【試合詳細】1・4 新日本プロレス東京ドーム大会 【IWGP世界ヘビー級】鷹木信悟vsオカダ・カズチカ 【IWGPジュニア】エル・デスペラードvs高橋ヒロム 【IWGPタッグ】タイチ&ザック・セイバーJr.vs後藤洋央紀vsYOSHI-HASHI 【NEVER無差別級】石井智宏vsEVIL 柴田勝頼vs成田蓮
『WRESTLE KINGDOM 16 in 東京ドーム』
日程:2022年1月4日(火)
開始:17:00
会場:東京都・東京ドーム
観衆:12,047人
▼『KOPW 2022』進出権争奪ニュージャパンランボー
<退場順>藤田晃生→中島佑人→大岩陵平→TAKAみちのく(JTO)→マスター・ワト→天山広吉→小島聡→金丸義信&DOUKI→永田裕志→バッドラック・ファレ→アーロン・ヘナーレ→藤波辰爾(ドラディション)&真壁刀義
27分14秒 体固め
○チェーズ・オーエンズ
○鈴木みのる(パンクラスMISSION)
○CIMA(GLEAT)
○矢野通
※みのる、チェーズ、CIMA、矢野が『KOPW 2022』決定戦4WAYマッチ進出権を獲得
▼スペシャルシングルマッチ 60分1本勝負
[CHAOS]○YOH
12分32秒 ファイブスタークラッチ
[BULLET CLUB]●SHO
▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
●棚橋弘至/田口隆祐/ロッキー・ロメロ
8分40秒 反則
[BULLET CLUB]○KENTA/石森太二/エル・ファンタズモ
▼6人タッグマッチ 30分1本勝負
[L.I.J]内藤哲也/SANADA/●BUSHI
9分27秒 ヒドゥンブレイド→片エビ固め
[UNITED EMPIRE]○ウィル・オスプレイ/グレート-O-カーン/ジェフ・コブ
▼スペシャルシングルマッチ 30分1本勝負
[LA DOJO]○柴田勝頼
11分46秒PK→片エビ固め
[LA DOJO]●X=成田蓮
▼NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
【王者/CHAOS】●石井智宏
12分10秒 EVIL→片エビ固め
【挑戦者/BULLET CLUB/HOUSE OF TORTURE】○“キング・オブ・ダークネス”EVIL
※第34代王者が初防衛に失敗。EVILが第35代王者となる
▼IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/鈴木軍/DANGEROUS TEKKERS】●タイチ/ザック・セイバーJr.
15分27秒 奈落→片エビ固め
【挑戦者組/CHAOS/WTL2021優勝】後藤洋央紀/○YOSHI-HASHI
※第91代王者組が2度目の防衛に失敗。後藤&YOSHI-HASHIが第92代王者組となる
▼IWGPジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/鈴木軍】○エル・デスペラード
16分18秒 リバースタイガードライバーからのピンチェ・ロコ→体固め
【挑戦者/L.I.J/BOSJ28優勝】●高橋ヒロム
※第91代王者が初防衛に成功
▼IWGP 世界ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/L.I.J】●鷹木信悟
35分44秒 レインメーカー→エビ固め
【挑戦者/CHAOS/G1 CLIMAX 31優勝】○オカダ・カズチカ
※第3代王者が4度目の防衛に失敗。オカダが第4代王者となる
オカダがIWGP世界ヘビー級王座を戴冠しIWGPヘビー級のベルトに別れの挨拶!デスペラードが宿敵・ヒロムを制してジュニア王座初防衛!後藤&YOSHI-HASHIが悲願のタッグ王座戴冠!柴田の復帰戦の相手は凱旋帰国した成田蓮!
第0試合
まずはチェーズ・オーエンズとアーロン・ヘナーレが入場し試合開始。
ゴングとともに殴り合い、ヘナーレが首相撲からのヒザを連打しショルダータックル。さらに突っ込んでいくがチェーズがターンバックルコンプリートショット。
3人目の入場はヤングライオンの藤田晃生。藤田は全速力でのリングインからチェーズにドロップキック。チェーズはワンハンド・バックブリーカー。起き上がる隙にヘナーレがチェーズをOTRさせようとしているところへ次の入場曲が鳴る。
4人目の入場はヤングライオンの中島佑人。中島はヘナーレにエルボー連打からランニングエルボー。ヘナーレはボディブローからコーナーで顔面へワンツー連打。さらにサッカーボールキックを叩き込んだところへ次の入場曲が鳴る。
5人目の入場はヤングライオンの大岩陵平。大岩はチェーズに足払いからサイドスープレックス、ヘナーレにドロップキックから逆エビ固めを狙うが、その横からチェーズがビッグブート。次の入場曲が鳴る。
6人目の入場はマスター・ワト。ワトはチェーズにカンフーコンビネーション。ヘナーレにもカンフーコンビネーションからトラースキックを見舞うも、その横からチェーズが組み付いてニークラッシャー連打。次の入場曲が鳴る。
7人目の入場は天山広吉。天山はチェーズにヘッドバッドから真モンゴリアンチョップ。次の入場曲が鳴る。
8人目の入場は鈴木みのる。ゆっくりゆっくり歩を進めるみのるに対してチェーズが激しく挑発。みのるがリングインすると当時に藤田がドロップキックもこれをかわしたみのるがアキレス腱固め。藤田がギブアップで失格。その上から中島が体固めもみのるが下からアームロックに捕らえると中島がギブアップして失格。続いて突っ込んできた大岩をスリーパーホールドで絞め上げるとレフェリーがストップし大岩が失格。次の入場曲が鳴る。
9人目の入場は小島聡。リング上に揃ったテンコジがみのるに2vs1でかかり、2人で真モンゴリアンチョップ&モンゴリアンチョップの競演からダブルショルダータックル。次の入場曲が鳴る。
10人目の入場はTAKAみちのく。TAKAはリングインするなりみのるを救出するが、テンコジがテンコジカッターでTAKAを撃退。次の入場曲が鳴る。
11人目の入場はCIMA。CIMAはコーナーに上ってTAKAにメテオラ。3カウントが入りTAKAが失格。次の入場曲が鳴る。
12人目の入場は本間朋晃。CIMAとワトがスピーディなロープワークの攻防を展開する中、CIMAがトップロープを引き下げ、勢い余ったワトがOTRで失格。倒れたCIMAに本間が小こけしをヒット。次の入場曲が鳴る。
13人目の入場はDOUKI。DOUKIはみのるの加勢に入り、本間に地獄突きを連打。次の入場曲が鳴る。
14人目の入場は永田裕志。永田が入ってくるとみのるが「来いよコラ!」と挑発し一歩も引かぬエルボー合戦を展開。次の入場曲が鳴る。
15人目の入場は金丸義信。天山がモンゴリアンチョップからラリアットを狙うが、金丸がウイスキーミストを噴射して怯ませスクールボーイでカウント3。天山が失格。激怒した小島が金丸、チェーズにマシンガンチョップを見舞う中で次の入場曲が鳴る。
16人目の入場は真壁刀義。マシンガンチョップを終えた小島がいっちゃうぞエルボーを宣言したところへ永田がバックドロップ。DOUKI、金丸も一緒に押さえ込んで3カウント。小島が失格。次の入場曲が鳴る。
17人目の入場はバッドラック・ファレ。巨漢のファレを驚異に感じたか、金丸とDOUKIが2人で掴みかかるも、ファレは軽々と2人をトップロープ越しに放り出し、金丸&DOUKIが失格。さらに本間もOTRで放り出し本間が失格。永田もボデイスプラッシュで場外に叩き出してOTRで失格させる。次の入場曲が鳴る。
18人目の入場は藤波辰爾。藤波は、ファレにドラゴンスクリュー。真壁がファレをラリアットでOTRさせファレが失格。藤波がヘナーレ、みのる、真壁にドラゴンスクリューを見舞う中、最後の入場曲が鳴る。
19人目の入場は矢野通。藤波が真壁に足4の字固め。ヘナーレが突っ込んでいくと矢野がロープを引き下げてOTRさせる。ヘナーレが失格。さらに矢野がCIMAらと藤波&真壁の上から2人へ同時の体固めで3カウントを奪い藤波&真壁が失格。
この時点で矢野、チェーズ、みのる、CIMAの4人残りとなり、ニュージャパンランボーは終了した。
<試合後コメント>
矢野通
「(興奮状態で現われて)あああ! あああ! 2022年も私とベイビーの絆は、何人たりとも、3人が束にかかってこようとも、私とベイビーの絆を剥がすことは誰にも出来ない! 明日! 明日! それを証明する!」
鈴木みのる
「新年一発目。たかだか時間差バトルロイヤル。“たかだか”(笑)。本戦にも出れない、タイトルマッチにも絡めないクソみてぇなヤツらの集まりのうちの4人。そのうちの一人。それだけ。言いたいことは全て明日言う」
チェーズ・オーエンズ
「ここでも全ての障害をなぎ倒し、再び、3回目のナンバー1になってみせる。その(チャンスがある)4人のうちに残った。ヤノとはもう十分やってきたから飽き飽きしているところだ。最後の10秒でまたずる賢くやってきたな。そしてスズキ! なんでファイナル4に残るんだよ! あれは予想してなかった。それからCIMA! アイツはいったいどこから来たんだ? 何にしても明日、KOPWの4人でのファイナルで、全ての陰謀を明らかにする」
CIMA
「GLEAT、ストロングハーツのCIMAです。まずはこの地に立ったということが、僕も25年プロレスをやってますけど、最高にうれしいことですね。これ以上のことというのは、今日本のプロレス界ではないと思いますんで、今の日本のプロレス界の最高峰の舞台にまたこうして立つことができて、感謝してます。試合とか、明日のこととかっていうのは、まだ正直何も考えられないです。この新日本プロレス、日本が世界に誇る新日本プロレスですから、明日もGLEATとストロングハーツの名前を残すために、死ぬ気で、リング上で試合をするだけですね。ありがとうございます」
──今日手合わせして、印象に残った選手は?
