【インタビュー】クルーザー級王者・吉岡が挑戦者・頓所に苛立ちを募らせる!「消化試合になるかタイトルマッチになるかは、頓所の覚悟次第」

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

 9月2日の横浜文化体育館大会でアンディ・ウーとのライバル対決を制して、再びクルーザーディビジョンのベルトを手に入れた吉岡世起。
 9.18後楽園大会後、自ら次期挑戦者として頓所隼を指名したが、前哨戦を闘う中で「覚悟が見えない」と苛立ちが募っている。このままでは「消化試合になる」と頓所に警告を鳴らす王者に話を聞いてみた。

──9.2横浜文体で4月に落としたクルーザーのベルトをようやくアンディ選手から獲り返しましたけど、どのようなお気持ちだったんですか?
「やっと、という感じでしたね。3月にベルトを獲った時もやっとという感じだったんですけど、すぐに獲られて落ち込んだりして。それから気持ちを持ち直してアンディ・ウーからベルトを獲り返すという目標も定まり、それも文体で達成できたと。本当にやっとという感じなんですよ。やっとスタートラインに立てたという気持ちが強いですね」

──「未来を創る」という発言もありましたけど、今度こそ、そのスタートラインに立てたということですか?
「そうですね。クルーザーのベルトの価値を上げていかないといけないし、そのスタートラインということですよね。僕はあのベルトを自分の団体の選手もそうだし、他団体の選手も欲しがるようなベルトにしないといけないなと思っているんですよ。他の団体のジュニア……まあジュニアとクルーザーで名前は違いますけど、他の団体のジュニアに負けないようなベルトにしたいですよね。そのためにも僕が防衛していって、W-1にしかない色を出していかなきゃいけないと思っています」

──なるほど。そういう意味では挑戦を表明してくる選手に対して、厳しい目で選んでいくという部分もあるんでしょうか?
「いや、全然そんなことないですよ。今は誰でもいいです。キャリアとか実績とか関係なく、挑戦したければ挑戦してこいっていう気持ちですね。その気持ちが大事だと思っています。もちろん、その中である程度いい試合ができる選手ならばいいなっていうのはありますけどね。僕もチャンピオンになったとはいえ、全然自分に対して満足してないですから。僕に刺激を与えてくれるような選手ならば誰でもいいです」

──「刺激」という言葉は何度か出していますけど、9.18後楽園大会ではその刺激になりそうなMIKAMI選手にフォールを奪われてしまいました。本来なら次の挑戦者はMIKAMI選手だったんでしょうけど、残念ながら怪我で辞退ということになってしまいましたね。
「実際にフォールを獲られてしまったわけですから、僕はMIKAMIさんを指名しようと思っていたんですよ。ただ、怪我ということですし、やり場のない怒りがありますよね。やっぱりやられたらやり返さないと気が済まないですからね」

──まあ怪我なのでしょうがないといえばしょうがないですけどね。
「だから、本当の意味で万全になってまた挑戦してきてくれれば僕はいつでも受けます。MIKAMIさんに対してはそれしかないですね」

──わかりました。そして、改めて指名したのがACEの頓所選手という意外な人選でしたね。
「確かにキャリアを考えれば意外かもしれないですけど、9.18後楽園大会でやったクルーザーの選手が集まった6人タッグでは一番勢いを感じたんですよ。まあアンディさんはやったばかりだし、MAZADAさんもベルトを賭けてやったことがあるし、僕としても新たな刺激が欲しかったというのもあります。あと、キャリアや実績とか関係なくやっていきたいということの表れなのかもしれないですね。頓所って、普段はあまり意思表示をしてこないじゃないですか?」

──自己主張はまだあまりできないですよね。
「そんな頓所があの日に限ってはクルーザーに挑戦させろと、リング上でも突っかかってきましたし、Twitterでも突っかかってきてたんで、そんなにやる気があるならと思って指名したんですけどね」

──頓所選手はまだクルーザー戦線に本格的に絡んだことはないので、刺激という部分では目新しいかもしれないですよね。
「それプラス頓所がこのタイトルマッチで覚醒すれば、僕もそうですし、他のクルーザーの選手の刺激にもなると思ったので、ちょっと実験的かもしれないですけど、指名してみたんですよ。あと、クルーザーでは僕よりも若い選手はいないですからね。アンディさんも同じぐらいの世代なので、下のキャリアの選手とやったらどうなるのかっていうのはちょっとおもしろいかなと思ったんですけど……」

──ちょっと言葉の歯切れが悪くなってきましたけど、前哨戦として闘った9.24広島大会と9.25米子大会の試合後にはかなり厳しい言葉を頓所選手に向けて出していましたよね。
「はい。後楽園の時の気持ちが見えないんですよね。最近は9.11J-STAGEのメインでの試合や、後楽園大会だったりで気持ちを見せてきたんですけど、それが潜めているというか。広島でそれを感じたので、米子ではどうなんだろうと思ったんですけど、やっぱり感じられなかったので僕も途中でイラッとして蹴りでKOしちゃったんですけどね」

