STYLE-E 4.18西調布大会 西調布格闘技アリーナ閉鎖を受けてSTYLE-Eが一夜限りの復活にして最終興行を開催
STYLE-E FINAL〜ありがとう西調布格闘技アリーナ
日時:2015年4月18日(土)
開場:18:00 開始:18:30
会場:東京・西調布格闘技アリーナ
観衆:131人(超満員札止め)
▼第1試合 STYLE-Eメモリアル〜懐かしきあの頃〜 タッグマッチ15分1本勝負
○豊臣宏志(獅子一色)/福田洋(ユニオン)
11分25秒 木刀攻撃→体固め
●バンジー詩郎(平成E震軍)/超人勇者Gヴァリオン(BRAVES)
▼第2試合 遺恨完全決着!シングルマッチ20分1本勝負
○獅子丸 with 豊臣宏志(獅子一色)
1分22秒 ボディープレスをかわして→体固め
●ぬりかべあ〜(西調布妖怪組合)
▼第3試合 さよならスパーク、西調布と共に!? シングルマッチ20分1本勝負
○石川修司(ユニオン)
12分31秒 ランニング・ニーリフト→片エビ固め
●スパーク青木(SECRET BASE)
▼第4試合 今日は墓場でお別れ会〜甦る!西調布妖怪組合〜 タッグマッチ30分1本勝負
○ダイスケ(ガッツワールド)/吉野達彦(ガッツワールド)
12分32秒 スライディングD→エビ固め
藤田Mi太郎(西調布妖怪組合)/●アミゴの親父(西調布妖怪組合)
▼第5試合 集結!一夜限りのSTYLE-E〜ありがとう西調布、さようなら西調布 6人タッグマッチ30分1本勝負
柴田正人(U-FILE)/△竹田誠志(U-FILE)/那須晃太郎(U-FILE)
30分00秒 時間切れ引き分け
△田村和宏(HEAT-UP)/佐々木恭介/翔太(ガッツワールド/佐野魂)
▼ボーナストラック 12対6ハンディキャップマッチ 時間無制限1本勝負
○柴田正人/田村和宏/佐々木恭介/竹田誠志/翔太/那須晃太郎
9分57秒 ビッグバン・クラッシュ→片エビ固め
藤田Mi太郎/ゲゲゲのジャイアン/生霊大介/達彦の親父/アミゴの親父/ぬりかべあ〜/狂人勇者Gヴァリオン/亡霊宏志/悪夢洋/獅死丸/バンジー死霊/●あおき男
STYLE-E最後の西調布大会は超満員札止め!西調布で育ったメンバーとファンが集結
引き分けになった純血対決後まさかのボーナストラック!これはSTYLE-Eの卒業式だ
オープニング
万感の想い。西調布格闘技アリーナが4月20日に閉鎖されてしまう事により、急遽STYLE-Eが一夜限りの復活を果たした。毎月第三土曜日にファンが並ぶ事で名付けられた「西調布行列」。この日も開場前には多くのファンが行列を作り、開始を心待ちにしている。
開場後、一斉に着席するファン。特設売店に並べられた限定グッズは瞬く間にファンの手に。開始時間が近づくに連れ、徐々に増えていく観客席。急な発表にも関わらず超満員札止めとなった会場、いかにファンが望んでいた大会であったかが伺える。
午後6時25分頃、てっしー手島レフェリーと弥武芳郎リングアナによる前説。両者が西調布のリング上に揃うのは2012年12月12日以来。
西調布のリングでの思い出について。
弥武「空調が壊れてしまい、リングマットがビニール製なので、『U』の位置に汗が溜まって試合中ツルツル滑っちゃったんですよね。」
手島「宮本裕向選手がハンドスプリングエルボーを放った時、鉄柱が折れてしまった時がありましたよね。内側に折れたので助かりました。」
懐かしい「第三土曜日は〜、スタイルイー!!」の掛け声で締められる前説。STYLE-Eならではの映像による各試合紹介。
選手入場式、西調布妖怪連合と豊臣宏志を除く全ての選手がリング内に集合。挨拶前にはSTYLE-E初期に出場していた矢野啓太が現れ、柴田正人に花束を手渡す。まず選手代表として田村和宏が挨拶。
「本日はSTYLE-E西調布大会にご来場誠にありがとうございます!