CIMA「いや、ほとんどの選手がリング上ではじめましてというか、Nice to meet youな選手が多かったので、全く何するか分からなかったので、そういう緊張感というのはものすごくありましたね。ワト選手はメキシコで少し一緒になったことはあったんですけど、帰国されてからは一度も会ってないので。ただリング上で絡むことができてうれしかったです。全てが、鈴木さんに腕を極められたり足を極められたりもありましたけど、痛いのも含めて、うれしかったです」
──今、ツイッターの日本のトレンドで3位に入ってるぐらいサプライズだったと思うんですが、KOPW王座についてはどういう印象ですか?
CIMA「正直本当に、僕自身も、そうやってトレンドに入れていただいたってことは皆さんもサプライズだったと思うんですけど、私自身にとっても青天の霹靂というか、寝耳に水どころじゃない状態ですんで、本当に考えられないですね。ただ、2位と1位が空いてるってことは、明日勝ち上がれば可能性はあるんじゃないですかね」
──明日勝てば、新日本プロレスのタイトルを手にすることになりますが。
CIMA「まず、本当に明日のことは考えられないっていうのが本音ではあるんですけど、とにかく今日、私が何かしらの結果を残さないとGLEATもストロングハーツもないと思ってますんで、明日のことは本当に今日、ホテルに戻ってからゆっくり考えたいなと思ってますけど、ストロングハーツにも、皆さんご存じの方いるかも分からないですけど、T-HAWK、リンダマンっていう素晴らしい選手がいますんで、GLEATにも素晴らしい若手がいますんでね、私をきっかけに、GLEATと新日本プロレス、何かしらを起こせるきっかけのひとつに、私自身の命を懸けて、なればいいなと思いますね。本当にうれしかったです。ありがとうございました」
藤波辰爾
──サプライズ登場でしたが、やっぱり50周年ということで出場されたんでしょうか。
藤波「全くこれは、ファンの皆さんには知らされてないんだよね? でもまあ、最後ね、拍手と(ファンが)手を振ってくれる姿を見て、何かこう、新日に帰ってきたなというね。昨年に続く1.4ですからね。今日はちょっとね、朝から足がね(※自分の足を叩く)、久々の東京ドームは広くてね、歩きすぎて足が張っちゃいましたけどね。みんな選手は元気いい。うん、楽しみですね」
──4人残りに入れば、明日はKOPW王座を懸けて戦うという試合でしたが。
藤波「あー、残れば出れたんだ。ありゃー、それ先に言ってくれなきゃ(笑)。そしたらもうちょっと頑張ったのに」
──今年はどんな1年に?
藤波「1月4日からリングに上がれたっていう、こんなに光栄なことはないんでね。ここまで来たら、68歳を迎えたんでね。『もう68』じゃなくて『やっと68を迎えました』という感じで。まだ、自分のデビュー50周年の続きが、今年まだいっぱいありますんでね。とにかくそれを、無事に元気で終えたいですね」
──藤波さんにとって東京ドームは特別な場所ですか?
藤波「ああ、やっぱりね、プロレス始めっていうのはこの東京ドーム、1.4は新日本プロレス恒例の行事ですからね。ここ何年間か上がれなかったっていう、そういう部分での思いっていうのか、やっぱりジーンとくるものがありましたね」
──藤波さんも旗揚げに参加した新日本プロレスが50周年ですが、どういうお気持ちですか?
藤波「50周年、半世紀、本当に……自分の中ではまだ続いてるんだけど、本来旗揚げメンバーがみんな揃って、今日のこのニュージャパンランボーに参加すればよかったね」
天山広吉
「2022年、あけましておめでとうございます。ニュージャパンランボーという形でリングに上がりました。最後まで残りたかったですけど、してやられたという感じで。金丸のね、毒霧じゃないけど、あんな姑息な手段やりやがって。何が何でも上がりたかったというか、そんな気持ちでしたけど、今年始まって、大きなことやりたいと思ってるし、自分でも。このままくすぶってチンタラチンタラやるんじゃない。何かチャンスを掴んでやっていきたいと思います。2022年、寅年やけど、頑張りますよ。猪突猛進で、しっかりやっていきたいと思います。よろしくお願いします!」
本間朋晃
「やっぱりドームって最高に気持ちいいっす。まさか今日、花道を歩けるなんて。これこそプロレスラーの夢です。本当に良かった。ただ、今の新日本プロレスにおいて、選手層の厚い新日本プロレスにおいて本戦に出て花道を歩く。それこそタイトルマッチに絡んでタイトルを獲る。それこそ夢かもしれないけど、その第一歩として今日という日を無事に迎えることが出来ました。あと一つ、まさかまさかのCIMA選手。ボクの記憶に違いがなければ97年デビューでほぼ同期なんですけども、今まで1回も触ったことないし、近くで見たことがないCIMA選手と当たれたことが凄くなんか今年行けるような気がしました。行けるような気しかしてません。オレは今年絶対に上に登り詰めてやります。ありがとうございました」
第1試合
YOHがゴングを待たずに仕掛け、挨拶代わりのノータッチ・トペ・コンヒーロから花道に連れ出してのDIRECT DRIVEを狙うが、SHOは暴れて抜け出しセコンドのヤングライオンをYOHにぶつけてから花道ボディスラム。さらにヤングライオンをYOHへボディスラムで叩きつける。
SHOは場外を引き回してYOHを痛めつけてリング上でも執拗に顔面を踏みつけていくが、YOHはその足を取ってドラゴンスクリュー。さらにマウントエルボー&両腕を固定しながらのストンピングを連打。SHOは指2本のフィンガーロックで脱出するも、YOHはドロップキックからジャーマン・スープレックス・ホールド。DIRECT DRIVEを狙うYOHだったが、SHOはサミングで脱出し、レフェリーを盾にしてYOHに攻撃をチュウチュさせてからスピアー。
SHOは串刺しラリアットからマウントエルボー&両腕を固定しながらのストンピングと先ほどYOHにやられたものと同じ攻撃で意趣返し。SHOはパワーボムからクロスアーム式パイルドライバー、さらにショックアローを狙うが、YOHは足を取ってスターゲイザーからOut Of Print。
ここへ突如エプロンにディック東郷が登場しレフェリーの注意を引きつける。SHOがタップをしたためYOHが技を解くもレフェリーはこれを見ておらずYOHが抗議。SHOはその背後から組み付いてジャーマン・スープレックス。続けてラリアットからスネークバイトに捕らえるもYOHは必死のロープブレイク。
またもディック東郷がエプロンに上がってレフェリーの注意をひく中でSHOがスパナを持ち込んで殴りかかるが、YOHはこれをかわして攻撃を東郷にぶつけ、ファイブスタークラッチで押さえ込んで3カウントを奪った。
この結末に納得できないSHOはYOHにスパナで殴りかかるも、YOHがカウンターのトラースキックを直撃させて撃退。今日のところはYOHの完勝となった。
<試合後コメント>
YOH
──因縁の相手との戦いでしたが、どんな思いでリングに?
