【試合詳細】12・13 全日本プロレス後楽園ホール大会 宮原健斗&青柳優馬&CIMAvs諏訪魔&石川修司&佐藤光留 ヨシタツ&岡田佑介&力vs葛西純&竹田誠志&吹本賢児 【AJPW TV6人タッグ】大森隆男&ブラックめんそーれ&カーベル伊藤vs崔領二&レブロン&大門寺崇
『AJP Prime Night 2020 ~年内最終興行~』
日程:2020年12月13日(日)
開始:18:30
会場:東京都・後楽園ホール
観衆:677人
▼シングルマッチ 20分1本勝負
○TAJIRI(フリー)
6分49秒 横入り式エビ固め
●フランシスコ・アキラ
▼6人タッグマッチ
渕正信/岩本煌史/●本田竜輝(フリー)
8分57秒 フェイスロック
[PURPLE HAZE]○ゼウス/イザナギ/UTAMARO(フリー)
▼Prime Fight ~PLUS ULTRA!~ シングルマッチ
[陣]○ジェイク・リー
3分51秒 バックドロップ→片エビ固め
●青柳亮生
▼Prime Fight ~ダンの大冒険~ シングルマッチ
[Evolution]●田村男児
11分41秒 アンクルロック
[Enfants Terribles]○芦野祥太郎(フリー)
▼全日本プロレスTV認定 6人タッグ初代王座決定戦
○大森隆男/ブラックめんそーれ/カーベル伊藤
14分25秒 アックスボンバー→片エビ固め
崔領二(ランズエンド)/●レブロン(ランズエンド)/大門寺崇(ランズエンド)
※大森&めんそーれ&カーベル伊藤が初代王者となる
▼Prime Fight ~お前はもう死んでいる~ シングルマッチ
[Enfants Terribles]●大森北斗
4分18秒 パイルドライバー→片エビ固め
○佐藤耕平(フリー)
▼6人タッグマッチ
[ヨシタツ・キングダム]ヨシタツ/●岡田佑介/力(フリー)
11分48秒 垂直落下式リバースタイガードライバー→片エビ固め
○葛西純(FREEDOMS)/竹田誠志(フリー)/吹本賢児(FREEDOMS)
▼Special Prime Fight 6人タッグマッチ
[Evolution]諏訪魔/石川修司/●佐藤光留(パンクラスMISSION)
17分6秒 シャットダウン・スープレックス・ホールド
○宮原健斗/青柳優馬/CIMA(OWE)
宮原が青柳&CIMAとのタッグで快勝し2020年を最高マイク締め!ヨシタツと葛西の因縁はGAORA王座戦へと発展!所属ラストマッチの岡田が涙の挨拶!カーベル伊藤がついに全日本プロレスの王座戴冠!
公開入門テスト
開場後、12名の入門希望者たちよる公開テストが実施。
試験官である青柳兄弟の他、TAJIRIら他選手たちもこっそりと遠巻きに見守る中、準備運動から各種マット運動、基礎体力トレーニングのテストが約1時間行われ、全員怪我なく無事終了。
最後にはそれぞれマイクを取って観衆へ向けての自己アピールを行う時間が設けられ、その言葉に込められた「プロレスラーになりたい」「全日本プロレスの一員になりたい」という熱い想いに観衆は大きな拍手。早くも“推し”を決めた様子のファンもおり、未来の全日戦士の誕生に期待が持たれた。
<入門テスト総括>
青柳優馬
「プロレスという命がけというか危険な仕事に対して、どういう姿勢で臨むのかなというのを見ていたんですけれど、いらないアピールタイムというか(笑)。プロレスに対する気持ちが見えなかったというか。そういうところで目立って印象を残そうという人が多かったから、今回は残念な部分が目立ってしまいましたね、正直。」
――青柳選手が入門テストを受けた時はどういった心持ちで臨んだのでしょうか?
「そうですね。当時のことはメチャクチャ緊張していたんで覚えていないんですけれど、とりあえずあれやれこれやれと言われたことをクリアしようという気持ちでやっていました。アピールはプラスアルファだと思っていたので、最低限やれること、自分のすべてを見てもらって、それが通用するかどうかを判断してもらおうと思っていました。結構偉そうに言ってますけど(笑)。」
――いまは道場の指導も青柳選手が行っているとのことですが、若い選手にはそういった気持ちの部分を教えたいと考えているのでしょうか?
