渡瀬瑞基が前口太尊を熱闘の末に破り、ガンバレ世界無差別級王座初V!「突っ走っていくんで、熱いガンバレ☆プロレスについてこい!」
ガンバレ☆プロレスが1月5日、東京・板橋グリーンホールで年始大会『アドレナリン2023』を開催。スピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別級王者の渡瀬瑞基が前口太尊(飯伏プロレス研究所)を破り、王座初防衛に成功した。
渡瀬は昨年12月27日、後楽園ホールで難攻不落の王者だったハートリー・ジャクソンを渾身のエルボーで沈めて王座奪取。試合後、今後について、「俺、(10・22王子で)前口に負けてるんですよね。ハイキック食らって。借りを返さなきゃいけない人はいっぱいいる」と発言。そのコメントを見た前口が挑戦に名乗りを挙げ、王者が受諾。「早いほうがいい」との両者の意向があったため、早々にタイトル戦が組まれた。
元J-NETWORKライト級王者でキックボクシング出身の前口は2021年8月にプロレスデビュー。同年10月から11月に開催された「ガンバレ☆クライマックス2021」(優勝者は初代SOG王者に認定)に出場し、優勝した高岩竜一に1回戦で玉砕した。そのトーナメントに参戦しただけに、「一番始めにチャレンジしたベルトだから、秘かにほしいとずっと思っていた」という。
試合開始と同時に前口がローキックを放つと、渡瀬は腰をマットに落として「猪木アリ状態」に。渡瀬が立ち上がるや否や前口が飛びヒザ。戦場が場外に移ると、前口は鉄柱にぶつけ、蹴りを見舞った。リングに戻ると、前口はサッカーボールキック、ローキック、エルボー、ミドルキックで猛攻。前口のエルボー連弾で気合が入った渡瀬は串刺しエルボー、カーフブランディング、ダイビング・フットスタンプで猛反撃。前口はドロップキックで渡瀬を場外に落とすと、スワンダイブ式ダイブを敢行。その後、エルボーのラリーから、渡瀬のエルボーと前口のミドルキックの壮絶な打ち合いに発展。15分過ぎ、前口が裏拳、ハイキック、ミドルキックとたたみかけると、渡瀬がドラゴンスクリュー、前口はマウントから反則のパンチ連発。これで火がついた渡瀬はバックドロップ、垂直落下式ブレーンバスター、ドロップキック、エルボー連打と怒涛の攻め。最後は渡瀬が渾身のエルボー弾を叩き込むと、これ以上の続行は危険と判断したレフェリーが試合を止めた。
渡瀬は「ガンバレ☆プロレスは熱かったですか? 前口太尊は熱かったですか? ガンバレ☆プロレスはすごかったですか? 昨日の(新日本の)東京ドームはすごかったよ。元旦の(ノアの)日本武道館はすごかったよ。昼のDDTもすごかったよ。でも、ガンプロもすげぇよな? どこが一番とかじゃなく、プロレスはすげぇんだよ。前口は俺が小さい頃なりたいと思った根性ある、どこまでも立ち向かってくる素晴らしいプロレスラーでした。どの団体がすごいとかじゃないよな。俺たち、全員命張って削り合って。プロレスラーは最高じゃないですか。今年もガンバレ☆プロレス勝負の年。突っ走っていくんで、要注意団体の熱いガンバレ☆プロレスについてこい!」と熱いマイク。
渡瀬は「イッテンヨン、元旦にガンプロは負けてないよ。横一線で見てもらっていいよ。一つだけ言えるのはユニバースの熱さ、ナンバー1だよ。それだけは胸張って言える。そんなファンの熱い声に応えて、俺たちプロレスラーはどこまでも熱く戦えるから。だからユニバース、ガンプロ全員合わせて、ウィー・アー・ガンバレ☆プロレス。前口もジャクソンもファミリー。そんなガンバレ☆プロレスでナンバー1なんて、お客さんが決めるけど、オンリー1を目指していく。ガンプロについて来てほしい。(次の挑戦者は?)やってほしい人、求められてる人、誰でもいい。俺はこのベルトを海外に持っていく。団体内でも国内でもいいし。海外でガンバレ☆プロレスのベルトを輝かせて誰もがほしいベルトにする」と目をギラギラと輝かせた。
王座奪取ならなかった前口は「メチャメチャ悔しい。そんなに簡単にタイトル獲れるような甘いもんじゃないと知らされました。プロレスラーになって1年4ヶ月、いろいろな格闘家たちに、“何でそんなに勝てないの?”とかバカにされたんですよ。今日ベルト獲って見返してやろうと思ってたんですけど、なめられない試合はできたかなと。次は必ずやり返したい。年内にベルト獲ります。(ベルトへの思い入れは?)メチャクチャあって、デビュー2戦目で高岩さんとやらせてもらって、何もできなかった前口太尊が、ここまでできるようになったのは知らしめられたと思う。自分が活躍すれば格闘技界でも有名になってきて、キックボクシングやってた人が“プロレスやりたい”って思うような存在になりたい」と唇をかみしめながらも前を向いた。
また、若手戦線の活性化のため、今大会でリーグ戦「第1回ヤングガンバレ杯」(4選手参加)が開幕。デビュー2戦目の中村宗達(ガンプロ)は、出場を志願した“若き老害”今成夢人(同)と対戦。今成は珍しく黒のショートタイツ、リングシューズで登場。中村はエルボー連打で必死の攻めを見せたが、今成がラリアットから逆エビ固めで絞り上げて勝利。今成は「僕には若手という時間が与えられなかった。デビュー期もあいまい。プロレス界から離れて映像班で戻って、気付いたら27歳でガンバレ☆プロレス。気付いたら30代。うらやましかったよ。若手通信世代、DNAとか。同期と言える仲間いなかったよ。だから遅れてきたストロングスタイルやってんだよ。若手時代をやり直してんだ。自分でつくるんだ」と参戦した意図を説明した。
“胸毛ニキ”こと八須拳太郎(P.P.P.TOKYO)は神崎ユウキ(MAKAI)を胸毛攻撃から、胸毛ニキクラッチで仕留めた。「まずは1勝。あと2戦。中村さんには絶対に負けられない。圧勝する。今成さんとは何度も戦ってますけど、勝って優勝して波に乗って、ガンバレ☆プロレス、プロレス界全体を盛り上げたい」と意欲。この後、1月28日の王子Basement MON☆STAR大会(3興行)で残りの公式戦を行う。
なお、スピリット・オブ・ガンバレ世界タッグ王座の新設、5月5日と12月27日での後楽園大会が決定した。