【インタビュー】5・31『ジャンボ鶴田23回忌追善興行』の見どころを和田京平&木原文人が解説!三冠ヘビー級王座の現王者と歴代王者が集う試合をスタン・ハンセン氏がプロデュース!タイガー戸口が引退試合で藤波辰爾&谷津嘉章とトリオ結成!

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 不世出の名レスラー、ジャンボ鶴田さんが49歳の若さで亡くなったのが、2000年5月13日だった。23回忌に当たる今年、5月31日に東京・後楽園ホールにて「ジャンボ鶴田23回忌追善興行」が開催される。大会の実現にあたり全日本プロレスの和田京平名誉レフェリーと木原文人リングアナウンサーが大会プロデューサーに就任。鶴田さんゆかりのゲストも多数来場する。メインでは三冠ヘビー級のベルトを巻いた事のある選手による豪華すぎる6人タッグマッチも組まれており、すでにチケットが完売するほど注目の大会だが、鶴田さんの偉大さをあらためて理解してもらうためにも、あえて開催に至る経緯や見どころをプロデューサーの両氏に語ってもらった。(協力:eplus LIVING ROOM CAFE&DINING、聞き手:新井 宏)
※『歴代三冠ヘビー級チャンピオンプレミアム6人タッグマッチ』の鈴木みのる選手、秋山準選手のパートナーは、5月29日開催の三冠ヘビー級選手権試合の結果に伴い、宮原健斗選手に決定致しました。

――1月19日の会見で発表された鶴田さんの追善興行。昨年はジャイアント馬場さんの23回忌追善興行がありましたが、鶴田さんの功績を称える興行実現の経緯を教えてください。
木原「これには主催者の(馬場さんの肖像権などを管理するH.J.T.Production代表取締役の)緒方公俊さん、京平さんにもそれぞれの気持ちがあると思うんですけど、ボクが開催に踏み切ったのは、昨年の6・26全日本プロレス大田区体育館での“ジャンボ鶴田メモリアルマッチ”が、非常に心苦しい試合だったからなんです。ジャンボさんに関わる選手も出てはいたんですけど、関係のない選手もいて、なんだかお笑いのような試合で終わってしまったんですよ。全日本で働いている以上、このままでは仮にオレが天国に行ったとしてもジャンボさんに会えないなと。それで緒方さんに、あらためて来年オレたちでやりませんかという話をしました。33回忌となったらオレも京平さんもどうなってるかわからないし、いましかないと。そこで奥さんの保子さんと連絡を取りました。『いまさら鶴田の名前を出してどうなのかしら?』とも言われましたが、『木原君が命を懸けてやるなら応援するから』と言われまして、京平さんと緒方さんに相談し、開催を決めました」

――過去、鶴田さんの名前を冠にした大会はなかったと思います。
「メモリアルマッチはいろんなところでやっていたと思いますけど、大会自体はなかったですね」

――ジャイアント馬場さんの追善興行は何度かあっただけに、鶴田さんの大会がなかったのが不思議なくらいですね。
木原「馬場さんに関してはいろいろやってきたんですけど、鶴田さんの家族に話して実現するのは初めてになりますね」
京平「なかったのが不思議というか、やっぱりメインは馬場さんでしたからね。これまではどうしてもジャンボまで目が届かなかったんだよね、それでも木原がジャンボのファミリーとつながりがあって身内の人もOKということなんでね、オレも大賛成だし、だったらやらなきゃとダメだとなったんです。これでようやく開催できるというか、開催しなきゃいけなかったんだよね。だからやって当たり前の興行というか、これが全日本プロレスなんですよ」

――お二方にとって、鶴田さんとはどういう方、レスラーだったですか。京平さんの場合、80年代後半からメインレフェリーを務めることが多くなりましたが。
京平「当時のメインイベンターはジャンボ鶴田なんだけど、オレと木原からすると、リング屋さんの社長だったんですよ」
木原「そうです」
京平「鶴田さんがB&Jという会社の初代社長だったんです。馬場、鶴田のイニシャルとってB&Jね。オレからすると、レスラーのジャンボ鶴田よりも社長ジャンボ鶴田の方が思い出に残ってるんです。社長になったとたんにいきなり我々に優しくしてくれるようになってさ、『おう、京平君、木原君、頑張ってるかい?』なんて声をかけてくれてね、なーんだ、ジャンボって優しいじゃないって(笑)。その辺から親近感が出たんだよね。夏には伊豆の方でみんなで合宿やったり。レスラーのジャンボ鶴田は誰もが知っている通り、試合内容も強さも、もうパーフェクトなんですよ。試合内容とか強さとか。だからこの場であえて言いたいのはリング屋の社長ジャンボ鶴田の方なんだって、いま思いましたよ」