「そうですね。体力とか技術はやっていれば付いてくるんですよ。気持ちの部分というのは自分でしか鍛えられないので、体力とかよりもやろうという姿勢を見ています。例えばスクワットとかプッシュアップを何がなんでもやろうとか。それを浅くやって何とか追いつこうとする気持ちはわかるんですけど、どちらかというと言われたことをしっかりやる姿勢が見たかったんです。遅くてもしっかり深くやる姿勢を。」
――今回のテストで合格者は出そうですか?
「背が高かったり体がガッチリしてたり、見た目の素材はすごかった(人もいた)のでしっかり会社と相談して、合否を決めたいと思います。」
第1試合
深々と頭を下げながら握手を求めるアキラに対し、TAJIRIも満面の笑みでこれに応じてからゴング。
ロックアップからロープへの押し合いとなり、TAJIRIが腕を取ってアキラの動きに合わせて細かく形を変えながら絞り上げ、アームドラッグで翻弄していく。アキラもアームドラッグで返して反攻の姿勢を見せるとTAJIRIはのらりくらりとかわしていくが、アキラがTAJIRIに猛追してアームロックに捕らえるとTAJIRIはグラウンドに引き込んでバックマウントを取りながらのハンマーロックに捕らえ、その腕をアキラの両足の間に挟みつつ残る腕を掴んで持ち上げるという四肢すべての関節を同時に極める独創的なサブミッションを見せる。
アキラは折れずにエルボーで立ち向かうも、TAJIRIがナックル連打で怯ませ、フットチョークのような体勢で首を固めながらアキラを吊り上げるというこれも珍しいサブミッションを魅せ、グラウンドカンパーナのような形に以降しようとするが、アキラが上から潰してエビ固め。これを脱出したTAJIRIはクイックのバズソーキックも、アキラは丸め込みで粘ってカニバサミからの低空ドロップキック、トラースキックと反撃。スワンダイブ式の攻撃は回避されたもののアキラは冷静に着地して延髄斬り。さらにTAJIRIをロープに振ろうとするが、TAJIRIはレフリー目掛けてアキラを振っていき、正面衝突を避けるべくアキラは急停止。そこをすかさずTAJIRIがスクールボーイで3カウント。TAJIRIらしい老獪な試合でアキラに世界を見せた。
<試合後コメント>
TAJIRI&フランシスコ・アキラ
アキラ「本当は最強タッグが終わったらイタリアに変える予定だったんだけど、コロナの状況がひどいので今帰ったらいつ日本に戻れるかはわからないんです。それもあって日本に残ることを選択しました。来年も全日本プロレスで頑張りますので、よろしくお願いします。」
――今回アキラ選手と対戦して、一番成長を感じた部分を教えていただけますか?
TAJIRI「前は子供と戦っているような感じだったけれど、今はそうは感じない。それくらい変わってる。体力がすごい。体も分厚くなっているし。」
――TAJIRI選手のキャリアの中で、アキラ選手と共通点のある選手というと誰が思い浮かびますか?
TAJIRI「誰だろう。いっぱいいるような気がしますね。外国人のジュニアの選手とか。いろいろいますね。」
――今年はTAJIRI選手にとって忘れられない年になったかと思いますが、来年に向けてはいかがでしょうか?
