【試合結果】6・16 ラウェイTDCホール大会 高橋奈七永vsブロニカ 蓮實光vsター・テ・タプイン

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『LETHWEI in Japan 4 ~フロンティア~』
日程:2017年6月16日(金)
会場:TDCホール
開始:18:30

▼第1試合 60kg契約 3分4R
△チャー・バー・ヘイン(ミャンマー)
4R終了 時間切れ
△BAKI(1SHIROI DREAM)

▼第2試合 61kg契約 3分3R
●ス・ライ・ウー(ミャンマー)
2R 1分32秒 KO
○ユリア・ストリアレンコ(リトアニア)

▼第3試合 64kg契約 3分3R
△ブロニカ(ミャンマー)
3R終了 時間切れ
△高橋奈七永(SEAdLINNNG)

▼第4試合 70kg契約 3分5R
○ピャン・トゥエ(ミャンマー)
4R終了時 TKO
●渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)

▼第5試合 57kg契約 3分5ラウンド
●ヤー・ザー(ミャンマー)
3R 42秒 TKO
○浜本“キャット”雄大(クロスポイント大泉)

▼第6試合 65kg契約 3分5R
○ター・テ・タプイン(ミャンマー)
3R 2分28秒 TKO
●蓮實 光(パラエストラ栃木)

▼第7試合 80kg契約 3分5R
○デーブ・レダック(カナダ)
2R 2分23秒、KO
●ニルムコーン・スッサコーンジム(タイ)

高橋奈七永がラウェイで激しい打撃戦!渡慶次幸平と蓮實光が参戦もTKO負け

第3試合


 ラウェイ初のTDCホール大会には、パンクラスに上がっている渡慶次幸平、蓮實光の2選手が出場。勝利はならなかったが、野生の闘争本能をむき出しにし、激しい闘いを繰り広げた。また、プロレスからは高橋奈七永が3度目の参戦。ダウンしながらもフルラウンド粘り、プロレスラー魂を見せつけた。

 1R、開始直後から殴り合う。元ミャンマー女子ボクシング強化選手・ブロニカのパンチの圧力にやや押される高橋。ブロニカのパンチでダウン!しかし立ち上がり、高橋は距離を取り足を使っていく。高橋バックハンド! コーナーへ詰めるがブレイク。
離れると、再び足で攻めていく高橋。ミドル、前蹴りが冴える。ブロニカがパンチを返してゴング。

 2R。高橋はこのラウンドもロー、ミドルと足を使う。組んで首相撲からヒザを打ち込む。さらにバックハンドからのヒジ、ロープへ詰めて頭突き! やや消耗しているようだが、高橋が積極的に攻めて終了。

 3R。高橋が蹴り、ブロニカはパンチで攻める。パンチを怖れず前に出る高橋。ブロニカはローも強い。高橋、組んでヒザ、バックハンド! 再び組んで首相撲からヒザを叩き込む。しかし、ここでブロニカがパンチのラッシュ! 高橋ピンチだが、首をかかえてブレイクに持ち込んだ。
 ブロニカはパンチでコーナーへ追い、ロープ際でパンチ連打。仕留めにかかっている。しかし高橋が耐えて終了。

 元ミャンマー女子ボクシング強化選手という経歴はダテではなかった。ブロニカのパンチの重さに苦しんだ高橋だが、最後まで心は折れず、プロレスラーの意地を感じさせた。また、ラウェイ流の闘い方も見せ、この競技に次第にアジャストしているようだ。
 「いつなんどき、誰の挑戦でも受けるのがプロレスラー」と話す高橋。さらに進化した闘いを見せてほしい。

第4試合

 2012年よりパンクラスに参戦している渡慶次。2014年を除きコンスタントに試合をしているが、勝敗は五分。「格闘技で生き残るため、今やらなければならない」と、“地上で最も過激な格闘技”といわれるラウェイに参戦を決めた。
 バンテージを巻いただけの素手に近い殴り合い、頭突きや、故意でなければローブローも許されるラウェイで、渡慶次は何を感じるのか。

