宮城県の震度6強地震で藤本つかさが涙!凱旋興行中止の危機に「東日本大震災から10年。諦めないのがプロレスラー。必ずプロレスを利府町に届けます!」
20日、東京都・後楽園ホールにてアイスリボン『RE:BORN2021』が開催され、先日の震災に見舞われた宮城県・利府町出身の藤本つかさが王座防衛後に地元凱旋興行への想いを叫んだ。
藤本つかさは2008年にアイスリボンでデビューし、スタミナを活かしたハイスピードな華のある動きとどんな相手にも対応するテクニックが魅力。元全日本女子プロレスの豊田真奈美さんから『飛翔天女』の名とジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスホールドを受け継いでからは女子プロレス界の顔として活躍するなどの功績が認められ、2018年度女子プロレス大賞を受賞。さらに地元利府町の観光大使としてリングの外にもプロレスの魅力を発信し続けている。
37歳となった藤本は、先月の後楽園ホール大会で18歳の若き王者・鈴季すずを制して至宝たるICE×∞王座を奪取。「超新星のすずに、古株の藤本つかさが勝って、残念ですか?また時代が戻ったと思いますか?『また藤本か』って思いますか?私まだまだ頑張りたいんですよ。体だって痛いところ無いし、心だって強いし、まだまだやりたい!今年はアイスリボンの15周年イヤーです。アイスリボンの歴史は、イコール藤本つかさの歴史だと思ってます。15年間団体に関わってくれた大切な仲間たち、その相手と私は防衛戦したいと思っております!」と決意を叫び、アイスリボンに外敵として参戦し猛威を奮っている山下りなを相手に初防衛戦を行うこととなった。
前哨戦では山下の必殺技であるスプラッシュ・マウンテンに苦杯をなめた藤本は、山下の同技を徹底して警戒し得意のドロップキックでリズムを組み立てながら山下のパワーファイトを卍固めやカサドーラでいなし、サッカーボールキックやPKを連打。
山下もこれを耐えきって藤本の直伝・たいようちゃん☆ボムをインプラントで切り返し、藤本のビーナスシュートを雪崩式ブレーンバスターで返してラリアットを連打。山下がトドメのスプラッシュ・マウンテンを狙うと、藤本は回転エビ固めで切り返し、即座にツカドーラで丸め込んで3カウント。藤本の研究の成果が実を結び、初防衛に成功した。
マイクを取った藤本は、4月18日に行われる予定の地元・利府町での凱旋興行について触れ、開催予定地の利府町総合体育館が今月13日に発生した震度6強の地震の影響で破損したため、現在代替会場を探している最中であるという状況を涙ながらに語った。
そして藤本は「『また来たか、試練』と。結構落ち込みましたね。去年はコロナで中止になってしまって、『今年は地震』かと。試合前もちょっと頭が利府町のことでいっぱいだったんですけど、試合中に山下の重い攻撃を食らって、『そうだよな、プロレスラーって立ち上がる姿をお客さんに見せるんだよな』って改めて思い出しました。宮城県の代表の1人として、地震に関してちょっと諦めてしまうように思われてしまうんじゃないかっていうのを、勝手に自分の中で責任を負って試合をしてました」とその胸中を語り再び涙。
そして、“仙台市内”など範囲を広げて代替会場を探す気があるかと問われると、「無いです!それだと意味がないので。10年じゃないですか、東日本大震災から。やっぱり『忘れるなよ』ってことなのかなって思いました。諦めたら終わりなので、諦めないで、その姿を利府町の皆さんにも見せたいですね。試練があればあるほど燃えるので!必ずプロレスを利府町に届けます!」と力強く覚悟を叫んだ。