今日久しぶりに西調布に戻ってまいりました。ここまで西調布を支えてくれたのはここにいる三人(柴田&竹田&那須)だと思うので、僕が最初の挨拶じゃなくて...柴ちゃん、挨拶して。」続いて柴田正人が挨拶。
「こんばんは! 色々あったけどSTYLE-E、今日復活してやったよ!! 入場式とか弥武ちゃんの映像とか見てて、グッと来るものがありましたね。今日復活できて本当に良かったと思っているので、皆さん最後まで楽しんでいって下さい!!」
第1試合
豊臣→ヴァリオン→福田→バンジーの順で入場。皆STYLE-Eを彩った選手であり、西調布の歴史を思い起こさせる。ここで実況の弥武から解説の須山浩継氏が紹介される。
試合前の握手ではヴァリオンが、試合が開始されるとバンジーが豊臣の顔を見て思わず笑ってしまう。
バンジー「(てっしーに)あんなん見たら、笑ってまうやろ…」
豊臣「無礼者!!」いきなり豊臣ワールドが展開される。
以前の参戦時に比べ、明らかに身体がデカくなっている福田。西調布のリングに立つとはっきりわかる。ヴァリオンのチョップに対し、耳元で叫んで対抗する福田。カウンターのドロップキックでヴァリオン反撃。
ヴァリオン&バンジーのダブル攻撃から、詩郎の名のもとにヒップアタックを炸裂させるバンジー。交互に攻め込まれる福田だが、フクダアップからダブルラリアットでピンチを脱出。
豊臣登場、ヘッドロックからのナックルでバンジー&ヴァリオンをなぎ倒すと腕をグルグル回して大見得を切る。隙を見せた豊臣に連携攻撃を仕掛けたバンジー&ヴァリオン、見切られて同士討ち。そこに福田のラリアットが襲いかかる。
ヴァリオンが福田のラリアットをかわしてDDT。するとバンジーは豊臣の持ち込んだ木刀を手にする。木刀を豊臣に振り下ろすバンジー、豊臣がキャッチするとてっしー手島レフェリーが止めに入る。しかしあえなくてっしーに誤爆する…館内のごく一部から「失神」コールが沸き起こる。
この隙を突いてバンジーが豊臣にインプラント式DDT。フォールの体勢に入るが、てっしーは背後で倒れたまま。場外で福田がヴァリオンを釘付けにし、豊臣が木刀を奪い返す。てっしーも息を吹き返す。
「静まれいっ!」豊臣が場内を制すると、バンジー目掛けて木刀を振り下ろす。真剣白刃取りの要領でキャッチしようとするバンジー…目測を誤って額に直撃する木刀。倒れるバンジーに覆いかぶさり余裕の3カウントを奪った豊臣宏志であった。
第2試合
ぬりかべあ〜にはあおき男が寄り添って入場、リングインしていきなり倒れこむべあ〜を必死に起こす。獅子丸を豊臣宏志が先導、何故かムツゴロウさんのような口調でリングインさせる。
試合開始、にらみ合う両者。不動の獅子丸に対し、べあ〜は倒れ込み式ボディープレス! これを豊臣宏志が木刀でアシスト、もんどり打ってマットに倒れこむべあ〜。
完全にダウンしたべあ〜を仰向けにする豊臣、あおき男がバーブ佐々木レフェリーに抗議していたためチェックされず。そのまま獅子丸がべあ〜の上に乗るとカウント3!
