IGF2.20TDCホール大会 小川&王彬vs.ミノワマン&澤田、青木vs.カシン、藤田&鈴川vs.マッコリー&バローニ
GENOME32
〜アントニオ猪木 2.20 72nd BIRTHDAY NIGHT〜
日時:2015年2月20日(金)
開場:18:00 開始:19:00
会場:東京・東京ドームシティホール
観衆:3099人(超満員札止め)
▼第1試合 GENOMEルール 10分1本勝負
●エディ・フレンチ
3分30秒 PK→片エビ固め
○奥田啓介
▼第2試合 GENOMEルール 15分1本勝負
○橋本大地
4分42秒 垂直落下DDT→片エビ固め
●クラシック・キッド
▼第3試合 GENOMEルール 20分1本勝負
○将軍岡本
9分41秒 ドリル・ア・ホール・パイルドライバー→片エビ固め
●メイソン・ウィリアムズ
▼第4試合 GENOMEルール 20分1本勝負
○クラッシャー川口
4分36秒 変型アームロック
●モンターニャ・シウバ
▼スペシャルエキシビジョンマッチ 5分
○プロレスの星 アステカイザー
4分46秒 ジャーマンスープレックスホールド
●5代目ブラックタイガー
▼第5試合 GENOMEスペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
○藤田和之/鈴川真一
7分52秒 グラウンドコブラツイスト
●ジャスティン・マッコリー/フィル・バローニ
▼第6試合 GENOMEルール 30分1本勝負
○ケンドー・カシン
5分38秒 スリーパーを潰して体固め
●青木真也
▼第7試合 GENOMEスペシャルタッグマッチ 45分1本勝負
○小川直也/王彬
11分42秒 スリーパーホールド
ミノワマン/●澤田敦士
猪木72回目の誕生日に愛弟子・小川が苦しみながらも澤田&ミノワマンを撃破!
GENOMEルールに初挑戦した青木真也だが、カシンに丸め込みで敗れ呆然!
オープニング
試合開始に先立ち、2月14日に死去したオランダの柔道家ウィリエム・ルスカ氏の遺影を持った藤原嘉明がリングにあがり、追悼の10カウントゴングが鳴らされた。
第1試合
エディはマスカラス風のマスクを被って入場すると、ロープの間を滑りながら場外に出てアピール。マスクを脱いでリングに戻ると試合開始。牽制の蹴りからタックルを仕掛けた奥田だが、ハンマーを振り下ろしたエディ。
だが、奥田も二度目のタックルでテイクダウンを奪うと、マウントパンチから腕十字の体勢に。しかしオモプラッタでスイープしたエディはリバースデスロックに捉えた状態で羽根折り固めを決める。
そのまま反転してカバーしたがカウント2。奥田はミドルキックを蹴って行くが、キャッチしたエディはドラゴンスクリュー。さらにトライアングルスコーピオンに捉えて「奥田、死ねー!」と絶叫。奥田がロープに逃れると、フィッシャーマンズ・スープレックスで投げたエディは、エルボースマッシュでカチ上げてから首をかっ斬るポーズでフィニッシュ予告。
しかしバックに回った奥田はジャーマンで投げ捨てると、上体を起こしたエディにランニングローキックを叩き込んで3カウント。逆転負けを喫したエディだが、奥田と握手をすると腕をあげて勝利を称えた。
第2試合
かつてクレイグ・クラシックのリングネームでZERO1にいたクラシック・キッドがIGFのリングで橋本大地と再会。ガッチリと握手を交わしてから試合開始のゴングが鳴ると、大地がローキック。キッドは張り手で対抗するが、気合いの雄叫びをあげた大地は重たいミドルキックから足払いで倒すと、エルボーを打ち下ろす。
グラウンドでフェースロックに捉えた大地だが、上になったキッドはエルボーを連打。しかしスイープした大地はステップオーバー・トーホールドからアキレス腱固めへ。キッドもアキレス腱固めで対抗するが、マウントを取った大地は掌底を叩き込むと、立ち上がって蹴って行く。
しかし蹴り脚をキャッチしたキッドはドラゴンスクリューからストレッチマフラーへ。大地がロープに逃れようとすると、キッドは逆片エビ固めにスイッチ。さらにSTFに捉えていくと、そこからクロスフェースへ。どうにかロープに逃れた大地だが、キッドはエルボーから剃刀ブレーンバスター。
