全日本1.3後楽園大会 ドーリングvs.潮崎の三冠戦、鼓太郎&宮原vs.DKのアジアタッグ、KENSOvs.土方のGAORA TV王座戦
ニューイヤーウォーズ2015
日時:2015年1月3日(土)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1431人(満員)
▼第1試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
渕正信/○金丸義信/ウルティモ・ドラゴン
10分07秒 ダイビング・ボディプレス→片エビ固め
中島洋平/野村直矢/●青柳優馬
▼第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負
○青木篤志
9分43秒 テキサス式四つ葉固め
●高尾蒼馬
▼第3試合 GAORA TVチャンピオンシップ 60分1本勝負
[王 者]○KENSO
9分19秒 ダイビング・エルボードロップ→片エビ固め
[挑戦者]●土方隆司
※第5代王者KENSOが初防衛に成功
▼第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
秋山準/大森隆男/●SUSHI
13分23秒 河津落とし→体固め
○曙/入江茂弘/石川修司
▼第5試合 新春スペシャルタッグマッチ 60分1本勝負
諏訪魔/●佐藤光留
17分50秒 ジャックハマー→片エビ固め
鷹木信悟/○ゼウス
▼第6試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負
[王者組]宮原健斗/●鈴木鼓太郎
16分54秒 ハイパーニー空牙→体固め
[挑戦者組]○長井満也/南野タケシ
※第95代王者組・宮原&鼓太郎の2度目の防衛に失敗。長井&南野が第96代王者組となる
▼第7試合 三冠ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
[王 者]●ジョー・ドーリング
23分07秒 ラリアット→片エビ固め
[挑戦者]○潮崎豪
※第50代王者ドーリングが4度目の防衛に失敗。潮崎が第51代王者となる
潮崎が激闘の末、ドーリングを下して悲願の三冠初戴冠!ゼウスとKENSOが挑戦表明
DKが反則のオンパレードでアジアタッグ奪取!諏訪魔とドラゲー鷹木が刺激的な対決
第1試合
中島&野村&青柳という若手トリオが渕&金丸&ウルティモというベテラントリオと対戦。野村が先発を買って出ていくが、渕がボディスラムで叩き付ける。続いて青柳がウルティモにエルボーを叩き込むが、ウルティモは金丸にタッチ。ロープに押し込んだ青柳はエルボーからドロップキック。
タッチを受けた中島はウルティモを指名。アームドラッグで投げていったウルティモはヘッドシザースで捕まえるとコークスクリュー・シザースで投げていく。金丸がブレーンバスターで投げようとしたが、これは中島が逆に投げていく。
しかし青柳にエルボースマッシュをカチ上げた金丸はカウンターエルボー。続いて渕が持ち上げてからたっぷりと間を取ってのボディスラム。そこをウルティモが執拗にカバーするが、青柳も必死でキックアウト。逆片エビ固めに捉えたウルティモだが、青柳はロープに脱出。金丸がエルボースマッシュからスリングショット式アトミコを投下。
防戦一方となった青柳にウルティモがニーリフト。しかし下から蹴り上げた青柳はドロップキックを返して中島にタッチ。串刺しドロップキックからウルティモのブレーンバスターを背後に着地した中島は卍固め。だが、腰投げでウルティモが脱出すると、金丸がヒザへの低空ドロップキックからブレーンバスター。
さらにダイビング・クロスボディーからフラップジャックで叩き付けるが、中島も延髄斬りを返す。そこに野村が入ってきてボディスラムで叩き付けると、中島がコーナー二段目からダイビング・フットスタンプを投下。さらに青柳がドロップキック2連発からのミサイルキックを発射。
中島と野村が入って来ると金丸はフロントキックを見舞って行くが、中島のスピンキックから野村&青柳がダブルのドロップキック。しかし渕が入ってきて次々とボディスラムで叩き付けていく。そこから金丸が青柳を逆エビ固めに捉えるが、中島がカット。青柳も金丸を首固めで丸め込んだが、カウント2で返した金丸がバックドロップからダイビング・ボディプレスを投下して3カウント。
<試合後コメント>
中島洋平&野村直矢&青柳優馬
――若手3人がベテランに挑んだ試合でしたが、それぞれの持ち味も出せたのではと思いましたが?
中島「いやぁ、正直自分の中ではまだまだですね。自分個人としては1若手というよりも1日も早く、ベテラン勢と呼ばれる人に勝っていかなきゃいけないんで。自分の中ではまだまだふがいないっていう気持ちですね。昨日石井選手が風邪という体調不良の中出ていましたけれど、結局今日は欠場して。そこでタナボタで名乗りをあげるっていうよりも、次のジュニアリーグ戦で結果を残して、青木選手に挑戦したいと思っています。だから今日は正直まだまだ僕の中では不甲斐ないです。」
――今日はこの3人で組んで戦ったということにも意味があると思いますが?
野村「やっぱり僕自身何もできていないんで。とりあえずもっと……自分に何ができるかを考えて目立っていきたいです。」
――青柳選手は得意のドロップキックがいいところで何度も成功していましたが?