――そういうお話はあまり聞かないですからね。馬場&ジャンボでB&Jですね。
木原「学生バイトのときとか、『オマエ、学校卒業したらB&J入るか?』って聞かれましたよ。当時は『全日本入るか?』ではなかったです。あの頃はみんな、B&J、B&Jというのが普通でしたね」
京平「そう。みんなB&Jでしたね」

――そこから全日本で働き始めると。
京平「そうです」

――木原さんがリングアナを始めた頃が、ちょうど三冠ヘビー級王座が統一された頃ですよね。
木原「ハイ。一度だけジャンボさんの三冠戦(のコール)をやってますよ。(91年1・19) 松本で鶴田vsハンセンがあって、そこでタイトルが移動(鶴田が第8代王者)したときですね」

――鶴田さんと言えばやはり三冠ですよね。89年に初代の三冠を争ったハンセンさんが追善興行に来場不可能になり、残念ですね。
京平「ハンセンが認めたレスラーの1,2に上げるのがジャンボ鶴田なんじゃないかな。馬場さんや天龍さんもそうだけど、数いる選手の中でスタンが一番最初に名前を上げるのがジャンボだと思うんです。それだけにスタン・ハンセン(来日)は今回外せなかったですよね。でもね、出国前に新型コロナの陽性になり、ファンの方は、勿論、我々も残念ですけど、スタン自身が一番悔しいんじゃないかなぁ。ご理解ください」
木原「ハンセンさんは必ず復活しますよ。三冠ベルトですが、インターナショナルヘビー級、PWFヘビー級、UNヘビー級の3本のベルトが統一されたのが(89年4・18)大田区でしたね」

――それ以前にも同一カードで統一王座戦を2回やっていて、3回目でようやく統一されました。
木原「そうです。その前にはブルーザー・ブロディと天龍さんでも(三冠統一戦を)やってますね」

――三冠統一の流れは88年4月から始まりました。
木原「大田区の前に後楽園で鶴田vsハンセンの統一戦をやり引き分けになって、暴動寸前になりましたよ。ボクとしてはそっちの方が(印象深い)。大丈夫かなってスタッフやりながら思ってました。後楽園で鶴田さんが『こんどの大田区で決着つけてやるからな!』と言ったら、お客さんが『えーーー!』となっちゃって(苦笑)」

――大田区の2日前の(4・16)後楽園でした。そして大田区でようやく白黒ついたと。
木原「いま考えてみると、この短期間でよく2回もタイトルマッチやりましたね」
京平「でも、昔のプロレスって、それで燃えたんだよね」

――ファンがエキサイトして。
京平「そうそう」
木原「そういうのがボクらの見たプロレスだったんです」
京平「だからそういうのも、ありなんですよ」

――さて、大会では全6試合が組まれています。それぞれの見どころを語っていただきたいと思いますが、まずは第1試合、井上凌(全日本)vs田中稔(GLEAT)から。
木原「子どもの頃を含めてボクが見てきた全日本プロレスの第1試合って、若手対ベテランのイメージが強いんですよね。新人の相手をするベテランが第1試合だからと手を抜くでもなく、ふだん上の方に出てくる選手が若手とやるとさらにすごいなという印象がありました。井上選手は全日本で今年1月にデビューしたばかりで、対戦する田中選手と言ったらジュニアのレジェンド的選手ですから、これは井上選手にいい勉強になるかなってところですね」

――第2試合が、スペシャルストリートファイト・トルネードバンクハウス10人タッグハードコアマッチ、ヨシタツ(全日本)&佐藤光留(パンクラスMISSION)&長井満也(ドラディション)&雷陣明(フリー)&羆嵐(フリー)組vs大仁田厚(フリー)&グレート小鹿(大日本)&木髙イサミ(プロレスリングBASARA)&宮本裕向(暗黒プロレス組織666)雷神矢口(フリー)組。
京平「これはもう、お祭りだよ」
木原「大仁田さん、自分でも言ってると思うんですけど、今回は『自分の生き様を鶴田さんに見せたい』と。昨年2・4後楽園での馬場さん23回忌のときは普通の試合をしたけど、やっぱりオレはそうじゃないと思ったというんですね」