続くバックドロップを着地した大地はソバットからニールキック。さらに立ち上がろうとするキッドを蹴っていった大地はガブった状態からニーリフトを連打すると、高角度DDTで叩き付けて3カウントを奪った。
試合後はお互いに抱き合って健闘を称え合ってから握手を交わした。
第3試合
ブルーザー・ブロディばりに「アウ! アウ!」とシャウトしながら登場したウィリアムズは、鉄柵の外に出て客席まで雪崩れ込んでシャウトすると、リングインしてからもロープに飛んで威勢の良さをアピール。
試合が始まってもシャウトして威嚇するウィリアムズだが、ロックアップからロープまで押し込んだ岡本。クリーンブレイクした岡本だが、今度はウィリアムズがコーナーまで押し込んでいき、至近距離でシャウトして威嚇する。
ヘッドロックに捉えたウィリアムズをロープに飛ばした岡本。ウィリアムズのショルダータックルを受け止めた岡本が走り込むが、ウィリアムズはスパインバスターで叩き付けウル。エルボーを叩き込んだウィリアムズは、もう一度ヘッドロックに捉えるが、岡本はバックドロップで投げていく。
場外にエスケープしたウィリアムズだが、追いかけていった岡本は鉄柵にウィリアムズを投げつける。ウィリアムズも岡本を鉄柵に投げ返すと、さらに鉄柱に叩き付ける。場外でブレーンバスターを決めたウィリアムズはようやく岡本をリングに戻す。
そしてコーナーに登ったウィリアムズはダイビング・ブレーンチョップを投下。右腕をあげたウィリアムズはキングコング・ニードロップを投下。しかし岡本はカウント2で返す意地を見せる。ならばとレッグドロップを落としたウィリアムズだが、これもカウントは2。ヘッドバットから張り手を叩き込むウィリアムズ。
岡本も走り込んできたウィリアムズのボディにヘッドバットを叩き込むと、ショルダースルーで投げてからコーナースプラッシュ。さらに背中にウィリアムズを乗せる形のバックブリーカーからそのままシットダウンして叩き付ける。続いてパワーボムの体勢に入った岡本だが、リバースで切り返したウィリアムズはビッグブーツ。
ファイアーマンキャリーで担ぎ上げたウィリアムズは、ハワイアンスマッシャーで叩き付けるがカウントは2。マウントパンチを叩き込んだウィリアムズは串刺しラリアット2連発からエクスプロイダーで投げると、右腕をあげてから突進してラリアット。
だが、これもカウント2で返した岡本。再び右腕をあげたウィリアムズはラリアットを狙ったが、かわした岡本はコンプリート・ショットで叩き付けると、肩口に担ぎ上げてからスクラップバスターで叩き付ける。そこからパイルドライバーで脳天から叩き付けていって3カウント。苦しみながらも逆転勝ちを収めた岡本が握手を求めると、ウィリアムズも素直に応じながらシャウトした。
第4試合
ゴングと同時にビッグビーツで飛び込んだモンターニャ。かわした川口だが、組み付いたモンターニャは殴っていく。どうにか引き離して距離を取った川口はローキックからコーナーに押し込むが、モンターニャは上から掌底を振り下ろす。
ハイキックはかわした川口だが、組み付いたモンターニャは首相撲からヒザ蹴りを叩き込むと串刺しフロントキック。さらに掌底を振り下ろしながらヒザ蹴りやミドルキック。だが、川口も首相撲からのヒザ蹴りを狙ったモンターニャを背負い投げで投げると腕十字へ。
回転しながらモンターニャが脱出すると、川口は場外にエスケープ。リングに戻った川口に掌底を振り下ろしたモンターニャは、両手を広げて川口を挑発。そして川口をコーナーに追い詰めると前蹴りを連打。どうにか組み付いた川口だが、モンターニャは首相撲からヒザ蹴り。
さらに川口を投げ捨てたモンターニャは前蹴り。さらに組み付いたモンターニャはブレーンバスターで投げるが、下から腕を取った川口は腕固めに捉えていく。川口が肩に体重を乗せたため身動きが取れないモンターニャはギブアップ。