青柳「まだ自分の武器がドロップキックしかない中で、今の対戦相手に何とかぶつけられたのが唯一自分の良かったところだと思うんですけど。やっぱりこの3人で自分がフォールを取られて負けてしまったことが不甲斐ない感じがして。まだデビューして間もないとか言ってられないと思うんで。次またこのような機会があったら、ベテランの手のひらで転がされるような試合はしたくないです。」
――この3人がメインイベントを務める日もいつか来ると思いますが?
中島「そうですね。近い将来、自分たちで近づけなくてはいけないですね。ありがとうございました!」
第2試合
高熱によるドクターストップで急遽欠場となったチームドリフの石井慧介に代わり、ノンタイトルながら青木とシングルマッチを行うことになったチームドリフの高尾。青木は世界ジュニアのベルトを腰に巻いて入場。
ヘッドロックに捉えた青木はロープに振った高尾にショルダータックル。しかしヘッドスプリングで立ち上がった高尾はリープフロッグからカウンターのドロップキック。これで場外に出た青木にスライディングキック。さらにコーナーから青木の背中にダイビング・フットスタンプを落とすと、鉄柵攻撃をお見舞い。
リングに青木を戻した高尾を睨み付けた青木。エルボー合戦になると、青木は高尾の腰にエルボーを連打してから場外に投げ出す。そして「こいつだってやっただろ!」と4連続で鉄柵に叩き付けていくと、憮然とした表情でリングに戻す。高尾の腰にストンピングを落とした青木は、再び腰にエルボー。
高尾もエルボーを返すが、青木はブレーンバスターで投げると逆エビ固めへ。何とかロープに逃れた高尾だが、青木は「どうした、オラ」と腰にストンピング。高尾のドロップキックを自爆させた青木だが、高尾は青木がロープに飛んだところに前転からのドロップキック。
さらに串刺し攻撃を蹴りで迎撃して背中にダイビング・フットスタンプを落とすと、顔面への低空ドロップキック。そこからコーナーに登った高尾はミサイルキックを発射。ジントニックを狙った高尾だが、うまく逃れた青木はドロップキック。気合いの雄叫びをあげてすぐに立ちが経った高尾だが、青木は串刺しジャンピングエルボー。
それでも吠えた高尾はエルボー合戦を挑んでいく。そこからヘッドバットを見舞った青木だが、高尾はエルボーの連打からヘッドバットをお返し。さらにトラースキックからコーナーに登るとマッドスプラッシュを投下。カウント2で返した青木にフットスタンプを落としてカウント3寸前まで追い詰めた高尾。
しかし続くジントニックをサイドスープレックスで切り返した青木は、高尾のローリングエルボーをかわすとシュミット流バックブリーカーから逆エビ固め。これをエビ固めで切り返して丸め込んだ高尾だが、キックアウトした青木はラリアットからバックドロップ。カバーして高尾がキックアウトしたところをテキサス・クローバー・ホールドに捉えていった青木。
高尾は「NO!」と叫んでロープに這っていくが、リング中央に引きずり戻した青木は、シャチホコ式で大きく反っていきギブアップを奪った。
マイクを持った青木は「まず言いたいことの前に高尾、もっとやればすぐ(世界ジュニア王座に)挑戦できるよ。今日は自分の世界ジュニアのタイトルマッチ、応援して観に来てくれた方には本当に申し訳ありません」と言うと、観客から「お前のせいじゃない!」という声が飛ぶ。すると青木は「もちろん、俺のせいじゃないのは当たり前だろ! 病気で欠場する奴が本当に悪いんだ。だけど俺らはケガも病気も、そういうものともすべて闘っている。そういうのを踏まえてすべてが俺はプロレスだと思っている。こういうときでも試合をして、しっかり勝とうと思う人間が、俺はベルトを巻く価値があると思っている。昨日から2015年が始まったけど、俺はそのつもりでこれからもやっていく。じゃなければ、このベルト、俺は誰にも渡さねぇ。それぐらいの覚悟でジュニアの人間は挑んでこい! じゃねぇと、絶対無理だからな。お前ら、本当にそれでいいのか? 出てこいって言っても出て来ないよ。あいつらヘタレだからさ、だけどな、覚悟があるならやってこい! 俺はいくらでもチャンピオンとして受けてやるから。2015年、これからも全日本のジュニアを面白くしていくのはこの俺だ! いいな!」と全日本ジュニアたちに訴えかけた。
<試合後コメント>
青木篤志
――タイトルマッチは流れてしまいましたが、高尾選手の新たな一面を引き出した試合だったのではないかと思いますが?
青木「本人の気持ち次第でしょう。本人がどういう気持ちで臨んでいるか。チャンスだと思っているのか、ただの代役だと思っているのか。その違いだよ。多分あいつの中では少しでも食ってやろうという気持ちがあったと思う。それがああやって意地になって現れたんだと思うし、コレ(=ベルト)を持ってるからそうなったのかもしれないし。意識の問題だから、ああいう気持ちがある以上はこれからどんどん強くなると思うし。俺もうかうかしていられないなというのは感じます。」
――ちょっと早いですが、ジュニアのリーグ戦も控えています。チャンピオンとしての責任も感じられてるのではと思いますが?