長きに渡って繰り広げられた獅子一色と西調布妖怪組合の因縁であったが、これにて完全決着。意気揚々と引き上げる獅子丸と豊臣宏志であった。
第3試合
西調布の奇跡。コールを受けスパークポーズを決める青木に赤と白の紙テープがわずかに舞った! 自分でも驚く青木。
そんな青木であったが、文字通り石川修司にけちょんけちょんにされてしまう。余裕の石川は青木の上に乗りダブルピースで観客に応える。
だれもが「もうダメだ」と思わせたキャメルクラッチ、しかし何とか耐える青木。起死回生の三角絞めもボムで返され、ニーリフトを食らって虫の息になる青木。ロープに走った石川へのニールキックがジャストミート!
石川のぶ厚い胸板にミドルキックを叩き込み、「上げるぞ!」と人間風車の体勢。さすがに持ち上げられなかったが、飛び付き腕十字にスイッチする。最大のチャンスだったが、石川はロープにエスケープ。
ここで何を血迷ったのか、青木は石川の右腕に照準を絞る。先程飛び付き腕十字で攻めた左腕はどうしたのか? 場内からも「左! 左!」と突っ込まれる中、アームブリーカーや腕十字で石川の右腕を攻める青木。
血迷った青木を見逃さなかった石川、ワキ固めをサイドバスターで切り返すと大技ラッシュ。コーナーに逆さ吊りにした青木へのランニングニー、ダブルフットスタンプ、DDT。両手を広げてフィニッシュを宣告した石川はスプラッシュマウンテンへ。切り返してスリーパーで絞め上げた青木だったが、反撃もここまで。
青木をコーナーに叩きつけた石川、ド迫力の串刺しラリアットを二発。胸板へのチョップで最後の抵抗をした青木、石川のヘッドバットを食らってゆっくりと崩れ落ちる。とどめはバックドロップからのランニングニーを炸裂させた石川が完璧なかうんと3を奪った。
試合後、観客に向かって礼をする石川。西調布のマットにも度々参戦していた事もあり、試合中にも「ありがとう西調布」と呟いていた。感謝の礼であったのであろう。
第4試合
入場してきた藤田がいきなりマイクを掴む。
「あのさ、妖怪組合って、妖怪興行が終わって解散したんだけどさ、何回駆り出されなきゃいけねぇんだよ!!(館内爆笑)おい…あのさ…もういいでしょ。こうやって出てきたからさ、もう十分だろ?(館内から「えぇ〜?」の声)ガッツワールドの(西調布での)最終興行があるんだよ! もうめんどくさくなっちゃったんだよ! 知ってるだろ? 西調布妖怪興行…妖怪組合だ。もうグダグダになっちゃってるんだよ!(館内笑い)俺の自慢の金髪もごっそり抜け落ちちゃったし、自慢の妖怪アンテナだって…(わずかに髪の毛を立たせて)これだけしか立たねぇんだよ!! もう妖気が立ってねぇんだよ! だからさ…あの…大事な時にいつも負けてた。だからね、今日勝てる気がしない。今日はお前らの勝ちでいいよ! 今日は俺達の負けだ!どうもありがとうございました!!」
と去ろうとする妖怪組合。館内の「えぇ〜!?」の声も虚しく去ろうとする藤田であったが…
「おい待てMi太郎この野郎!!」と待ったをかけるのは吉野達彦。
「待てよこの野郎! 今日はな、STYLE-E…ちょっと待てよ!! 今日俺らSTYLE-E最終興行だから気合入って来てるんだよ、まてよ!!(館内笑い)見ろよ、ダイスケさんだって気合入ってるんだ。全身洗髪…洗髪じゃねぇや(館内笑い)、うるせえや! ちょ、待てよー!! わかった、もうわかった! 実力行使だバカ野郎お前らよぉ!(場内から「噛んだ?」の声に)噛まねぇよ! まーてーよー!! 野次に反応した俺が悪かった!(館内爆笑)もうあったまきた、あったまきた、あったまきた! わかった! 俺達も帰るバカ野郎!!」
このままでは試合そのものが成立しない。吉野のやる気を起こさせる為に藤田が考えた妙案とは…STYLE-Eでは恒例であった、てっしー手島の一発ギャグ披露!
