IGF3 4.11両国大会 IGF WORLD GPトーナメント2015 1回戦、石井vs.ロズボロウ、小川&澤田vs.藤田&カシン
INOKI GENOME FIGHT 3
日時:2015年4月11日(土)
開場:17:00 開始:18:00
会場:東京・両国国技館
観衆:6808人
▼第1試合 GENOMEルールマッチ 15分1本勝負
○スーパー・タイガー
3分21秒 変形ネルソンロック
●奥田啓介
▼第2試合 GENOMEルールマッチ 20分1本勝負
▲将軍岡本
9分38秒 両者リングアウト
▲橋本大地
▼第3試合 GENOMEルールマッチ 20分1本勝負
○王彬
9分12秒 卍固め
●ヌックス(TNA)
▼第4試合 GENOMEスペシャルタッグマッチ
小川直也/●澤田敦士
9分25秒 首固め
藤田和之/○ケンドー・カシン
▼第5試合 IGFルールマッチ(オープンウェイト)5分2R
○石井慧
1R 4分22秒 アームロック
●ニック・ロズボロウ
▼第6試合 IGF WORLD GPトーナメント2015リザーブマッチ IGFルールマッチ(オープンウェイト)
○鈴川真一(日本)
1R 0分18秒 TKO
●ジン・イックテ(韓国)
※鈴川がリバーザー権を獲得
▼第7試合 IGF WORLD GPトーナメント2015 1回戦 IGFルールマッチ(オープンウェイト)
●ディオン・スターリング(オランダ)
1R 0分48秒 TKO
○ヨセフ・アリ・ムハマド(スウェーデン)
※ムハマドが準決勝進出
▼第8試合 IGF WORLD GPトーナメント2015 1回戦 IGFルールマッチ(オープンウェイト)
○フェルナンド・ロドリゲス・Jr.(ブラジル)
1R 1分52秒 TKO
●アントニー・リー(フランス)
※ロドリゲス・Jr.が準決勝進出
▼第9試合 IGF WORLD GPトーナメント2015 1回戦 IGFルールマッチ(オープンウェイト)
○クリス・バーネット(USA)
2R 2分58秒 TKO
●エミル・ザハリヴ(ブルガリア)
※バーネットが準決勝進出
▼第10試合 IGF WORLD GPトーナメント2015 1回戦 IGFルールマッチ(オープンウェイト)
●ミノワマン(日本)
2R 5分00秒 判定(20-18、20-18、20-18)
○オリィ・トンプソン(イングランド)
※トンプソンが準決勝進出
優勝賞金1千万のIGF WORLD GPトーナメント開幕!ミノワマンは無念の1回戦敗退
1年ぶりに勝利した石井、引退については?小川と澤田は意思の疎通が出来ず空中分解!
オープニング
田中ケロリングアナが「イノキゲノムファイターの入場です!」と呼び込むと、赤と青、それぞれの入場ゲートから選手と登場し、花道に並び立つ。MMAのメガイベントではお馴染みのカード順に名前を読み上げると、その選手がスクリーンに映し出されるオープニングの演出。
第1試合
ガンの飛ばし合いからゴングが鳴ると、まずはお互いに牽制のハイキック。奥田が掌底からミドルを蹴って行くと、タイガーもミドルを返す。タックルでロープまで押し込んだ奥田だが、ブレイクの際にタイガーに掌底を叩き込んだ奥田。
すぐにバックを取るが、タイガーは首相撲からヒザを入れると強引にハーフハッチで投げていく。奥田もヒザを返していき、タイガーをロープ際まで追い詰めると「来い、来い」と挑発。タックルからマウントを取った奥田は立ち上がって蹴っていくと、タックルから今度は腕十字。
ロープにエスケープしたタイガーだが、奥田はなかなか離さない。タックルからバックを取った奥田は投げようとするが、タイガーは足をすくってヒザ十字固め。ロープエスケープした奥田だが、タイガーはローキックでダウンを奪う。立ち上がった奥田はバックを取るとジャーマンで投げるがカウントは2。奥田はタックルを狙うが、潰したタイガーはマヒストラルのような形で丸め込むと、そこからゆりかもめに捉えていく。
奥田は悲鳴をあげるが、なかなかギブアップはしない。しかし危険と判断したレフェリーが試合をストップ。納得いかない奥田はタイガーに詰め寄るが、人差し指を立てて再戦を要求する奥田に対してタイガーが頷くと、奥田も素直に握手をした。