青木「俺がいくら重い気持ちを持ったり背負ったりしても、他のやつらがどう思うかでしょう。俺じゃないよ。俺はチャンピオンとしてあるべき姿でなくちゃいけないと思うし、挑発したって誰も乗ってこない。今日だって誰も名乗りをあげてこない。そこがやっぱりダメだと思うんだよ。俺が言ったって動かないんだったら、後はどうやって動かすかなんて考えていない。もうリーグ戦といういい機会があるんだから、もう後はリング上でやるのが好きなんだったらもうやってくれよ。ただひとつだけ言っておく。いい試合を重ねたからってチャンピオンになれるわけではない! チャンピオンになるには強さや勝てるもの。それがないと絶対チャンピオンにはなれないと俺は思ってる。そういうものがないといつまでたっても俺からはベルト獲れないよ。リーグ戦でも本気で勝ちたい。このベルトを獲りたい。優勝したい。それくらいの気持ちでやってみろ。リーグ戦も優勝して、誰とも防衛戦しないでこのまま年越すよ。年明けから言うのもなんだけど、このままでいったら面白くないよ。それでいいんだったらそれでもいいよ、でも俺はそんな事は望んでいない。必ず全日本ジュニアがこのベルトを巡って全員が闘える環境を作っていくから。それに乗っかってくれ。」
第3試合
鼓太郎から反則攻撃のオンパレードでGAORA TV王座を強奪したKENSO。そこに現れた土方は自分が鼓太郎の借りを返すと言ってKENSOに挑戦表明。このタイトルマッチが実現することになった。
ロープに押し込んだKENSOに対し、体勢を入れ替えた土方はKENSOのアゴを掴んでニヤリと笑うとクリーンブレイク。するとKENSOは握手を求める。観客の手拍子を煽ったKENSOだが、土方は握手に応じると見せかけて張り手。
そして場外にKENSOを落とすと、エプロンからランニングロー。さらに鉄柵に叩き付けていくが、KENSOは本部席からベルトを奪い取るとベルトで殴打。鉄柵に叩き付けてからもう一度ベルトで殴打していったKENSOは、鉄柵の外まで土方を連れ出すと鉄製のフェンスに叩き付けてから、もう一度リングサイドまで連れ戻して鉄柵攻撃。
さらに張り手をお見舞いすると、ブーイングを飛ばす観客に中指を突き立てる。張り手で殴り倒したKENSOは土方をリングに戻すとなおも張り手を連発。土方はKENSOを睨み付けていくと「来い、来い! 来いよ!」と挑発。
逆にKENSOをコーナーまで追い詰めていくが、KENSOはビッグブーツ。しかしキャッチした土方は張り手からコーナーに叩き付けると串刺し式ハイキック。さらにサッカーボールキックからヒザへの低空ドロップキックからスタンディング式シャイニング・ウィザード。
だが、走り込んだ土方にカウンターのラリアットを叩き込んだKENSOはコーナーへ。立ち上がって下からジャンピングハイを叩き込んだ土方は、コーナー上に追いかけていくと雪崩式ブレーンバスター。
スーパーフィッシャーマンバスター(=リストクラッチ式フィッシャーマンバスター)で叩き付けるが、カウント2で返したKENSOは土方が串刺し攻撃を狙ったところで、レフェリーを盾にして誤爆させる。レフェリーが倒れている間に腰紐を使ってチョーク攻撃を見舞ったKENSOは垂直落下式ブレーンバスター。
カウント2で返した土方に葉隠れを叩き込んだKENSOは、ダメ押しのダイビング・エルボードロップを落として3カウント。
王座防衛にゴキゲンな様子のKENSOはコーナーに登ってエル・アギラ・インペリアルのポーズまで披露した。
<試合後コメント>
KENSO
「DK絶好調だ! 全日本、よく聞け! DK絶好調だ! 以上!」
第4試合
石井慧介の欠場により急遽全日本プロレスに初参戦することになったユニオンプロレスの石川修司。曙、入江と超スーパーヘビー級トリオを結成して、秋山&大森&SUSHIと対戦する。石川は大日本プロレスのストロングヘビー級のベルトを持って登場。
まずは曙と大森で試合開始。突進してくる大森をショルダーブロックでなぎ倒した曙だが、大森も串刺し攻撃をかわしてフロントキック。曙はショルダータックルからエルボードロップを狙ったが、大森がかわしてSUSHIにタッチ。気合い充分のSUSHIだが、カウンターのラリアットでなぎ倒した曙はエルボードロップ。
ここでタッチを受けた石川がリングインしニーリフト。SUSHIも串刺し攻撃を狙ったが、これをニーリフトで迎撃した石川は入江にタッチ。ハンマーを振り下ろした入江は横綱プレス。エルボー合戦からロープに飛んだ入江だが、SUSHIはカウンターのニールキック。タッチを受けた秋山はジャンピングニーを叩き込んでから入江を場外に放り投げる。
すかさず大森が鉄柵攻撃からチョップをお見舞い。入江をリングに戻すと秋山が執拗にカバーするが、入江も必死で肩を上げる。大森にタッチしてダブルタックルで入江を吹っ飛ばすと、大森はスリーパーに捉えていく。