TAJIRI「より全日本プロレスで頑張ろうかなと思いますね。以上です。」
第2試合
新型コロナ陽性判定を受け、約1ヶ月の間臥薪嘗胆の日々を送っていたゼウスがついに帰還。
ゼウスと渕の対面でゴングが鳴ると、ロックアップからゼウスがその怪力で渕を吹き飛ばしていくが、パワーでは不利と見た渕はすぐにグーパンチへ。さらにサミングからショルダータックルでぶつかっていくがゼウスはビクともせず。渕はさらにロープに飛ぶフリをして自軍コーナーに生還し岩本にタッチ。ゼウスもイザナギに代わる。
両者目まぐるしいロープワーク合戦を見せ、岩本がこれをショルダータックルで制すと本田に代わり、2人でダブルショルダータックル。渕にタッチ。
渕はレフリーの目を盗んでイザナギにグーパンチを見舞い、猛抗議を受けると「パー!」と潔白をアピール。イザナギをボディスラムで叩きつけ、救出に来たUTAMAROにもグーパンチ。猛抗議を受けると「グー!」と自白するも現場を押さえられていないためか反則は取られず。改めてイザナギにグーパンチからのボディスラムを見舞い、本田にタッチ。
本田はイザナギにエルボー連打からロープに飛ぶが、イザナギがカウンターの低空ドロップキックでヒザを撃ち抜いてUTAMAROにタッチ。
UTAMAROはドロップキックからラリアットを放つが、これをかわした本田がスピアー。さらにノーザンライトスープレックスの体勢も、これをバックドロップで切り替えしたUTAMAROがゼウスにタッチ。
ゼウスは本田のエルボー猛連打を正面から受け止め、さらにスピアーもがっちりとキャッチ。ゼウスは串刺しラリアットからチョークスラムで叩きつけ、最後はフェイスロックで絞め上げてタップを奪った。
帰還後初試合を勝利で飾ったゼウスに対して観衆が大喝采を送ると、ゼウスも柔和な笑みを見せた。
<試合後コメント>
ゼウス&イザナギ
ゼウス「今日やっと1か月ぶりにこの全日本プロレスに戻ってくることができました。本当に自分の留守中に自分の代わりに最強タッグに出場してくれたイザナギさんに感謝して、たくさんの支えてくれる皆さんに感謝です。正直、全日本プロレスに上がり始めてから1試合も休んだことがなかったんで。けががあっても痛いところがあっても上がり続けたリングなんで、今回すごい元気でもドクターストップで上がれなかったのはすごく悔しいんですけど。ファンの皆さんや仲間に申し訳ないという気持ちはあっても、自分自身がコロナに感染したということで、悲観的になったということはないんですよ。
いつも前向きに、この期間にしかできないことがたくさんできたんでね。次の新たなるステップに大いに役立つ力になると思います。イザナギさん、ありがとうございます。」
イザナギ「ゼウスが復帰してようやくパープル・ヘイズも電池が満タンになったかなっていう。久しぶりにゼウスと組んで、この全日本プロレスでゼウスは三冠目指して、僕も世界ジュニアを目指して。アジアタッグ(の次期挑戦者)はまだ決まっていないかな。北斗がどうのこうの言ってるけど、いつでも受けて立ちますんで。今日は試運転ということで。」
ゼウス「いつでもどこでも挑戦するヤツはかかってこい。ボコボコにしてやる。」
第3試合
ジェイクと亮生には試合前にそれぞれ花束贈呈が行われ、ジェイクがコーナーに花束を置いて振り向いた瞬間に亮生が旋風脚で奇襲。息もつかせずミサイルキックからのハンドスプリング式オーバーヘッドキック、ドロップキックで場外に叩き出し、トルニージョで追撃。すぐにリングに放り込んでムーンサルト・プレスを見舞う。
続けて必殺のファイヤーバードスプラッシュを狙うが亮生だったが、ジェイクはデッドリードライブで切り返し、氷のように冷たい表情を浮かべながら亮生の後頭部を踏みつけての急角度逆エビ固め。ロープブレイクはさせずにバックドロップを狙うが、背面着地した亮生がスクールボーイやバックスライドなど丸め込みで意地を見せていくが、ジェイクはショルダースルーからのPKを叩き込み、バックドロップで叩きつけて3カウントを奪った。
<試合後コメント>
ジェイク・リー