第2試合
大地のハイキックは空振り。そこに胴タックルを仕掛けた岡本はロープに押し込む。クリーンブレイクすると、大地はローキック。組み付いた岡本はヘッドロックに捉えるが、首を抜いてハンマーロックを決めた大地。しかし再びバックを取った岡本はスリーパー。
コーナーに押し込んで逃れた大地はエルボーと掌底を叩き込むとミドルキック。だが、蹴り脚をキャッチして押し倒した岡本。スイープした大地は猪木-アリの体勢からローキック。立ち上がった岡本はロックアップからバックを取ると、リフトしてマットに叩き付ける。
ストンピングからスリーパーに捉えた岡本は袈裟固めへ。うまく岡本の肩をマットにつけて逃れた大地だが、岡本は豪快なボディスラム。しかし大地もボディブローからソバットを叩き込むと、前傾姿勢になった岡本の顔面にニールキック。さらに立ち上がろうとする岡本を蹴り飛ばした大地はドロップキック。
なおも岡本を蹴っていった大地は、テーピングがされた岡本の腰にハンマーを落とす。ミドルキックからロープに飛んだ大地だが、岡本はカウンターのラリアット。場外にエスケープした大地を追いかけた岡本はエプロンからスレッジハンマーを投下。
大地をリングに戻した岡本は逆水平チョップからコーナースプラッシュ。さからメキシコ式背骨降りから旋回してのサイドバスターで叩き付けた岡本は、肩口に担ごうとするが、大地は背後に脱出。しかし岡本はバックドロップで投げていく。
カウント2で返した大地だが、岡本は立ち合いからスモウラリアット。これをかわして逆打ちのような体勢で抑え込んだ大地だがカウントは2。ならばとヒザへの低空ドロップキックからシャイニング・ウィザードを発射。
DDTで叩き付けるがカウント2で返されるともう一度DDTの対し得に。岡本が踏ん張るとニーリフトから体全体でぶつかっていくようなニールキック。これで岡本が場外に転落すると、イスを持った大地は岡本の腰をイスで殴打してから立ち上がったところに脳天を一撃。
これに怒った岡本は大地をエプロンに叩き付けると、イスを奪い取って思いきり振り下ろす。さらにイスで殴打してから倒れたところにイスを押し付けるが、ここで場外カウント20となり両者リングアウト。納得いかない両者はなおもエルボーでやり合うが、セコンドが両者を分けると、憮然とした表情で引き上げていった。
第3試合
元WWEで現在はTNAで活躍するヌックスが王彬と対戦。組み付いていったヌックスだが、王彬がコーナーまで押し込んでいってブレイク。ローを叩き込んだ王彬だが、組み付いたヌックスはロープまで押し込んでいってブレイクするとみせかけてヒザを入れると、ハンマーで殴り倒してからエルボーを落とす。
リストロックに捉えたヌックスだが、スタンディングのアームロックで切り返した王彬はヘッドロック。だが、首を抜いて逆にヘッドロックに捉えたヌックス。ロープに押し込んでブレイクした王彬だが、ヌックスはすぐにバックを取るとロープに飛ばそうとする。
逆に王彬がロープに飛ばしていくが、ヌックスは逆にクロスボディーを浴びせると、エルボーからラリアット。しかし王彬もヌックスの突進をかわして場外に転落させる。するとヌックスは場外から王彬の足をすくって引きずり出すと、エプロンに叩き付けてから鉄柵に投げつける。
リングに戻したヌックスは力いっぱいコーナーに投げつけてからコーナースプラッシュ。さらに側転で距離を取ると、そこから大暴走をお見舞い。右腕を回したヌックスはロープに飛ぶが、王彬はカウンターのトラースキックから串刺しジャンピングニー。
フロントネックチャンスリーで投げた王彬は延髄斬り。これをかわしてエルボードロップを落としたヌックスは、逆片エビ固めに捉える。ロープに逃れた王彬にバイシクルキックを見舞ったヌックスはネックハンギングボム。カウント2でどうにか肩をあげた王彬だが、ヌックスはのど輪で捕まえる。
しかしチョークスラムをエルボーで逃れ、ショルダーアームブリーカーを決めた王彬は延髄斬りから卍固め。これがガッチリと決まりヌックスはギブアップ。王彬が闘魂殺法で勝利した。
第4試合