「思ったのは、本当にひとつだけなんですけど。彼に対して、SHO君に対して、『裏切ってくれてありがとう』って思ってます。それだけです」
SHO
「(※アゴを氷で冷やし、唸りながらインタビュースペースに着くと)オイ、YOH! オメェそんな下卑た、下卑た勝ち方しかできねぇのか? オイ、ふざけんじゃねぇ。浅ましい! それで、この俺様に勝ったつもりなのか? 片腹痛いわ! 明日はなぁ、オマエだけじゃねぇ、オマエの大事な先輩方も一緒に拷問にかけて、挙げ句に、俺の死体コレクションにしてやる! 今日はよぉ、俺は負けてねぇんだよ。アイツの負けだよ。アイツの負け。恥を知るがいい!」
第2試合
ロッキーとファンタズモでゴングが鳴ると、ロックアップからファンタズモがショルダータックル。ロッキーはファンタズモの攻撃をスライディングでかわしてティヘラ。ファンタズモが着地するとロッキーがスクールボーイで対応しセカンドロープから飛びつくティヘラから田口にタッチ。
ロッキーは田口を踏み台にしてスライスブレッドを見舞い、田口が低空ドロップキックで追撃。さらに田口がヒップアタックを発射も、石森が入ってきてミサイルキックを狙う。田口はこれをかわしてヒップアタック。石森は一度はアトミックドロップで迎撃に成功も二発目は被弾。田口&ロッキーは石森&ファンタズモへダブルのヒップアタックを見舞い、コーナーへ上がった田口の尻へ2人の顔をぶつけようとするが、KENTAがカットしてカンチョー攻撃を狙う。棚橋が良かれと思ってカットするも、KENTAを吹き飛ばす形になりKENTAのカンチョーが田口の尻にズブリと突き刺さる。
田口はコーナーに逆さ吊りにされ、石森&ファンタズモが恒例となっている踏みつけ攻撃。さらにファンタズモはロープを踏み台にぴょんぴょん跳ねてから着地して背中へひっかき攻撃。さらに石森はキープオンジャーニーを踊ってからの背中ひっかき。
代わるKENTAは尻へのキック、尻へのエルボードロップ、ヒップアタックをかわして自爆させる攻撃と尻への集中攻撃も、田口が意地のヒップアタックを叩き込んで棚橋にタッチ。
棚橋は太陽ブロー連打からフライングフォアアーム。さらにコーナーに控えるファンタズモにドロップキック、石森にはドラゴンスクリュー。背後からキックを放つKENTAにもドラゴンスクリューを見舞いスリングブレイドを狙うが、これをかわしたKENTAがスクールボーイ。棚橋がキックアウトするとKENTAはおおげさに吹き飛んでレフェリーへぶつかっていく。KENTAは棚橋をDDTで突き刺し、石森から竹刀を受け取って棚橋を滅多打ち。石森&ファンタズモも加勢に入るが、田口&ロッキーが救出し場外へのプランチャ編隊飛行。
棚橋は怒りの竹刀攻撃連打も、これにレフェリーが気付いて制しに入る。完全に頭に血が上った棚橋がレフェリーを突き飛ばして竹刀攻撃を続けると、レフェリーが棚橋の反則負けを告げるゴングを鳴らさせた。
<試合後コメント>
石森太二&エル・ファンタズモ
ファンタズモ「今、この感じ、別に息が上がっているわけじゃないんだ。こういう呼吸法をしているだけだよ。なぜならば、明日は大事な試合だからな。オレたちが、キューテストタッグチームが第69代IWGPジュニアヘビー級タッグチームチャンピオンになる大事な日だから。今日は何もしないまま勝っちゃって、サドンデスは3つ決められたけど、タナ、ロッキー、タグチ、アイツら勝手に戦って、タナハシは勝手に負けてたね。タナハシが反則なんて何だろうね? ファンタズモとイシモリがトーキョードームでタナハシ・ヒロシに勝つ、これなんか凄くない? カッコいいよね。明日の夜はオレたちがスーパー・デューパー・サドンデスを決めて勝ってみせるので、しっかりとZIMAを冷やして待っとけよ。そしてそのサドンデスを決める相手はもちろんタイガーマスク。アイツにとってはニュージャパンプロレスでの最後の試合になるだろう。そして最後の試合、すなわちアイツには選択の余地なく引退の道が待っている。あのマスクはオレに継承されることになるだろう。もしかしたらオレがタイガーマスクになるかもしれないし、もしくはオレが暖炉の火に焚べちゃうかもしれないけれども、あのマスクはオレのものになる。そして#RobbieEaglesSuckLOL、これをよろしく頼むよ。今日はイージーファイトで汗すらかかなかったよ。シャワーも浴びなくて良さそうだな」
石森「イージーマッチ!」
ファンタズモ「(引き上げるかと思いきや、テレビカメラの前に立って)明日、オマエを眠らせてやるよ。もう永遠に目覚めない眠りにな。タナ、オマエ、今日は超疲れてたぞ」
KENTA
「(USヘビーのベルトを片手に持ってコメントブースに現われたが、用意されたイスと机を蹴り飛ばして)棚橋、オイ! 上等じゃねえか、オマエ! これぐらいやってもらわなきゃ困んだよ。面白いじゃねえか、棚橋! 明日な、ガッチリやってやるよ。それでな、その先のノアとの対抗戦、オレに負けていろんな意味で恥ずかしい状態で出させてやるよ。なあ、よく覚えておけ!」
田口隆祐&ロッキー・ロメロ
ロッキー「コーチ、今はどんな気分?」
田口「アイム・OK! アイム・グッド!」
ロッキー「オレもいい気分。だってオレたち明日に向けて準備万端だもんな。メガコーチズは常に強いんだ。明日の夜、オレたちは歴史を作る。オレは9回目のタッグチームチャンピオンになる。明日は何よりオレではなく、自分のメガコーチズとしてのパートナー、タグチにとっての歴史を作る大事な1日になる。なぜならば69代目のIWGPジュニアヘビー級タッグチャンピオンになるんだからな。これを思っただけで誰も止められないし、楽しみで仕方がない。(日本語で田口に向かって)ドウゾ」
田口「そういうことです。明日、69代ジュニアシングル、タッグ、獲って、私が69に選ばれた男として、これからしっかりと新日本ジュニアを引っ張っていきたいと思います。まあ獲れなかったら、負けた時のことを考えるバカな奴がいるかという言葉もありましたけど、負けた時のことを考えれば、私はもう引退を考えるしかないと思っておりますので、本当に明日負けたら私は引退を考えます。それぐらいの気持ちで頑張ります」
ロッキー「BULLET CLUBのキューテストタッグに今日は負けたけれども、この敗戦はオレたちのストーリーの一部であり、運命だったんじゃないかと思っている。だって歴史が出来るのは今日じゃなくて明日だから。オレはアメリカでこれまでにないほど大変なトレーニングを積んできた。ブライアン・ダニエルソンとも戦ったし、ロッポンギ・ヴァイス、そしてベストフレンズなんかとも力いっぱい練習を重ねて今がある。明日はトーキョードームで約束するよ。絶対にタッグチームのチャンピオンになってみせる(と言いながら田口と指切りをし、田口と声を合わせて)ボクたちは69代IWGPジュニアタッグチャンピオンになることを誓います。ザ・メガコーチーズ」
田口「OKです。ということで、なかなか英語は難しいですね。ありがとうございます。勉強します。頑張ります。以上です」
棚橋弘至
──まさかの反則負けという結果に驚いていますが、どんな気持ちになってしまったのか教えてもらってもよろしいでしょうか?
棚橋「反則攻撃っていうのはあまり慣れてなくて、止めどころが分かんないというか。ちょっと東京ドームで反則負けっていうのは記憶にないし、自分でも落ちるところまで落ちたなと思ってるけど、明日のために、明日やり返せばいいだけだから。今日はこの悔しい気持ちをね、悔しい、情けない、何だろ? いろんな感情が溢れたら何の感情もなくなって、ああこういう気持ちの時に躊躇せず人を殴れるんだろうなっていう、初めての感覚というか……なんか……棚橋はもう東京ドームでね、メイン張ってた棚橋はもういないんだなっていうところから始めます」
──そういった感情の中で改めてKENTA選手に言いたいこと、伝えたいことがあったら教えてください。
棚橋「なんかキレたら怖い人っていると思うんですけど、オレ、その類いなのかなって自分で思っちゃった。明日は覚悟しといてください」
──ノーDQマッチです。いろんな戦い方があります。あえて今言える範囲でどういう戦いをしようと思っていますか?