――そこでこの形式なわけですね。昨年に引き続きですが、大仁田選手が小鹿選手と同じチームにいるというのもすごいです。
京平「そうだね。小鹿さんと大仁田がいるじたい、特別な感じがするよね。昔なら考えられない。ジャンボのエース当時は中堅として小鹿さんがいて、若手で大仁田がいて。こういう積み重ねこそが全日本であって、今回、小鹿さんも大仁田も出てくれるとなれば、オレに言わせればお祭りなのかなって思いますね。ジャンボが神輿ならば、下の担ぎ手が大仁田、小鹿なんじゃないかな。こういうカードを組んでもらえて、もう楽しいの一言だよ」

――続いて、タイガー戸口引退試合6人タッグマッチ。タイガー戸口(フリー)&藤波辰爾(ドラディション)&谷津嘉章(フリー)組vs渕正信(全日本)&越中詩郎(フリー)&井上雅央(フリー)組。鶴田さんのライバルだった戸口選手がこの日、引退されます。
木原「ここは全員がジャンボさんとホントに絡んだ人たち。これこそがジャンボ鶴田メモリアルマッチですよ」
京平「そうだね。戸口さんと言えばジャンボ鶴田だと思うんですよ。そういう面では、戸口さんがうまいこと引退試合をくっつけやがったなって思います(笑)」
木原「戸口さん、自分から引退試合を言い出したんですよね」
京平「そこはさすが、プロフェエッショナルだよね」
木原「『おい木原、オレの引退の場所を作れ、コノヤロー』って(笑)」
京平「ホントにいい花道の場所を作ったよね。大したもんですよ、感服します。まだやるんじゃなくて、そこで引退だと。やっぱりジャンボと戸口さんってくっついてたなって思いますね。これって戸口さんの晴れ舞台になるでしょう。ジャンボからのプレゼントじゃないかな」

――いまとなっては、鶴田さんと戸口選手がシングルでやり合ったりタッグを組んだりしていたことを知らないファンも多いでしょう。
京平「そう、多いと思います。でも我々が若い頃はジャンボの対戦相手、日本人ではタイガー戸口しかいなかったんだよね。キム・ドクでね」

――なにしろ大きいですからね。
京平「そう。オレが全日本に入りたての頃は、どっちが強いんだろうって思ってましたから」
木原「藤波さんとジャンボさんって一度しか絡んでない。あれって『夢のオールスター戦』(79年8・26日本武道館)じゃないですか。そのときの相手が戸口さん(鶴田&ミル・マスカラス&藤波辰巳組vsマサ斎藤&戸口&高千穂明久組)。さらに、鶴田さんが新日本に乗り込んだときって谷津さんと組んでるんですよ(90年2・10東京ドーム、鶴田&谷津組vs木村健吾&木戸修組)。この3人で組むのは初めてかもしれないけど、鶴田さんを中心に人生のあやというか糸というか、そういうのを感じますね」

――立っているだけでも、ずっしりした歴史の重みを感じられますね。
京平「画になるよ」
木原「そして、鶴田さんの最後の付き人だった井上雅央選手。なので、これこそジャンボ鶴田メモリアルマッチじゃないかなって思います」

――こういうカードこそ、木原さんが見たかったのではないですか。
木原「やりたかったですね。みなさんもそうじゃないですか」
京平「ファンの人たちも、木原の口から言うからどうしてこのカードなのかがわかるんじゃないかな。それをこのインタビューでわかってくれればいいと思うんですよ。こういうの考える木原はホントにすごいと思います」

――戸口選手は、井上雅央選手を知らなかったです。それだけ長い歴史を感じますね。
木原「そうですよね、同じ全日本としてもね」
京平「井上雅央、(戸口からしたら)ひよっこじゃなくて、それこそまだ卵ですよ。そういう人と闘えるのもまた、雅央にしたらいい思い出にもなるしね」

