【試合詳細】3・15 WRESTLE-1大田区総合体育館大会 【W-1王座】中嶋勝彦vsカズ・ハヤシ 【W-1タッグ】芦野祥太郎&児玉裕輔vs稲葉大樹&土肥孝司 【クルーザー級】吉岡世起vsヒート 武藤敬司&浜亮太&中之上靖文vs河野真幸&KAZMA SAKAMOTO&崔領二

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『WRESTLE WARS 2020』
日程:2020年3月15日(日)
開始:15:00
会場:東京都・大田区総合体育館
観衆:1,254人

▼シングルマッチ 30分1本勝負
●藤村加偉
7分44秒 逆エビ固め
○仁木琢郎

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
○アンディ・ウー/アレハンドロ/エル・イホ・デル・パンテーラ
10分53秒 飛鴻→片エビ固め
タナカ岩石/●本田竜輝/SUSHI(フリー)

▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
○頓所隼/ペガソ・イルミナル/田中将斗(ZERO1)
10分29秒 トンペガドライバー→片エビ固め
[#STRONGHEARTS]CIMA(OWE)/T-Hawk(OWE)/●鬼塚一聖(OWE)

▼8人タッグマッチ 30分1本勝負
近藤修司/○征矢学/立花誠吾/エル・リンダマン(OWE)
14分12秒 ワイルドボンバー→片エビ固め
●伊藤貴則/一/MAZADA(東京愚連隊)/歳三

▼WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ 60分1本勝負
【王者/#STRONGHEARTS】○吉岡世起
20分1秒 クラッシュドライバー→片エビ固め
【挑戦者】●ヒート
※第15代王者が初防衛に成功。

▼スペシャル6人タッグマッチ 30分1本勝負
○武藤敬司/浜亮太(大日本)/中之上靖文(大日本)
12分3秒 シャイニングウィザード→体固め
[デスペラード]●河野真幸/崔領二(ランズエンド)/KAZMA SAKAMOTO(フリー)

▼シングルマッチ 30分1本勝負
●羆嵐
9分12秒 ゴーレムスプラッシュ→片エビ固め
○岡林裕二(大日本)

▼WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負
【王者組/Enfants Terribles】芦野祥太郎/●児玉裕輔
18分30秒 極反り卍固め
【挑戦者組】○稲葉大樹/土肥孝司
※第19代王者組が4度目の防衛に失敗。稲葉大樹&土肥孝司が第20代王者となる

▼WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
【王者】●中嶋勝彦(NOAH)
24分48秒 パワープラント→片エビ固め
【挑戦者】○カズ・ハヤシ
※第16代王者が2度目の防衛に失敗。カズ・ハヤシが第17代王者となる。

カズが中嶋からW-1の至宝を奪還!武藤のW-1ラストマッチにファンはブーイング!稲葉&土肥が芦野&児玉からタッグ王座奪取!吉岡がヒートからクルーザー級王座を意地の防衛!

オープニング


 WRESTLE-1公式サポーターのCheer♡1が登場してダンスパフォーマンスを行い、「GO! WRESTLE-1!」の掛け声で大会の開始を宣言した。

第1試合


 まずはグラウンドの攻防からスタート。続いてロックアップで組合ってから、リストの奪い合いを展開する。さらに2人はエルボー合戦。両者、一歩も引かずに打ち合う。ここは仁木が押し込むが、加偉もドロップキックですぐさま反撃だ。
 チョップで反撃してくる仁木に加偉はヒップトス。さらにボディスラムを決めると、逆エビ固めに捕獲する。これを逃れた仁木はエルボーで反撃。加偉がロープに飛んだところをカウンターのドロップキックで迎撃だ。
 そして串刺し式エルボーアタックから、ランニングエルボーで追撃。そしてバックドロップも披露してみせる。これを加偉がキックアウトすると、仁木は逆エビ固めへ。しかし、加偉も両足首を掴んでステップオーバーを許さない。
 ならばと、仁木は加偉が立ち上がったところで至近距離からの両足タックル。そして逆エビ固めだ。加偉がロープエスケープすると今度はヒップトスを繰り出した仁木。しかし、加偉は仁木の攻撃をかい潜ってエルボーアタックでこちらも反撃開始だ。
 そして得意の串刺し式ドロップキックで顔面を撃ち抜くと、続けてブレーンバスターで追撃。ならばと仁木もサイドバスター。さらにスワンダイブ式のミサイルキックを発射する。そして、再び逆エビ固めへ。ロープに近づこうとする加偉をリング中央まで引きずり戻して、ガッチリ腰を落とす仁木。ついに加偉も力尽き、タップアウト。仁木は京都大会に続き、加偉に2連勝を飾った。