しかし試合後、納得いかないモンターニャは川口に前蹴りを叩き込むと、試合を裁いた和田良覚レフェリーにも詰め寄っていった。
エキシビジョンマッチ
昨年大晦日の猪木祭りでデビューした伝説の特撮TVシリーズ「アステカイザー」が再びIGFマットに降臨。
ロックアップからコーナーに押しこんだアステカイザーだが、ここはクリーンブレイク。今度はブラックがロープまで押し込んでいき殴りかかるが、かわしたアステカイザー。ロープに飛ばしたアステカイザーは伏せかわしからドロップキック。
手四つの力比べになると、アステカイザーはクロスアームスリーパーに捉えてからドロップキック。これで場外に落ちたブラックにプランチャを投下したアステカイザー。ブラックがリングに戻るとエルボー合戦に。そこからサミングを見舞ったブラックはマスクに手をかける。
3分が経過し、アステカイザーをコーナーの上に座らせたブラックは、なおおマスクに手をかける。抵抗するアステカイザーをコーナーに逆さ吊りにしたブラックは串刺し低空ドロップキック。さらにコーナー二段目からダイブしたブラック。
下からのドロップキックで迎撃したアステカイザーはコブラツイストに捕らえるが、ブラックはロープに脱出。ならばとフライング・クロスチョップを見舞ったアステカイザーだが、2発目をラリアットで迎撃したブラックはパワーボムを狙う。しかしバックに回ったアステカイザーはジャーマンスープレックスで投げていき3カウント。
猪木劇場
黒いタキシードに赤いマフラーを首からかけたアントニオ猪木会長が登場。「元気ですかー! 元気があれば何でも出来る。元気があれば! 年を重ねることも出来る。ところで今日は何の日なんですか?(苦笑)」と言う猪木だが、この日は猪木の72回目の誕生日。
誕生日ということもあり、ご機嫌な猪木はオープニングで流れた故ウィリエム・ルスカ氏に触れて、「最初の格闘技(世界一決定)戦がモハメド・アリだと思っている人が多いですけど、本当はウィリエム・ルスカ」と言ってから、いまから十何年か前にルスカをお見舞いに行ったらいなかった。「なんだ、留守か」とアントンジョークを炸裂させる。
「本当にリングからいろいろなことを学びました。暮れのときも言いましたね。国会に出て一番学んだことはなんでしょうか? ……何もするなということです。でも学習能力がないものですぐに何かやってしまう」と言って観客を笑わせると、「何分しゃべればいいんでしょう? もう少し? いま安倍首相がことあるごとに『この道しかない!』とおっしゃってますが、どんな道なんだろう。いろいろ考えています……この道〜を行け〜ばど〜なるものか……」と、お得意の『道』の詩を歌いあげる。
そして歌い終えて猪木が「バカヤロー! どうもありがとうございました」と叫ぶと、リング上に用意された特大のバースデーケーキが披露される。ローソクを見て「1本多いんじゃねぇか? こんなにいっぺんに消せないよ」とボヤキながらもローソクの火を吹き消した猪木は「政治家になったんでちょっとだけ政治家らしい話もしようと思うのですが」と言うと、ノーベル平和賞を受賞した17歳のマララさんと会談したことに触れてから「また聞きたかったからイベントに来てください」と言ってニヤリ。
上着を脱いだ猪木は「ファンってありがたいんです。テレビで俺を見て白髪が見えたっていって白髪染めを送ってきてくれた。彼女はいるんですかって聞かれて、いまいないんですって言ったらダッチワイフを送ってきやがった。バカヤロウ! いくぞ、1、2、3、ダー!」と拳を突き上げて猪木劇場を締めくくった。
第5試合
女性ヒップホップダンサーを帯同して入場したバローニ。すると対抗するように練馬ザファッカーのラップに乗って鈴川が入場。黒頭巾を被って入場したマッコリーは入場するなり、背後から鈴川に襲いかかると、慌てて藤田が飛び込んできて試合開始。
バローニがガブって鈴川を捕まえながらマッコリーにタッチ。バックマウントを取ったマッコリーに対し、強引に立ち上がる鈴川。脇の差し合いになったところにバローニが入ってきてダブルのブレーンバスターで鈴川を投げる。