――続いてタッグマッチ。青柳優馬&青柳亮生組vs鷹木信悟&T-Hawk組。鷹木選手は鶴田さんと同郷でもあります。
木原「これ、全日本5・29後楽園の三冠戦の結果によってカードが変わる可能性があります」(※本日5月29日開催の三冠ヘビー級選手権試合の結果でカード変更なしとなりました)

――T-Hawk選手が宮原健斗選手の三冠の座に挑戦します。
木原「それにしても、鷹木信悟、T-Hawkがよくタッグを組んでくれるなと思います。鶴田さんの大会ですけど、これってDRAGON GATEファンもビビるカードだと思いますよ」

――レスラーとしての出身が同じです。ここに対するのが全日本の青柳兄弟。
木原「青柳兄弟は4・16後楽園ホール60周年の『還暦祭』で鷹木選手と(8人タッグマッチで)対戦しました。ホントにバチバチした試合で、これは青柳優馬選手の希望でもあったんですね。『鷹木信悟ともう一回やらせろ!』と。そういうところで、いろんなタイミングが重なりました」
京平「これは夢あるカードで、10年後を期待してください」

――10年後?
京平「ウン。5年から10年、この先を見据えたカードであって、この4人の5年後、10年後がどうなってるか楽しみ。きっとすごいレスラーになるだろうし、プロレス界を引っ張っていくレスラーになってると思うんですよね。ジャンボがデビューしたときと同じで、5年後に期待してねと言ってたら1年後にはスーパースターになってた。そういった面で、この4人には期待したいよね。青柳兄弟もあと何年かしたらみんなに知られるレスラーになるだろうし」

――優馬選手はチャンピオン・カーニバルで優勝しましたし、亮生選手は6・12後楽園でアジアタッグ王座に挑戦、期待値が高いですよね。
京平「夢ですよね。それこそ、ジャンボ鶴田のローリング・ドリーマー」

――この4人は、ローリング・ドリーマーたちだと。
木原「人は誰でもローリング・ドリーマー♪」
京平「あのジャンボの歌の通りでね、そう思いますよ。大会の中にこういう若い選手を入れると、いまのプロレスはこうなんだ、その前のカードで昔のプロレスはこうなんだって、年代を感じられる編成になってるし、こういうのがおもしろいと思いますね」
木原「業界の人もこの鷹木信悟とT-Hawk組に注目してますね」

――出身団体が同じであり、鷹とホーク(鷹)ですからね。
木原「ダブルホークですよね」

――そして次がセミファイナル、諏訪魔(全日本)&永田裕志(新日本)組vsタイチ(新日本)&TAKAみちのく(JUST TAP OUT)組。
木原「これ、タイミング的にも諏訪魔があんなことになっちゃったんで、どうなるんでしょうね? (5・26保土谷で)諏訪魔がブードウ・マーダーズになってしまって…」
京平「そうなんだよねえ。まあ、昔に戻っていいんじゃない。暴走戦士になって暴走すると。いままでがおとなしすぎたんであってね」
木原「永田さんって、若いときとか鶴田さんに似てるって言われてたんですよ。顔とかスタイルとか。それに諏訪魔は、中央大学のレスリングの直系じゃないですか」

――ネクストジャンボと呼ばれていました。
木原「ハイ。2人ともバックドロップが得意技。なので、バックドロップコンビでもある。そして、相手が諏訪魔の兄弟子であるタイチ選手。タイチ選手もいま新日本で試合中にジャンボさんや川田利明さんのムーブをしてるわけですよ。だから全日本が絶対に好きなはずなんです。それでこういう運命が重なってきたと。そういうのもあって、この試合は好勝負になると思いますね。ただ、諏訪魔のブードゥ入りで、永田さんとタッグでやれるのかなと…」

――何が起こるか読めなくなりましたね。
木原「鈴木軍vsブードウ・マーダーズなんて、ちょっとありえないカードですよ」

――確かにそういう図式にもなりますね。
木原「予想がつかないです」
京平「昔、よくやってたカードでもあるよね」
木原「TAKAみちのくさんと諏訪魔とかもそうです。RO&Dvsブードゥにもなりますから。諏訪魔がブードゥになったことによって、考えていた以上に深くなってしまったなと思います」
京平「永田選手がどうコントロールしてくるかも、また見ものだよね。諏訪魔が暴走しそうになったら永田選手が止めにかかるのか、それともやれやれってけしかけるのか。そこもまた、おもしろいよね」
木原「ボクとしては青い軍団のつもりだったんですよ。EVOLUTIONと青義軍でね。なのに、諏訪魔が(ブードゥの)赤になってしまったことでかえって想像つかない。諏訪魔、下手したら会場に来ない可能性もある。『こんなカードやるかバカヤロー!』って」