今大会出場予定のなった澤田に対し、「俺のパートナー空いているけど、どうだ?」と“師弟タッグ”結成を呼び掛けた小川。これを澤田が承諾すると、その対戦相手には藤田和之&ケンドー・カシンという超強力タッグが決定。
煽りVでは澤田の「俺は怒っているぞ。ハッスルはプロレスじゃねぇからな」という師匠・小川への不満からスタート。そんな澤田のことを「ジェラシー。ヤキモチ妬いてるだけ」とバッサリ切り捨てた小川。
澤田が入場するとノボリが並び、ジェット風船も飛ぶ。木村充揮の『しょっぱいね』の「しょっぱいね」の歌詞をリフレインさせてからの『スカイウォーク』で入場したカシン。藤田が入場してくると、自らロープを開けてリングに招き入れる。
小川が先発を買って出ると、藤田もカシンを下げて先発で出る。隙あらばカシンも何かやろうとしているため、小川は背後も警戒。藤田はバックを取るとヘッドロックへ。ロープに飛ばしてキチンシンクを見舞った小川はスリーパー。エルボーで逃れた藤田は逆にヘッドロック。そこをバックドロップで投げた小川は、藤田をコーナー下に追い詰めると、両足で踏みつける。
踏みつけた足を掴んで立ち上がった藤田が「なんだよ、オイ!」と挑発すると、小川はキレのある払い腰で投げていって澤田にタッチ。澤田も藤田を投げるとサッカーボールキックから顔面蹴り。さらに控えのカシンにエルボーを見舞っていく。藤田は片足タックルから抱え上げてマットに叩き付けると、思いきり蹴り飛ばすが、間一髪かわした澤田。
なおも藤田は澤田の顔を蹴り飛ばそうとするが、必死に逃げる澤田。組み付いてきた澤田をヘッドロックに捉えた藤田は、ロープに飛ばされるとショルダータックル。なおもショルダータックルで何度も澤田を倒すと、ストンピングを落としていく。カシンにタッチすると、藤田は澤田を場外に投げ落とす。
すかさずカシンは赤い闘魂タオルを澤田の首に巻き付けると、エプロンにあがって絞首刑。そこからリングに戻ったカシンはキャメルクラッチに捉える。さらにエルボースマッシュを見舞ってから藤田にタッチ。藤田とカシンは控えの小川を挑発しながら澤田の両足に変形のインディアンデスロック。藤田はエルボーを叩き込むと、「返してこい!」と挑発。
ヘッドバットを返した澤田は逆水平チョップからサッカーボールキック。そして藤田の頭を蹴っていくと、藤田はムッとした様子で張り手を返す。澤田も張り手を打っていくが、藤田は足をすくって倒すと逆片エビ固め。小川が入ってきて蹴りでカットしようとするが、藤田は逆片エビ固めを離さないまま小川を睨み付ける。
自ら技を解いて小川に詰め寄った藤田だが、小川は払い腰で投げる。そこにカシンが入ってきて澤田に藤田とのダブルのカウンターエルボー。しかし澤田もヘッドバットを返すと払い腰。続くSTOをカシンが踏ん張ると、澤田は控えの小川に向かって「俺ごと刈れ!」と叫ぶ。だが、OH砲の合体技である俺ごと刈れをやるのなら、澤田がカシンのバックを取った状態で小川に「俺ごと刈れ」と指示をしなければならない。しかし澤田がSTOの体勢になっているため、小川は戸惑いながら澤田を刈るようにSTO。その結果、澤田にだけダメージを与える形となってしまう。
そこに藤田が入ってくるが、小川が藤田にSTOボンバー。小川は澤田を引き起こすと、頬を張って喝を入れるが、「俺ごと刈れ」と指示しておきながら自分にだけダメージが与えられた格好となった澤田は逆ギレして小川にグーパンチを叩き込んでから場外に投げ捨てる。だが、そこにカシンが飛び付き腕十字。澤田がクラッチすると、カシンは首固めで丸め込んで3カウント。
場外で憮然とする小川。澤田はリング上からそんな小川を睨み付ける。小川が両手を広げて首を傾げながら退場していくと、澤田も不満そうに引き上げていった。
<試合後コメント>
藤田和之&ケンドー・カシン
カシン「澤田はしょっぱくなかった。澤田はしょっぱくなかった。これあげといて(※トロフィーをサイモン取締役に渡して控室へ)」
――カシンさんは澤田はしょっぱくなかったと言っていましたが、藤田選手にもガンガンきていました。
藤田「いいんじゃないあれで?」
――小川さんに関しては?