またもガブったバローニだが、鈴川は体勢を低くしながら自軍のコーナーに押し込んで藤田にタッチ。素早い片足タックルからニーリフトを叩き込んだ藤田はボディスラム。さらに鈴川にタッチしてダブルのレッグスプリットを決めると、バローニは自軍のコーナーに野毛手マッコリーにタッチ。
肩口に鈴川を抱え上げたマッコリーは、マットに投げつけるとバックマウント。逃げようとする鈴川の足を掴んで自軍のコーナーまで引っ張っていってバローニにタッチ。DDTで叩き付けてから腕十字を狙ったバローニだが、鈴川はロープに逃れると、藤田にタッチ。
ブレーンバスターで投げた藤田は鈴川にタッチして「やられたらやり返せ!」と檄を飛ばす。バローニを捕まえた逆片エビ固めに捉えた鈴川だが、マッコリーがカット。ヒールホールドを狙ったマッコリーだが、藤田が「鈴川」コールを煽る。だが、バローニが入ってきて腕十字を狙うと、堪りかねた藤田がカットに入る。
バローニの脇を差した鈴川はロープに押し込むが、背後からマッコリーが殴りかかると、バローニが鈴川を羽交い締め。そこに殴りかかったマッコリーだが、鈴川がかわしてバローニ誤爆させる。
すかさず藤田が入ってきてボディスラムでマッコリーを叩き付けてからバローニを場外に投げ捨てる。さらにマッコリーを鈴川とのダブルのブレーンバスターで投げると、鈴川は串刺しバックエルボーからダブルアーム・スープレックス。さらに藤田が入ってきて延髄斬りからコブラツイストに捕らえると、そのままグラウンドコブラで抑え込んで3カウント。
納得いかないマッコリーだが、鈴川が胸を突き飛ばして「帰れ」と挑発。カウント2だとアピールするマッコリーだが後の祭りだった。
第6試合
ロープエスケープや3カウントのあるGENOMEルールの大会に総合格闘家の青木真也が初参戦。しかも対戦相手は曲者のケンドー・カシンという注目の一戦。
青木はバトルトランクスにレスリングシューズ、オープンフィンガーグローブ姿。カシンは『帰ってきたウルトラマン』の曲を前奏にした『スカイウォーク』に乗って、IGFマットに帰ってきた。
こん棒のような凶器を持参したカシンだが、それを置いてから試合開始。いきなり飛び付き腕十字に捉えた青木だが、カシンはロープに脱出。青木は再び飛びつき腕十字に捉えると、ロープに逃れたカシンを場外に蹴り出してアピール。
マットを叩いて「戻ってこい」と挑発する青木に対し、カシンは青木の足を掴んで場外に引きずり出すと鉄柵に叩き付ける“プロレスの洗礼”。さらに赤い闘魂タオルを青木の首に巻き付けてエプロンの上から絞首刑にする。
青木をリングに戻したカシンはストンピングからヘッドロック。首を抜いた青木と回転体を展開すると、青木は腕を取ろうとするがカシンは取らせない。立ち上がった両者。するとカシンは握手を求める。青木は素早くカシンの肩に飛び乗ると、何と高角度前方回転エビ固め。
カウント2で返したカシンだが、青木は首4の字固めの状態で回転。ロープに逃れたカシンだが、青木はコーナーに追い詰めて蹴っていく。しかし足を掴んで体勢を入れ替えたカシンはエルボースマッシュでカチ上げる。
コーナー際の攻撃のためレフェリーはブレイクを命じるが、カシンは青木の反撃をかわしてレフェリーに誤爆させる。レフェリー不在の状態でカシンのバックを取った青木は胴絞めスリーパーへ。タップするカシンだが、レフェリーは倒れたまま。そこで青木は技を解いてレフェリーを抱き起こす。その背後から襲いかかったカシンだが、青木は再びバックに回ると胴絞めスリーパーへ。
しかしカシンは青木の両腕を掴んだまま後転。下になった青木の両肩がマットについた状態となったためレフェリーがカウントを叩いて3カウント。青木は狐に包まれたような表情で初のGENOMEルールの試合を黒星で終えた。
<試合後コメント>
ケンドー・カシン&青木真也
カシン「いやー、苦しい、苦しいって。ほんとに苦しい。いやー、しかしメインはしょっぱい試合だったな」
――いや、まだ終わってないです……
カシン「俺達もしょっぱかったな」
――肌を合わせてみていかがでした?