<試合後コメント>
仁木琢郎
「前回の京都大会、初めて加偉さんに勝って、レスラーになって初めて勝利できましたけど、京都でも言いましたけど、この大田区で俺が必ず勝つと言ったように今日も勝つことができた。対戦成績で見れば、2勝2敗。向こうはどう思っているかわかんないけど、俺は特に意識して闘っているんで、あと新木場と後楽園、やるかまだわからないけど、今2勝二敗なんで決着をつけさせてください」

藤村加偉
「W-1として最後のこの大きな会場、大田区で仁木に負けてしまって、本当に悔しいです。でも、あとはW-1として闘えるのは残り2試合なので、W-1の藤村加偉を応援してくださるファンの方々にしっかり見せられるように気を引き締め直してリングに立ちます。そして必ず勝ち星を獲ります」

第2試合


 パンテーラと岩石がやり合ったあと、アンディと本田が対峙。アンディは本田をヘッドシザースに捕らえて締め上げる。続いて登場したのはSUSHI。全日本プロレス時代の後輩であるアンディをブレーンバスターで投げ飛ばしてコーナートップへ。
 だが、パンテーラとアレハンドロがロープを揺らして、直立できない。時間が経ってダイビングヘッドバットを発射したものの、アンディに避けられてあっけなく自爆だ。SUSHIは続くアレハンドロが放ったミサイルキックも被弾してしまう。
 だが、トラースキックを放って岩石にタッチ。岩石は串刺し式スピアー、頭突きを放ち、さらにブレーンバスターで追撃する。そしてグラウンドに持ち込み腕ひしぎへ。しかし、アレハンドロはこれを脱出すると低空のドロップキックを放ってパンテーラにタッチだ。
 パンテーラがトラースキックを放てば、岩石も河津落としでお返し。そしてタッチを受けた本田がパンテーラにスピアーを食らわせる。ならばとパンテーラもブレーンバスターでお返し。タッチを受けたアンディがフライングボディアタックで追撃だ。
 アンディは本田とエルボー合戦を展開。フロントキックを放って本田を突き放そうとするが、本田はエルボーにこだわってアンディをダウンさせる。さらにノーザンライトスープレックスを繰り出した本田。

 だが、アンディは本田をロープにぶつけると、パンテーラとアレハンドロがダブル619。そして、アンディもミサイルキックを炸裂させる。そして、パンテーラがトペ・スイシーダ、アレハンドロがトペ・コンヒーロを場外に放って岩石とSUSHIを釘付けにすると、アンディが飛鴻。本田から3カウントを奪ったのだった。

<試合後コメント>
アンディ・ウー&アレハンドロ
アレハンドロ「今日は久しぶりにマスクマントリオ、パンテーラ家のちの入ったマスクマントリドで楽しかったです」
アンディ「別々になるかもしれないけど、俺らには肉食動物の血が流れているから、またどこかで。(アレハンドロを見て)SUSHIと色がかぶっているやないか」
アレハンドロ「ヘイ、らっしゃい!」

タナカ岩石&本田竜輝
岩石「W-1の最後のビッグマッチが終わった、言いたいことはいっぱいあるけど、今言うことじゃないから」
本田「今日、W-1の最後のビッグマッチで自分が負けてしまいました。残り2試合、絶対、絶対、結果を残して次につなげたいです」

第3試合


 田中に対して、果敢に攻め込む鬼塚は執念でボディスラムを決めてみせる。しかし、田中は強烈なエルボーでお仕置き。代わったペガソもエルボーで攻め立てる。ならばと鬼塚はチョップで反撃だ。
 その鬼塚をペガソはソバット。そしてドロップキックを放つ。だが、鬼塚にスカされてしまい自爆。タッチを受けたT-Hawkがネックハンギングボムで叩きつけて、CIMAにタッチだ。CIMA、T-Hawkとペガソは代わる代わるいたぶられてしまう。
 さらにCIMAとT-Hawkは連携攻撃でペガソを追い詰める。T-Hawkは逆水平チョップ。ならばとペガソも前転式のフォアアームを食らわせて田中にタッチだ。田中は#STRONGHEARTSの面々を次々とボディスラムで叩きつけ、鬼塚とT-Hawkを続けざまにエルボーで蹴散らす。
 T-Hawkがポップアップ式のニーリフトを食らわせれば、すぐさまブレーンバスターでお返し。続けてペガソと頓所が連携攻撃から、ダブルドロップキックをT-Hawkに食らわせる。そしてペガトンバスターを放った頓所とペガソ。
 ここはCIMAがカットに入ってきて、あっという間に流れを変える。CIMAは素早い動きで田中を場外に排除。ロープ間からのドロップキックからプランチャで追撃だ。そしてタッチを受けた鬼塚が頓所に串刺し式スピアー。蟹挟みで頓所をロープにぶつけると、そこにCIMAが追撃。
 そして、鬼塚もスピアーを食らわせる。ここに田中が入ってきてカット。CIMAとT-Hawkにまとめてを食らわせると、ペガソもトペ・スイシーダを発射。勝負を託された頓所は鬼塚とチョップ合戦だ。
 頓所は押されながらも投げっぱなしのドラゴンスープレックス。そしてリングに戻ってきたペガソとトンペガドライバーを炸裂させ、3カウントを奪った。