「これからはあいつが全日本プロレスだけじゃなく、いろんなところを盛り上げていくんじゃないですか?プロレスっていうものを。あいつに関してはいろいろ思うことはあるけれど、今はいいや。今は。とりあえずこの試合に関しては個人のSNSとかでちょっとずつ発信していこうと思っています。で、最強タッグについてはSNSでも何も発信していない。なんでかって言うと、俺はこのままでいいのかなって。なにひとつ結果を残せなくて。失うものは何もない状態で。でもそれ毎年なんですよね、俺。『もう何も失うものはない』とか『ここからが正念場だ』とか。ちょっとマジで今後どうしようかなっていろいろ考えてる最中なんで。ちょっとこれ以上の言葉は出ないですね。すいません。」
第4試合
ゴングが鳴ると、ともにアマレスをバックボーンに持つ2人はじっくりと手4つで組み合ってテイクダウンを狙い合うが、芦野がロープに押し込んで何度も優しく頬をはたく挑発。続いてグラウンドでの腕の取り合いになるが、バックマウントを取った芦野が何度も優しく後頭部をはたく挑発。
これに怒った男児は得意のショルダータックルで何度も芦野をなぎ倒し、コーナーエルボー連打から串刺しショルダータックル。さらにダイビングショルダーを狙うが、芦野が足払いで男児を墜落させると男児の足をロープにくくりつけて踏みつけ、さらにレッグロックやマフラーホールドでヒザを集中攻撃。必死にブレイクする男児に対し、芦野は観衆に向けて男児コールを煽る余裕を見せる。
芦野が男児をコーナーシュートするも、男児の足のダメージは甚大であり走れず途中で倒れ込んでしまう。そこに芦野が迫るが、男児はなんとかセカンドロープからダイビングショルダーを見舞い、ぶっこ抜きの俵返し。さらにバックフリップから芦野の背中に無骨なハンマーパンチ連打を見舞い、ロープに飛んでラリアットを狙うが芦野がカウンターのフロントスープレックス。
芦野も俵返しでやり返すと男児は胸板へのエルボー、芦野はエルボースマッシュで打ち合っていき、芦野がフロントスープレックスから俵返し。さらにジャーマン・スープレックスを狙うが、男児が振り払ってラリアット。さらにコーナートップからのダイビングショルダーを決め、シュミット式バックブリーカーからダンロック。しかしグラウンドへ持ち込んだところで芦野に足を取られてしまい、芦野のアンクルロックが完成。男児が抵抗を見せると一旦技を解いてからジャーマン・スープレックスで叩きつけ、改めてアンクルロックに入ると男児は無念のタップ。
試合後、芦野は男児の右手を掲げて健闘を讃えたかに見えたが、その後すぐに荒々しく男児を場外に放り出した。
<試合後コメント>
芦野祥太郎
「いやぁ、ダン!いいね。やっぱね、あいつは今のままで十分だと思う。ここから自分のプロレスというのを突き詰めていけばメチャクチャ良くなると思うよ。派手な技はいらない!丸め込みはいらない!あいつは顔がブサイクなんだから、お前はブスなプロレスをすればいいんだよ。お前は絶対違うんだよ。俺とは違うんだ。顔が違う。わかったか。でもメチャクチャ良かったですね。やっぱり教えてる人がいいんじゃないですかね。ありがとうございました!」
第5試合
諏訪魔の6人タッグ王座創設の要求を受け、カーベル伊藤がベルトを寄贈することで創設された全日本プロレスTV認定6人タッグ王座の初代王者決定戦。
大森と大門寺の対面でゴングが鳴ると、ロックアップでの押し込み合いから腕の取り合いとなり、大門寺がヘッドロックからのショルダータックル。再びヘッドロックも大森が自軍コーナーに押し込んでカーベル伊藤にタッチ。
カーベル伊藤と大門寺は逆水平チョップを打ち合っていき、カーベル伊藤がミドルキック連打から大門寺のエルボーをキャッチして飛びつき腕十字。さらに三角絞めに移行するが、大門寺が持ち上げてバスターし、レブロンにタッチ。
レブロンはランニングエルボーからフィッシャーマンズスープレックスホールドも、キックアウトしたカーベル伊藤が掌底連打からのソバット。レブロンも倒れず耐えてドロップキックを見舞うが、カーベル伊藤も倒れず耐えてジャンピングニー。さらにエアプレーンスピンでぶん回してからめんそーれにタッチ。
めんそーれは逆水平チョップ連打からサミングも、レブロンもサミングで返して崔にタッチ。