さらに秋山がコーナー下に座らせた入江にランニングニー。入江もヘッドバットで反撃するが、秋山もヘッドバットで応戦。さらにそこから蹴っていった秋山が入江をコーナーに投げつけると、SUSHIがスペース・ローリング・エルボー。しかし、不格好だったこともあり観客からはブーイング。
秋山の指示を受けてもう一度スペース・ローリング・エルボーにトライしたSUSHIは、さらにエルボードロップを連発。トレイン攻撃から秋山がランニングニーを叩き込むと、SUSHIがダイビング・ヘッドバット。秋山とのヘッドバット合戦で流血した入江は防戦一方だったが、秋山がブレーンバスターを狙ったところを逆に投げると石川にタッチ。
串刺しラリアットからコーナー二段目に登った石川はフットスタンプを投下。秋山はヘッドバットを返してロープに飛ぶが、追走した石川はキチンシンクからサイドバスター。ブレーンバスターを狙った石川だが、踏ん張った秋山はジャンピングニーを返して大森にタッチ。ニールキックを叩き込んだ大森はチョップを叩き込むが、石川もエルボーからニーリフトを返すと、串刺し攻撃を狙う。
これを蹴りで迎撃した大森はアックスボンバーを狙うが、ラリアットで相打ちに持ち込んだ石川はカウンターのニーリフトを叩き込んで曙にタッチ。コーナースプラッシュからエルボードロップを落とした曙はランニング・ボディプレス。
2発目をかわした大森はタッチをアピールするSUSHIにタッチ。曙に向かってラリアットを連発したSUSHIは、さらに地獄突き、チンクラッシャー、トラースキック2連発から走り込むが、のど輪で捕まえた曙は張り手からボディプレス。さらにのど輪落としで叩き付けてからエルボードロップを落とすが、カウント2で大森がカット。
入江は秋山を場外に連れ出すが、秋山は走って逃走。追いかける入江。その間に曙が珍しく河津落としを決めてSUSHIから3カウントを奪った。
<試合後コメント>
曙&入江茂弘&石川修司
曙「キャプテン(の入江)からお願いします」
――横綱からのご指名ですので、キャプテンから先にお願いします。
入江「キャプテンでもなんでもない。無茶だ。今日も耐えて耐えて、最後に横綱が勝ってくれた。それだけです。」
曙「な〜にコレ?(とボディープレスのポーズ)」
入江「それはすいません。……でも僕の横綱式のボディープレス、何点ですか?」
曙「お前がやるから俺ができなくなったよ。……いや、今日はなかなか普段はやらない、組まない石川選手と組めて。また違う大型レスラーでやりやすかったです。」
――突然の出場となったわけですが、初めての全日本マットはいかがでしたか?
石川「大きい選手がたくさんいるんで、その中でも一番大きい曙さんの隣で戦えて光栄でしたね。今回だけで終わりにしないで、まだまだ戦いたい選手がたくさんいるんで。自分も今日まだまだ全然何も出していないんで、また呼んでもらって……」
曙「え? あれ以上出るってこと?」
石川「エヘヘヘ! また呼んでもらいたいですね。」
曙「ここに入江じゃなくて吉江さんが入ったら……」
入江「ちょちょちょ…横綱、やめてくださいよ。もっと横綱とやっていきたいです。」
曙「お願いします(笑)」
G馬場十七回忌大会決定カード
試合後、『王者の魂』が鳴り響き、1.31後楽園ホールで行われる『ジャイアント馬場 十七回忌特別大会』の特別試合に出場する選手として、新崎人生、相島勇人、TARU、太陽ケアの4選手が発表された。
馬場元子相談役からの「16年前に馬場さんが亡くなり、その後全日本プロレスの所属レスラーが少なくなったとき、他団体のレスラー、さらにはフリーのレスラーの方々に助けていただきました。その中のひとりがTARU選手です。TARU選手はリングを離れたところでも毎月31日の月命日には欠かすことなく自宅に足を運んでくださり、馬場さんに向かって手を合わせてくれています。いまから約4年前、TARU選手が事件を起こし、その後全日本プロレスのリングに上がっていないことは私も承知しておりますが、今回は馬場さんの十七回忌追善興行ということで、特別に出場してもらうことになりました。馬場さんもきっと喜んでくれると思います。ファンの皆様にはご理解とご声援をよろしくお願い申し上げます」というメッセージが読み上げられたあと、以下の決定カードが発表されると、場内からどよめきが起きた。
ジャイアント馬場 十七回忌特別大会
日時:2015年1月31日(土)
開始:18:00
会場:東京・後楽園ホール
▼タッグマッチ
太陽ケア/相島勇人
vs.
TARU/新崎人生
▼6人タッグマッチ
秋山準/大森隆男/渕正信
vs.
潮崎豪/宮原健斗/鈴木鼓太郎
▼シングルマッチ
KENSO
vs.
井上雅央
▼6人タッグマッチ
諏訪魔/青木篤志/佐藤光留
vs.
