葛西純が最後のデスマッチに臨む石川修司に敗北し王座陥落!「プロレスラーは笑わせて三流、感動させて二流、見る者の人生を変えてこそ一流。全日本プロレスの歴史を狂わせた葛西純は超一流」
18日、東京都・新木場1stRINGにて全日本プロレス特別興行『血闘 葛西純 対 石川修司 ~CRAZY MONKEY vs GIANT~』が行われ、石川修司が葛西純とのデスマッチを制してGAORA TV王座を奪取した。
葛西純は、昨年11月に当時GAORA TV王者であったヨシタツが「王道ストロングスタイル!エンターテイメント!格闘技!ルチャ!ハードコア!デスマッチ!すべてのスタイルに対応できる世界で唯一のレスラー」と自称していたことに「お前デスマッチ舐めてんじゃねーか?」と因縁を付けて王座挑戦を表明。全日本プロレスに上陸した葛西は今年1月3日にTLCマッチでの王座戦を制してヨシタツから王座を奪取し、同月24日にはブラックめんそーれとのハードコア戦を制して難なく初防衛に成功。
葛西が「王道代表の全日本プロレスで、この葛西純とデスマッチでやってみるっつー、骨のあるやつはいないのか?」と次期挑戦者を募ると、石川修司が現れ「全日本プロレスはデスマッチ団体じゃねえ。ただ、『やれ』っつーんだったら、やれんのは俺しかいねえ。アンタとデスマッチで勝負だ!」とデスマッチでの王座挑戦表明。
「王道のリングにデスマッチはいらない」という石川の想いから、両者の試合は本興行とは別に開催される全日本プロレス史上初のワンマッチ興行での実施が決定。
2月に行われた両者の前哨戦は通常ルールで行われたものの、のらりくらりと石川との対面を避ける葛西にブチ切れた石川が剣山を突き刺して大流血させ、石川サイドが反則負けを喫するなど大荒れとなった中でこの日の決戦を迎えた。
ガラスボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデスマッチで行われたこの試合。金髪姿となった石川はユニオン時代を思わせる白いロングパンツにバラの花束を持って入場。
石川がロックアップからロープに押し込んでクリーンブレイクする“王道”のスタイルを見せつけると、葛西は「コイツ、デスマッチのルールを忘れたみたいだなあ!デスマッチにロープブレイクはねーんだ。それがオメーの甘さだ!」と “狂道”のプロレスを説き、「修司!お前、デスマッチのことを忘れたようだなあ。思い出せ!殴り合おうや!」とカミソリボードを石川に投げ渡す。
これで目覚めた石川はカミソリボードで葛西の頭から大流血させ、場外から投げっぱなしスプラッシュマウンテンで葛西をガラスボードに叩き込んだり、串刺しランニングニー with 蛍光灯を見舞ったりと大暴れ。右ストレートでの殴り合いを制した石川はカミゴェ with 蛍光灯からジャイアントスラムでガラスの破片の山へと叩きつけて3カウントを奪った。
李日韓レフェリーが石川にベルトを渡そうとすると葛西がそのベルトを奪って石川の肩にかける。そのまま去っていこうとする葛西の背中へ石川が「デスマッチのカリスマ……いや、神様。そのデスマッチの神様・葛西純とデスマッチルールで戦えて嬉しかったです」と感謝の言葉を述べる。
すると葛西は「オレっちはデスマッチのカリスマでも、神様でもねーよ。まだまだ発展途上だ。まだまだ伸びしろがあるんだよ。勝ったのはお前なんだから堂々としてろ。オレっちなんて持ち上げるな。あと全日本プロレス!ちょっと昔に誰かが言ったな。『プロレスラーってもんは、笑わせて三流、感動させて二流、見る者の人生を変えてこそ一流だ』ってな。その言葉が正しいのなら、この全日本プロレスの歴史を狂わせた葛西純こそ超一流プロレスラーじゃねーのかオイ!全日本プロレス、こんな超一流プロレスラーを、今日負けたくらいで放っとくわけねーよな?」と、2019年にTAJIRIがTwitter上で発言し物議を醸した「笑わせるのはプロレスで三流、そんなのは学芸会レベル。何かを訴えて泣いてもらうのは二流。一流は、感動させて人生になんかしらの良い影響を与える。人生を変える。」という発言を引用しつつ、全日本への継続参戦を要求して去っていった。
そして、石川は「自分の年齢を考えたら大人しくしてていいかなっていうのがあったんだけど、葛西純っていうエネルギーを前にして、『あぁ、そんな必要ないな』って。もっとギラギラしていいんだって教えられた気がします。デスマッチは、もう全日本所属として最後って言ったんで。だからこそ今日お客さんもたくさん来てくれたと思うんで。だから、嘘は言わずに、違うことでこのGAORA TVのベルトの価値を上げて、全日本を一番面白い団体にしていきたいと思います」とその覚悟を語った。