う世界平和大使に就任したと自称し始め、次回大会で定がガッツの王座へ再挑戦することを勝手に決定。そのまま気持ちよく大会を締めようとするが、背後から急襲した定が秀旺を変形みちのくドライバーIIでぶっ刺してKO。
 後藤は笑顔で頷いておりなんらかの事情を知っている様子であったが、なにも知らされていないと思われる藤田は困惑一色。

 定は「最初、(秀旺からユニット名が)【ゴキブリ商会】って聞いて『えぇ~……』って感じだったんですけど、継続は力なり。1年やって、愛着しかねーって話。ゴキブリ商会は裏切らない。俺がゴキブリ商会だ!」とゴキブリ商会を背負っていくことを宣言。
 次回、5月17日の新木場大会で定はガッツの持つインディー統一無差別級王座へ挑戦する。3度目の正直で定がインディープロレス界統一の足がかりを得ることは出来るか。

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