「やる気の出る一発ギャグ頼むよ!!」と突然の無茶振りではあったが、藤田Mi太郎という豪華なマイクスタンドも用意され、場内からの大てっしーコールの後押し、藤田の「じゃ、やろうか?」の言葉で一発ギャグを披露。
※大変申し訳ありませんが、手島昭一の名誉のためギャグの内容は割愛させて頂きます。
やる気を取り戻した両軍。無茶振りされて大ダメージを負ったてっしー手島を介抱するバーブ佐々木。ようやく試合が開始される。
リングインするなりタイムを要請、「無理です」と素顔を晒そうとして藤田に突っ込まれるアミゴの親父。妖怪アンテナやリモコン下駄を駆使してダイスケを攻める藤田、一反もめんやぬりかべあ〜、あおき男の加入もあって妖怪組合ペースで試合は進められた。
連携のミスを突き、こちらも連携で攻勢に転じたガッツワールド軍。ダイスケが親父にとどめをさそうとした瞬間、急に妖怪組合の入場テーマが流れ館内が大いに沸く。そこに姿を現したのは砂かけCHANGO!
CHANGOに気を取られるダイスケ、そこを羽交い絞めにした親父だったが…CHANGOの白い砂攻撃は親父に誤爆、スライディングDを決めたダイスケが親父から3カウントを奪い勝利。試合後またもやてっしーに一発ギャグを強要する吉野。
※大変申し訳ありませんが、手島昭一の名誉のためギャグの内容は割愛させて頂きます。
何事もなかったかのようにリングを去る全員であった。
第5試合
翔太→那須→佐々木→竹田→田村→柴田の順で一人ずつ入場。翔太は腰に纏ったTシャツを次々場内に投げ込む。竹田はKING of FREEDOMS WORLD CHAMPIONSHIPのベルトを、田村はSTYLE-E認定無差別級のベルトを腰に巻いている。最後に入場した柴田は甲冑コスチュームを身にまとって入場、館内がどよめく。
弥武芳郎リングアナがリングに上がり、STYLE-Eの面々を一人ずつコールしていく。大量に舞い踊る紙テープ。裁くレフェリーはてっしー手島。STYLE-Eの全てが凝縮されたリングとなった。
田村との握手だけ拒否した竹田、先発は竹田と田村で開始される。場内から湧き上がる「竹田」「田村」コールの中、竹田は柴田にタッチ。ロープに押し込んでクリーンブレークした柴田に対し、田村は離れ際にチョップを一閃。柴田の逆水平に悶絶する田村。柴田が自軍コーナーに田村を連れ込み那須と交代するが、田村も脱出して佐々木に交代。
牽制のキックからグラウンドでお互いを確かめる那須と佐々木。すぐに竹田と翔太に交代。タックルで翔太を吹っ飛ばした竹田、サミングから佐々木と交代する翔太。
佐々木は竹田と握手、竹田が手を握った瞬間顔面への張り手をかます佐々木。エルボーの打ち合いから優位に立った竹田が柴田と交代。竹田は本部席裏からパイプ椅子を取り出して自軍コーナーに置いておく。
柴田と佐々木、お互い嬉しそうにエルボーを打ち合う。コーナーに押し込んで佐々木の顔面を踏みつける柴田、ボディースラムからフォールはカウント2。
柴田と翔太、サミングを放ち場内にアピールする翔太。柴田は翔太の背後に立ってヘッドバット。柴田の逆水平に耐え、「打ってこい!」とアピールする翔太だが、前のめりにダウン。
那須と田村。フライングメイヤーからサッカーボールキックを互いに打ち合う。柴田と田村。柴田がボディースラム連発から田村のボディーを踏みつける。
竹田と田村。チョップ合戦から田村がボディースラム、竹田もお返しの一発。那須と田村。コーナーに追い込もうとした那須だが、田村返礼の逆水平。
