「コロナに負けられるか。俺はプロレスラーだぞ」新型コロナ感染から復活した真霜拳號が入江茂弘を撃破し至宝奪還!
21日、東京・後楽園ホールで『GRAND SLAM in 後楽園ホール』が行われた。
2AWでは、6日の『チーバトル126』以降、条柴拓真の新型コロナ陽性が確認され、吉田綾斗、ナカ・シュウマ、本田アユム、チチャリート翔暉が濃厚接触者となった。そしてその後、さらに真霜拳號と浅川紫悠の陽性も認められるという非常事態を迎えていた。
激動の3月を乗り越え多くの選手は復帰できたものの、浅川の健康観察期間が延びたことで今大会も欠場。浅川が出場予定であった2AWタッグ王座戦は流れてしまい、チチャリートは復帰こそしたものの前日の大会での負傷による欠場が発表されるなど未だ満身創痍の状況下にある。
今大会のメインイベントでは、王者・入江茂弘が真霜拳號を迎え撃つ2AW無差別級選手権試合が実施。
2AWでは悪の王国である“THE RULE”に支配されつつあり、同ユニットの入江がシングル三冠王の絶対的強者として君臨。これに対抗する正義の“紅炎”の中でも最強の呼び声も高い真霜が挑戦することにはファンから高い期待が集まっていた。
悪の王国の一員ではあるものの、入江は2AW無差別級王座に深い愛を持ち同王座および挑戦者たちに真剣に向き合ってきた。真霜も入江の実力を十分に認めており、リングで対峙した2人の目は闘志で燃えていた。
試合は序盤静かな立ち上がりだったが、中盤からはバチバチの攻防を展開する。
入江は今までの防衛戦では見せなかったタイプの技も見せ普段とは違った攻め口を見せるなど王者としての地位に驕ることなく万全の真霜対策を以て臨み、一本気な真霜と正面からぶつかり合う。
真霜も入江をを全身全霊を以て打ち払い、最後の技となったのは真霜の代名詞的な技でもある無道。入江も意地と根性でギブアップを拒否するものの、最後は試合続行不可能と判断したレフェリーが試合を止めた。
試合後、マイクを握った真霜は「入江よ、やっぱつえーなお前は。帰る前に俺の本音を言っとくよ。入江おもしれーなおい。テメーはよ、そっちにいる人間じゃないと思うんだよね。そっから抜け出してよ、本当の意味での自由になって、もう一回やろうぜ」と入江を讃え、正義の道へと勧誘。
さらに、「しんどかったけど勝ったぞ!この大会で必ずベルトを獲らなきゃならなかったんだよ。コロナなんてものになっちまったけどよ、負けられるかってんだよ。俺はプロレスラーだぜ。こんな大事な試合穴あけるわけにはいかないし、出来るかぎり仕上げてきたよ。 これで入江が俺の言葉に乗ってくれりゃハッピーエンドなんだけどよ、 好き勝手やってるTHE RULEからベルトひっぺがしたから、まあハッピーエンドか。 でも俺はハッピーエンドなんて望んでねぇんだ。次行かないとよ次。 入江のように挑戦者を待ってたってしょうがねぇ」と次の挑戦者を募ると、真霜の前に現れたのは吉野コータロー。
吉野は、「俺は大好きな先輩に約束したんだよ。この団体引っ張るって!」と気持ちのこもったマイクで王者である真霜に叫ぶ。吉野は、引退したタンク永井との約束を果たす為にベルト奪取を強く誓っている選手だ。
これを受けた真霜は4月24日のTKPガーデンシティ千葉で吉野を挑戦者として迎え入れることを宣言。吉野は「この挑戦で、俺の価値を変えるぞ!」と、団体を牽引する覚悟を叫び、その場を去った。
真霜は「いいね、そうこなくっちゃよ。けどよ、ちょっと遅いんじゃないか貴様。まあいい。このベルトは無差別級だ。体重もキャリアも性別も団体も関係ねぇ。俺を倒したい奴、このベルトが欲しい奴は、いつでもかかってこい。まずは来月吉野!まずはあいつを倒し、俺がこの団体を熱くして、もっと面白くして、テメーら楽しませてやるかよ。ちゃんと見とけよ貴様ら!」と叫び大会を締めた。
誰でも挑戦を受けるという姿勢、そして挑戦者を待っててもしょうがないと言った真霜は、自ら挑戦者を指名する可能性も出てきた。最初の挑戦者、吉野は2AWの高い壁を破壊できるのか。
そしてこの日予定されていたものの流れてしまった2AWタッグ選手権試合の行方も注目だ。
現王者の1人であるクリス・ヴァイスは、この日パートナーの横山佳和が見守る中で2AWの若手である若松大樹とシングルマッチを行い快勝。その後、勝利に喜ぶVOODOO-MURDERSの2人の前に現れたのは、THE RULEの吉田綾斗。
吉田は、この日初めて王国の謎の新メンバーとして現れたエリクシオを連れてタッグ王座へ挑戦表明。その舞台となるのは、押忍PREMIUM PROWRESTLING SHOW ZERO1旗揚げ 20&21周年記念両国大会『プロレス』。既存のカードを変更させ、タイトルマッチが決定した。