“義足戦士”谷津嘉章が6・6さいたまSA「サイバーファイトフェス」で1年越しの復帰!「今燃えなくちゃいけない。この現状で燃えないと、燃焼しないとダメなんです」

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 CyberFightが4月26日、東京・渋谷区の渋谷スクランブルスクエア内で記者会見を開き、6月6日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催する「CyberFight Festival 2021」(DDT、プロレスリング・ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスによる合同興行)で、“不屈の荒武者”谷津嘉章が1年越しで復帰戦を行うことを発表した。

 19年4月からDDTに参戦していた谷津は、持病であった糖尿病の悪化により右足が壊疽して、同6月25日に右足を切断。その後、懸命なリハビリに励み、高木三四郎(CyberFight社長)の同級生である川村慶氏が社長を務める義肢装具業界のリーディングカンパニー・川村義肢株式会社によって開発されたプロレス用の義足を使って、昨年6月7日にさいたまSAで開催を予定していたDDT「Wrestle Peter Pan 2020」で復帰戦を行う予定だった。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、同大会は開催見合わせとなり、谷津の復帰戦も流れてしまった。

 その後、谷津は3月28日に東京五輪に向けて、地元の栃木・足利市内を義足の聖火ランナーとして走り、1年越しの悲願を果たした。そして、川村義肢社により開発された、さらにパワーアップしたプロレス用の義足を着けて復帰戦に臨む。

 DDTでは、昨年11月3日に東京・大田区総合体育館や、2月14日に神奈川・カルッツかわさきでのビッグマッチを開催したが、高木社長は「やっぱりさいたまの借りはさいたまで返すということなのかなと思ってまして。谷津さんの闘う姿を見て、同じような境遇の方に元気を出してもらいたいし、勇気を与えてもらいたいなと思いましたんで。『サイバーファイトフェス』という形ではありますけど、やはり大きい大会で注目の集まる場所でやりたいということがありました」と説明した。

谷津は「CyberFight Festival」の本戦(14時開始)の前に行われる「STARTING BATTLE」(12時45分頃開始)枠の「時間差入場バトルロイヤル」に出場。この闘いにはDDT、ノアの選手が参戦し、優勝者にはサイバーエージェント・グループより勝利者賞が贈呈される。

 1年越しの復帰が決まった谷津は「高木社長、私を忘れずに呼んでくれてありがとう。一つ一つ物事に挑戦しながら、去年コロナの影響で断念した聖火ランナーも無事行われて、一つの夢を完結した。次、6月6日、さいたまSAに向かって、ずっと1年前から練習してるんですけど、1年かけて義足を進化させた感じがします。プロレスを義足を着けてやるってことは、ちょっと前までは想像もつかなかったんですが、人生何が起こるかわからない。義足着けてどこまでできるか、というのを自分なりに披露して見せたい」と力強くコメント。

 高木社長は「昨年6月7日に予定していましたさいたまSA大会は新型コロナウイルスの拡大によって、中止を余儀なくされてしまったんですけど、どういう形になっても谷津さんにはもう1回リングに上がっていただきたいという気持ちが強かった。高校の同級生である川村社長に相談したところ、快く受けていただいて。いわゆるプロレス用の義足のプロトタイプは完成していたんですけど、それをあとは昨年の復帰戦に向けてブラッシュアップする予定だったんです。叶わぬことになってしまたったんですけど、この1年間でさらに義足の技術が上がりまして、去年よりかなり性能の高い義足が完成しました。それを谷津さんに当日履いていただいて、思う存分またリングで暴れ回ってほしいなと思う所存です」と話した。

 高木社長から手渡された新たな義足は横の動きにも対応し、その日の体調次第で、装着部分の微調整も可能になるすぐれもの。実際に谷津は、その義足を装着し、走ってみせるなど、具合を確認し、「これはすごい。こんなのどこ探してもない。スープレックスもできる。本当に感謝です。DDTに上がれるというのも含めて感謝です」と満足げ。

 復帰戦以降について、谷津は「今気勢を上げてますけど、実際やったらどうなのか、一抹の不安があったり、それはどんな人にもあると思うんです。こんな素晴らしい義足を提供していただいたわけですから、義足のポテンシャルに負けないくらいやらないといけないと思います。そういう意味では、バトルロイヤルでは物足りないんですけど。手始めはやさしくとおっしゃってもらったんで、自分の技をさいたまSAでお見せしたいと思っております」と語った。

「闘いを通して、選手たちに伝えたいことはあるか?」との問いに、谷津は「自分が目標に向かって前進していくのみです。そういうのに何か感じてくれる人がいればいいなという感じで。自分が前進するためには、いろんな方のサポートと協力がないとできませんので。こういうチャンスを与えていただくということは、技術面も含めて、リングも提供していただいて、ここまで一人で来れませんので。そういった仲間たちすべてに感謝です。そういうのがうまく伝わっていけばいいと思います」と述べた。

 さらに、谷津は「自分も新人じゃないわけですから、自分のイメージで、この義足を使ってどういうふうに出るかなというのは何回もテストしてますんで。たぶんパフォーマンスは相当できるかなと思ってます。いろんなことをやって不具合が生じたら、またさらに義足ももっと進化すると思います。あとは糖尿病をもってますんで、兼ね合いですね。そのうち、もう一足なくなっちゃったら厳しいから。今燃えなくちゃいけない。この現状で燃えないと、燃焼しないとダメなんです。後から燃焼しても遅いので。この年になって、記者会見までやってもらってということは自分にとっては最大の思い出になるし、精いっぱいやらせてもらいます」と熱く語った。

 会見終了後、谷津は居合わせた大家健(ガンバレ☆プロレス)を実験台に、ロックアップからヘッドロック、義足でストンピングを繰り出すなど、試運転を行い、上々の動きを見せていた。

また、「CyberFight Festival 2021」(DDTプロレス、プロレスリング・ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレスによる合同興行)の「STARTING BATTLE」(12時45分頃から全4試合)でガンプロ提供試合が同枠のメインイベントになることが発表された。

 会見に出席したガンプロ大家健代表は「ガンプロが『サイバーフェス』の『STARTING BATTLE』のメインイベントに選ばれたということで、とても光栄なことだと思っております。私がプロレス業界に入ったときによく言われたのが、第1試合はメインイベントと同じくらい重要だと。『STARTING BATTLE』のメインということは、第1試合とメインを同時に行うようなもんでしょ。第1試合重要、メイン重要。重要+重要は超重要でしょ! ということは、このガンプロの試合、実質メインですよ! まだカードは全く決まっておりませんが、メインにふさわしいカードを用意したいと思います」と熱弁。

 さらに、立ち上がった大家は「『サイバーフェス』と言いますけど、各団体に告ぎますよ! フェスだと思ってなめてたらダメだぞ。俺はこのフェス、ガンプロのさいたまスーパーアリーナ大会だと思って全力で行く。俺たちの後に試合があろうが、なかろうが関係ない。俺たちがメインだ。俺たちのさいたまスーパーアリーナ大会だ。そういう意気込みで行くんで、DDT、ノア、東京女子。なめてたら俺たちが全部食っちゃうぞ!」と叫んだ。

 さらに、大家は「熱さを(見せたい)! 感動的な試合をお届けしたい。(出場選手は)全く考えておりません。とくかく、俺たちはさいたまスーパーアリーナ、ガンプロのさいたまスーパーアリーナ大会を絶対に盛り上げます。全員は出られないかもしれないけど、全員で行きます。全員でセコンドについて、とても熱いガンプロらしいメインを行いたいと思います」とコメントした。

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