──試合途中で頓所選手は半分失神したかのような状態になっていましたね。
「だから厳しい言葉も浴びせたんですけど、現状のままだとせっかくのタイトルマッチが勝敗のわかりきった消化試合になっちゃう。消化試合になるかタイトルマッチになるかは、頓所の覚悟次第だと思うんですよ。でも、その覚悟が見えてこないんですよね」

──本人もいざ決まったら、腰が引けてきちゃったんですかね?
「決まって安心したのか、腰が引けたのかわからないですけど、あんなんじゃ全然足りないし、刺激にならないですよ。残す前哨戦は10月2日の新木場大会だけなんで、後楽園までに覚悟を決めて来てほしいですね。そうじゃないと僕がボコボコにして終わりですよ」

──頓所選手はここのところ、カズ選手が引っ張ってUWA世界6人タッグに3回連続で挑戦させたりしているんですけど、成長自体は感じられるんですか?
「成長自体は感じられますね。以前はとりあえずこなせる器用貧乏みたいなイメージだったんですけど、技自体も変わってきてますから。例えばドロップキックなんて本当に強烈になりましたからね。あいつのドロップキックって打点が高いし、顔面を狙ってくるんで本当に威力があるんですよ。ちゃんと武器になる技になっているし、後楽園大会でMAZADAさんにやってみせたフランケンシュタイナーも凄かったですよね」

──雪崩式で決めていましたよね。
「だから、カズさんの横にいただけあって、本人も少しずつだけど変わろうとしているし、その部分での成長はあるんですよ。ただ、そこに覚悟というか、気持ちが追いついていないんだと思います。そこがガッチリハマったら、もっといい選手になると思うんですけどね」

──逆にそういう気持ちを駆り立てるために、厳しい蹴りを見舞ったりしているんですか?
「そういうのもありますし、ただのイライラっていうのもありますけどね(笑)。とにかく現状では物足りないですね。最近は試合の中で凄い感情を見せてくる部分もあったんですけど、前哨戦でそれが見られないんでイラッとしてますね。見込み違いだったのかなと思う時もあるし、早く覚悟を決めてほしいですよね」

──本人は後楽園までまだ時間があるので、それまでに進化してやるって言ってますけど。
「時間はないですよ(笑)。W-1はそんな悠長にやってられる団体じゃないです。チャンスなんて一度逃したら、次はいつ来るかわかんないんで、そんな心構えじゃダメですよ。もっと焦らないと。前哨戦からタイトルマッチは始まっているんですよ。そんなことを言っているうちはまだまだですね」

──10.2新木場大会では最後の前哨戦として、皇選手と組んで、頓所選手とASUKA PROJECTの仲川翔大選手と闘います。ここで今までの分を挽回するぐらいの勢いで来てもらわないと、タイトルマッチが危ういということですね。
「新木場でどうなるかですよね。どれぐらい気持ちを持ってこられるかだと思います」

──気持ちの部分で言うと、ACEの主要な選手の中で、立花選手、伊藤選手、岩石選手はベルトを巻いて、伊藤選手と立花選手は10月からW-1の所属になりますし、一人置いていかれているっていう現状をわかっているとは思うんですよね。
「わかってるんですかね、あいつは?(笑)。これから総合学院の4期生もデビューしてきまし、野望や欲を持った人間はすぐに上がってきますから。あいつもここで欲を出さないと置いていかれたままになっちゃいますよ」

──クルーザーのタイトルマッチでそれを挽回するような闘いぶりを見せてくれれば。
「まあ、かと言って、ベルトを獲らせる気はないんですけどね(笑)。あいつに覚醒してほしいのは事実ですけど、ベルトを渡す気はないんで。ただ、結果が見えるような試合で勝ってもベルトの価値は上がらないし、僕の刺激にもならないので。僕を脅かすような存在になった上で叩き潰してやりたいんですよ」

──頓所選手が現状で出せる限りの力を出してきた上で叩き潰してやりたいということですね。
「はい。僕は稲葉ほど優しくないんで(笑)。全部受けとめてやるなんてことをするほど優しくないし、叩き潰しにいきます。その覚悟が頓所にあるのか、と。そうじゃないと本当に僕が一方的にボコボコにして終わる試合になりますよ」

『WRESTLE-1 TOUR 2017 UPDRAFT』
日時:2017年10月11日(水)
開始:19:00
会場:東京・後楽園ホール大会

▼WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ 60分1本勝負
【第11代王者】吉岡世起
Vs
【挑戦者】頓所隼(ACE)
※第11代王者・吉岡世起、初の防衛戦。

▼WRESTLE-1 TAG LEAGUE 2017 決勝トーナメント1回戦① 時間無制限1本勝負
Aブロック1位
Vs
Bブロック2位

▼WRESTLE-1 TAG LEAGUE 2017 決勝トーナメント1回戦② 時間無制限1本勝負
Bブロック1位
Vs
Aブロック2位

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア

関連記事

サイト内検索

日別

2024年4月
« 3月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

月別

ページ上部へ戻る