棚橋「昨日までは正攻法で行って、何の反則もせずに勝ったら無茶苦茶気持ちいいだろうなと思ってたんですけど、竹刀ぶん回して、人をぶっ叩くのも気持ちいいなと思っちゃった。明日はどっちの棚橋が出るか、楽しみにしていてください」
第3試合
帝国の奇襲からゴングが鳴り、内藤がコブにマンハッタンドロップから振り子式DDTを狙うが、コブがこれを受け止めてコーナーに叩きつけショルダータックル。交通事故のように吹っ飛んだ内藤が場外に転がり出ると、コブは内藤を担いで場外鉄柵に叩きつけ、オーカーンにタッチ。
オーカーンはモンゴリアンチョップ連打から内藤の大事な髪を掴んで引き回しオスプレイにタッチ。
オスプレイは内藤の顔面を自軍コーナーに叩きつけただけでコブにタッチ。場外鉄柵に腰掛けて高みの見物を決め込む。
コブは内藤にヘッドバッド連打から串刺しエルボーを放つが、内藤はこれをかわして低空ドロップキックから延髄斬り、さらにフライングフォアアームを叩き込む。コブはブレーンバスターを狙うが内藤が着地し、飛び込んできたBUSHIが回転エビ固めを仕掛ける。コブは倒れず耐えるがSANADAがドロップキックで倒し、内藤が低空ドロップキックで追撃。両者タッチ。
SANADAとオーカーンの対面となると、SANADAがアームドラッグからアトミックドロップ、パラダイスロックに捕らえて低空ドロップキック。SANADAはプランチャを発射もオーカーンが入れ替わりにリングに入り、プランチャを狙うそぶりで挑発。SANADAがリングに入ってくると耳を掴んで引き回し王統流二段蹴り。さらにオコーナーブリッジを見せて挑発し肩固め。SANADAは暴れて抜け出しミサイルキック。BUSHIにタッチ。
BUSHIはDDTからフィッシャーマンズ・スクリューを狙うが、オーカーンは一本背負いで叩きつけてオスプレイにタッチ。
オスプレイはヒッピーチェリオからストームブレイカーを狙うが内藤がカット。コブが突っ込んで来ると内藤がコリエンド式デスティーノを狙うがコブがバックドロップで撃退。SANADAがオーカーンにドラゴンスリーパーを狙うが大空スバル式羊殺しからのエルボードロップ、BUSHIには王統流二段蹴りと無双。オスプレイがBUSHIにストームブレイカーを狙うが、BUSHIは振り払ってフランケンシュタイナーを狙うがオスプレイがキャッチしてパワーボムで叩きつけ、ヒドゥンブレイドで3カウント。
オーカーン「ひれ伏せ!東京ドームの愚民ども!明日、余、コブ、オスプレイが“ゼンパイア”と呼ばれた屈辱を過去に起きざる。50周年の新日本プロレスは帝国のための新時代の幕開けじゃ!その力を明日、貴様らに示す。これがアーロン・ヘナーレ、グレート-O-カーン、ジェフ・コブ、そしてリアルIWGP世界ヘビー級チャンピオンのウィル・オスプレイ。これがUNITED EMPIREの力だ!」
<試合後コメント>
UNITED EMPIRE
オスプレイ「(インタビュースペースへの通路を歩きながら)俺たちが揃って帰ってきたぜ! みんな早く早く! (※ベルトを持たせていた若手を机の前に立たせて)ここに立ってろよ。あ、ちょっと待っててな。プレゼントがあるから持ってくるよ。すぐに戻るから!(※と、いったん立ち去る)」
オーカーン「よかろう。まずはよかろう。貴様らに言っとく! 伊達や酔狂で、連合帝国、ユナイテッド・エンパイア、支配者、ドミネーターと名乗っておらん。自信があるんじゃ。イケメンじゃなくても、イロモンでも、新日本プロレスの頂点に君臨する自信がな。侮辱も敗北も、過去に置き去り。未来は、明日変える。帝国民よ、我々についてこい。プリーズ、コブ」
コブ「新年を東京ドームで迎えられるというのはいつも最高の気分だな。今日は3対3のタッグだった。そして、ちょっと悪い部分も出たかもしれないが、俺たちは必ずカムバックするんだ。それがユナイテッド・エンパイアだからな。それがユナイテッド・エンパイアだからな。連敗で始まるなんて思ってほしくない。なぜなら、明日はオーカーンがSANADAを倒す。そして俺が内藤を倒し、真のIWGP世界ヘビー級チャンピオンが、ここに生まれることになるんだからな。ウィル・オスプレイの相手は信悟だろうがオカダだろうが、どっちでもいい。ユナイテッド・エンパイアはメンバーが揃った時、もう止められない強さを見せるんだ。明日は新しい時代の幕開けになるだろう。トランキーロ、アディオス!」
オスプレイ「(※大きな袋をいくつも持って戻ってきて)今日は僕のボーイズに話をしたい。ケガをしてすぐに、本来ならばすぐに戻ってきたかったが、アメリカにいさせてもらって、本当に感謝している。しかし、俺が日本にいない間、みんなには大変な思いをさせてしまった。大変なストレスだったと思う。しかし、ベルトは今ここにある。IWGP世界ヘビー級チャンピオンは俺だ。そしてこれが、みんなへのお土産だ。小さな贈り物だけど、みんな気に入ってくれたらいいな(※と、全員にベルサーチのロゴが入った箱を渡す)。明日はオーカーンがSANADAをフィニッシュする。コブは内藤をフィニッシュする。そして俺自身は唯一無二のIWGP世界ヘビー級チャンピオンであることを証明する。ウィル・オスプレイこそがチャンピオンだ。ユナイテッド・エンパイアが世界を牛耳る。みんなプレゼントを気に入ってくれるといいな。(※立ち去りながら)じゃあね、(※日本語で)マタアシタ!」
SANADA
「ハッキリ言って、オーカーン何言ってるか分かんないよ。要は、イケメンじゃないってことなんだよ」
内藤哲也
「2022年の目標は、2023年1月4日、東京ドーム大会のメインイベントに、戻ること。そこを目指して、年始からトップギアで行きたいと思いますよ。そのためにも、明日のジェフ・コブ戦は絶対に負けられない試合。そして1月8日、横浜アリーナ大会では、金剛の2トップが待ってるんでね。ジェフ・コブを倒し、そしてオイシイオイシイ内藤哲也を中嶋勝彦選手、そして拳王選手に、提供したいと思います。俺に食いついたら、オイシイぜ。まぁまぁでも、明日勝たないと、何も始まらないんでね。明日、ジェフ・コブ戦、楽しみにしてるよ。じゃ、明日もまた、ここ東京ドームでお会いしましょう。アスタ・マニャーナ、アディオス!」
第4試合
柴田の復帰戦の相手“X”は、LA道場へと修行へ旅立ち柴田に弟子入りしていた成田蓮。
リングインした柴田はマイクを要求。
柴田「ルール変更しよう。プロレスだ。成田、やれんのかオイ!(※成田が吼える)よし!ゴングを鳴らせ!」
互いにアップライトに構えてミドルキックで牽制。組み合ってグラウンドで首の取り合い、バックの取り合いと目まぐるしいグラウンドレスリングの攻防が展開。マウントを取った柴田が腕十字を狙うが成田がクラッチして耐えると柴田はストンピングを見舞って一旦距離を取る。
ロックアップで押し合い、成田が押し込んで離れ際にチョップ。柴田はニヤリと笑う。
ヘッドロックの奪い合いから柴田がPKを発射も成田は先読みしてかわす。柴田は低空タックルから足を取って足4の字固め。成田が「やってみろオイ!」と気を吐くと、柴田は技を解いてエルボーを連打。さらに串刺しドロップキックを狙うが、成田が追走してコーナーで顔面ストンピングを連打。さらにミドルキックの連打から突っ込んでいくが、柴田が払腰。さらに串刺しフロントハイキックの連打からゴツゴツとしたエルボー連打。成田が「来いコラ!」と叫ぶと柴田は飛距離の長い顔面への串刺しドロップキック。さらにハーフハッチ・スープレックスから腕十字を狙うが、成田が足を絡め取り成田スペシャル。柴田がロープブレイクしようとするとヒザ十字に切り替えるも、柴田がなんとかロープを掴む。
成田は膝へのストンピング連打からロープに飛ぶが、柴田がキチンシンクで迎え撃ち、ソバット、ミドルキックと連撃。成田は思わず場外へと転がり出るが、柴田がリングに放り込み、トップロープ越しのスリーパーホールドからロープに飛ぶが、成田が正面からがっぷりキャッチしてコブラツイストを狙う。柴田がすぐさま切り返してコブラツイストも成田はロープを掴む。柴田はバックドロップから成田の腕を取りながら顔面に掌底。腕のクラッチを解かずに胸へのミドルキックを連打し、顔面へのバイシクルキック、ラリアット、さらにミドルキックを発射。
成田はこれを振り払って左右のミドルキック連打。柴田は攻撃をかいくぐってインローを連打し、顔面への掌底からスリーパーホールド。がくりと座り込んだ成田にPKを叩き込んで3カウントを奪った。
ほほ笑みを浮かべる柴田に対し、成田は嬉しさや悔しさなど様々な感情が籠もった涙を流しながら笑顔で抱き合った。
<試合後コメント>
柴田勝頼
柴田「無事、復帰を致しました。ちょっと会社との約束とは違うことを、はみ出したことをしてしまったんで、これはちゃんと自分のペナルティでも何でもしっかり受け止めたいと思います。今日、ここに一つリングに上がるチャンス、どうしても作ってこじ開けたかったんで、キャッチレスリングルールというものを作ったんですけど、結局はやらず。今、今の新日本にどういう戦いが必要なのかなって、自分なりに4年、5年近くずっと海の向こうからLAから見て、日本に帰ってきて会場の空気とか感じて、エキシビションをやって、ザックと。このワンチャン作って、どうにか自分がリングに上がれる状況を作れればなと思って、虎視眈々と4年ぐらい自分の体と相談しながら伺ってました。逆に聞きたいんですけど、今日の試合はどう写ったんですか? プロレスですか? 何ですか?」
──素晴らしい戦いでした。1ミリの隙きもない、これでもかと見せつける柴田さんの思いが伝わってきました。
柴田「ありがとうございます。これを復活と言わずして何と言うのか、オレはずっと気になっていました。ここに来る間も、みんなどう思って見て、どう思ってあの試合を受け止めたのか? 実際自分では見てないんでどういう試合だったか分かんないけど、一番大事ななんか魂っていうか、そういうものをぶつけられた、ぶつけ合えたっていうのがあの試合かなと自分は思っています。成田には申し訳なかったというか、いい経験になったんじゃないですか? 『こんなことがあるんだ、ああルール変えちゃうんだ、この人』って。まあオレ、今後どうなるか分かんないすけど、本当に分かんないんですよ、今後。自分の今後っていうのは分かんないですね。ただ一つ言えるのはオレの試合はプロレスだった。柴田はプロレスが出来る。これは世界でも見ている人がちゃんと認識出来たんじゃないかなと思います。日本で出来ないんだったら、オレの残り少ない時間だから、そこはレスラー生命使って今年は試合したいなって思っています。何かありますか? 何でも答えますよ、今だったら」
──東京ドームのあの花道を歩いた時の気持ちの高ぶりはどうでした?