天龍源一郎/曙/金丸義信
第5試合
DRAGON GATEの鷹木信悟が1年ぶりの全日本参戦。ゼウスとの怪力タッグでEvolutionの諏訪魔&光留と対戦する。昨年還暦を迎えた和田京平レフェリーは背番号「60」と書かれた真っ赤なレフェリーウェアを着用。
鷹木が先発で出ていくと、光留が下がって諏訪魔が先発で出て行く。ロックアップから一旦離れるとリストの取り合いに。ヘッドロックに捉えた鷹木だが、カニ挟みで倒した諏訪魔だが、一旦離れて両者立ち上がる。
手四つの力比べになると諏訪魔が押し込んでいくが、鷹木はヘッドロックに。諏訪魔がロープに飛ばすと鷹木がショルダータックルでぶつかっていくが、諏訪魔は倒れない。諏訪魔のショルダータックルにフラつきながらも踏ん張った鷹木だが、エルボー合戦では諏訪魔が優勢。鷹木は自軍のコーナーに諏訪魔を押し込んでゼウスにタッチ。
すると光留がタッチをアピール。ゼウスを見て心配そうな諏訪魔だが、光留を信じてタッチする。ゼウスの圧力に思わず後退する光留に「来いや、コラ」と吠えたゼウス。光留は力比べにいくと見せかけてローキックを叩き込むが、ゼウスはビクともしない。
ならばとバックを取った光留だが、腕を取って捻り上げたゼウスはヘッドロックで絞め上げる。どうにかロープに飛ばして逃れた光留だが、ゼウスはショルダータックル。光留を上がに投げ出したゼウスが鉄柵に叩き付けると、鷹木がリングに戻す。鷹木はナックル、ヘッドバットからニードロップを落とす。
続いてゼウスがボディスラムで叩き付けてから筋肉ポーズ。さらに鷹木とのダブルタックルを決めると、2人揃って筋肉ポーズ。鷹木のバックドロップにゼウスがチョークスラムで合体。鷹木は光留を足蹴にしていくが、その足に絡みついた光留。だが、鷹木はサソリ固めで切り返すと、そこからリバースデスロックで絞め上げる。
どうにかロープに逃れた光留だが、鷹木は串刺しラリアット2連発。しかし2発目をかわした光留はジャンピングハイを叩き込んで諏訪魔にタッチ。スロイダーで投げた諏訪魔だが、鷹木もエルボーと逆水平チョップを返す。ならばとラリアットからバックドロップで投げた諏訪魔はフロントキック。キャッチした鷹木はローリングラリアットを叩き込むとグーパンチ。
諏訪魔は万力スリーパーホールドを狙ったが、バックドロップで切り返した鷹木はゼウスにタッチ。ジャンピングコーナースプラッシュ2連発からフロントスープレックスで投げたゼウスは、フロントキックを狙ったが、抱え込んだ諏訪魔はキャプチュード。
15分が経過し、光留がカウンターのソバットから水車落とし。そしてカウント2で返したゼウスに腕十字。ロープに逃れたゼウスだが、諏訪魔が入ってきてトレイン攻撃から投げ捨てジャーマン。そこに光留がランニングローを叩き込んでからの腕十字。だが、ゼウスは右腕一本で光留を持ち上げるとマットに叩き付けて脱出。
ラリアットを叩き込んでいくが、諏訪魔がカットに入る。そこに鷹木が入ってきてラリアットの相打ちになると、諏訪魔のラストライドをリバースで切り返してパンピングボンバー。そこからゼウスがチョークスラムで光留を叩き付け、最後はダメ押しのジャックハマーで叩き付けて3カウント。
試合後、諏訪魔と鷹木はお互いに人差し指を突き出してシングルマッチでの再戦を約束。そこから鷹木はゼウスと共に勝利の筋肉ポーズを披露。次の全日本参戦はいつになるのか?
<試合後コメント>
ゼウス&鷹木信悟
――久しぶりの全日本マットとなりましたがドラゴンゲートにはいないタイプの対戦相手はいかがでしたか?