藤田「カシンがしょっぱくないって言ったんでしょ? そしたら小川が出なかったからじゃない? 小川がリングに出なければしょっぱくないんだよ。そういうことだよね」
――カシンさんとのタッグは久しぶりでしたが。
藤田「全然。100%最高のパートナーというか、俺が足引っ張らないように頑張るだけ」
――くすぶったまま動きがない全日本に関しては?
藤田「全日本、どんな話? 俺が後楽園にカシンのセコンド行ったっきりだけど。それについて? いや何も。向こうがなんか言ってんの? 言ってないでしょ何にも。このリングに、IGFのリングに一歩でも足踏み入れたら選択肢なんかないよってだけの話だから。選択肢がないとダメなんだったら来んなって。選択肢はないよ。一歩踏み入れたら選択肢はないよあいつらには。一体誰だかわかんないけどさ、カシンのセコンドについた時、図体でかいのいたけど、あれだけじゃねーの? 俺にはわからん。よくわからん。来んだったらいつでも来りゃいいしさ、覚悟して来りゃいいだけの話だから。選択肢はひとつもないよあいつらには。一歩踏み入れたら。それだけだよね。なんもない。面白くもクソもないよ、邪魔なだけだから。邪魔なだけ」
猪木からのビデオメッセージ
休憩明け、スクリーンにはパラオの海に浸かっている猪木会長が映し出される。大統領から招待状をもらってパラオに来たという猪木は、イノキアイランドをもらったエピソードを紹介すると、「本来なら今日は会場で皆さんと盛り上がりたいんですが、そんなわけでパラオからメッセージを送ります。よろしくお願いします。というわけでいくぞ! 1、2、3、ダー!」と、この日の猪木劇場はビデオメッセージのみとなった。
第5試合
ミルコに連敗した石井は今大会前この試合を最後に引退することを示唆。向かい合うと身長差がかなりある両者。左ストレートを伸ばしていった石井は後退したロズボロウに胴タックルからテイクダウン。立とうとするロズボロウを上から抑え付けた石井は、バックに回るとコーナーに押し込んでパウンド。
そのまま立ち上がったロズボロウだが、石井は両足を刈ってテイクダウンさせると、猪木-アリの体勢からパウンド。サイドにパスした石井は肩固めへ。石井の左足を抱えて完全に極められるのを防ぐロズボロウ。
すると石井はバックに回ってコーナーに押し込んでいく。そのまま立ち上がったロズボロウだが、足を刈ってテイクダウンさせた石井はサイドにパスしていく。アームロックを狙う石井だが、ロズボロウも極めさせない。残り1分となり、石井は上四方からもう一度アームロックを狙う。今度は完全に腕を取り、チキンウイング・アームロックがガッチリと極まってロズボロウはタップ。
内容的には完勝だった石井だが、スタッフに向かって手でバツ印を作りマイクを拒否してそのままリングを降りていった。これが石井の引退試合となってしまうのか?
<試合後コメント>
石井慧
――試合前、空港で今後について話されていましたが。今どういった気持ちでしょう?