柴田「いや、なんか凄い懐かしかったですね。やっぱり4年以上、ドームは4年ぶりですね。今日ここに来て、そんな緊張はしてないし、でも興奮はしている、会場入りしてから。それがずっと試合前まで続いていて、やっぱり噛み締めながら花道を歩いていましたね。懐かしさと道がボコボコしてるなって思いながら」
──不安とか怖さもあったと思うんですけど。
柴田「それは多分、見ている人のほうが不安だったり怖さっていうのはあったと思います。実際、自分の体なんで自分の体の限界は知っているんで。ちょっと話が逸れるかもしれないですけど、ボクシングの山中選手かな? オレと同じ硬膜血腫っていう怪我をして、ライセンスを1回剥奪、失効されちゃったんですけど、ボクシングですよ? ボクシングでオレと同じ怪我して復帰するんですよ? オレはこれに凄い勇気をもらったんですよ。まあ先に試合しちゃいましたけど。あんな頭と腹しか殴んねえようなハードな戦いをするアスリートが復帰出来んだって。凄い勇気もらいましたね。逆にオレが先にやっちゃいましたけど、プロレスでも同じこと。ジャンルは違えど。ただみんなちょっと勘違いしている部分があるんでしっかりそこは説明しておきたいと思うのが、オレはつい昨日か一昨日かな、海外のメディアのインタビューでヘッドバットでってリリースされたんですよ。ヘッドバットじゃないんですよ、この怪我。もっと複雑なんですよ。ただ、そんなの関係ないしね。オレは試合した。今日言えるのはそれだけですね。本当に新日本、素晴らしい会社だと思います。迷惑かけてしまいましたけど、感謝しています。ありがとうございます」
──今の新日本に見せたかったっていう発言が印象的だったんですけど、その思いは自分の中で相当あったということですか?
柴田「ありましたね。やっぱり中にいると見えないものってあるんですよ。客観的に見て、オレは海を渡っちゃって見ているんで、凄い感じますね。なんかコロナだからって、みんな同じ状況なんですよ。どんな仕事でも同じなんですよ。コロナのせいにしちゃいけないし、だけどコロナの中で戦わなきゃいけない。こうやって元気を与えられるのがプロレスだと思ってるんで。元気ねえなって思ったんすよ。50周年ですよ? 50周年だぜ。元気だしていこうぜ。それだけっすよ」
──50周年ですけど、柴田さんにとってはお父さんも含めればずっと新日本じゃないですか? そのへんは改めてどうですか?
柴田「父親は父親のレスラー人生、レフェリー人生を送ってきているんで、またそこは別でもあるし、まあそこに自分がいたっていうのはやっぱり何らかの運命的なものがあるのかなとは思いますね。なんかの役割となんかの使命があって今日は試合したんじゃないかなと思いますね。そんな気持ちにはなりますね。戦う魂、これ一番大事にしたいなって」
──対戦相手が成田選手でした。どういう経緯で決まったんですか?
柴田「成田には一発試合で痛みを教えてやりたいなって思ってましたね。海外に行って一緒に練習して、良くはなっているって、そういう言い方はあれかもしれないですけど、良くはなっているんですよ。成長しているんですよ、アイツ自身。ただ何かのきっかけがあったらもっとバーンと跳ねるんじゃねえかなって、日々練習して、組んだり蹴り合ったりして思ってた部分があったんで、だったらオレが作ってやろうかなと。だったらオレがきっかけになったらいいかなと。アイツにとっては凄くいい経験になったんじゃないですかね? まあオレはこういう初めての復帰の試合になるんで、怖い部分と緊張の部分とあったと思いますけど、毎日一緒に汗を流しているから。ただ練習と本番とは違うよっていうのは、今日よく分かったんじゃないですかね? 鼻血出しながら。いい経験だったんじゃないかなって、オレは思います。ありがとございました。以上!」
成田蓮
「見ての通り負けました。柴田さんにプロレスで負けました。次は勝ちます。もう一回、プロレスであの人に勝ちます。またLAに戻って練習します。以上です」
第5試合
石井がリングインしようとした瞬間にEVILが奇襲し、場外でイスを取り出して殴りかかるが石井も即座にイスで応戦しチャンバラを展開。石井が打ち勝つも背後からディック東郷がキックを見舞って妨害しEVILが鉄柵攻撃から石井の首にイスをかぶせ、イスでフルスイング。
EVILは、東郷がいつの間にかコーナーマットを外して金具むき出しになったコーナーに石井を幾度も叩きつけ、レフェリーがEVILに注意している中で場外で東郷が石井を暴行。
怒りの石井はエルボー連打から金具むき出しのコーナーに叩きつけてからのショルダータックル。ようやく入場時に着ていたTシャツを脱ぐ余裕を得る。
石井はEVILのラリアットをかわしてバックドロップで叩きつけ、バックを取っていくものの、EVILがレフェリーを突き飛ばしてロープ際までお仕込み、東郷が場外から石井にイス攻撃。EVILはフィッシャーマン・バスターからラリアットを発射も、石井がキャッチしてヘッドバッド。金具むき出しのコーナーに叩きつけられても雄叫びを上げてラリアット。石井はコーナーから雪崩式ブレーンバスターで叩きつけ、ジャーマン・スープレックスの体勢に入るが、EVILがレフェリーを掴んで巧みに盾に。石井はこれをかわしながらラリアットを発射も、あろうことかレフェリーにラリアットをクリーンヒットさせてしまう。
無法状態になったリング上に東郷が飛び込んできてスポイラーズチョーカーで石井の首を絞め上げ、高橋裕二郎まで上がってきてラリアットからピンプジュースを狙うが、石井はなんとか裕二郎を振り払って金具むき出しのコーナーに叩きつけて撃退。
石井はEVILに逆水平チョップを打ち込んでいくが、SHOが猛然とリングに飛び込んできて石井にジャーマン・スープレックスからショックアローを狙うが、YOHが飛び込んできてSHOにランニングエルボー、EVILにトラースキック。さらに場外にSHO&裕二郎へプランチャを見舞って石井を救出。
正式にレフェリー交代が認められ、リング上に秩序が戻ると、石井がラリアットを発射しヘッドバッド。さらにEVILの急所蹴りをキャッチして延髄斬り。石井はラリアットを叩き込み、垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、その背後から裕二郎がローブロー。そして東郷がレフェリーの気を引いている間にEVILがNEVERのベルトで石井を殴打し、EVILで叩きつけて3カウント。
<試合後コメント>
HOUSE OF TORTURE
※EVILは東郷、裕二郎、SHOを引き連れてインタビュースペースへ。
裕二郎「あんなもんか、石井オイ! おととい来やがれコノヤロー! ああ? 石井!」
EVIL「ざまあみろコノヤロー! いいかオイ、(※ベルトを指さし)コレはよぉ、俺のものだ。明日もよぉ、このNEVER6メン、アイツらに俺らが負けるわけねぇだろうコノヤロー! なぁオイ、いいか、CHAOSを明日、沈没させてやるよ、よく覚えとけ!」(※全員でToo Sweetポーズをして立ち去る)
第6試合
YOSHI-HASHIとザックでゴングが鳴ると、打撃戦を制したザックがロープに飛ぶ。すると後藤が飛び込んできてYOSHI-HASHIと2人でダブルショルダータックルからざんまいから太鼓の乱れ打ち。しかしタイチが即座に救出して後藤に喉輪を見舞い、戦いの場は鈴木軍の独壇場である場外へ。
ザックはYOSHI-HASHIをリングに戻してクルックヘッドシザース、ダブルレッグロックと痛めつけタイチにタッチ。
タイチはサッカーボールキックから喉輪。
代わるザックはグラウンドでのネックロックでじっくり絞り上げる。YOSHI-HASHIは逆水平チョップの連打で突っ張りヘッドハンター。後藤にタッチ。
後藤はザックに村正からブルドッギング・ヘッドロック。さらに牛殺しを狙うがザックが着地して卍固め。後藤は強引に振り払ってラリアット。タイチが飛び込んできて後藤にアックスボンバー。YOSHI-HASHIが飛び込んできて「アックスボンバー!」と叫んでタイチへアックスボンバー。ザックがYOSHI-HASHIにエルボースマッシュも後藤がザックにラリアット。後藤とザックがエルボーを打ち合い、後藤がラリアットを発射もザックがキャッチして腕固め。カットに来たYOSHI-HASHIをタイチが聖帝十字陵に捕らえる。続けてザックはタイチと俺とザック。タイチがパンタロンを脱ぎ捨て、天翔ザックドライバーを狙うが、YOSHI-HASHIがタイチの足にすがりついて動きを止め、後藤がザックへ後藤弐式。ザックもヨーロピアンクラッチからオーバーヘッドキック。後藤も怯まず牛殺しを見舞う。両者タッチ。
YOSHI-HASHIはエルボー、タイチはフロントハイキックで打ち合っていき、タイチがローキック連打で攻め込むもYOSHI-HASHIは逆水平チョップの連打。タイチはフックキックからデンジャラスバックドロップから天翔十字鳳を狙うが、YOSHI-HASHIがトラースキックから掟破りの天翔十字鳳を狙うが、タイチがトラースキックでカウンターし、ザックメフィストを狙うが、YOSHI-HASHIがザックにトラースキック、タイチにドラゴン・スープレックスからラリアット。さらにYOSHI-HASHIがカルマを狙い、タイチが耐えると後藤が飛び込んできてアシスト。隠し狭間、激烈一閃、消灯と連撃もザックが必死のカット。後藤&YOSHI-HASHIはザックをGYRで撃退。タイチへ奈落を狙うが、タイチはYOSHI-HASHIへタイチ式外道クラッチ。これを後藤が救出しザックに消灯。タイチは後藤、YOSHI-HASHIへそれぞれジャンピングハイキックを叩き込み、YOSHI-HASHIにブラックメフィストを狙うが、YOSHI-HASHIがカナディアンデストロイヤーで切り返し、後藤が裏GTRで追撃。最後は奈落で叩きつけて3カウントを奪った。
試合後、YOSHI-HASHIがタイチに握手を求めると、タイチはその手をはたいて拒否。しかしYOSHI-HASHIを抱き寄せながら頭を撫でてベルトをポンポン叩くというYOSHI-HASHIを王者として認め、後藤の肩も叩いて健闘をたたえた。
<試合後コメント>
後藤洋央紀&YOSHI-HASHI
──おめでとうございます。
後藤「ありがとうございます」
YOSHI-HASHI「ありがとうございます」
──まずYOSHI-HASHI選手から伺いたいんですが、このIWGPタッグを初めて獲った感想を聞かせてください。
YOSHI-HASHI「時間はかかったんですけど、この新日本で昔から伝統のあるIWGPという名のブランドのベルトを獲ったということは凄く嬉しいし、オレがいつも物事が変わるのは一瞬だって言ってたけど、今日この日が物事が一つ大きく変わった瞬間だと、オレは思います」
──後藤選手もいかがでしょう?