那須と翔太。翔太がコーナーに那須を叩きつけ、コーナー最上段からのダブルスレッジハンマー。那須かわして翔太のボディーにパンチ。フレアーポーズから那須を油断させ、てっしーをぶつけて優位に立ち顔面を踏みつける。
那須と佐々木。佐々木サッカーボールキックからニードロップ。ミドルの連打で那須をダウンさせ、背中を蹴り上げる佐々木。竹田を挑発、てっしーが止める隙に翔太が那須にサミングで追い打ち。佐々木が押さえる左腕にトップロープからのスレッジハンマーを打ち下ろす田村。
那須と田村。左腕を絞り上げてスタンディングアームブリーカーを決める田村。那須と翔太。先程と同じく翔太が那須の左腕にスレッジハンマー、キーロックで左腕を攻める。
那須と田村。アームロックで攻める田村、竹田が入ろうとするとスッと技を解く。エルボー合戦から那須の左肩に前蹴りを放つ田村、ロープに飛んだ所を那須のドロップキックで迎撃される。
竹田と田村。エルボーで田村を吹っ飛ばす竹田。カットに入った翔太にはキチンシンク。佐々木と翔太で竹田を攻めるが、連携を逆手に取り二人まとめて放り投げる竹田。
パイプ椅子を掲げる竹田、田村の隙を突いて椅子を投げつけると「行くぞ場外!」両軍による場外乱闘。西調布名物であるサンドバッグ攻撃を仕掛ける柴田。
リング内は竹田と田村。ボディーへのニーリフトからロープに振ってヒップトス、ダウンした田村の背中に低空ドロップキックを放つ竹田。フェイスカットで追い打ち。
柴田と田村。腰を落とした田村を蹴りつけ、ダウンするとエルボードロップを放つ柴田。コーナーに振って串刺しベイダーアタック。
那須と田村。コーナーに田村を追い込んでミドルを連発する那須。田村の肩に那須が乗ると、柴田もその上に。竹田も更に上に乗った為、田村の肩口に三人分の体重がズシリとのしかかる。動けない田村に那須はアピールから低空ドロップキック。
竹田と田村。固定した田村の左腕を蹴り上げ、サイドバスターで叩きつける竹田。柴田と田村。再び田村をコーナーに振る柴田、田村カウンターのウルトラタイガードロップで反撃、ようやくローンバトルから脱出する田村。
柴田と佐々木。串刺しフロントキックを二発叩き込み、ランニングPKを柴田の胸板に炸裂させる佐々木。ゴッチ式パイルは柴田がリバース、ヒップドロップをかわした佐々木は再びPK。キャッチされても顔面に膝を叩き込む佐々木、ミドルを連打するが柴田キャッチしてフィッシャーマンバスター。
那須と佐々木。コーナーで逆水平を連打し、串刺しエルボーからブレーンバスターで投げる那須。バックドロップを回避した佐々木、エルボー合戦では舌を出して「効かねえぞ!」と挑発する。ミドルの打ち合い、那須の重さに鋭さで対抗した佐々木が打ち勝つ。
那須と翔太。コーナーからのダブルスレッジハンマーはまたも那須に見切られる。マンハッタンドロップで反撃、セカンドロープに固定した那須の後頭部にブロンコバスターを放つ翔太。ラシアンレッグスゥイープで叩きつけるが、那須の稲妻レッグラリアットを食らう。
竹田と翔太。コーナーの翔太に串刺しニーを連発した竹田、国体一回戦スラムを狙うが切り返される。翔太のシャープシューターは未遂に終わらせるが、蹴り足をキャッチさせてのエンズイギリを放つ翔太。
竹田と田村。スリングブレイドからミサイルキックで竹田を攻める田村。場内を煽ってコンビネーションからミノルスペシャル。担ぎ上げて回避した竹田、ボディーへのソバットを食らう。ロープに走った田村をキャッチしてエクスプロイダーで豪快に投げ飛ばす竹田。
