6・26 DEEP後楽園ホール 【DEEPライト級タイトルマッチ】北岡悟vs下石康太 【第4代DEEPフライ級王者決定戦】和田竜光vs柴田“MONKEY”有哉

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『DEEP 67 IMPACT』
日程:2016年6月26日(日)
会場:東京・後楽園ホール
開始:18:00

【オープニングファイト】
▼第1試合 DEEPバンタム級 5分2R
○窪田泰斗(KIBAマーシャルアーツクラブ)
2R終了、判定3−0
●ソムリエ恵介(トイカツ道場)

▼第2試合 DEEPフェザー級 5分2R
●DARANI DATE(Team DATE)
2R終了、判定0−3
○松林佑介(INFIGHT JAPAN)

【本戦】
▼第1試合 DEEPウェルター級 5分2R
○住村竜一朗(トリニティーサンズ)
2R 1分18秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●真王DATE(Team DATE)

▼第2試合 DEEPライト級 5分2R
●田村ヒビキ(パラエストラ大阪)
2R終了、判定0−2
○江藤公洋(和術慧舟會HEARTS)

▼第3試合 DEEPバンタム級 5分2R
○釜谷 真(Honey Trap)
1R 4分39秒、チョークスリーパー
●高野優樹(和術慧舟會HEARTS)

▼第4試合 DEEP女子44kg以下 5分2R
○しなしさとこ(フリー)
1R 1分32秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●実証DATE(Team DATE)

▼第5試合 DEEPストロー級グランプリ1回戦 5分3R
○小島壮太(吉田道場)
2R 4分59秒、フロントチョーク
●阿部博之(ドラゴンテイルジム)

▼第6試合 DEEPストロー級グランプリ1回戦 5分3R
●越智晴雄(パラエストラ愛媛)
3R終了、判定1−2
○カン・サトー(グラップリング シュートボクサーズ)

▼第7試合 DEEPライト級 5分3R
○菊野克紀(フリー)
2R 4分46秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●大山釼之助(INFIGHT JAPAN)

▼第8試合 セミファイナル 第4代DEEPフライ級王者決定戦 5分3R
○和田竜光(吉田道場)
3R終了、判定5−0
●柴田“MONKEY”有哉(BLOWS)

▼第9試合 メインイベント DEEPライト級タイトルマッチ 5分3R
○北岡 悟(Lotus世田谷&パンクラスイズム横浜/王者)
3R終了、判定5−0
●下石康太(BLOWS/挑戦者)

北岡悟が下石相手に王座防衛し「我こそがパンクラシスト、オレこそがパンクラス!」

第4試合

2016-06-26DEEP_第4試合 インド風の衣装をつけた仲間たちと踊る入場パフォーマンスを見せた実証(プルーフ)。もともとはヨガをやっており、インド王族の武術であるマハーラジャ カルーリガを体験したことからプロ転向。2013年から立ち技系の大会で5勝し、満を持してのMMAデビューだ。
 対するしなしは初代SMACKGIRLフライ級王者、初代DEEP女子フライ級王者。結婚を機に08年10月より長期欠場していたが、14年10月よりマットに復帰。DEEP、DEEP DREAM、ROAD FC日本大会などで5試合連続1本勝ちを収めている。プルーフが力を「実証」するのか、しなしが盤石の強さを見せるのか。

1R、しなしはジャブを出しながら回る。プルーフはしなしの首投げをこらえるも、しなしは下から腕十字。プルーフはカカトで抵抗。極まりかけているように見えたが、しなしは腕を外して上になり鉄槌を落とす。パウンドを打ちまくるしなし。プルーフはこらえるしか出来ず、レフェリーが止めた。

第5試合

2016-06-26DEEP_第5試合 4人エントリーで行なわれるDEEPストロー級グランプリ。阿部は昨年11月、パンクラス初代ストロー級王者決定戦で砂辺光久と対戦したが、判定負け。内容的には劣っていなかったものの一歩及ばなかった。去就が注目されていたが、今回のグランプリにエントリー。パンクラスの代表として闘うと語った。
 小島は2014年からDEEP、TTF CHALLENGEで5連勝を飾り、昨年10月に元谷友貴のベルトに挑戦するも判定負け。新設されたストロー級に階級を移した。新天地で闘う両選手。一歩先へ行くのはどちらか。

1R、小島の蹴り足を取りコーナーへ押す阿部だが、小島は振り切る。阿部はプレッシャーをかけながらパンチ、テイクダウン。しかし小島は立つ。阿部はパンチで積極的に前に出るが、小島も徐々に距離を詰めパンチ。小島が組みつき投げるが、阿部はすぐに首を抜いてバックを奪う。バックマウントへ移行したいが、落とされたところでゴング。