後藤「やっぱり、さっきYOSHI-HASHIが言ったように、今回勝ったことでこれで何かが大きく変わるかもしれないし。でも、一つ言えることはYOSHI-HASHIの今までの努力が、誰から貶されても、バカにされてもくじけず、折れずにやってきた成果が今日の成果だと思うんで、それを実証出来たことが、オレはまず嬉しいですね」
──後藤選手は2015年の1.4以来のIWGPタッグ戴冠だと思いますが、どんな防衛ロードを考えていますか?
後藤「今日の対戦相手のザックとタイチも去年1年、タッグを盛り上げてきたというのは事実なんで、今年はオレらに任せろって。そういう気持ちを込めて、いつでもやろうぜという言葉をかけさせてもらったんですけど、今年はオレらがこのタッグを引っ掻き回すんで期待していてください」
──明日はNEVER6人タッグのタイトルマッチも控えていて、オープニングマッチと一個前のNEVERのタイトルマッチでは介入もあって、CHAOSとしては2試合が悔しい結果になったと思うんですけど、明日に向けての意気込みもお願いします。
後藤「今日の分も明日は取り返すつもりでNEVER6メンとタッグの二冠、また大きな実績を作りたいと思いますよ、明日」
YOSHI-HASHI「大阪でアイツらに納得の出来ないベルトの獲られ方をしたから、明日ベルトはオレたちがもらいます。それはもう譲れないです。必ずNEVER6人のベルトをいただいて、明日、必ず二冠になります。最後にタイチとザック、最近にないぐらい凄いタッグチャンピオンだったと、戦ってて凄く感じました。アイツらに成長させてもらった部分も正直ありますよ。でも、今日勝ったのはオレたちです。アイツらは凄いけど、さらにアイツらより凄いのはオレたち。それだけは言いたい。明日必ず二冠になります。後藤さん、ありがとうございました」
後藤「ありがとう」
YOSHI-HASHI「ヨッシャ!」
DANGEROUS TEKKERS
タイチ「(あべみほがテーブルにかけたタオルを見て)タオルだけになっちった。ザック、ごめんね。アイツらに、アイツらに負ける時が来るとはな。YOSHI-HASHI、さんざんバカにしてきたけど、まあ嬉しいよ、今日は。オレもよ、オメエみたいなポンコツだからよ、オメエの気持ちが分かんだよ。今日は素直におめでとうって言ってやるよ、伸雄。オマエが一番変わったよ、伸雄。だけど、こうやってタオルだけになっちまったのもオレのせいだな。いつもザックとの試合、いつもオレが負けてる気がするな、毎回毎回。ザックの足を引っ張ってきたな、今までも。ザックがいたからオレはここまで来れたし、ザックが日本に残ってくれたからオレはザックと一緒にチャンピオンになれたし、それがなかったらチャンスもなかったし、いつもオレのせいだ。ごめんな、ザック」
ザック「何を言ってるんだ、そんなの。俺たちはチームだろ? 今日はオレのほうがキミを落胆させた。明らかにオレが間違っていたよ。ごめんね」
タイチ「オレはもう何も言う権利ねえよ、これからのこと。どうする、ああするって言う権利ねえよ。でも、本当にオレとザックでタッグのレベルを上げたのは間違いないし、(新日本のタッグチームで)11年ぶりにタッグ(東スポプロレス大賞最優秀タッグチーム賞)を受賞したのも本当だし、東京ドームのセミセミで組まれたのも、今までだったら2試合目とか1試合目の扱いだったけど、こうやってレベルが上がったのはオレとザックが持ってた、そして後藤とYOSHI-HASHIがレベルアップしたからじゃないのか? だからそこはアイツらにも感謝してるし、今日はぐうの音も出ないな。本当に完敗だ、今日は」
ザック「(日本語で)YOSHI-HASHI、オメデトウ。スゴイレベルアップ。(英語に戻して)この試合の前まではYOSHI-HASHIは弱者という位置づけでオレたちはずっと戦ってきた。でも今日は違った。アイツらのほうがチームとして、タッグとしてより良いチームだった。アイツらこそがニュージャパンでのベストタッグチームなんだろう。(日本語で)ワカラナ~イ。(英語に戻して)2年間、ずっとタッグチームとして集中的に試合をしてきたが、これにも疲れた。(日本語で)ツカレタ。(また英語に戻して)ニュージャパンのタッグは凄く疲労が蓄積されるものだ。このタッグ、タイチとのチームは大好きだけれども、もしかしたら今年はシングルに集中したほうがいいとさえ、今は思っている。もちろんオレたちはスペシャルタッグチーム。でも、ゴトーとYOSHI-HASHIのほうが今現在、タッグとしてより強いのならば、オレたちは一人ひとりでもっと上に行けるポテンシャルがあるんじゃないかと思う。今は未来のことを喋る気はないけどね」
タイチ「これからのことは分かんねえ。分かんねえ。これからまたザックとも話すし。でも、なんか今日は…。だけどザックとここまでやってこれたのは心から感謝しかないしね、ザックには。今後のことはゆっくりまた考えるよ。今日はオレは何も言う権利はねえから。帰って、さっさと消灯して寝るよ。悪い夢見そうだな、今日は。ザック、ごめんね」
ザック「今は何も考えられない。謝らないで。本当ならオレがセーブしなきゃいけなかったのに。でも、オレたちが3タイムチャンピオンで、そしてトーキョースポーツのベストタッグに選ばれた。この事実は変わらないよ」
タイチ「帰ろ。最後までオレはザックのお荷物だったな。タオルだけか。ダメだ、こりゃ。死んだ。寝よ」
第7試合
ゴングとともに2それぞれ突っ込んでいきエルボー合戦からチョップ合戦。さらに互いにロープに飛びながら追走バックエルボーを見舞い、ランニングエルボーの応酬からヒロムが串刺しラリアットからD。デスペラードはぶっこ抜いてバックドロップもヒロムがすぐ組み付いてジャーマン・スープレックス。さらにホップアップするがデスペラードがフランケンシュタイナーで場外に放り出しセカンドロープ上から飛び込むノータッチ・トペ・コンヒーロ。デスペラードはヒロムをリングに投げ込むが、ヒロムはすぐにロープへ飛びサンセットフリップパワーボムで場外に叩きつける。
ヒロムはデスペラードへ怒涛のエルボー連打から串刺しデスバレーを狙うが、デスペラードが着地してスパインバスター、ギターラ・デ・アンヘル。そしてコーナートップからフロッグスプラッシュ。さらにピンチェ・ロコを狙うがヒロムが暴れて脱出し、ロープへ飛んだデスペラードをホップアップ式パワーボム。なおも突っ込んでくるデスペラードをカウンターのフロントスープレックスでコーナーに叩きつける。ヒロムはショットガンドロップキックからダイナマイト・プランジャー、コーナーデスバレー。ヒロムがTIME BOMBを狙うとデスペラードが十字架固めで切り返し、ビクトリー・ロイヤルを狙うヒロムの足を取ってマフラーホールドからヌメロ・ドス。さらに持ち上げていくが、ヒロムはカナディアンデストロイヤーで切り返しラリアットからビクトリー・ロイヤル。
さらにヒロムがTIME BOMB IIを狙うとデスペラードがエル・エス・クレロ。キックアウトしたヒロムへラリアットを発射もヒロムはトラースキックでカウンター。ヒロムがDの悪夢を狙うと、デスペラードがインプラントで切り返す。デスペラードがピンチェ・ロコを狙うがヒロムがウラカン・ラナで切り返し、トラースキックからラリアットを狙うが、デスペラードがカウンターのロコ・モノ。
デスペラードはリバースタイガードライバーからピンチェ・ロコを狙うが、ヒロムが名もなきヒロムロールから掟破りのロコ・モノ。デスペラードもロコ・モノを叩き込み、リバースタイガードライバー、ピンチェ・ロコと連撃して3カウントを奪った。
<試合後コメント>
エル・デスペラード
