若手3選手の電撃退団を乗り越え、長与千種がたった1試合からの新体制をスタート!「様変わりはしますけどこれもプロレスです」
10日、新木場1stRingで女子プロレス団体マーベラス『マーベラスAll in Only as for one game One game unlimited at time』が開催された。
マーベラスは7月の後楽園ホールで5周年記念興行を行い、彩羽匠が9ヶ月ぶりに怪我から復帰をするも引退を翌月に控えたKAORUが足を骨折。8月20日の後楽園ホール大会ではマーベラスのリングで暴れまわる響&アンドラス宮城を彩羽が成敗し、GAEAISMにて行われるはずだったAAAW王座戦をセンダイガールズの橋本千紘に申し込む。それと同時に響&宮城も門倉凛&桃野美桜が持つセンダイガールズタッグ王座に挑戦を表明し、10月1日の後楽園ホール大会で両王座戦が行われる事になった。
しかし、8月31日に突然マーベラスが響、星月芽依、神童ミコトの3選手の退団を発表。ファンにも動揺が見られるなか、新型コロナウイルスの蔓延により無観客配信と発表されていたこの日の大会から新体制がスタートすることに。
試合はマーベラス所属選手6名による彩羽匠&門倉凛&井坂レオvs渡辺智子&桃野美桜&宝山愛のたった1試合だけが行われ、それぞれが持ち味を出しながらも一番若手の宝山が粘りを見せる。宝山は丸め込みで先輩から勝利するかという場面も見せるが、最後は門倉の逆エビ固めでギブアップ。26分以上の試合を終え、選手ぞれぞれがリング上で健闘を称え合った。
マイクを持った選手代表の彩羽は「前回のマーベラスの大会から今日の大会の間で、沢山のファンの方たちにご心配をおかけしました。これが今のマーベラスです。今までのマーベラスのみんなを、導くことができなかったです。今日来るのが、何を話していいのか正直、ずっと不安で不安で、試合などがあった中でも何を語ればいいか正直、自分の中でも頭が混乱していました。でも!今こうやって試合ができてます。たった1試合でも、マーベラスのリングで試合ができてます。なのでこっから、新生マーベラスとして、絶対に夢を諦めません。マーベラス潰さないです!(スターダムの)5★STAR GP自分優勝して、今マイナスなことばっかりかもしれないですけどしっかり結果残していくんで、大丈夫です。自分がいれば大丈夫です。そして、過去を語るよりも、未来を語らせてください。今日宝山愛が、すごく頑張ってくれました。これからは、新人の育成にもっと力を入れていきたいと思います。マーベラスっていう意味は、驚異的なって意味があります。驚異的な新人、派手な技がないですけど、しっかりお客さんの心に響く選手を自分たちでつくりあげていきます。また1から作り上げていくので、どうか見守っていただければと思います」とメッセージを贈る。
これを見守っていた長与千種は「今までも長い女子プロレス界の歴史でよくあること。GAEA JAPANの始まりの方がキツかった。老舗団体もまだあったし、それこそFMWもあればLLPWもある。そんな最中で団体対抗戦から始まった時はウチも手薄で、むしろ打つ手がまったくない。そこであの東京ドームの時大恥かいて終わったのを自分は今でも覚えてる。それに比べたら、いくらでもチャンスはあると思うんですよ。(退団した)彼女たちを産んだ、プロレスラーとして誕生させたことは明らかな事実だからちゃんと見守っていこうと思います。いろんなところの荒海に出てって揉まれてくるのも悪いことじゃないとほんと思うから。昨日の事は過去なんで、未来に向かって走っていけばいいんじゃないかなと。だってプロレスでしょ?こうじゃなきゃダメだって事もないし。プロレスはほんとにいろんな変化球が溢れてる場所だと思うんで。様変わりはしますけどこれもプロレスです。今のプロレス界です」と思いを語った。
10月1日の後楽園ホール大会に関しては、AAAW王座戦と仙女タッグ王座戦を含む全カードを一度白紙にして練り直すとのこと。
ここ1ヶ月で各団体の出入りが多い女子プロレス界で、全女の流れを汲む正統派女子プロレスが生き残りをかけて新たな一歩を踏み出す。