――それは困りますね。
京平「(笑)」

――そして、いよいよメインです。歴代三冠ヘビー級チャンピオンプレミアム6人タッグマッチということで、宮原健斗(全日本)vsT-Hawk(GLEAT)の勝者&鈴木みのる(鈴木軍)&秋山準(DDT)組vsジェイク・リー(全日本)&大森隆男(全日本)&X組。まず全日本5・29後楽園での三冠戦の勝者が参戦。宮原選手かT-Hawk選手、5・31当日の現王者がメインに出場することになります。
木原「これはもともとスタン・ハンセンさんからの提案です。4月頭に、来日の予定が
が決まる前にメインに予定されていたのが、タイチさんたちの試合でした。しかし、ハンセンさんが来日するとなり、鶴田さんとハンセンさんが初代の三冠王者を争いましよね、両者の中で三冠は避けては通れない話なんですしょうね」

――しかも、三冠王座は現在も脈々と受け継がれているプロレス界の至宝でもあります。
木原「ハイ。それでハンセンさんから『自分たちのあとに歴史を紡いでいった選手を集めてタッグマッチをやったらどうだ?』との提案がありまして、その流れで決まりました」

――錚々たるメンバーが揃いましたが、宮原選手がくれば、このメンバーで5回は最多戴冠。T-Hawk選手ならば初の三冠で、フレッシュな王者となりますね。
木原「ハンセンさんは宮原vsT-Hawkのカードが決まった時点で予定を早めて来日し、その試合を見届けると言って全日本5・29後楽園にも来場すると言ってくれたんですが、既報どうりになり・・・」

――こればかりはねぇ。
木原「ハンセンさんとしては、現行の王者を出したいと。それだけ三冠にこだわりがあるのかなと思いますね。人生、どうすることもできない時ってあるんですね」
京平「スタンには、ホント、まずは元気になってもらいたいよね。(5・29後楽園の)リング上で三冠のベルトを手にする選手は、スタンも注目しているから、それこそ真の王者ですよ。これはどちらも負けられない、勝ちたいよね。宮原とT-Hawk、この試合を見られるファンもすごいと思うよ。オレはこの試合でレフェリーやるのかわからないけど、足が震えてくるよねえ」

木原「29日の全日本後楽園も見逃せない状況になってきました」
(※本日5月29日開催の三冠ヘビー級選手権試合の結果で宮原健斗選手のメイン出場が決定)

――そうですね。さて、気になるのがXです。“交渉中。決まり次第発表”とのことですが。
木原「Xは誰だと思います?」

――誰でしょう?
木原「ぶっちゃけ、言いましょうか」

――できれば、お願いします。
木原「太陽ケア選手…は、ジャンボさんとも一緒にいた時期があったし馬場家の秘蔵っ子でもあったので、コンタクトは取りました。ただ、いろいろと都合が合わず(断念)。『鈴木みのるさんによろしく伝えてくれ』と言われました」

――ケア選手からのメッセージ?
木原「ハイ。ということは、ケア選手は来ません」

――Xはケア選手ではなかったと。
木原「ハイ。そこでもう一人、外国人となると…」

――外国人選手で元三冠王者?
木原「というと…」

――あの方ですかね。
木原「某アメリカのメジャー団体にいるあの方しかいないじゃないですか。ハンセンさんが立会人で、ジョーと一緒にリングに立って欲しかったですが」

――ジョーとは、ジョー・ド―リング選手? 言ってしまいしたね。
木原「言ってしまいました(笑)」

――これはもう申し分ない選手じゃないですか。
木原「だからXなんです」
京平「昔の馬場スタイル、全日本スタイルだとXは超大物でなければいけないし、完璧に決まってからでないと発表しない。今回、なかなか発表できなかったんですよね。なぜかというと、来ることは約束してるんだけども、コロナ禍でいろいろ手続きがあって時間がかかってるんですよ。本来ならパッと発表したいんですけどね。ジョーが来るってだけでオレも久しぶりだしワクワクしてるし。でも、この記事読んでくださる方に、そういった事情をわかってもらえればというか、もしも万が一来れなかったらごめんなさいなんだけど、ジョーとしては、すべてOKなんですよ」
木原「フライトも取ってありますし」