カシン「いやー、危ない危ない。落ちる落ちる落ちる」
(青木がインタビュールームへ)
カシン「ありがとう(青木にお酒の缶を渡す)」
青木「俺、飲めねーよ。ありがとうございました」
カシン「乾杯」
青木「ありがとうございます」
(カシンは控室へ)
――初めてのGENOMEルールいかがでした?
青木「いい時間だった。でも、全然緊張……MMAより緊張するよ。ちっと動きすぎて緊張しました」
――総合格闘家としてもプロレスラーとしても先輩となるカシン選手は肌を合わせていかがでした?
青木「いや、一枚も二枚も上手ですよ。年の功です」
――途中首4の字で回転する場面もありましたが、あの技は練習してたんでしょうか?
青木「はい。もう、ロープがね、厄介ですよあれが。あれがほんとに年の功というか。澤田敦士がGENOMEルールが一番危ないと言ってましたけど、MMAの比じゃないね。イスもあるし鉄柵もあるでしょう? 久々に…あんな攻撃くらったこと無いんで、今年ちょっとこれ、もうちょっと勉強して、GENOMEルールでもうちょっと闘っていきたいなと思います」
――自分の中ではGENOMEルールのほうを?
青木「やりたいし、お客さんがどう思ったかで。今日のほんとサプライズみたいな初物としてのご祝儀じゃなくて、次からホントの、等身大の評価をされた時に自分がどうなんだってすごく興味がありますし、やっていきたいなと思います」
――その中でこの団体の選手で闘ってみたい選手はいらっしゃいますか?
青木「いや、こうやって口に出すと横から殴られるんで、横から出てくるんで怖いっすけど(笑)。今年は、そうね、いま澤田敦士が試合してますけど、お前、IGFルール負けたままだろって。それを伝えたいですよ。あの、帰ってきたら伝えてください。お前IGFルールどうしたんだよって」
第7試合
王彬の直訴により小川とタッグ結成。そして打倒小川のためミノワマンと澤田が手を組むことに。小川が入場してくると、真っ白な柔道着を着た澤田が前に立ちはだかったなかなかリングインさせない。澤田をどかしてリングインした小川だが、澤田はひたすら小川にガンを飛ばしていく。
すると澤田が王彬に奇襲攻撃を仕掛けていき、場外に放り投げてから小川に襲いかかる。逆水平チョップからサッカーボールキックを叩き込んだ澤田は、払い腰で投げると腕十字を狙う。これを防御した小川だが、澤田はスリーパーにスイッチ。
ロープに逃れた小川だが、澤田は踏みつけた状態でミノワマンにタッチ。ニーリフトを連打したミノワマンはスリーパー。これもロープに逃れた小川だが、ミノワマンは澤田にタッチすると、2人がかりで小川を蹴りまくる。そしてダブルのミドルキックで蹴り倒すと、澤田はヘッドロックに捉える。強引に振り解いた小川だが、澤田はショルダータックルでなぎ倒す。
もう一度ヘッドロックに捉えた澤田はマウントから腕十字へ。これは王彬がカットに入ったが、怒った澤田は王彬に張り手をお見舞い。さらに小川を蹴っていくが、蹴り脚をキャッチした小川は足払いで倒すと、強引にバックドロップで投げていく。
マウントを取った小川は殴っていくが、ミノワマンが強烈な蹴りでカット。それでも立ち上がれない澤田を見てダウンカウントを取る和田レフェリー。しかし澤田の顔面を蹴り飛ばした小川は、レフェリーを突き飛ばしてカウントを止めさせると王彬にタッチ。ミドルキックとエルボーを叩き込んでいった王彬は、サッカーボールキックからスリーパー。
澤田はどうにか自軍のコーナーまで押し込んでミノワマンにタッチ。ドロップキックを発射したミノワマンだが、サイドキックで相打ちに持ち込んだ王彬。しかし蹴り脚をキャッチしてドラゴンスクリューを決めたミノワマンは逆片エビ固めへ。