<試合後コメント>
頓所準&ペガソ・イルミナル&田中将斗
頓所「田中さん、ありがとうございました」
田中「こちらこそありがとうございました。ホッとした。こういう中で呼んでもらって、負けたら面目ないし、ありがとう」
頓所「今日は田中さんのサポートがあったかもしれないけど、活動休止前、最後のビッグマッチで#STRONGHEARTSに勝てたのは凄えうれしいです」
ペガソ「W-1、最後のビッグマッチでこうやって#STRONGHEARTSの人たちと闘えて、僕自身あんまり絡んではなかったですけど、頓所さんは最初から最後まで絡んで、最後きっちり勝って終えることができました。W-1がなくなってもトンペガはなくならないし、絶対にどこかでタッグでやりましょう」

CIMA&T-Hawk&鬼塚一聖
CIMA「鬼塚、弾丸だけは敵にまわすんやない。プラズマどころやないぞ。ECWアリーナが大変なことになっとった。プラズマがイージーや。弾丸と打ち合えるぐらいまで鬼塚も成長してくれ。そしてW-1、東京はまだあるんでしょ? 4月1日、#STRONGHEARTS、しっかり空けておくから。こういう状況で海外遠征はキャンセルになって日本にいてるから、待ってるぞ。そして4月2日、W-1。弾丸との試合組めよ。解散している場合ちゃうぞ」
鬼塚「あと何試合か試合が残っていますけど、爪痕残さなきゃいけないんですけど」
T-Hawk「コスチュームだけじゃなくてしっかり変われよ! そして、W-1! #STRONGHEARTSが初めてあげてもらった団体だから感謝している。強い心で最後まで行くぞ! 鬼塚、ジム行くぞ! もう一回!」
CIMA「カズさん、がんばれよ! カズさん!」

第4試合


征矢の生歌で入場してきたワイルド連合軍。一方、伊藤軍は無理やり組み込まれた一が顔面白塗りの黒装束という不気味な出で立ちで登場だ。一に戸惑わされた征矢たちだが、立花が武者返しでMAZADAを叩きつけると、続く近藤がランサルセで追撃する。

 さらにカットに入ってきた歳三も、ブルドッキングヘッドロックとラリアットの合体技でMAZADAとまとめて蹴散らし、MAZADAにはマンハッタンドロップから低空のDDTだ。そしてリンダマンが串刺し式のバックエルボーでMAZADAを攻め立てる。
 さらにリンダマンはハングマン式のネックブリーカー。そしてノーザンライトスープレックスで追撃だ。しかし、ロープに走ったところで歳三が場外から足を引っ張る。タッチを受けた伊藤は串刺し式ラリアット、ニールキック、ブロックバスターを連続で放ってみせた。
 さらに代わった征矢のショルダータックルも受け止めた伊藤は征矢とエルボー合戦を展開。伊藤がニールキックを放てば征矢もジャンピングラリアットと両者一歩も譲らない。征矢はブレーンバスター決め、デスバレーボムを狙うが、伊藤はこれを阻止。歳三にハイキックを繰り出させると、自身は急所に一撃だ。

 そしてMAZADA、歳三と3人がかりで征矢を攻め立てると、伊藤がバックドロップ。しかし、一の攻撃が伊藤に誤爆。近藤のラリアット、立花のえびす落とし、リンダマンのジャーマンが次々と伊藤に炸裂。最後は征矢が前後からワイルドボンバーを連続で発射。伊藤からフォールを奪ってみせた。

siaigo
伊藤&MAZADA&歳三&一のコメント
伊藤 すみません、マエストロ。
MAZADA ちょっと人選の使い方を間違いましたね。途中いなくなっちゃったし、あいつ。
伊藤 気持ち悪さがあると思って。
MAZADA びっくりした隙きを狙い損ねましたね。あそこまで変わってくるとは。でも、負けにカウントしたらダメですから。3vs4みたいなもんだから。
伊藤 あいつのせいですか?
MAZADA 使い方次第ですよ。もっと使い道はあると思うんで。こんなしんみりした感じになっていますけど、終わりじゃありませんからね。チームっぽくなってきたから名前つけないと。自分たちで決めます? それとも募集しちゃいます? 裏で相談しますか。まだまだ引っ張っていかんと。
伊藤 一はわからんけど。
MAZADA 一つのキーポイントになるものがあったんで、使い方ですね。ちょっと打ち合わせしましょう。この興行中に何かあるかもしれないので。
歳三 コメントが見つからないぐらい。こらからどこに向かうんだろうな、俺たちは。
 一 (マネキンの首を抱えて)蹴られちゃったね……。かわいい、かわいい。