2R、阿部がロングタックルでテイクダウン。動きにキレが感じられる。しかし小島はすぐに立ってコーナーへ押し込んでヒザ。阿部はそこから投げるが、小島はすぐに立って再び押し込む。ヒザを打つもブレイク。阿部のパンチ! 小島は効いたか。阿部は片足タックルからコーナーへ押し込む。小島はヒジを打ち相対する。倒したい阿部だが、小島はこらえる。離れてリング中央へ。阿部はなかなかグラウンドの展開に持ち込めない。小島はコーナーへ押し込むがブレイク。阿部がパンチからテイクダウンするが、小島がギロチン! 残り時間わずかだが、阿部は逃げ切れるか。しかし、残り1秒でタップ。決勝へは小島が駒を進めた。

第6試合

2016-06-26DEEP_第6試合 越智は修斗バンタム級トップファイターとして活躍したあと、2013年よりDEEPに参戦。フライ級トップ戦線に食い込んだが、14年末からは2敗1分けと厳しい状況に。昨年12月よりストロー級に転向、ソン・ジュホにKO勝ちを収め、この階級トップを狙う。
対するサトーは中学時代からアマチュアDEEPに出場、アマチュアキック4勝、アマチュア総合で7勝して2012年にDEEP富山大会でプロデビューを果たした。今回は約1年ぶりの試合となるが、どのようなパフォーマンスを見せるのか。

1R、サトーはいきなりパンチからタックル。越智は倒されない。サトーはコーナーへ押し込みバックを狙う。おぶさった状態に。越智は正対してパンチを打ち、サトーもパンチを返す。サトーはコーナーへ押し込んでヒザを入れるがブレイクがかかる。重いパンチで前に出る越智。サトーが鼻から出血している。越智がコーナーへ押し込みボディを連打すると、ロープ際で激しい打ち合いとなる。サトーはタックルを切られ倒せない。越智の打撃が光る。

2R、サトーがパンチで出る。右がヒットし、越智がフラッシュダウン! サトーはバックマウントから殴り、バックチョークを狙うが、これは越智が外す。越智がパンチからタックル、ハーフマウント。サトーはガードに戻すが、再び鼻から出血している。ヒジを落とす越智。バックに回るが、サトーが上になり肩パンチ。サトーがバックを取りそうなところで終了。越智の右目上が腫れている。

最終ラウンド。サトーがタックルからロープへ押し込むが、越智は離れて打ち合いになる。越智がバックを取り投げてテイクダウン! パンチを落としてハーフマウントになり、ボディ、ヒジを連打。サトーは蹴り上げ、三角絞めを狙うが越智は叩き付ける。しかし立ったサトー。越智はロープへ押し、テイクダウンを狙う。サトーは尻餅状態となるが、越智は立って投げる。サトーは倒れずヒジ。倒して上になった越智。サトーは果敢に腕十字を仕掛け、腕が伸びているがゴング。判定は2−1でサトーが勝利。小島壮太とカン・サトーが決勝でぶつかることとなった。

カン・サトー「辛かったけど、精神的に勝てた感じがします。最後は気持ちですね。負けたくない気持ちが勝因だと思います。打撃はかなり練習していました。相手の打撃は、途中からけっこう見えてきましたね。小島選手の試合は見ていないです。そんな余裕がなくて。でも、強い選手だと思います。頑張って勝ちたいです」

第7試合

2016-06-26DEEP_第7試合 菊野は2006年にDEEP本戦デビュー、2009年には第5代DEEPライト級王者となる。その後DERAMでも活躍し、2014年にはUFCに初参戦、2勝を収めている。今大会で2年10ヵ月ぶりに古巣DEEPに凱旋する。
 大山はプロボクシングA級ライセンス持ち、打撃だけでなくサブミッションも得意とする。昨年7月にはアメリカ・XFLに参戦し海外での試合も経験した。今回はUFC帰りの菊野を迎え撃つ。将来のDEEPライト級エース候補と期待される大山は、菊野相手にどのような闘いを見せるのか。

1R。開始すぐに、菊野はスッと前に出て蹴りからテイクダウン、ハーフマウントを奪う。殴って起き上がらせない菊野。大山は片足をパスさせないよう粘るが、ブレイクがかかる。
パンチでバランスを崩しグラつく大山に、菊野がサッカーボールキック! すぐ上になりハーフマウント。さらにマウントに移行し殴る。大山、返して抜けた。打ち合うと、菊野はコーナーでテイクダウン。上から殴ったところで終了。