――手続きも進んでいる。
京平「ハイ。いま手続きの最終段階で、これはもう発表でいいだろうって感じでいま話しました。ただ万が一、来れなかったら頭下げますって感じです」

――あとは手続きが予定通り間に合うかどうかだけですね。
木原「ハイ。三冠を防衛すれば宮原さんであり、移動すればT-Hawk選手が鈴木さんと秋山さんと組む。その相手がジェイク・リー、大森隆男、そこで組むXがジョーになったら、これはもうとんでもない。ジョーの力でこちらのチームは100人力になりますよ」
京平「これは期待してもらっていいですよ」

――そうですね。なお、当日の大会には鶴田さんにゆかりあるゲストの方も多数来場されます。天龍源一郎さん、グレート・カブキさん、川田利明さん、田上明さん、小橋建太さん。
京平「これだけのメンバーが揃うなんて、今後ないんじゃないかなと思うな」

――そうですね。では最後に、プロデューサーとしてどんな大会にしたいですか。
京平「やっぱり、ジャンボを思い出してくださいってところですよね。カードのすべてにジャンボが絡んでるような感じです。この大会でジャンボを思い出しましょう。それがジャンボに対しての供養なんじゃないかと思うしね、プロレスファンでよかったと思えるのも、この大会なんじゃないかな。そういう面でも、みなさん楽しんでください。その中で、ジャンボの『オー!』『オー!』の掛け声をやりたいなって。いまは声を出せないんだけど(ポーズを取りながら)心の中で叫んでください。それがボクの希望かな」
木原「そうですね。馬場さんの23回忌追善興行で、ここに馬場さんがいるんだ、上から見てるんだと感じました。そのとき武藤敬司さんが天井に向かって『馬場さんありがとう』と言ったんですよね。当日は鶴田さんもどこかで見てるだろうし、ジャンボ鶴田さんを感じられる大会になればと思うし、きっとなると思うんです」

京平「後楽園ホールで馬場さんが上から見てて、ジャンボが見てる。馬場さんがオレらに向かって『オマエらなあ~』って言ってるのと、ジャンボが木原に対して『木原君、ありがとねえ』って頷いている姿が思い浮かぶよ。やってよかった大会にしたいしたいし、これはみなさんの力です。昔からよく馬場さんに言われたのは、『チケットを買ってくれるお客さん、一人ひとりがスポンサーなんだよ』と。それが馬場さんの教えであって、今回のジャンボの大会でも一人ひとりがスポンサーなんですよね。話によるとチケットはすでに完売になったと。これ、すごいことですよね。満員の後楽園ホールで、ぜひジャンボを思い出してください。これが我々からのお願いです」

昨年2・4後楽園での「ジャイアント馬場23回忌追善興行」では、82年のベストバウトに輝いた馬場vsスタン・ハンセンの映像が場内スクリーンに映し出され、今度の「ジャンボ鶴田23回忌追善興行」ではハンセン氏の提案で、宿敵・鶴田さんのために最高のマッチメークを演出してくれた。鶴田さんは三冠ヘビー級王座の初代、第3代、第8代王者であり、ハンセン氏は第5代、第7代、第9代、第13代王者。メインの6人タッグには宮原健斗(第55代、第57代、第60代、第62代、第65代王者)。さらに第35代&第42代王者・鈴木みのる、第44代&第53代王者・秋山準。第64代王者ジェイク・リー、第48代王者・大森隆男、第50代&第59代王者ジョー・ド―リングが集結する。そこに三冠王座の歴史を紡いできた諏訪魔やレジェンド勢まで加わるのだからたまらない。最強とも言われた鶴田さんの思い出に浸りながら、三冠王座と全日本プロレスの歴史を振り返る絶好の機会になることは間違いない。「J」のテーマ曲とともに、鶴田さんの遺した偉大なる功績に思いを馳せよう!

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