<試合後コメント>
征矢学&近藤修司&立花誠吾&エル・リンダマン
征矢「チーム名とか独り歩きしているけど、WAR(仮)にしておきますよ。4.1で解散という形になってしまうけど、このチーム自体は活動休止にします。解散はしません」
立花「W-1も解散しねえよ! 活動休止だよ」
征矢「じゃあ、活動休止。もしかしたらどっかで。3人でやってもいいし、一人でやっても構わないし」
近藤「一人でやれるわけねえだろう」
リンダマン「新木場もあるんだろう?」
征矢「この4人で組めるのかって」
リンダマン「組め、こら! 副社長命令だ。俺は吉岡さんのセコンドに行かなきゃいけねえから任せました」

第5試合


 序盤からヒートが場外戦に持ち込む。そして得意の足責めを開始。ヒートは吉岡の左ヒザに狙いを定めると、リングに戻れば低空のドロップキックで一撃。さらにロープに絡ませながらダメージを与えていく。
 吉岡もキックで反撃を試みるが、ヒートはローキックでダメージを与えてこれを遮断。再び低空のドロップキックで撃ち抜き、足4の字固めだ。ここはなんとかロープエスケープした吉岡。ヒートは挑発するようにその頭を蹴飛ばし、関節蹴りだ。

 しかし、吉岡はカウンターでニールキックを放って反撃開始。ヒートが場外に出るとラ・ケプラーダで追撃する。そしてリングに戻るとファルコンアローで叩きつけてからコーナートップへと上がる。
 しかし、立ち上がったヒートはこれを追いかけて捕獲。雪崩式ブレーンバスターを狙う。吉岡も踏ん張り、これを阻止。ヒートがロープで宙吊りになっっところでフットスタンプを投下だ。この荒技で流れを掴んだ吉岡はコーナーでキックを連発してヒートをダウンさせると、低空のドロップキックで顔面を撃ち抜く。
 そして、蹴り足を掴まれながらも延髄斬りを2発連続で放った吉岡。しかし、ヒートはすぐさま投げっぱなしのジャーマンで反撃。続けてショットガンドロップキックで吉岡をふっ飛ばすと、雪崩式のハーフハッチで投げ飛ばす。
 さらにヒートはコーナートップからBDFを投下。そしてトドメのヒザ十字に捕獲する。だが、吉岡はこれをロープエスケープすると、続けて仕掛けてきたヒートのヒザ十字をFUMIEで押し潰して阻止。

 クロックストライクスからS・Kを放つ。これをヒートはミドルキックで迎撃するが、吉岡は間髪入れずにラ・ミスティカだ。しかし、ヒートもラ・マヒストラルを仕掛けると、しつこくヒザ十字。吉岡が逃げようとすると足4の字固めに移行する。
 悶絶する吉岡だったが、ここはなんとかロープエスケープに成功。立ち上がるとエルボーで反撃に出る。ヒートのローキックを食らうものの、ロープに飛んだところでフランケンシュタイナー。続けてラ・マヒストラルでヒートを慌てさせると、トラースキックを2連発だ。
 さらにバズソーキックで追撃した吉岡。これでも決まらないとリストクラッチ式で放つ変形のみちのくドライバー。最後はクラッシュドライバーでヒートをリングに真っ逆さま。今度こそヒートの息の根を止め、3カウント。クルーザー王座の死守に成功した。

 試合後、ヒートから手を差し出し、両者握手。吉岡は「クルーザーのベルト、防衛したぞ、おい。ヒートさん、ヒートさん、さんざん憎たらしい口きいてくれましたけど、このベルトかけてあんたと試合できて本当によかった。ありがとうございました。約7年、闘ってきたこの大好きなリングで、このベルトを防衛することが俺なりのハッピーエンドです。でも、まだこの大会もみんなのレスラー人生も終わるわけじゃないんで、こんなに頼もしい仲間がセコンドに就いてくれて、これから俺はもっとプロレス界を盛り上げていきます。この後の試合も楽しんで帰ってください」と挨拶して前半戦を締めくくったのだった。