澤田が飛び込んできて小川を場外に連れ出してして殴り合いに。その間にリング上ではミノワマンがアンクルホールドに捉えていくが、小川が戻ってきてカットに入る。王彬はボディスラムで反撃するが、ミノワマンもボディスラムを返してからフロントネックロック。澤田にタッチすると、王彬にダブルのアトミックドロップからダブルのブレーンバスター。
王彬の背中を蹴り飛ばした澤田は腕十字へ。小川がカットに入ると、王彬の頬を叩いて喝を入れる。エルボーで反撃する王彬だが、澤田はゴツゴツという音を響かせながらヘッドバットを連打。さらにミノワマンとダブルのバックドロップで投げる。
王彬のバックを取った澤田。そこにミノワマンが入ってきてダブルのバックドロップで投げると10分が経過。王彬は近づいてきたミノワマンを前蹴りで迎撃すると、澤田に延髄斬り。そのままミノワマンと共に場外へ。その間に小川が澤田にSTO。さらにSTOボンバーを狙ったが、受け止めた澤田はバックドロップで切り返す。
逆に澤田が掟破りの逆STOを狙って走り込むが、これを受け止めた小川は強引にSTOで叩き付けると、そこから胴絞めスリーパーに捉える。これがガッチリと決まって小川が勝利。
エンディング
試合後も澤田とミノワマンが小川に殴りかかる。王彬も澤田にエルボーで向かっていき、乱闘になるが、花道に猪木会長が登場。澤田とミノワマンが憮然としたまま引き上げていくと、リングに上がった猪木が小川と王彬に向かって「熱いなぁ。暮れにリングの上で“熱い”という字を書きましたけどね、これにはちょっとした意味があるので、もうしばらくすると分かってくるかもしれませんが、とにかく1回に人生ですから熱く熱く、燃えて燃えて面白くやってくださいね」と声をかける。
最後に「だいぶ俺の体も燃え尽きてきましたけどね(苦笑)。まあなにはともあれ、いい試合を、夢を見せてください。それじゃ例のやつ、いきますよ。思いっきり本当に元気よく。いいですか? アーユーレディ? いくぞ、1、2、3、ダー!」で締めくくった。
<試合後コメント>
小川直也&ワン・ビン
――猪木さんのバースデー興行を勝利で締めました。
小川「72歳のね、バースデーイベント、GENOME32、ほんとにね、大盛況のうちにね、そんな中でほんとに勝利で終われたこと、弟子として幸せです。またあの今日、IGFの若手で一人、ワン・ビン、中国の選手が一人今日はじめてやったんだけど、なかなかね、その波長っていうのかな?まだその域に達していないから、達する方が無理かもしれないけどそれと合わせるのが、呼吸がね合わないというのはチグハグしたし、まあ向こうのほうがね、波長はあってるチームだろうし、そういう意味では非常にやり辛かった」
――小川vs.ミノワマンは苦しい場面もあったが。
小川「もう今日はあいつらは、全部来る奴は全部受けてやろうと、そういう覚悟でやってたし、それを、ワン・ビンが見てくれて、どう感じてくれるか。そこだけじゃないかな。あの、まだね、やらなきゃいけないこととか、覚えなきゃいけないこと沢山あるけど、早く中国のスターとして、育っていってほしいなと。猪木さんのほうにも言われてるし、なんとかスターにね、なるように、組んで多少なりともやってくしかないなと。あとワン・ビンが、どこまで俺がトップになるんだという気持ちがあれば、あるぶんだけ早く実力開花していくと思うし、なけりゃないなりに、開花しないで終わるだろうし、絶対にスターになれるという保証はないし。だからほんとに、初日としては今日はまあ、まあ、もっかいだな。やんなきゃダメだな」
――対ミノワマンは?