ガットショットから顎を狙ったロッキンボ、ロックボトムで田村を叩きつけてアピールする竹田。ジャーマンを空中で反転して切り返した田村、ラ・ミスティカからアンドレ。カットに入った那須は翔太のシャープシューター、柴田には佐々木の卍固め。柴田が卍を崩してカット。
田村が竹田を押さえる。「しっかり持ってろよ!」と翔太がラリアットを放つが誤爆。再び竹田を押さえる田村、今度は佐々木が「しっかり持ってろよ!」からフロントキック、またも誤爆。
田村を孤立させ、竹田と那須がツープラトンのフラップジャック。腰を付いた田村に前後からニーを叩き込む。フォールは場外から戻った翔太が懸命のカット。
突っ込む竹田、田村は膝への低空ドロップキックからラ・マヒストラル。カウント2で返されると首固め、これもカウント2。スクールボーイを切り返した竹田、田村の腰に手を回して強引にジャーマンでぶっこ抜く。ここで時間切れ引き分けのゴング。
30分をフルに戦い抜いたSTYLE-E戦士達。万感のフィナーレに突入…と思いきや、何故かここで藤田Mi太郎がリングサイドに…
ボーナストラック
マイクを掴んだ藤田Mi太郎が叫ぶ。
「大変だー!! 知らなかったんだけどよ、今日このリングで戦えるの最後らしいじゃねえか! 二試合目からセミファイナルの選手まで、誰ひとり知らなかったぞおい! 休憩後にみんなにその話をしたら、思いつめちゃってよぉ。なんか暗ーい顔して、高尾山にみんなで登りに行ったんだよ! なんだか、恐ろしいことが起こりそうな気がする!! 今頃お星様になっているだろう、インディーレスラーの行き場のない魂を! どうか、妖怪の神様! 救いたまえ〜!!!!」
西調布妖怪組合の入場テーマが流れ、行き場のなくなったインディーレスラー達の魂が妖怪の神様により具現化。新たに8匹の妖怪が西調布のリングに現れたのだ!!
「見ろ! 見ろよ! 見たことのない妖怪達がいっぱいいるじゃねぇか! こいつらはよぉ、お前らみたいに志はねぇよ! でもなぁ、このリングを愛してたんだ! このリングで戦えなくなる恨み、いや、逆恨みは! お前達6人に今、向けられている〜!!(館内大歓声)だ〜か〜ら〜! お前ら6人対俺達全員で、もう1試合だぁ〜!!!!(館内大歓声)オイ! 弥武! 魂の! ゴングを鳴らせ!!」
藤田の叫び、ゴングの音を皮切りに一斉に襲いかかる妖怪軍団! 場外のあちこちで繰り広げられる乱闘に、阿鼻叫喚となる西調布格闘技アリーナ! 果たしてSTYLE-E戦士達は迫り来る妖怪を叩きのめし、最後のSTYLE-Eをハッピーエンドで締めくくる事が出来るのだろうか!?
これがSTYLE-Eのノリ。ハチャメチャで楽しく、間近で繰り広げられる戦いに観客は大きな声援を送る。気がつけばてっしー手島レフェリーまで翔太や竹田に技をかけられている。
リング内に戦場が戻る。田村和宏が妖怪組合に袋叩きにされているのをじっと見守る…いや、入りたくても入れない他の5人。
藤田のシュミット式バックブリーカー→ジャイアンのカナディアン・バックブリーカー→宏志のダイビング・ニー→アミゴと達彦、二人の親父によるダブルブレーンバスター→悪夢のペディグリー→大介のフロッグスプラッシュwith一反もめん→獅死丸のダイブ→狂人勇者の串刺しエルボー→ぬりかべあ〜の串刺しスプラッシュからブレーンバスター→紙テープまみれになったバンジーのスプラッシュから訳のわからない攻撃。
妖怪組合の連続集中攻撃の前に、虫の息となってしまう田村和宏。結界が張られているのか、全く手出しが出来ないSTYLE-E戦士達。このまま西調布は妖怪の巣となり終わってしまうのか?