「(※インタビュースペースへの通路を『クソッ、痛てぇ……』と言いながら歩いてきて)まだできるな。ヒロム、もっとできるな、俺たちならな。クソッ。(※大きな声で)なぁヒロム! もっとできるよな、俺たちならなぁ。その『もっとできる』を今日この場でやらなかったんだから俺の、チャンピオンの責任なんだけど。チクショー。でもとりあえずだ、とりあえず。シングルのチャンピオンシップでオマエに勝つっていう目標がな、やっとひとつ、叶えられたよ。ありがとう。とりあえずチャンピオンシップでヒロムに勝つという、俺の一番でっかい目標はとりあえずの形で果たされた。でもよぉ、ヒロム、コレで終わりじゃねぇだろう? まだ始まったばっかだぜ、今年はよぉ。で、だ。次の話をしよう。未来を、未来をという話をしてて、俺がいつまでも弘の話をしてたら、歴史しか残んねぇからよぉ。次は誰だい? 誰かが腹決めてんのに、俺が別のヤツの名前を出しちゃうと、出鼻をくじいちゃうから言わない方がいいんだろうけどもぉ……何か第0試合に面白いヤツ上がってなかった? 別に彼がやんなくったってさぁ、彼のメンバーの中にジュニアのヤツが一人いたろう。一人か二人か。名前を出しちゃうと、ね、いろいろめんどくさいことになりそうじゃん? でも面倒くさいことは大好きだ。どっかいんだろう、リンダマン……あぁ、言っちゃった。何かさっき見かけたぞ、どっかでよぉ。何しに来たんだよ? まぁ、ただの付き添いか。まぁでもさ、花も葉も、種まかなきゃ出てこねぇからよぉ。俺は種をまく。ただそれに水をやるかどうかは新日本が決めることだ。そこら中に俺は種をまいてやるぜ。イヤだったら、直接言ってきてください。でだ。あー、ハイになってんなぁ。あんだけ頭バカスカバカスカ蹴られたらよぉ。最後もうよぉ、よく分かんなくなって、痛てぇのか、しんどいのか、それも通り越しちゃってさぁ。ヒロム、やっぱオマエとやってると、どっかおかしくなっちゃうよ。なぁ。今年の頭はオマエと始まった。今年の締めは誰と俺がやることになるのかな? 今からだ。22年始まったばかり、楽しもうぜ」
高橋ヒロム
「(※インタビュースペースの机の前に座り込み)負けた人間の、コメントブースへの道のりは、なかなか遠いな。ここに来る前に、もう俺は吹っ切れてるよ。死ぬほど悔しい。『BEST OF THE SUPER Jr.』2連覇した男が、このタイトルマッチで勝てなかっただけで、全てが終わってしまう。それぐらい悔しい。すげぇ悔しいけど、いつまでも悔しがって、次を見ないんじゃさぁ、夢なんて、叶えられないんだよ。な、負けた俺の、負けた人間のひとり言だと思って聞いてくれ。俺の夢、知ってるか? デカすぎるんだよ。東京ドームのメインイベントでジュニアのタイトルマッチ、ジュニアのベルトを巻き、そしてヘビーのベルトも巻き、ゴールデンタイムで試合をすること。それはずっと変わらないんだ。遠すぎるけどさ。タイトルマッチ一回負けました、試合負けました、それで凹んでるようじゃ、こんな大きな夢、絶対叶えられねぇよ。俺の夢を叶えるには、デスペラード、オマエとやりたい。デスペラード、俺の隣にオマエがいる姿は想像できない。だからずっと、俺の前にいてくれ。オマエが同期で、面白いものが見れるし、できるよ。何かありますか? 負けた俺に何かあるなら、何でも答えますよ」
──デスペラード選手も『もっとやれる』というコメントを残しました。
ヒロム「当たり前だ。アイツから勝ちたい。何か今は、ただただそれだけの感情だよ。もちろんタイトルマッチがいいけど、アイツから勝ちたい。3カウントを奪いたい。ギブアップを奪いたい。ただそれだけ。100m走にたとえたらさ、今、50m、60m、一番加速してる時なんだよ。一番最高の状態なんだ、俺とデスペラードは。そんな最高の時にさ、もっとやり合いたいよね。もっとやり合えたら、いいなと思うよ。もういいですか? 聞きたいことは以上ですか? もっといろいろ聞いてもらえるように頑張りますよ。あー、楽しかった……」
第8試合
ゴングが鳴ると互いに付かず離れずの状態からゆっくりと組み合い、リストロックの応酬からグラウンドでの首の取り合いからクリーンブレイク。
ロックアップでの押し合いからショルダータックルでぶつかり合い、オカダがカニバサミから背中へのエルボードロップ。さらにスイングネックブリーカーからチンロック、低空ドロップキック、セントーンアトミコを発射も鷹木がかわして龍魂ラリアット。さらに場外でエプロンへのスタンガンから場外MADE IN JAPANを狙うがオカダがDDTで切り返す。しかし突き刺されたはずの鷹木がぶっこ抜いてブレーンバスターで叩きつけるという怪力を見せつける。
鷹木はニーリフトからショルダータックル、バックドロップからボディシザース、エルボードロップ、セントーン。オカダとのエルボー合戦に打ち勝ちラリアットを狙うがオカダがかわしてランニングバックエルボー連打からフラップジャック、串刺しバックエルボーからDDT。さらにリバースネックブリーカーを狙うが、鷹木がかわしてコーナーへ。オカダは地対空ドロップキックで場外に叩き出し、場外鉄柵の外へ逃れた鷹木へ場外鉄柵を飛び越えてのクロスボディ。リングに戻してミサイルキックからマネークリップを狙うが鷹木がなんとかロープをまたぐ。
オカダはツームストンパイルドライバーを狙うが、鷹木が龍魂ラリアットのフェイントから入るDDT。さらに熨斗紙からぶっこ抜きブレーンバスター。さらにスライディングラリアットを発射もオカダが絡め取ってマネークリップ。鷹木がブレイクすると、オカダはコーナーに上ってダイビングエルボードロップからレインメーカーを狙うが、鷹木が龍魂ラリアットでカウンター。
鷹木が鷹木式レインメーカーポーズも、オカダはエルボー連打からショットガンドロップキック。鷹木は即座に起き上がってラリアットを叩き込む。戦いの場は場外、花道と移っていきオカダがツームストンパイルドライバーを狙うも鷹木が着地して「喰らえ!」と花道デスバレーボム。
鷹木は串刺しラリアットから雪崩式ブレーンバスター。さらにスライディングラリアットからラリアットを狙うが、オカダがドロップキックでカウンター。さらに互いにレインメーカーを狙い合い、オカダがショートレンジ式レインメーカー。そのまま腕を離さず引き起こしてもう一発ショートレンジ式レインメーカー。三発目を狙ったところで鷹木が組み付きMADE IN JAPANを2連発。
鷹木はロープに飛んでパンピングボンバーを炸裂させるもカウントは2。ならばとラスト・オブ・ザ・ドラゴンを狙うがオカダが背面着地してショートレンジ式レインメーカー。両者が大の字になる中で30分経過のコール。
両者膝立ちになりながらもエルボーを打ち合っていき、鷹木がワンツー連打からラスト・オブ・ザ・ドラゴンの体勢へ。オカダもマネークリップでの切り返しを狙うが鷹木が振り払って後頭部へのスライディングラリアット。さらにコーナー上へオカダを担ぎ上げて雪崩式ラスト・オブ・ザ・ドラゴンを狙うが、オカダがリバースして雪崩式DDTからジャーマン・スープレックス。引き起こすも鷹木がナックルからパンピングボンバー、ドラゴン・スープレックスからパンピングボンバーを狙うが、オカダがドロップキックでカウンターし、開脚式みちのくドライバーIIからレインメーカーを叩き込んで3カウントを奪った。
オカダはIWGP世界ヘビーのベルトを手渡そうとする海野レフェリーを制し、自らが持ち込んでいた旧IWGPをリングマット中央に丁寧に置いてから「ありがとうございました!」とベルトへ深々と頭を下げてから世界ヘビー級のベルトを腰に巻く。
そこへもう一つの世界ヘビー級のベルトを持ったオスプレイが現れ、芝居がかった大げさな口調で「みんな!彼が新しいIWGP世界ヘビー級王座の暫定チャンピオンだ!2021年も終わったがお前の姿は安っぽく見えるなあ?(笑)まあおめでとう。ひどく疲れているように見えるが大丈夫か?俺は明日の試合に期待してるんだ。IWGP世界ヘビーのベルトももらえるし、お前へのリベンジも出来るんだからな。そしてお前は新日本プロレスからでていくことになる。俺が新日本プロレスを成長させていくんだからな。マタアシタ!」