<試合後コメント>

吉岡世起
「当たり前のようにベルトを獲ってとか言ってたけど、第15代クルーザーチャンピオンは俺だ。第16代は生まれない。でも、このタイミングでヒートとタイトルマッチができて、本当によかったと思っている。多分、昔の俺じゃ勝てなかった。でもよ、今はよ、ここ数年、W-1クルーザーを背負ってきた自負がある。そして、#STRONGHEARTSで俺は1年半、心強い仲間の側で学んできたからよ。俺は昔の俺とは違う。W-1の未来と呼ばれてた頃とも、怪我で欠場していた頃とも違う。今の吉岡世起はこのベルトが最も似合う男だ。団体はこんな感じになったけど、湿っぽいのは嫌いなので、俺は最後まで盛り上げていくから」

第6試合


 武藤敬司のW-1ラストマッチ。伊藤とMAZADA、そして歳三もセコンドに就けたデスペラードはゴング前に武藤たちに水をぶっかけ、そのまま試合に突入。場外乱闘になだれ込んでいく。リングに戻ると中之上がKAZMAに対してショルダータックルで反撃。
 タッチを受けた浜が踏みつけ攻撃でいたぶっていく。続いて武藤が登場。フラッシングエルボーからSTFだ。さらに武藤はスリーパーをかけたまま自軍のコーナーに連行。中之上にタッチする。
 だが、KAZMAは中之上をロープに飛ばすと、背後から崔が一撃。これを合図に再び場外乱闘になだれ込む。これで中之上をいたぶると、タッチを受けた崔がサッカーボールキック。続く河野はジャンピングニーアタックだ。
 そして3人がかりでストンピングの嵐。KAZMAのドロップキックが中之上に炸裂し、伊藤たちもリングに入ってきて集団暴行だ。続いては崔がエルボーで攻め立て、サミング攻撃。中之上は逆転を狙ってミサイルキックを放つが、これは自爆。
 ならばと崔が仕掛けてきたブレーンバスターを反対に投げ返して浜にタッチだ。浜はコーナーの河野たちを蹴散らすと、崔にはラリアット。さらにエルボードロップを投下する。そしてボディプレスを発射。
 しかし、崔はこれを自爆させて河野にタッチ。河野は果敢にもボディスラムを狙う。だが、これを踏ん張った浜はショルダータックル。そして武藤にタッチだ。武藤はデスペラードの面々を次々とドラゴンスクリューで蹴散らし、河野に足4の字固め。
 ここはデスペラードにカットされてしまうが、浜たちが場外に崔とKAZMAを連れ出す。その隙きに武藤は低空のドロップキックで河野の動きを止める。しかし、ここで歳三と伊藤がリングに乱入。武藤をいたぶると、河野がイス攻撃だ。

 しかし、ここに征矢やリンダマンたちが入ってきて、排除。武藤はセコンドに就いていたW-1の選手たちを全員リングに上げてトレイン攻撃。最後になぜか櫻田リングアナウンサーまでリングに上げると、強引にトレイン攻撃に参加させる。

 そして、トドメはもちろん武藤のシャイニングウィザード。河野から3カウントを奪い、武藤がラストマッチを勝利で飾った。

<試合後コメント>

武藤敬司&浜亮太&中之上靖文
中之上「W-1最後になってしまって残念ですけど、最後に呼んでもらって、武藤さんと試合させてもらったのは幸せでした」
武藤「お前ら、早くに方舟から逃げて良かったとか言ってたじゃねえか(笑)」
浜「言ってないです!(笑)。でも、今日は入門した時を思い出して楽しかったし、懐かしかったし、武藤さんとカズさんに教えてもらって今があるんで、感謝の気持ちでいっぱいです」
武藤「俺に関しては実はアメリカの仕事がキャンセルになりましてですね、多分マッチメイクとか決まっているかもしれないけど、急遽4月1日に隙間があるなら出ようかなって思っている中で、今日なんだかんだ言って、メインでカズと勝彦が組まれてるからね。もし、カズが負けるようなことがあったら、俺が名乗り上げてもいいかなと思ったりもしてますよ。とりあえずキャンセルになっちまって、日本にいることになっちまったから。まあまあ4月1日もどこまで決まっているかわかんないけど、もしせっかくだったら隙間があれば。かと言って、カズが負けることもあったりするわけだからね。ノアとどうなっているかわからない中で、名乗り出るのもいいかなと思ったりしますよ」

──2人を従えての久々の試合は?
武藤「浜と控室が一緒だと笑いすぎて緊張感がなくなっちまったよ。楽しかったっすよ、1日」

──振り返って、6年半はどうでした?
武藤「まあね、全選手、俺もひっくるめて、通過点だよ。きっと携わった多くのレスラーが、みんな多分自力で各々どんな逆境があろうが、きっと這い上がっていかないといけないからね。この経験も肥やしにしてみんながんばってほしいね」

──ラストは4.1ということでいいですか?
武藤「とりあえず立候補だけしておいていい?