2R。菊野はパンチから組んでテイクダウン。ハーフマウントから殴る。大山は何も出来ず、ブレイク。大山はパンチで出るが、菊野は組んで倒し、マウントに。大山はハーフに戻しリバースするが、すぐにまた返されてしまう。菊野ハーフマウント。大山が左目をカットし、ドクターチェックが入る。再開。菊野はすぐにテイクダウンし、パウンド。レフェリーが止めた。

菊野「(会場からの“お帰り!”という声に答えて)ただいま! 夢と希望をもってUFCに行きましたが、叩き返されてきました。今、僕は、自分の名前の“克紀”の“克”という字を大切にしています。自分に勝つという意味です。今は未来が見えないので、自分に勝つことだけに集中して闘います。諦めずにやりたいです。これからも、しっかり自分に勝って前に進んで行きます」

第8試合

2016-06-26DEEP_第8試合 元谷友貴のベルト返上により行なわれることになった王者決定戦。和田は第2代同級王者だったが、元谷友貴に破れ防衛に失敗。しかし、その後勝ち続け、元谷へのリベンジ戦が目されていたが、元谷が今年4月のRIZINで計量オーバーし、ベルトを返上。和田と柴田が第4代決定戦を闘うこととなった。世界への挑戦を目標とする和田は、再びベルトを巻き、世界へ弾みをつけるか。

1R、パンチで前に出る柴田。組んでフロントチョークを狙うが、和田は叩き付けて上に。柴田は下から頭部を連打、カカトも入れるが、和田はハーフマウントから立って猪木アリ状態になりロー。柴田は蹴り上げるが展開なくブレイク。和田はパンチからバックを取る。柴田が向き直ると、和田はすぐに立つ。かぶさってパンチ、ロー。かぶさってヒジを打ち込んだところでゴング。

2R、柴田、左ミドルキック。組んでボディにヒザ。和田はロープへ押すと投げてテイクダウン。殴り、立ってすぐかぶさるが、柴田が右の額をカットしドクターチェックが入る。チェック前のポジションから再開。猪木アリ状態で、和田がパンチを落とし、柴田が蹴り上げる。苦しい柴田。和田がローを放ちゴング。

3R、柴田は左ハイキック。組むと和田が上になりハーフマウント。柴田が再び出血し、金髪が半分くらい紅く染まってしまう。しかし、足を絡めて足関節を狙う。和田は外してハーフマウント。再び足を狙う柴田だが、和田は立って外しローキック、かぶさって大きくヒジを打つ。柴田は蹴り上げるが動けず。両者立って打ち合う。柴田は左目の下もカットしている。和田はコーナーへ押し込むと、ローキックから強烈なヒザを叩き込む! 脱出したい柴田。バックを取り潰す和田。柴田は立つことができないままゴング。粘ったが、元王者には及ばなかった。これにより、和田が第2代に続き、第4代王者となった。和田は会場に来ていた吉田秀彦をリングに呼び、記念撮影に応じた。

和田「第2代と第4代のチャンピオン、和田竜光です。応援ありがとうございました。いつも言っていることですけど、僕はベルトを目指してやっているわけじゃありません。道の途中でベルトを獲っちゃったって感じで、もっと上を目指しています。だから、もっと上の人とやらせてください。MONKEY選手は強くなっていました。ナメではいなかったですけど、いい試合になっちゃいました。いい選手になっていましたね」

<試合後コメント>
和田竜光
「ホッとはしてますけど、ヨッシャー! という感じではないです。もちろん勝つつもりでいましたけど、ベルトは目標ではないですから。通過点なんで。今日は、今後もっと上に行くための1つの試合であって、相手がどうとか関係なかったです。1Rで腕を狙われたのは、最初の時点で気をつけないといけなかったです。ニュルニュル逃げようと思ったんですけど、まだそれほど汗をかいていなくて、少し嫌な展開ではありましたね。流れが変わったところは分からないですけど、トップを取り切ることが打撃なしで出来たので。トップを取ると意識して、全部(上を)取る動きが出来た。やろうとしていたことが出来たし、相手のパターンもだんだん分かってきました。しばらく前から世界で闘いたいと思っていました。UFCが目標です。でも、今日勝ったからといってすぐに出られるわけじゃない。その前に、今回提携したWSOF-GCもありますし、そういう舞台で外国人選手とやったり、強い選手とやっていくことが今の目標ですね。元谷(友貴)選手とやりたいというのも別にないですね。彼が上がってくればやるかも知れませんけど。僕はベルトを守るという意識はないので、タイミングだと思います。吉田(秀彦)さんは、今日応援に来てくださると前から言ってくれていて、来ていただけたので、ベルトを獲ったらリングに上がっていただこうと思っていました」