オカダ「アイムソーリー、フェイク・チャンピオン。シーユートゥモロー」
(※去っていくオスプレイの背中へオカダが敢えて棒読みで語りかけるとオスプレイが激怒して戻ってくる)
オカダ「いやいやいや。ユーア―フェイクチャンピオン。シーユートゥモロー(笑)」
(※オスプレイが悪態をつきながら帰っていく)
オカダ「皆さんあけましておめでとうございます!やっぱりプロレスファンのみんなは今日(1・4)が来ないと年が明けないよね!というわけで、3つ言わせてください。1つ!鷹木さん!あなたは本物のチャンピオンでした。そして今日、本物の闘いが出来ました。ホントにありがとうございました!2つ!ホントに自分勝手にIWGPヘビー級4代目のベルトを取り出して、皆さんにもやっとした気持ちをさせてしまったかも知れませんけども、本区はホントに50年続いたのは4代目……いや、IWGPヘビー級があったからだと思ってます。でも、このIWGP世界ヘビー級ができて、みんなが感謝をすることがなくお別れをしてしまうというのが自分の中でもすごく歯がゆくて。でも今日この東京ドームという場所で皆さんに感謝の拍手をしてもらってしっかりお別れが出来たと思ってます。本当にありがとうございました!3つ!特にありません!……と言いたいところですけども、まだ明日もタイトルマッチ、決まりました。そして50周年イヤー、まだまだ始まったばかりです!ホントに新日本プロレスは素晴らしい団体で、まだまだ素晴らしい闘いを皆さんにお届けしていきますのでよろしくお願いします!そして今日は本当にたくさんのご来場ありがとうございました!まだまだコロナという大きな敵と闘っていますけども、何度倒れても僕たちレスラーは立ち上がりますので、皆さんも一緒に立ち上がってコロナに勝ちにいきましょう!そして、来年の1・4は、もう何度も言ってるけど、いい加減に約束しましょう。この東京ドームを超満員にします!それがこの50周年の節目にしたいと思います!というわけで、50周年、突っ走っていきますので、新日本プロレスをよろしくお願いします!というわけで、また明日お会いしましょう。50周年の新日本プロレスに!金の雨が降るぞ~ッ!」
<試合後コメント>
オカダ・カズチカ&CHAOS
オカダ「(CHAOSのメンバーに拍手で出迎えられて)ありがとうございます(笑)」
ロッキー「(乾杯の準備が整うと)オカダ、ボクの親友よ! 新IWGP世界ヘビー級チャンピオン、おめでとう! カンパーイ!」
オカダ「ありがとうございます! (後藤とYOSHI-HASHIに向かって)タッグもおめでとうございます」
──改めてIWGP世界ヘビー級チャンピオン、おめでとうございます。
オカダ「ありがとうございます」
──ベルトを手に入れた今の気持ちを教えてもらっていいですか?
オカダ「やっぱりこの新日本プロレスで最高峰のベルトなので、改めて気が引き締まった部分もありましたし、これを持って新日本プロレスを盛り上げていかなきゃいけないなという自覚も出てきましたね」
──IWGPヘビー級のベルトにオカダさんなりのやり方でリスペクトを込めてお別れをしました。あの思いを改めて聞かせてもらっていいですか?
オカダ「初めて巻いたベルトですし、10年前ですね。でも、IWGPヘビーの歴史はこの新日本プロレスの中で凄く大事なものだったと思いますし、インターコンチと一つになりましたと。世界ヘビー級になりました。じゃあ、それで終わりでいいのかっていう。やっぱりいろんな戦いの歴史の詰まったベルトでもありますし、新しいのが出来ましたんでさよならっていうのはちょっと寂しいんじゃないかなと。そういう意味でボクもやもやした部分もありましたし、『G1』で優勝して優勝した証っていうのも、まあ権利証を作ったのはボクですけども、やっぱり持って歩くんであれば、IWGPにしっかりお別れを言う場をボクは設けたいと思っていたので、こうやってチャンピオンになりましたし、ああいう形でお別れをさせてもらいましたね」
──そしてこれからIWGP世界ヘビー級チャンピオンとしてのオカダ・カズチカ選手の戦いが始まりますが、改めて明日のオスプレイ戦の意気込みを聞かせてください。
オカダ「まあ本当に極端な話、どっちが本物のチャンピオンか決めようって。別に何と言ってもらってもいいですよ。ボクが暫定だろうと何だろうと、オスプレイを倒してないと言われようとも、何でもいいですよ。本当に明日勝ったほうが本物のチャンピオンなんで、今日はIWGP世界ヘビー級チャンピオンと『G1』覇者の戦いでしたけど、明日は改めてこの戦いをどっちが本当のチャンピオンか、どっちが強いかを見せられたらいいかなと思います」
──オカダ選手はタイトルマッチ2連戦になります。ここに関してはどう考えていますか?
オカダ「何連戦だろうと戦うのがプロレスラーだと思ってますし、それがチャンピオンの使命ですから。別に何もキツいとか大変とか全くないですね。『G1』でも公式戦をやった翌日には決勝戦とかやってますし、何も問題なくチャンピオンとしてチャンピオンの戦いをしっかり見せたいと思います」
──そして今日戦った鷹木選手には改めてどんな思いがありますか?
オカダ「本当にこの2021年ですね、新日本プロレスが大変な中を支えてくれたチャンピオンだなと。もっと小さな背中かと思ったら、凄く大きな背中をしていたなと戦って思いましたし、本物のチャンピオンだなと改めて思いましたね。それだけの鷹木さんも2021年のMVPとしてやってきたっていう自負もあると思いますし、ボクも『G1 CLIMAX』でやってきた自負っていうのがある中で、その意地が出たんじゃないかなと思います」
──新日本プロレスは今年50周年という節目の年を迎えましたけども、この節目の年にチャンピオンとしてスタート出来るっていうのは、絶好のスタートを切れたと思うんですが、そのあたりはどうですか?
オカダ「それは明日勝ってからですかね。2020年、ボクが1月4日に飯伏さんに勝って、1月5日に内藤さんに負けてますんで。一気に天国から地獄だったので、明日を勝ってやっと落ち着くかなと思いますし、それはまた明日考えたいと思います」
──体のダメージがあると思いますが、どんな戦いを見せたいのか、意気込みをお願いします。
オカダ「今日も鷹木さんとこういう戦いもありましたし、また明日オスプレイとも全く違う戦いになると思うので。でも、やっぱり新日本プロレス、50年前の新日本プロレスを見ていた人からしたら全く変わっているかもしれないですけど、ずっと受け継いできたものが50年あるので、それは全レスラーそうだと思いますし、やっぱり今の新日本プロレスの戦いをお見せして、また50年後、50周年の時の新日本プロレスの戦いを見て、凄い戦いをしているのかなとか、もしかしたらつまんない試合をしているのかなと思われているかもしれないですし、とりあえずボクは明日も、今日も大変戦いでしたけども、チャンピオンはそれが使命だと思いますんで、しっかりと勝って50周年はいいスタートだったと言えるようにやっていきたいと思います。(記念撮影後、コメントブースから去り際に)あと一個だけ、飯伏さんへの思いってのは別に変わらず、このベルトに変わったもんだと思っていてください」
鷹木信悟
「いや、言葉が出ないね。言葉が出ない。ああ悔しいな、チキショー。勝者が正義とあれだけ煽って負けたんだから、オレは何も言えねえよ。オスプレイにも申し訳ないことしたな。まあ別にオスプレイはオレのことを待ってなかったかもしんねえが、オレはオスプレイの前にもう一度立つことがケジメだと思ってたから。だからと言って去年やって来たことが、決してオレは無駄だと思ってない。ちょっと今は何も考えられないけど、また一から、いやゼロからやり直すよ。今度こそゼロからやり直すよ。まだ今年は始まったばかりだから陽はまた昇るはずだ。以上です」