崔は強烈なサッカーボールキックを連打してからスリーパーホールド。これをカーベル伊藤がカットするとカーベル伊藤にもサッカーボールキックをお見舞いし、めんそーれを軽々とリフトアップしてから前方へ高々と放り捨てる。
代わる大門寺はめんそーれとの逆水平チョップの打ち合いを制し、めんそーれが逆転を狙って放ったダイビングクロスボディもキャッチしてブロックバスター。
代わる崔はサッカーボールキック3連打からPK。さらにボディスラムからサッカーボールキック2連打。崔はPKを狙ってロープに飛ぶが、めんそーれがカウンターのドロップキックをヒットさせ、大森にタッチ。
大森は崔の顔面にビッグブートを叩き込んでからフライングニールキック。さらにアックスボンバーを放つも、崔がキャッチして脇固めを狙う。大森がこれを振り払うと両者正面からチョップの打ち合いとなり、打ち勝った大森がアックスボンバーを狙うがこれをかわした崔がブレーンバスター。レブロンにタッチ。
レブロンは崔、大門寺とともに大森へトレイン攻撃を見舞い、大森の上に大門寺がレブロンをボディスラム。崔と大門寺がレフリーの気を引いている間にレブロンがどこからともなく取り出したステッキで大森を殴打し、大門寺が加勢に加わるがレブロンのエルボーが大門寺に誤爆。
ここにカーベル伊藤が飛び込んできて大門寺に雪崩式フランケンシュタイナーを見舞い、大森、めんそーれとともにレブロンへトレイン攻撃。大森がフルネルソンバスターで叩きつけ、さらにそこへカーベル伊藤&めんそーれが腕を組んでの合体エルボードロップ。カットに来た崔と大門寺をめんそーれが場外に放り出し、そこへカーベル伊藤がコーナートップから場外へのカーベル・スプラッシュ。アシストを受けた大森がレブロンにアックスボンバーを炸裂させ、カウント3。
大森は約3年ぶり、カーベル伊藤は昨年の四国統一タッグ王座戴冠以来、ブラックめんそーれは今の姿となってからは初の王座戴冠を果たした。
<試合後コメント>
大森隆男&ブラックめんそーれ&カーベル伊藤
伊藤「来たぞ!来た!新潟の連携も決まった。ちょっと崔の蹴りが。」
大森「三本の矢はどんなに強い抵抗があっても、そう簡単には折れない。そんな言葉があったよな、めんそ~れよ。」
めんそ~れ「たぶんありましたよ!このベルトはまだまだ生まれたばっかり。だから価値を上げるもシャーげるのも俺ら次第ですよ。」
伊藤「もともとはこのベルト、諏訪魔さんが言い出しっぺだからな。諏訪魔さんが数年前に『全日本にも6メンのベルトがあってもいいんじゃない?』って。それからいろんなことがあって実現できず。そう、諏訪魔さんが言い出したベルト、この3人が初代王者だぜ。」
大森「初代6人タッグ王座。俺たちが王者に輝いた。非常に喜ばしいこと。だけど俺はひとつだけ、このベルトに不満があるんだ。言ってもいい?PWFの認可がまだ降りてないんだ!俺たちの力でベルトの価値を上げて、絶対PWFの認可を受けましょうよ、カーベル。」
伊藤「そうですね。行きましょう。全日本には今いろんなユニットがあるよね。本隊NEXTREAM、アンファン。言い出したらきりがない。その中でいちばん強い3人が巻くベルト。それがこれだ。
全ユニット、やろうぜ防衛戦。」
めんそ~れ「みんなが狙いたくなるようなベルトにしっかりと価値を上げていくぜ。シャー!」
伊藤「この光を、この輝きをもっと輝かせるのは大森、めんそ~れ、カーベル伊藤です。みなさん応援してください。ありがとうございました!」
第6試合
北斗の奇襲から試合が始まり、怒涛のエルボー連打に耕平はよろめくものの、体勢を立て直して放ったエルボー一発で北斗は吹き飛んでしまう。
耕平は余裕の笑みを浮かべて北斗にエルボーを好きなように打たせていき、自身は大ぶりの一発で北斗をなぎ倒す。北斗はめげずに立ち上がってエルボーを打ち込むが、耕平は膝裏へのローキックで北斗を倒してスリーパーホールド。さらにパイルドライバーを狙うが北斗がショルダースルーで切り返し、延髄斬りで怯ませてからの踵落とし。さらにマウントエルボー連打から引き起こしてローリングエルボーを狙うが、耕平がカウンターのヘッドバッド。さらに耕平がエルボーでなぎ倒してからパイルドライバーで突き刺し、貫禄のカウント3。