「あのですね、やっぱりそれは、事務所にもお世話になってますし、まず事務所と話して、明日以降にしないと、ここで自分が勝手に言ったらね、筋が通ってないというふうになって、お前が筋が通っているのは裏筋だけかと、なりますんで(苦笑)。なんもないです」
――試合は終始コントロールして圧勝でしたが。
「もうちょっと、今回オランダで適当と言ってましたけど、かなりハードな練習を積んできまして、ゲガール・ムサシ選手と話し合って、柔道家だったので、そういう戦い方で今回はいこうということでそういう練習ばかりしてきましたので、いい結果に、確実に勝つ戦い方をしたのでそれはよかったです」
――進退に関しては言えないと思いますが、気持ちいい勝利を得たことでの気持ちの変化は?
「気持ちいいというか、僕もいつも以上に緊張もしましたし、そこはね、どの試合も勝てば気持ちいいし、それは関係ないですよね。この試合に勝ったからどうとかそういうのはないですね」
――試合後、喜びを爆発されていましたが。
「まあちょっと、去年の、ちょうど1年前ですかね? 1年前から勝ってないんで、連敗もしたんでね。そういう部分ではプレッシャー、自分なりのプレッシャーという部分があって、そういう部分で」
――お父様がセコンドにつかれましたが。
「まあでも、いつもと同じ。ほかはいつもと変わらないですよね?」
――いつもと違った部分は?
「やっぱりその連敗とか。3連敗はまずいんちゃうやろかって。あと1年間勝ってなくて、気分良く馬に投資もできていなかったんで、明日はしっかり馬に投資してきます」
――咳をされてますが、コンディションは?
「大声出しすぎて、試合後に大声出しすぎて喉をやられました」
――明日以降の過ごし方は?
「まず、事務所の方に行って話し合いをしなきゃいけませんし、考える事山ほどありますんで、それ終わったら家族のところに帰って」
――しばらくは日本にいると?
「まあそれもわかんないですけど、事務所と話し合ってのあれなんで」
――練習再開時期は未定ですか?
「未定ですね。あくまでも馬に投資と書いといてください。競馬だと妻に怒られるんで。賭け事だと(苦笑)」
――オランダでハードな練習をしてきたと言っていましたが、自分で感じた進化は?
「まあ、ソツがない戦い方、完封する戦い方。3月の中旬から末にかけて、北岡選手の試合もありまして、それを見て刺激になりました。その戦いを参考にしました」
――最後までマウントで戦おうと、何度も倒していましたがそういう作戦で?
「そうです。あそこまで上手く投げれるとは思ってなかったんですけど、まあその自分の長所を活かして相手を完全に封じ込める戦い方ですね」
第6試合
IGF WORLD GPトーナメントのリザーブマッチでは大相撲出身の鈴川と、中国のテコンドー王者のイックテが対戦。鈴川は素足に赤井バトルトランクス姿。セコンドには大地や奥田がつく。
いきなりお互いのパンチが激しく交差。鈴川がストレートを伸ばしていくとイックテも応戦。距離を詰めた鈴川の左フックがクリーンヒットして思わず膝をつくイックテ。素早く覆い被さった鈴川はバックマウントの状態からパウンドを連打。それを見てレフェリーは即座に試合をストップ。
悔しさを露わにしたイックテだったが、完勝してリザーバーの権利を獲得した鈴川は嬉しそうに何度もガッツポーズ。
IGF WORLD GP開会式
決勝戦が大晦日の猪木祭りで行われるアントニオ猪木のデビュー55周年記念企画として開催される『IGF WORLD GPトーナメント2015』。まずはサイモン・ケリー・猪木取締役と外門トーナメント出場選手がリング上に集合。
初期IWGPを彷彿させる世界各国の代表がズラリ揃うと、サイモン取締役が「IGFは世界中のいろんな選手からオファーを受けています。そして私も世界中を周り、いろんな選手を見てきました。ここにいる選手たち8人は間違いなく本当に強い選手です。そして今日から大晦日にかけて1000万円をかけたトーナメントを開催致します。IGFのテーマは昨日までは無名な選手、でも明日からは超有名な選手。本当の強い選手のトーナメントを開催します。どうぞご期待ください!」と挨拶した。