鷹木「なんかもう諏訪魔選手の自信がすごいですよね。お前なんか顔じゃないっていうのが表情に出てるというか。それがすごく悔しかったですよね。(※ここでゼウスが登場)お疲れさまでした! いや、こんな心強いパートナーはいないですよ。ドラゴンゲートじゃモンスター・エキスプレスってチームをやってますけど、本物のモンスターがここにいた(笑)」
――今日はお2人の連携プレイも見せてもらいましたが。
鷹木「ドラゴンゲートでも普段(マッスルポーズを)やってるけど、ゼウス選手の隣でやったら一般人がやってるみたいになっちゃって(笑)。これまたいい刺激をもらったんで、ガンガン飯食って、ガンガン(体を)デカくしたいなと思いましたよ。」
――今回は1年ぶりの全日本マット登場となりましたが……
鷹木「タイミングが合えばね。ドラゴンゲートの大会があれば要相談ですけど、こうやって声をかけてもらえたのはうれしく思うし。どんな団体でも自分はフットワークは軽いつもりなんで。関西だろうが関東だろうが九州だろうが北海道だろうが! 今日はゼウスさんとタッグでしたけど、闘える時は五分で闘えるように! ぶつかり合えるようにしっかり体を鍛えておきます。」
――ゼウス選手は昨日今日と自らフォールを奪っていましたが。
ゼウス「そうやね。俺の今年の抱負というか。甘えず、妥協せず。勝つことだけをイメージして、そしてそれを実現させていく。それが昨日も今日もうまくいったからね。今年は絶対に三冠のチャンピオンになりたいと思っているし。まぁこの後メインの後、乗り込んでいって『次の挑戦者は俺や!』って言うからみんな楽しみにしとけ。そして! 鷹木信悟、ほんまに強い男やった。リングでメチャメチャ気持ち良かったわ。ありがとうございます!」
第6試合
DDTに流出していたアジアタッグを取り戻した鼓太郎&宮原のXceedが、DKの長井&南野の挑戦を受ける一戦。南野はイスを手に入場。さらに認定宣言している最中に認定書を取り上げた南野は認定書を破り捨てる暴挙。
DKが奇襲攻撃を仕掛けていって試合開始。いきなり場外戦に雪崩れ込むと、長井は宮原を南側通路に連れ出して蹴っていく。怒った宮原も長井を壁に叩き付けていくが、南野は鼓太郎を鉄柵に投げつけるとリングに戻してサミング。
しかしコーナーにホイップされた鼓太郎は、コーナーに飛び乗ってエルボーアタックを返すと、ケブラドーラ・コンヒーロを決めて宮原にタッチ。エルボーを打っていく宮原にツバを吐きかけた南野だが、なおも鼓太郎がエルボーからロープへ飛ぶと、場外から長井が足をすくって倒し、場外に引きずり出す。
今度は西側の最後方まで連れていった長井は壁に鼓太郎を叩き付けると、イスを振り下ろす。「タケシ、かわいがってやれ」と長井が鼓太郎をリングに戻すと、南野が顔面にコールドスプレーを噴射。さらに長井とのダブルタックルで吹っ飛ばす。
長井はテキサス・クローバー・ホールドに捉えるが、これは宮原がカット。注意するレフェリーを突き飛ばすほどエキサイトする宮原だが、その隙に南野が鼓太郎をコーナーに逆さ吊りにすると、長井が場外からイスを首に引っ掛けてチョーク攻撃。そこから南野がブレーンバスターで投げていくと、長井がブレーンバスターを狙うが、鼓太郎は逆に投げていく。
ようやくタッチすると、宮原は長井にフロントキックからエルボー。長井もエルボーで応戦すると、フロントキックの打ち合いに。そこから宮原は低空ドロップキックを連発し、串刺しジャンピングエルボーからノーザンライト・スープレックス。
だが、ロープに飛んだ宮原の背後から南野が蹴飛ばすと、怒った宮原は場外に南野を連れ出して鉄柵攻撃。ここでGAORA TV王座のベルトを腰に巻いたKENSOがDKのセコンドにつく。リング上では宮原が長井をコーナー上に寝かせてランニングニー。しかしフロントキックを狙った宮原をキャプチュードで投げた長井は南野にタッチ。
ジャブからグーパンチを叩き込んだ南野はレフェリーを突き飛ばしてから急所蹴り。バックを取った宮原に対し、急所攻撃を狙った南野だが、かわした宮原はフロントキック。タッチを受けた鼓太郎はビット(=ハンドスプリング・エルボー)から串刺しジャンピングニー、地獄の断頭台で畳みかけるが、南野はまたしても急所攻撃。
長井が入ってきてトレイン攻撃を決めると、長井の魔界ドライバー(=ファルコンアロー)から南野がダイビング・フットスタンプ。宮原がカットに入るが、長井と南野は合体攻撃を狙う。フロントキックで迎撃すると、鼓太郎が長井にファンネル(=619)。さらにバックドロップとネックブリーカーの合体攻撃。
南野がカットに入ると、宮原が南野を場外に連れ出す。その間に鼓太郎が走り込むが、長井がカニ挟みで倒すと、場外からKENSOがペットボトルで殴打。さらにリングに乱入して垂直落下式ブレーンバスターで叩き付ける。だが、宮原が長井に串刺しジャンピングニーからジャーマンで投げていくと、鼓太郎がランニングエルボー。
だが、レフェリーを南野が場外に引きずり出してカウントを阻止すると、宮原をイスで殴打。またもKENSOが乱入して鼓太郎にパウダー攻撃からGAORA TVチャンピオンのベルトで殴打。さらに脳天にイスを振り下ろしていく。グロッキー状態の鼓太郎を南野がデスバレーボムで叩き付けると、KENSOがダイビング・エルボードロップを投下。さらに南野が抑え付けた鼓太郎に長井が、コーナー最上段からのハイパーニー空牙を発射して3カウント。