第9試合

2016-06-26DEEP_第9試合 下石は2010年、修斗でプロデビュー。DEEPには2014年から参戦し、吉田善行、岩瀬茂俊らベテラン強豪に完勝。さらに今年3月、DEEPライト級王座次期挑戦者決定戦で岸本泰を下し、タイトルマッチへの切符を手にした。試合後、「チャンピオンは弱い」「よそ(※パンクラス)で負けておいてベルトを返上しないとは」など北岡を挑発。果たして言葉通り、自分がベルトを奪うことは出来るのか。
 王者・北岡は昨年11月、第6代ライト級キング・オブ・パンクラス決定戦で徳留一樹にKO負けを喫し、2団体2冠王者を達成できなかった。選手生活にひと区切りをつけるかと危ぶまれたが、現役続行を決意。今年3月には鈴木みのるから旧パンクラス横浜道場の看板を受け継ぎ、「パンクラスイズム横浜」をスタートさせた。試合前のインタビューでは下石に関しては「相手の存在を消したい」とのみコメント、あとは沈黙を貫いた。王者に連敗は許されない。絶対に負けられない一戦だ。

1R、パンチで前に出る下石がコーナーへ押すが、すぐに離れる。プレッシャーをかける北岡。下石はパンチからテイクダウン。しかし北岡は背中をつけていない。押されて外に出そうになりながらヒジを打つ。上半身がリング外へ出たためブレイクがかかる。北岡、左ミドル。さらにプレッシャーをかけて、片足タックルからハーフマウント! ヒジを打ち、首をかかえるが、外れてゴング。余裕の感じられる北岡に対し、下石は少々削られているか。

2R、北岡の左パンチがヒット。下石は組みにいき、テイクダウン。北岡は首を狙うか? が、下石は外してバックを取る。北岡は正対する。下石は胴タックルからテイクダウン。下石は首に注意しながらバックを取り立つ。北岡が正対したところでブレイク。北岡のパンチがヒット、下石がグラつくと、北岡はギロチンを狙う。決まらず、北岡は肩口に蹴りを入れると、レフェリーから顔面とみなされブレイクがかかる。北岡は反則ではないと激しくアピールするが、口頭注意となる(※試合後、北岡は試合映像を参照し、ヒザではなくくるぶしでの攻撃だと改めて主張)。再開後、北岡はすぐにタックルに入るが、下石は受け止めてコーナーへ押す。下石がテイクダウン、北岡はガード。下石がパンチを落として終了。

最終ラウンド。北岡は開始すぐにパンチを打ち、タックルからテイクダウン。ハーフで固めて立たせない。パンチ、ヒジ、ボディブロー、顔面にカカトを打つ。下石は動けず耐えている。ブレイクがかかると、北岡は間髪入れずにパンチ。下石はタックルからテイクダウン。しかし北岡はすぐ立ってバックブロー。劣勢の下石に会場から下石コールが上がる。ブレイク。残り30秒。北岡は距離を取っていたが、ギリギリで引き込む。試合終了。北岡の勝利を確信した青木真也がエプロンサイドに上がり、北岡の肩を抱いてねぎらう。下石はうつむいたまま。判定は5−0で北岡が勝利。4度目の防衛を果たした。

北岡「DEEP&パンクラスの北岡です! 我こそがパンクラシスト、オレこそがパンクラス! 来てるお客さんには関係ないけど。DEEPのベルトも長くなって、パンクラスのジムも持ててすごく幸せです。佐伯さんはいつも再起のチャンスをくれて何と言ったらいいか。背負うものが多くて、いろいろ背負い込んで、それも、勝ってこそ。勝ってこそ正義、負けたら悪なんです。終わったらノーサイドにするなんてルールはないので。DEEPの王座をインディー扱いしたことは俺の逆鱗に触れてます! DEEPのベルトでもどこのベルトでもいいなんてナメんな!! 僕はパンクラスも大好きですけど、DEEPも大好きです、ナメんなよ!! いろんなこと、皆さんもいろんなことがあると思いますけど、自分のことを信じるのは自分しかいません。明日から皆さんは出勤だと思いますけど頑張ってください! 僕は明日はたっぷり寝ます!いいオファーがあったらください。ジムでお金を遣ってしまったので、お金が欲しいんです! 今日はありがとうございました!」