第7試合
かなり長身のムハマド。向かい合うと、完全にスターリングを見下ろす格好となるムハマド。プレッシャーをかけていくムハマドにロシアンフックを叩き込んだスターリングだが、組み付いていったムハマドはヒザを入れていく。どうにかタックルでテイクダウンさせたスターリングだが、すぐに立ったムハマド。
カメになりながらムハマドの左足を刈ろうとするスターリングだが、ムハマドは足を取らせず、上から覆い被さって鉄槌を連打。スターリングはカメになるしかなく、鉄槌を浴び続けたところでレフェリーが試合をストップした。
第8試合
ローは空振りのロドリゲス・Jr.。リーのローにフックを合わせたロドリゲス・Jr.は組み付いていくと、ヒザを入れてから投げようとするが、リーが踏ん張ったため一旦離れる。r-のローにまたもパンチを合わせたロドリゲス・Jr.は、ロシアンフックから組み付く。脇を差したロドリゲス・Jr.はコーナーに押し込むが膠着したためブレイク。
左右のミドルキックからまたも組み付いたロドリゲス・Jr.だが、一旦離れるとまたも左右のミドルキック。ロープを背にしたリーに対し、パンチを打っていくとリーもパンチで応戦しようとしたが、ロドリゲス・Jr.の右フックがクリーンヒットしてリーは崩れ落ちるようにダウン。即座に試合がストップしてロドリゲス・Jr.が勝利した。
第9試合
愛くるしいキャラクターと体型に似合わず機敏な動きをすることですっかり人気者となったクリス・バーネットがトーナメントに出場。だが、1回戦の相手はいかにも屈強なブルガリアのザハリヴ。
トレードマークの“ハギーベアー”のツナギを着込み登場したバーナットは、同じ格好をした子供を帯同して入場。そして名前をコールされると、力いっぱい絶叫して気合いを入れる。
プレッシャーをかけていったバーネットは左右のパンチで飛び込んで組み付く。うまく離れたザハリヴだが、バーナットはインロー。しかしザハリヴも左フックを打ち下ろす。バーナットは左右のパンチを振り回すが、ザハリヴは前傾姿勢のバーナットにパンチを振り下ろす。
組み付いてコーナーまで押し込んだバーネットだが、ここは膠着ブレイク。ロシアンフックから左右のパンチで前に出るバーネットだが、ザハリヴはうまくいなす。ノーガードのままミドルを出したバーネットはインロー。そこにフックを合わせたザハリヴ。なかなかザハリヴの懐に入れないバーネット。
ローから左右のパンチ、さらにインローを出すバーネット。ノーガードでフェイントを入れながらプレッシャーをかけるバーネットは、スピンキックからのバックスピンキック。どちらもクリーンヒットしなかったが、場内は大きくどよめく。
バーネットが観客の声援を煽ってから2R開始。インローからフェイントを入れてプレッシャーをかけるバーネット。バーネットのフックをかわして背後に回ったザハリヴだが、すぐに振り返ったバーネットは交代するザハリヴに飛び蹴り。左ストレートを伸ばしていったザハリヴは、バーネットのローに左フックを合わせる。
左右のパンチを振り回し、前傾姿勢で突進するバーネットだが、ザハリヴのガードは固い。鼻血を出したザハリヴにドクターチェックが入るが、すぐに試合再開。ローからバックスピンキックを出したバーネット。これがザハリヴの脇腹に突き刺さり、ザハリヴはダウンこそしなかったが、手を振ってギブアップの意思表示。
膠着状態だった試合を鮮やかなソバットで終わらせたバーネットは、勝利のブレイクダンス。そしてマイクを持つと「ホーウ! アリガト、アリガト、イチバン、ジャパーン! ハギーベア! ハギーベア! ハギーベア!」と歓喜のマイクアピールで喝采を浴びた。
第10試合
日本代表としてIGF WORLD GPトーナメントに出場することになったミノワマンがメインイベント。煽りVで「今回のテーマは勝つ」と言い切ったミノワマンは「階段で4階に行くには2階3階にいかないと行けない。自然の法則でまずは2階にのぼる」とミノワマン節を炸裂させた。
