初のシングル王座戴冠を果たした鹿島沙希が歓喜の涙を流し必死の懇願!「足の速そうな人とかパワーの強そうな人とかマジで挑戦してこないで」
27日、東京都・大田区総合体育館にてスターダム『STARDOM Flashing champions 2023』が開催。AZMがハイスピード王座の13度目の防衛に失敗し、鹿島沙希が悲願の初戴冠を果たした。
AZMは、今年3月にハイスピード王座の最多防衛記録10回を打ち立て記録を更新。その後も防衛回数を12回にまで伸ばした。
元WWEのメルセデス・モネもAZMの実力を高く評価しており、IWGP女子王座初防衛戦の相手の1人に抜擢するなど弱冠20歳で“ハイスピードのアイコン”として世界にその名を轟かせている。
今年4月の11回目の防衛戦で鹿島沙希を相手に勝利しているが、このときに鹿島の二枚舌を駆使した精神攻撃を受け人間不信になってしまった様子。
再びAZMの前に立った鹿島は、同じ【大江戸隊】に属し、【チーム東スポ大好き】を組むパートナーであるフキゲンです★を交えた3WAYマッチで挑戦を表明。
どう考えても1vs2の闘いを強いられることになる試合にげんなりするAZMだったが、鹿島が「私の意味するハイスピードは、秒殺の意味のハイスピード。走ったりするのなしね。疲れる試合とかやりたくないし」と宣言したことからさらにげんなり。
しかし、AZMは「私が20歳の誕生日の日に鹿島沙希とシングルマッチをして44秒で負け。そして私の成人式一番最初の試合も鹿島沙希と闘って、起死回生で負けて、胸張って成人したと言えねえんだよ、お前に負けて。鹿島沙希を完膚なきまでに倒さないと成人したと言えない。私の成人式と言っても過言ではないんじゃないでしょうか」と気を取り直し、今回の“成人式”へと臨んだ。
鹿島とフキゲンが同じコーナーに立ち、まるでハンディキャップマッチのような様相を呈する中でゴング。
2人はAZMをとにかく走らせ、隙あらば倒して2人がかりで押さえ込む。AZMは「ナメんな!」と2人まとめてドロップキックで場外までふっ飛ばし、コーナーに飛び乗ってのプランチャを狙うが足を踏み外して落下してしまう。
フキゲンがトペを狙うが、鹿島が横から飛び入って首固めで漁夫の利を狙う。フキゲンがキックアウトすると鹿島は平謝りも、フキゲンは許さず鹿島を攻撃。ようやく1vs1vs1の3WAYマッチへ。
鹿島がAZMに起死回生を狙うが、AZMもこれを先読みしてあずみ寿司。エビ固めのシーソーゲームになる中でフキゲンが2人まとめて押さえ込む。これを抜け出した鹿島がAZMへ「もらったぁ!」と起死回生も、フキゲンがギリギリでカット。鹿島とフキゲンがエビ固めのシーソーゲームを展開する中、AZMがバズソーキックでカット。フキゲンがAZMをヨシタニックで叩きつけるも鹿島がカットし、フキゲンが鹿島へ後方回転エビ固めを狙うが、これを鹿島がさらに後方回転エビ固めで切り返してカウント3。ひたすらに漁夫の利を狙い続けた鹿島が執念の勝利をもぎ取った。
いつも飄々とした態度の鹿島だが、初のシングル王座戴冠を果たしたことで歓喜の涙。
バックステージに戻ると涙で声を詰まらせながら「やっとやっとやっと!やっとシングルのベルト……獲ることが……。分かってるよ?いや、言いたいことは分かってるよ?『お前泣くような試合じゃねーだろ』って言いたいよね?分かるよ?沙希は赤とか白みたいな感動的なストーリーなんて無いし、いつも周りから『省エネレスラー』とか『ちゃんと試合しろ』っていつも言われてきてるよ。自分が一番良く分かってるけど、でも、自分の、鹿島沙希のプロレスで勝ち取った勝利は、やっぱ泣くくらい嬉しい!嬉しいし、それと同時にこのベルトをずっとずっとずっと、守っていきたい」と愛おしそうにベルトを抱きしめる。
そして、真剣な表情のまま「足の速そうな人とかパワーの強そうな人とか、マジで挑戦してこないでほしいって思うし、試合時間とかも1~2分とかにしてほしいって思うし、逆にね?逆に!どんくさいやつとか、デビューしたての弱っちい新人とかも挑戦してきてほしいって思う」と本心を吐露。
そこへフキゲンが乱入し、「デーーーーーーース★デースデース★」と挑戦表明。鹿島は「やだよぉ……いやっ!」と本気で嫌がるも、最終的には腹をくくって「これ見たら会社がカードを決めるんだろうから、挑戦決定ということで。いや、まだまだ!まだまだ沙希は落とさないよ、このベルト!絶対落とさないよ!フキゲン、空気読んでくれよ!頼む……!」と懇願しながら去っていった。