小川「いつでもいいよ。いつでもいいし、あいつが肢体万全ならいいし。これ常々言ってるんだよ、あいつが足が悪いから伸びてるんだよ。俺が逃げてるわけじゃねーんだよ。中途半端に治ったところでね、また試合中に足痛めました? それで何? 言い訳で足が動かなくなりました? ごめんだよそんなの。やっぱりやるからには機が熟した時にやりたいし、今日澤田のほうが上じゃない! 澤田のカゲに隠れていたような気がしたよ?」
――澤田選手はガンガン来ましたが。
小川「もう、あいつの今思う所全部出してきたんじゃない? 自分なりに考えてきて、あの、STO返したりとか、自分の中で課題持ってやってると思うし。奴は奴なりに考えてるし、あいつは育ってるんじゃない順調に。まああの、ワン・ビンこれからどんどん、強くさせていきますんで、ちょっと、そういう意味では見てやってください。決してね、ダメな所はダメって正直に書いて結構です。良い物は良いと、ダメなものはダメとはっきりね、彼のためになるし、お願いします」
ワン・ビン「ほんとに今日は、猪木さんの誕生日。試合は、日本語あんまり上手じゃないけど、今日はほんと、嬉しかったです。初めての小川さんと一緒に……」
小川「頑張っていこう」
澤田敦士&ミノワマン
――メインでは取られてしまいましたが。
澤田「俺がとられたの? ただSTOは効かないよね。あれは柔道着を着てたから。柔道着はあれはな、(襟を)とられたからね。せっかくのチャンスをね……うん、こうやってミノワマン選手と組んで、俺が足を引っ張ってしまったのかなとね。その辺申し訳ない気持ちでいっぱいですよ」
ミノワマン「ワン・ビンは良いところも知ってたんだけど、彼、澤田選手、よく頑張ってくれて。ただもっと小川を表にこう…前に出してこれなかったのがね、今度はもっと出して、結局シングルでやれればいいんですよね」
澤田「そうだな」
ミノワマン「結局まだ逃げてんだよ」
澤田「ワン・ビンなんかね、中国の逸材とか言って、小川いないと何も出来ないし、小川だってワン・ビンいないとできないってお前、ふざけんじゃないよって」
――あくまでシングル実現と。
ミノワマン「ワン・ビンは、俺の足関節粘ったと思うよ。ただ小川がね……もう正々堂々とシングルで」
――小川選手は今日の試合はミノワマン選手が澤田選手に食われたんじゃないかと言っていたが。
ミノワマン「まあ今回は、澤田選手が頑張ってくれて」
澤田「俺、落ちてないからな! タップもしてねーしな、その前にな。いつもそうなんだよ和田良覚っていうのはさ。桜庭(和志)とやった時もそうだしさ、いっつもああなんだよな。賄賂でも貰ってるのか? 暴力でもされたんかい? なんかあったんかね? そんなね、金かかるんなら裁判でもしてやるぞオイ」
――納得してないと?
澤田「なんなんだよ。タップもしてねーわけだしな。よくわかんない。小川が何をしたいのか。俺はせっかく、SRFやろうと思ったのに、それかハッスルポーズね。やろうと思ったのに。なんなんだかよくわからない。小川直也も何がしたいのか。ワン・ビンをどうしたいのか。ワン・ビンなんか正直あんなとこついてたって何もなんねーから。ハッスル病になっちゃうよ」
ミノワマン「最後ギブアップしてないから、負けじゃないでしょう」
――この二人でもう一回という気持ちも?
澤田「俺はあるよ。俺はね。こうやってせっかく組んだんだから、迷惑かけっぱなしで、よくわかんねーよ小川直也。何がしてーんだか。負けなのかもよくわかんない。アレが負けだとするならば、いやまああれで勝ちだと思ってるならね、小川直也はこの業界で生きていくアレはないんじゃないかなと思う」
<大会総括>
アントニオ猪木会長
――72歳のバースデー興行となりました。
「まあもう、注文つける所は色々ありますけどね、一つ一つやっぱりあの、今の、初めてじゃなく2回目ですけど国会に出て、毎日が勉強なんでね。日々。そういう意味では人生に向けてのメッセージとして、生せる限り、いろんな状態の人がいますけれども、ひとつの希望という、生きた価値をしっかり見据えてリングの上から師匠力道山がメッセージを送ってくれたように俺達がそれに答えてね、この道を走って、そういう意味ではそういう選手一人一人にも、何がただ勝ち負けというよりも、プロレスの奥の深さというのはそういうようなメッセージを、お客さんにも気がついてないけど、昨日も猪木ファンが集って、昔話になると俺は面倒臭いんだけど、まあでもそれが一つ一つ皆さんにね、生きる歓びというか勇気というか、それをこれから、今年はいろんな企画が入ってます。中国の進出、またキューバとの話も、簡単に私に北朝鮮おめでとうございますよかったですねって言うけども、そこは大変な根回しといろんなことがあってですね、そういう意味では国会の中で今縛られちゃってるんで、外国に出るのにも許可を取らないといけないと。やりたいことは山ほどありますけど、一つ一つこなしていこうと。選手たちができればほんとに世界シェアというね、日本がほんとにある意味では一つで、そういう意味ではそういうチャンスを作っていければなと」
――燃という文字にもヒントがあるという言葉がありましたが。
「透明と関係あります」