河野真幸&崔領二&KAZMA SAKAMOTO&伊藤貴則
河野「久々にデスペラード」
KAZMA「楽しい」
河野「レネがいないのはあれだけど。ラストW-1、最後に負けちゃったけど。とりあえず、あれは反則じゃねえ?」 
KAZMA「反則。ベビーフェイスのやることじゃない」
河野「まあ、思い出はあると思うけど、2人とも、またどこかでできたら」
崔「これで終わりじゃないんで。正直全くこの先のことを、ユニットは決まってないけど、一個明確に言えるのはまだまだ動けるし、やりたいことまだまだあるし、またレネを含めて4人集まることもあると思うんで、その時は何かが起きるXデーだと思うんで、こんなんでユニットが終わりとかないから」
河野「バラバラだけど集まったらチームとし動ける。これもまたお楽しみですね。伊藤もありがとう。フラストレーションの発散になった?」
伊藤「こういう先輩の姿を見て勉強になりました」
※河野たちが引き上げたあと、突如ペガソが出現。伊藤に襲いかかるが、伊藤は返り討ち。
伊藤「なんだ、てめえ! 眼中にねえんだ!(と言って引き上げる)」
ペガソ「試合関係ねえのに手を出しやがって! 伊藤、俺とシングルやれ! クソボケ!」

第7試合


序盤から真っ向からぶつかり合う両雄。ラリアットをぶつけ合い、岡林が逆水平チョップを放てば、羆嵐はエルボーで対抗。岡林がロープに飛んだところでフライングソーセージだ。しかし、岡林は羆嵐のラリアットを自らの腕をぶつけて防ぐとショートレンジのラリアット。続けてラリアットを放って、羆嵐をなぎ倒す。

 そしてパワーボムを放った岡林。最後はコーナートップからゴーレムスプラッシュを発射。羆嵐を圧殺し、3カウントを奪い、肉弾戦を制した。

<試合後コメント>
岡林裕二
「凄いパワーや、ホンマ。いや、ちょっと正直ビックリ。パワーボムをあんなに跳ね返されるとは思わなかった。ホンマに羆嵐、凄いな。初めてやって、今日は勝ち負けあるけど、気持ち良かった。羆嵐と闘えて気持ち良かった。これからあいつがどうするかわからんけど、これを貫き通してほしい。このファイトスタイルを。本当に凄い。またやりたいな。また次もやりたい。どっかで」

羆嵐
「高すぎる、高すぎる壁だったな。俺持ち上げたよね? 倒したよね? もう背中見えてるでしょう。あともう少し。W-1なくなっちゃうけどさ、一人のプロレスラー・羆嵐として、いつまでも世界最強のプロレスラー・岡林裕二の背中を俺は追いかけますよ。俺は逃げてねえぞ。逃げなかったぞ。正直、惨敗だったけど、崔領二との試合と同じじゃねえかって言われるかもしれないけど、俺の中では手応えあるからよ。W-1がなくなるからって悪いことばっかりじゃねえから。自由になれるから。いつ何時でも誰とでも闘える状況になるから。これで終わりじゃないよ。プロレスラー・羆嵐は始まったところだな。(目が赤くなっているが?)ゴミが入っただけだよ。涙は枯れちまっているから。新弟子の時に枯れてるから。心の汗ですよ」

第8試合


先発は芦野と稲葉。じっくりとレスリングの攻防を繰り広げたあと、今度は児玉と土肥が対峙。児玉と芦野は連携で土肥を追い込み、児玉がセントーン・アトミコだ。しかし、立ち上がった土肥はエルボーで反撃。さらにカウンターで捕まえてパワーボムを炸裂させる。
 土肥はカットに入ってきた芦野にもパワーボム。土肥は児玉を捕まえていたぶっていく。しかし、児玉は土肥のラリアットをかわして、スタナー。そしてタッチを受けた芦野がエルボースマッシュで攻め立てる。芦野は土肥の左ヒザに低空のドロップキックを食らわせて動きを止めると俵返しだ。