グレイシー柔術のテーマでお馴染みの『ラストモヒカン』で入場したトンプソン。日本国旗を手に入場したミノワマン。セコンドにはパンクラス時代の中目である伊藤崇文や柳澤龍志がつく。
プレッシャーをかけていったトンプソンは組み付きながらコーナーに押し込むと、押し倒してテイクダウン。下になったミノワマンはハーフガード。パウンドを入れながらスイープしようとするトンプソンだが、ミノワマンのガードは固い。肘で顔を押していったトンプソンに対し、ミノワマンは下からの腕十字を狙う。しかし立ち上がったトンプソンは腕を引き抜く。
ミノワマンも立ち上がるが、またも組み付いてコーナーに押し込んだトンプソン。ショートアッパーから片足タックルを狙うトンプソンだが、ミノワマンもガブっていく。一旦離れたトンプソンにパンチを叩き込んだミノワマン。
トンプソンも左右のパンチで前に出ると、後退したミノワマンの組み付く。ヘッドロックのような体勢で凌ぐミノワマン。一旦離れるが、またも組み付いたトンプソン。しかし膠着ブレイク。両足タックルを狙ったミノワマンだが、うまく潰したトンプソンは上から覆い被さるとパウンドから肘を落としていくが、ここで1R終了のゴング。
2R、フェイントからロシアンフックを出したミノワマンだが、避けたトンプソンが組み付いてテイクダウン。下になったミノワマンはハーフガード。肘を押し当てながらヘッドバットを出したトンプソンだが、これは反則のためブレイクがかかる。
トンプソンのストレートをかわし、カウンターの右ストレートを叩き込んだ《記:注意》ミノワマンだが、トンプソンは退かない。プレッシャーをかけながら距離を詰め、脇を差してコーナーに押し込んだトンプソンは巻き込むようにしてテイクダウン。
残り1分となり、上になったトンプソンは肘を押し当てるが膠着ブレイク。残り10秒となり、両手を広げて挑発するトンプソンにドロップキックを放ったミノワマンだがこれが空振りに終わった直後に試合終了のゴング。
マストシステムの判定の結果、20-18、20-18、20-18の3-0でトンプソンが勝利。日本代表のミノワマンは無念の1回戦敗退となった。勝ったトンプソンは「今日のような素晴らしい試合が出来て光栄です。次の相手が誰か教えてくれ!」とマイクアピール。
そして出場選手がリング上に集まると、不在の猪木会長の代わりに、観客からのリクエストに応える形でマイクを渡された石井が「僭越ながらやらしてもらいます。いくぞー! 1、2、3、ダー!」と大会を締めくくった。
<試合後コメント>
ミノワマン
「今までタッグは何回かIGFさんではやらしてもらいましたけど、シングルでのメインという重みをすごい感じましたね」
――大きな選手何人もやっていますが、自分が思い描いた展開にもっていけなかった感じですか?
「いくつかパンチだったり組んでからもし倒された場合、最悪の場合まで考えてましたんで、こういう場合もパターンとして全部頭に入っていましたけど、ただまあ、ヘビー級、対ヘビーに関しては、なんとなくこう、ただ大きいだけじゃなく、しっかりポイントを抑えて逃げるだったり、技をかけるというのはそんな身体の軽量級の選手とはそれほど変わんないかなと思いましたね。だいたいなんとなくわかりましたね対ヘビー。今までも何回も戦ってたんですけど、よりなんか、それを感じることができた。いい点としてはそこが次に繋げることができたかなというところですね。あとは日本代表という形として悔しいですね」
――今日は敗れたという感覚なのか時間内に倒せなかったという感覚なのかどっちですかね?
「結果としては負けたんですが、もう一個、もう一個僕の中の腹の奥底のものが、バッとこう、出なかった、出せなかったじゃないですね出てこなかったというのが、勝った負けたというよりそこがなんか、そこが悔しいですね。終わった後すごく悔しい思いしかなかったんですけど、ちょっと時間たって何がって言ったらやっぱり、なんかわかんないですけど心の、それはもう次に、次の自分の対ヘビーだったり次の試合にむけて次の課題。相手のほうがそれを出していたと思いますね。そこをブロックブロックブロックとしてたんですけど、個人的には自分がもう一個、そこをですね、そこが悔しいです」