ブーイングが鳴り響く中、KENSOと笑顔で勝利を喜ぶ長井&南野。満面の笑みで肩を組んでタイトル奪取をアピールするDK。これでGAORA TV王座に続き、アジアタッグまで強奪したDK。鼓太郎は肩を担がれて退場したが、宮原はセコンドの中島と共にDKに詰め寄る。しかし、DKはそんなXceedをあざ笑うように引き上げていった。
<試合後コメント>
DK
KENSO「俺たち! DKは! 自ら! 光を! 発していかないと! 生きて! いけない! 見ろ! 俺たちは! 今日! 光を! 発した! DKが! DKが! 全日本を変える! 以上!」
長井「これがDKだぜ。おいタケシ、来てくれ! アジアタッグ、まだまだ始まりだよ。このアジアタッグ、タケシが世界ジュニアを獲って。そして! リーダーのKENSOが三冠のベルト。俺たちのところに持ってくるはずだ。今年はこのDKが全日本のリングを引っ張ってやるぜ。」
南野「次は世界ジュニアだぁ!」
長井「……ちょっとなぁ、DKらしくないけど、ちょっとこれだけひとこと言わせてくれ。……おい、カッキー! 垣原賢人! お前これ、見てるか? え! 俺は今日歯を食いしばってがんばったよ! ……お前も癌になんて負けるなよ! ……お前、俺と一緒に頑張ってきたんだろう! 癌になんて負けないで、みんなの前に戻って来いよ! 忘れるな!」
第7試合
昨年末の世界最強タッグ公式戦でドーリングからフォール勝ちを奪った潮崎が、異例の2回連続三冠挑戦。ドーリングのセコンドには諏訪魔とEvolutionの司令塔である青木がつく。
まずはショルダータックルでぶつかり合うと、逆水平チョップの打ち合いに。そこからエルボー合戦になるが、潮崎は逆水平チョップ。しかしドーリングもショルダータックルでなぎ倒す。手四つの力比べになると、そこから潮崎がダブルリストアームサルトで投げていくが、立ち上がったドーリングはショルダータックル。
エルボーを打ち下ろしたドーリングはコブラツイストに捉えた状態で肘グリ。さらに強烈な逆水平チョップを叩き込むと、潮崎も逆水平チョップで応戦。早くも両者の胸が真っ赤になるとドーリングはカウンターエルボー。堪らず場外にエスケープした潮崎だが、追いかけたドーリングは潮崎をリングに戻す。
エルボードロップを落としたドーリングはヘッドバットから串刺し攻撃を狙うが、潮崎は蹴りで迎撃。さらにドーリングが狙ったブレーンバスターを逆に投げていく。逆水平チョップにはドーリングも逆水平チョップで対抗。
潮崎のジャンピングショルダーはキャッチしたドーリングだが、うまく逃れた潮崎はバックドロップで投げると、側頭部にトラースキック。さらにコーナーにホイップしての逆水平チョップからフィッシャーマンバスターからロープに飛ばしての逆水平チョップ。構わずロープに走ったドーリングだが、潮崎は逆水平チョップで迎撃。それでもタックルでなぎ倒したドーリングは、持ち上げてからリングを1周してからのブレーンバスター。
パワーボムの体勢に入ったドーリングだが、潮崎は腰を落とす。ハンマーを振り落としたドーリングはデスバレーボムを狙うが、DDTで切り返した潮崎。しかしすぐに立ち上がったドーリング。潮崎はなおもDDTで何度も叩き付けるが、ドーリングは立ち上がり、赤鬼のような形相からラリアット。潮崎が相打ちに持ち込むと、10分経過。
2度目の相打ちに打ち勝った潮崎は立ち上がってきたドーリングをラリアットでエプロンまで追いやる。朦朧としながら場外にエスケープしたドーリングが、どうにかリングに戻ったところに潮崎は再びラリアット。鉄柵まで吹っ飛んだドーリングに対し、潮崎はノータッチプランチャを発射。
ドーリングをリングに戻し、串刺し逆水平チョップを叩き込んだ潮崎は、ドーリングをコーナー上に座らせると雪崩式フランケンで投げ飛ばしてからシットダウン式のゴーフラッシャーを決めたがカウントは2。続くリミットブレイク(=リストクラッチ式垂直落下ボルケーノイラプション)を何とか踏ん張ったドーリングに潮崎はローリング袈裟斬りを叩き込んでから走り込むが、スパインバスターで切り返したドーリング。
15分が経過し、エルボーと逆水平チョップを打ち合う両者。潮崎は袈裟斬りチョップの連打からローリング袈裟斬りを狙ったが、ドーリングはエルボーで迎撃。ドーリングのラリアットをかわした潮崎だが、ロープに飛んで勢いをつけたドーリングはクロスボディーを浴びせると、レボリューションボム(=スパイラルボム)の体勢に。
これを高角度DDTで切り返した潮崎は豪腕ラリアットを叩き込むがカウントは2。雄叫びをあげた潮崎は完璧な形でゴーフラッシャーを決めたが、これもカウントは2。潮崎もフラつくほどのダメージだが、後頭部へのローリング袈裟斬りからドーリングをコーナーに乗せると、アルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げてからのゴーフラッシャー。
これもカウント2で返したドーリングに対し、潮崎はラリアット。しかし相打ちに持ち込んだドーリングはラリアットからカウンターのクロスボディー。潮崎もカウント2で返すと20分経過。ドーリングはレボリューションボムを狙うが、ヒップトスで押し潰した潮崎。潮崎はトラースキックを叩き込むが、ドーリングは返す刀でショートレンジラリアット。さらにラリアットの相打ちが2回続くとダブルダウン。