そんな心配を一瞬でかき消してしまうのは、「負の遺産」青木おとこの登場であった。
田村のブレーンバスター→竹田のロッキンボ→翔太のスピア→那須のバックドロップ→佐々木のゴッチ式パイル→とどめは柴田のビッグバン・クラッシュ。青木おとこの負のオーラが結界を無効化し、STYLE-E戦士の波状攻撃で見事に妖怪組合の魔の手から西調布を救い出した!!
てっしーを中心にして、全員で勝ち名乗りを上げる。西調布のリング、思い出のいっぱい詰まったリングの中央で。
エンディング
マイクを握る柴田正人。
「何だ、めちゃくちゃだなぁ。いやぁ〜、終わっちゃったよねぇ。」
しばしマイクを握って無言になる柴田。場内から柴田コール。
「泣いてないよお前!!(館内笑い)え〜、どうですか最後まで、楽しんで頂けましたでしょうか?(館内大きな拍手)西調布、12年間、皆さんのおかげでやってこれました。ありがとうございました。STYLE-Eは今日で本当に終わってしまいますけど、ここにいるレスラーはこれからもバンバン試合していきますんで、皆さん応援宜しくお願いします!! え〜、俺のしょっぱいマイクはこれくらいにして、やっぱSTYLE-Eとくればタムタムでしょ。タムタム、一言…一言というか、ここを締めてよ。」と田村にマイクを手渡す柴田。
「STYLE-Eっていうのは、俺だけのSTYLE-Eじゃないから。翔太も、那須も、竹ちゃんも、佐々木さんも柴ちゃんもねぇ、思いはみんなあると思うから…僕だけマイクっていうのも…ねぇ。(翔太に目をやる田村、笑っている翔太)お前(=翔太)もなぁ、ここでデビューして、沖縄行ったり戻ってきたり、なぁ! お前の思いを、みんなに伝えてくれ!」と言い、翔太にマイクを渡す。
「本日は! HEAT-UP最終興行にご来場頂き!(田村に思いっきり突っ込まれる)え〜、西調布アリーナ無くなります! STYLE-Eは今日が最後だから、まあ今日が最後だからこんな試合出来たし! まあね! ボーナストラックやって思ったのは!『ああ、みんなプロレス大好きなんだなぁ』って事! そう思ってます。この西調布アリーナと、STYLE-Eという団体が無ければ俺は絶対に、絶対にプロレスラーになれなかった、そんな存在だと思っています。だけど、それが今こうしてプロレスやってけるという事で、本当にこのリング、STYLE-Eって団体に感謝しています! Thank You so Much!」
続けて那須が、竹田が、佐々木が思いを告げる。このリングで育った6人、それぞれの思いが観客に、そして西調布のリングに伝えられる。
マイクを託された田村。
「改めて今日がSTYLE-Eの卒業式だと思っています。最後の大会となったタイトル『おわりははじまりのはじまり』ここからみんなレスラー生活、色んな事が起きます。これからが始まりです。もっともっと成長して、田村潔司師匠をびっくりさせる位大きくなっていきましょう!」
そして再び柴田にマイクを渡す田村。最後の締めは柴田の音頭で館内全員による「スタイル〜イイ!!」で終わった。大会終了後の弥武芳郎リングアナの声も感極まっていた。
柴田正人が胴上げされる。弥武芳郎が胴上げされる。那須晃太郎というマイクスタンドを使い、みたび一発ギャグを放つてっしー手島。
※大変申し訳ありませんが、手島昭一の名誉のためギャグの内容は割愛させて頂きます。
すかさず胴上げされるてっしー。ここでU-FILE調布の桑逸人から柴田に花束が手渡されると、思わず感極まってしまう柴田。桑を加えた当日の出場全選手による記念撮影はいつまでも続いた。
青春の思い出。様々な思いが詰まった西調布格闘技アリーナ。STYLE-Eで育った戦士達は、また荒波に揉まれていく。そんな時にふと思い出して欲しい。西調布を。
【記事提供/Photographer Samhan-Takashi】