 1R、渡慶次は距離を取り、慎重に相手を見る。ピャンは蹴り中心に攻める。渡慶次が強烈なパンチ! 終盤にも重い左パンチ。

 2R、渡慶次は少し距離を詰め、パンチで攻める。ピャンはミドル、パンチで来るが、渡慶次は冷静に見ながら狙っていく。渡慶次、アッパー! お互いに打ち合ってゴング。

 3R。激しく打ち合う両者。渡慶次が鼻から出血、右目の下もカットしている。ピャンのパンチはパワーを増し、渡慶次が圧力に押され吹っ飛ばされる。渡慶次のパンチも十分倒せるはずだが、消耗してきている。

 4R。再び激しく打ち合う。渡慶次の右目が大きく腫れ上がり、目が閉じてしまっている状態。恐らくほとんど見えていないだろう。しかし、渡慶次の心は折れず、パンチが生きている。最終ラウンドで爆発するか。

 しかし、5Rに入ろうとしたところで、渡慶次のケガがひどく、ドクターが試合をストップ。ラウェイ勝利はならなかった。

 MMAの世界でもワイルドな闘いを見せてきた渡慶次だが、この日は野生の美しい獣のようだった。やはりラウェイという過激で苛酷な競技が、渡慶次の中の野生を呼び覚ましたのだろうか。
 MMAではないが、渡慶次という選手の本質を初めて見たような一戦だった。渡慶次の今後に期待したい。

第6試合

 今年4月にラウェイに初参戦した蓮實。自分の中の何かを変えるため、自ら参戦を訴えたという。しかし、結果はTKO負け。その場で再戦をアピールし、実現した一戦だ。「殴り屋」の面目躍如なるか。

 1R開始直後、蓮實がいきなりパンチのラッシュ! パンチ連打でロープへ詰めるがブレイク。ターは手足が長く、パンチの間合いが遠い。さらに、蹴りの圧力も素晴らしく重い。蓮實は左眉尻をカットしながらもパンチを打って終了。お互いに狙い、殺気漂うラウンドとなる。

 2R。パンチを振っていく蓮實。ターはハイキック、ローキックと距離で攻め、パンチで前に出る。蓮實は組み付き、倒してブレイク。倒して削っていく作戦か。しかし、やや消耗している蓮實。

 3R。蓮實がジャブ。組んで倒し、ブレイク。蓮實、左右のボディから組んで倒す。ターのローやパンチで消耗している蓮實。そこへターが頭突きで突っ込む! 蓮實ダウン! ダメージが大きく、ここで蓮實陣営がタイムを取る。タイムは1試合で1度だけ使うことができ、2分間のインターバルを取ることができるルール。タイム権を使うと、1ダウンと数えられる。
再開するが、ターのパンチで蓮實ダウン! これはレフェリーによりダウンと見なされなかったが、続いてパンチで2度のダウンを喫し、3ダウンによるTKO負けとなった。

 連敗となったが、蓮實の表情は明るかった。第4試合の渡慶次と同様、ギリギリの中で闘うことで、闘う者としての感覚が研ぎ澄まされたのだろう。

蓮實は「前回は、その場の気持ちだけで再戦したいと言いましたけど、今回は、この敗戦を機に、技術面をもっと磨いていこうという気持ちです」と話した。
 「作戦としては、ボディを狙いたかったし、もっと打ち合おうと持っていました。でも、なかなかうまく間合いが取れなかった。もっと当てたかったですね。組み付いたのは作戦じゃなくて、相手の打撃が苦しくて行きました」と試合を振り返る蓮實。
「ラウェイに参戦させていただいて、格闘家として幅が広がったと思います。最近は、パンクラスでも負けたり判定だったりして勢いがなくなってしまっていて。“殴り屋”と言われているのに、全然殴れていませんでした。でも、ここで闘ったことで、殴り屋復活です。
 ラウェイは確かに厳しいですけど、面白さもわかってきました。3回目の参戦も、させていただけるなら是非やりたい。勝つまでやめたくないですね。そして、ここでの経験をもって、またパンクラスに上がりたいです」
と話した。

(写真・文/佐佐木 澪)

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