 そして児玉が入ってきてトレイン攻撃。これをかわした土肥に児玉がコーナーで逆上がりキック。続けて芦野が投げっぱなしジャーマンだ。芦野は稲葉を場外に蹴散らすと、コーナーに上がった児玉をキャッチ。なんと、場外にいる稲葉と土肥目がけて、児玉を断崖式のブレーンバスターで投げつけるという荒技を見せた。
 しかし、両軍ダメージが大きく、カウント19で両チームはリングに生還。リングに戻ると稲葉が児玉をエルボーで攻撃。児玉もエルボーで反撃すると、芦野が加勢に入る。ならばと土肥も入ってきて、4人でエルボー合戦だ。
 乱戦の中、土肥がマンハッタンドロップで芦野の動きを止め、稲葉が延髄斬り。さらにダブルのショルダータックルを児玉に炸裂させる。稲葉はキャノンボール。そして、タイガースープレックス178を狙う。
 しかし、児玉も踏ん張ってこれを阻止。ドロップキックで反撃だ。その児玉を土肥が一撃。しかし、児玉は攻撃を避けて転ばせると、芦野がエルボースマッシュ。さらに稲葉にはサンドイッチ式エルボーから、児玉のトラースキックが炸裂する。
 そして、児玉が垂直落下式のリバースDDT。ここは土肥がカットするが、すぐさま排除。芦野が稲葉のアンクルを極めたところに児玉がマッドスプラッシュを投下する。しかし、稲葉もエルボーで反撃。
 芦野を土肥がスクラップバスターで排除すると、児玉にはジャーマンスープレックス。そして、土肥がファルコンアローで叩きつけてから、稲葉がダイビングヘッドバットを投下。続けて卍固めでギブアップを狙う。
 ここはなんとか芦野がカット。その芦野に稲葉はブルーサンダー。続けて土肥がラリアットを炸裂させる。さらに稲葉のブルーサンダー、土肥のラリアットが児玉に炸裂。ダブルインパクト式の飛びつきDDTも食らわせる。
 しかし、ここも芦野がカット。ならばと稲葉はドラゴンスープレックスホールド。児玉がこれを自力でキックアウトすると、稲葉はトドメのドラゴンスープレックス178へ。だが、児玉はこれをフランケンシュタイナーで切り返す。

 その児玉をエルボーで殴り倒した稲葉は再び卍固めへ。今度は芦野もカットに入れず。児玉もついに力尽きタップアウト。稲葉が勝利し、W-1タッグ王座の奪取に成功した。

 試合後、チャンピオンチームから稲葉と土肥に直接タッグベルトが手渡される。そしてガッチリと握手。4人で健闘を称え合ったのだった。

<試合後コメント>
稲葉大樹&土肥孝司
土肥「俺らがW-1最後のタッグチャンピオンだ」
稲葉「そうですね。W-1でなかなか縁がなかったこのタッグのベルト。最後のビッグマッチで土肥さんと勝ち取れて本当にうれしいです。W-1最初からいましたけど……(涙で言葉が詰まる)。ダメだ……。いろいろありましたけど、楽しかったです。道場もないところからスタートしましたけど、楽しかったです、はい。W-1で育ったのは土肥さんも一緒ですから、感謝しかありません。これからまた卒業生として、またW-1あるかもしれないですけど、それまでに大きく成長して、W-1の名に恥じぬように大きくなりたいと思います。まだ続きますから」
土肥「まだ2大会あるから。そんなしみったれた感じで終わらないって言ってたじゃない。1日に防衛戦してもいいしね。最後は明るく、一気に燃えきって、燃え尽きて、そして各々違う道へと進んでいく。ただ、心にはW-1で6年やってきた気持ちは所属だった以上、持っているから」
稲葉「笑顔でいきましょう」
土肥「最後まで笑顔で」

第9試合


 序盤から場外に出たりと焦らしに入る中嶋。しかし、カズはこれをヘッドロックで捕まえると、グラウンドでパンチを叩き込む。これを脱出した中嶋はフロントハイキック。そして倒れたカズを容赦なく蹴飛ばしていく。
 中嶋の狙いは負傷したカズの太もも。場外に逃げたところをキックで追い打ちし、エプロンを走ってのローキックをカズの胸板に叩き込む。さらに中嶋はカズの太ももを滅多打ち。そして場外に連れ出して客席でいたぶっていく。
 一旦、カズをリングに戻した中嶋だったが、再び場外に放り出すと客席に投げ飛ばす。そして、もう一度リングへ。カズは気力を振り絞って逆水平チョップで反撃。しかし、中嶋は低空のドロップキックを撃ち込んで、カズの動きを止めると、ドラゴンスクリュー、STFで追撃だ。
 ここをなんとか脱出したカズに中嶋は串刺し式のフロントハイキックで顔面を蹴飛ばし、さらにロープに寄りかかっての踏みつけ攻撃だ。これを繰り返した中嶋に怒りのカズは蹴り足を掴んで立ち上がるが、中嶋はミドルキック。カズを悶絶させると、改めてフロントハイキックからの踏みつけ攻撃を四方のコーナーで決めてみせた。
 しかし、カズもコーナーで延髄斬りを放ってようやく反撃。コンプリートショットで中嶋の顔面をターンバックルに叩きつける。さらに顔面踏みつけ攻撃から蹴り上げと荒っぽい技を連発だ。そしてバックドロップの体勢に。
 中嶋が踏ん張るとエルボーを連打。そして改めてバックドロップで叩きつけてみせた。だが、続く攻撃を仕掛けたところを中嶋の蟹挟みで倒される。そしてターンバックルで顔面をぶつけたところを蹴り上げられてしまう。