<試合後コメント>
北岡悟
「防衛というか、試合に勝って嬉しい気持ちです。このベルトとも、なかなか長い付き合いになってきました。防衛4回は新記録じゃないですか?計量のときに何も話さなかったのは、やはり勝ってこそという気持ちがあったからです。完全に格好つけてやったことですけど、負けたらダサイですから。欲張った人間がどうなるかということです。相手より僕の方が強かったですね、僕のことを弱いと言った人よりも。はい、アナタは弱いということです。自分が、日本という枠の中で少し腕があるだけというのは重々わかっていますけど、相手が“組まれた相手とやってるだけ”と言いましたけど、自分は自分で切り開いてるんだ、一緒にすんじゃねーよ! 恥をかいた数も違うんだ。だから、ノーサイドになってならないです。もちろん、社会人だから、会ったら挨拶くらいはしますよ。でも俺はもう、彼のことを見下してますから。けど、自分が見下される覚悟も同時に持ってます。だから、一緒にすんじゃねーよ! と。僕、終わらなかったですね。引き続きお楽しみください。いいオファーをもらって試合をしていきます。どんな試合をしていくかは、関係者と話し合って決めていきます。いいオファーがくるでしょう。イバラの道ではあります。でも、楽な道はないでしょうから。パンクラスイズム横浜の中で初めての勝利で嬉しいです。これから長いです。長い道に入ってしまいました。でも、これで負けても辞めなかったと思います。あそこまで言われて負けたらデカイ顔できない。向こうはそこまでリスクを背負ったことはないでしょう。童貞みたいなもんですよ。自分は何回も何回も恥をかいてきましたから。技術のことを言うなら、ケージでやりたかったです。リングの外に出るなと言われてもね。リングは難しいです。ケージでやりたいですね。けっこうテイクダウンされましたけど、焦りはなかったです。最初にテイクダウンされた時に、こいつの技量で俺はやられない、絶対に大丈夫だと思いました。トップのとき、もっと強いと思っていましたけど、それほどでもなかったです。ただ、組んだときは強いなと思いました。それでも僕が勝ったので、僕の方が強かったということです。上になっている時は自分の方が強いですね。だからテイクダウンされても余裕がありました。でも、強かったです。確かに過去最強のチャレンジャーだったと思います。新しい環境になって初めての試合でした。ジムは強くなるために作ったのであって、老後のために作ったんじゃありません。もう1回、川村(亮)と組んで、DJ(Taiki)のエッセンスも入ったし、自分のMMAを作っていくためにジムを作りました。パンクラスをMMAに昇華するために、僕が先陣を切ったんです。やらなきゃいけない。みんな、僕の背中を見ています。その時に、このベルトはあった方がいいんです」

 北岡は、昨年11月にパンクラスのベルトを獲れず、こう話した。「僕は今までMMAという言葉が嫌いでした。何がMMAだ、総合格闘技じゃないかと。でも、徳留君と試合をしてみて、自分はMMAに負けたんだと思いました」と。
 パンクラスの環境が変わっていく中、かつてのパンクラシストたちが表舞台に立てなくなっていったのはなぜか。それは、今も“総合格闘技”をやっているからではないか。
 かつてパンクラスは、「21世紀のプロレス」を提唱し、新しいスタイルの格闘技を目指した。素手の掌底からオープンフィンガーグローブを着け、ラウンド制や階級制を導入し、ルールを変え、常に変化し、最先端の格闘技として存在してきたはずだ。そうであるならば、今のパンクラスも、いつまでも総合格闘技のまま停滞しているべきではなく、変化していかなくてはならない。それが本来のパンクラスの精神だったのではないのか。
 このままでは、パンクラスは取り残されていってしまうーー。だから北岡は自力でジムをオープンし、環境を整え、多くの人々にその背中を見せている。1人でも多くの人々に、パンクラスの精神を拡げ伝えようとしている。そこに、パンクラス創始者の1人、鈴木みのるの姿が重なった。総合格闘技からプロレスへ活動の場を移してはいても、鈴木ほどパンクラスを愛し支えてきた人はいない。自分が表舞台に出ることはないが、現在も旧パンクラスismの選手たちを物心両面から支えている。そんな鈴木が、パンクラスの象徴と言える「格闘技道場 パンクラス」の看板を北岡に引き継いだことが、深く頷ける。
 北岡の新章は、まだ始まったばかり。しかし、パンクラスイズム横浜には、北岡をはじめとして多くの選手たちが集まっている。近い将来、必ず、日本の格闘技をもっともっと面白くしてくれる選手たちが、いろいろな団体で活躍することだろう。その中心として、北岡には大きくエールを送りたい。

(写真・文/佐佐木 澪)

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