再び立ち上がるがまたもラリアットは相打ちに。先に立ち上がった潮崎はローリング袈裟斬り3連発だが、ドーリングは倒れずに手招き。潮崎のラリアットを食らっても倒れないドーリングだったが、潮崎は渾身の豪腕ラリアットを叩き込んでドーリングをなぎ倒すと3カウント。
エンディング
悲願の三冠初戴冠となった潮崎だが、足元がおぼつかないほどのダメージ。敗れたドーリングも朦朧としながら引き上げていく。新年早々ベストバウト級の激闘を制してベルトを受け取った潮崎は感慨深い表情でベルトを見つめるが、そこにゼウスが入ってきて「潮崎! そのベルト、俺に次、挑戦させてくれ」と三冠挑戦をアピール。
さらにKENSOも入ってきて「あらあらあらあらあらららら、DK絶好調だ、オイ見たか、DK絶好調だ! おーい、よく聞けよ、DK絶好調だ! DK絶好調だ。おいゼウス、俺とお前、試合をやって勝ったほうがクソ格好良く三冠戦に挑戦する、どうだチャンピオン! おい、答えてくれ!」とGAORA TV王座、アジアタッグに続き、DKは三冠も狙うこと&ゼウスとの次期挑戦者決定戦をアピールするが、観客からはブーイング。
それを聞いた潮崎は「ゼウス、KENSO。お前らな、このお客さんの声がいまのお前らの状況だよ。これを覆すことをやってみろ! その上で挑戦しろ、俺に」と返答。それを聞いたKENSOはゼウスに張り手をお見舞いしてから、ブーイングの中を引き上げる。
ゼウスも憮然とした表情で引き上げていくと、潮崎は改めて客席を見渡してから「皆さんの声があったからこそこの三冠ベルト、手が届きました。いま全日本プロレス、後楽園、まだまだ満席、超満員札止めにならないけど、俺の力で! もっともっと大きな……そう、(日本)武道館! 武道館目指して、その高みまで俺が全日本プロレス引っ張っていきます。次々挑戦者来るのは嬉しいけど、もっともっとこの三冠の価値を高めて、全日本プロレスもっともっと上に突き上げていきます! 今日はありがとうございました!」と、新三冠王者として全日本プロレスを、かつての聖地だった日本武道館まで引き上げることを宣言してみせた。
<試合後コメント>
潮崎豪
――タイトル奪取、おめでとうございます。
潮崎「……ありがとうございます。」
――4度目の挑戦でようやく掴んだ三冠のベルトですが?
潮崎「そうですね。……やっとこのベルトに手が届いた。今はその気持ちでいっぱいです。」
――ドーリング選手はそのベルトを獲った時に「歴史の一部になった」と言っていましたが、潮崎選手も同じ気持ちでしょうか?
潮崎「いや俺は、俺のプロレス、全日本プロレスでプロレスをやるって事はまだまだこれからだと思うし。ただね、さっき言ったように全日本プロレス、もっともっと、高いところまで、高い位置にいくためにはこの価値をもっと上げて。選手全員、選手全員、スタッフ全員、会社全体でもっともっと盛り上げていくことが必要だし、今日見に来てくれた。そしてGAORAの生放送を見てくれたファンの力で、もっと盛り上がる。もっともっと盛り上がる。そんな感覚が掴めたんで。この2015年の一発目じゃないけど、最初の大会でこのベルトを手にしたというのは、それだけ価値があると思います。」
――三冠タイトルにふさわしい内容の試合でしたが、対戦相手のドーリング選手もものすごい強さを発揮していましたが。
潮崎「そうだね。俺が小さい頃に見ていた、テレビを見て熱狂していた全日本プロレスの、強い外国人選手というものをこの場で体験できたというのが俺の中であったんで。それだけで俺は……感無量だし、これからもっともっとよみがえっていける団体だと思うし、このベルトを持って俺が引っ張っていこうと思っています。」
――秋山社長体制になってから一番お客さんの入った後楽園大会ではなかったかと思いますが、それだけ潮崎選手が獲るという予感や期待が大きかったのではと思いますが?
潮崎「いや! それだけじゃないし、1試合目から今日の1月3日の大会が作り上げられたと思うしね。これは俺だけの力じゃないよ。これが今の全日本プロレスの力だし、もっともっと上に、まだまだ上に行ける可能性があると確信しましたね。」
――リング上でもおっしゃっていましたが、次の目標として武道館進出と。
潮崎「……そうだね、本当に。全日本と言えば武道館。そしてまだまだ出てない場所はいっぱいあるしね。そこで、そこに行くまで俺がこの団体を引っ張っていければ。俺の力で……いや、違うな。俺が先頭になってみんなの力を引っ張り出していければね。でかいところでやりたいと、その気持ちが今日は強く出ましたね。」
――試合後すぐに次の挑戦の名乗りを2人あげてきましたが?
潮崎「それだけこのベルトが欲しいんだろうし、それだけこの団体を面白くしたいという気持ちが強いんだろうしね。でも今日、あの2人が上がった時のお客さんの声があの2人の状況だと思うし、それをくつがえす戦いをやって、みんなを納得させて、俺の前に立って来いって。」
――GHCを獲った時が27歳で、今回は33歳の誕生日目前で三冠のベルトを獲りましたが、その時との気持ちの違いはありますか?
潮崎「それだけ責任もデカイし、気を引き締めてこのベルトを持つ意味を噛みしめて、このベルトを腰に巻いて、これからの大会に立っていきたいと思います。」