 それでもカズは反撃に出るが、中嶋はローキックを食らわせてバックドロップ。そして中嶋はカズの胸板と背中を交互に蹴り飛ばしていく。歯を食いしばって耐えるカズを容赦なく蹴り飛ばす中嶋。
 挑発的な中嶋に対して、カズは怒りながら立ち上がるとパンチで一撃。ファイナルカットを仕掛ける。しかし、中嶋はこれをブレーンバスターに切り返す。そしてカズ目がけて突進。しかし、これを避けたカズはトラースキックで一撃。中嶋を捕まえると、リバースゴリースペシャルボムだ。

 これで流れを変えたかったカズだが、中嶋は近づいてきたところをカズの足首をキャッチ。アンクルホールドで捕獲する。なんとか逃げたカズに中嶋はローキック、投げっぱなしジャーマンで追撃。

 そして、トドメのヴァーティカルスパイクの体勢に入る。しかし、カズはこれを抜け出すと渾身のラリアット。倒れた中嶋を蹴り上げると、続けてトラースキックで顔面を撃ち抜く。さらにファイナルカットを炸裂させたカズ。最後は必殺のパワープラント。中嶋から3カウントを奪い、至宝奪回に成功した。

 試合後、マイクを握ったカズ。「ご声援、本当に力になりました。ありがとう。本当にありがとうございます。本当に本当に本当にW-1、応援してくれてありがとうございます。W-1のみんな、上がろう」と、ファンに感謝の言葉を述べると、セコンドに就いていた選手たちをリングに上げる。
 そして、「W-1は4月1日までみんなみんなみんな全力で走り続けていくんで、皆さんついてきてください! 今日はありがとうございました!」と締めくくったのだった。

<試合後コメント>

中嶋勝彦
「中嶋勝彦のいるこのW-1はどうだった? どうだった? 刺激的だっただろ? 相変わらずカズ・ハヤシっていう男はオトコの中の色男だな。いつまで経っても。やはり、あの時からそうだったよ、後楽園から。一発の蹴りが重たいんだよ。痛え。でも、とりあえず今日で俺の仕事は終わりだ。W-1よ、ファンも選手もスタッフもたくさん会話できてうれしかったぞ。楽しかったぞ。そういう意味ではしょっぱい団体だったけど、収穫あったな。ありがとう。もう帰る」


カズ・ハヤシ
「僕の今できる精一杯を全て出しきった。中嶋勝彦はよくわかんねえ。ヒールだか、ベビーだか、どうでもいいよ。俺とあいつの闘いにはそういうものはいらない。お互いにあるものを全て引っ張り出す。こんな俺の状態でも中嶋勝彦が相手だったから、ここまで真剣に一生懸命になれた。中嶋は悪いことをやっているだけじゃない。彼の中に本当の闘いがあるから。いろいろ無礼なことはしてくれたけど、一レスラーとしては中嶋選手に感謝します。

──ベルトの重みは?
「リングの上でも話したけど、W-1は本当にいいファンに恵まれて、今それを感じるのはチームみたいなのを感じました。やっぱり僕はW-1のお客さんのいる前でお客さんの期待を背負って、そうやって闘ってきたから。本当にお客さんに助けられ、そして今まで歴代のチャンピオンたちが感じた重み、そういったものを感じながら、この凄い重いベルトを腰に巻いています。こんな素晴らしいベルトを巻けたっていうのは僕にとって、やっぱり財産であり、将来いくつになっても誇らしいと思います」

──防衛戦は考えているんですか?
「3月31日をもちまして、全選手と契約をしないというふうになり、もちろん私も含めて。会社というものはそのまま存続し、活動休止ということになります。その活動が再開されない限り、このベルトはW-1預かりということになります……はずです。そのことに関しては明日記者会見がありますので、今から事務所に戻って皆で協議することになると思います」

──試合中、W-1コールが起きました。
「聞こえてました。お客さんの声援って本当に励みになるんだなって思いました。やっぱりパワーは沸いてくるし、これはライブだからですね。本当にこうやって、生でこういう声援を聞けるっていうのは、プロレスラー冥利に尽きるというか、プロレスやって20何年だ? 28年か29年になるんですけど、プロレスってやっぱりいいなって。最高の競技だと思っています」

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