試合後、耕平は北斗に握手を求めるが、北斗はその手をはたいて拒否してから荒々しく去っていった。
<試合後コメント>
大森北斗&イザナギ
北斗「あ~気持ちいい!最高に気持ちいい!あんなバケモノがプロレス界にはいっぱいいるんだなと思うと、ヤバイね。ゾクゾクしちゃう。」
*ここでイザナギが襲撃
イザナギ「おい!復讐に来たぞ!ほっくんよ、ほっくん!ほっくん、どうしたの?お前のボンタン剥いでやろうと思ったけどよ、お前をパンイチにしてやろうと思ったけど、お前もうパンイチじゃねぇかよ!まぁいいよ。俺はお前のことを買ってるんだよ。冷静になってみればお前もいい度胸してるじゃねぇかよ。アジアタッグ、いつでも(挑戦を)受けてやるからよ。それでお前をパープル・ヘイズに勧誘してやる。北斗!(*ウェストポーチからマスクを取り出し)お前をイザナミにしてやる。俺のつがいだ。俺と共に来い!わかったか、北斗!佐藤耕平でも誰にでも勝たせてやるよ!お前は俺のモノだ!こいつを俺のモノにしてやる。こいつはイザナミだ!わかったか北斗!お前を俺のモノにしてやる!」
北斗「ついに、ついに襲われちまったよ。俺がイザナミになるってか。くだらねぇ。こんな気持ちいい試合をした後によぉ。水差すんじゃねぇよ、あの野郎。」
佐藤耕平
「え~、10何年ぶりかな。久しぶりの全日本。むかし横井くんとアジアタッグを取った時以来ですけどおもしろいですね。ここでも・・・悪口じゃないですよ。俺流の誉め言葉でいうバカがいましたね、ガシガシくるヤツが。ああいうのがいるというのは楽しいことがあるんじゃないかと思っちゃいますね。なんでちょっと10何年ぶりかの参戦でおもしろいヤツを見つけたんで、ちょっとずつまた上がっていきながら、師匠の橋本さんがまさにここで巻いていた三冠なんかに色気を出すのもおもしろいかなって。ちょっと思っちゃいましたね。でもベルトにはそう簡単には挑戦できないものなので、まずは結果を出すと。もしくはああいうイキのいい若いのを片っ端から潰していくか。まぁいくらでも方法はあると思うんで、来年はデビュー20周年だし、ベルトに色気出すのも面白いかなって思っちゃいました。今日の北斗と試合をして、今の全日本の選手たちにどう映ったか。それによって話も来るだろうし、話が来ないんだったらこっちからちょっかいかけるのもアリだし。フリーの立場なんで、いろいろおもしろいことができるんじゃないかって思いました。」
第7試合
ヨシタツが“すべてのスタイルに対応できる世界で唯一のレスラー”を自称したことに対し、“世界一のデスマッチファイター”である葛西純が宣戦布告して実現した両者の対決。デスマッチを求める葛西に対し、ヨシタツは正々堂々のレスリングを求めており、両軍の要求は平行線のまま試合を迎える。また、この試合は今月末での退団を発表している岡田佑介の所属ラストマッチでもある。
葛西らの奇襲で試合が始まると、ヨシタツと葛西が正面からエルボーで打ち合い、ショルダータックルでぶつかり合う。これを制したヨシタツがコーナーで顔面ウォッシュを見舞い、岡田にタッチ。
岡田は葛西をバックエルボーでなぎ倒してからロープに飛ぶが、エプロンから竹田がキックを見舞って妨害。そしてレガースに仕込んでいたハサミを取り出して岡田の頭頂部に突き刺そうとするが、李日韓レフリーが激怒して即座に没収。葛西は岡田に延髄斬りからゴツゴツとヘッドバッドを連打していき、吹本にタッチ。
吹本もブーツの中からバタフライナイフを取り出して岡田に突き刺そうとするが、これも李日韓レフリーが激怒して没収。
代わる竹田はボディブロー連打からギロチンドロップ。葛西にタッチ。
葛西はヘッドバッド連打からパイルドライバー。吹本にタッチ。
吹本は首投げから顔面をかきむしり、さらにブレーンバスターを狙うが岡田がブレーンバスターで切り返し、ドロップキックで追撃して力にタッチ。
力は怒涛の逆水平チョップ連打でコーナーに押し込みながら「岡田の痛みはこんなもんじゃないぞ!」と熱い友情を叫ぶ。さらに対角コーナーに振って突っ込んでいくが、吹本がカウンターのラリアット。竹田にタッチ。
竹田はショットガンドロップキックで力を吹き飛ばし、ロープにもたれかからせてからのロッキンポ。力も雄叫びを上げながらの逆水平チョップ連打で対抗し、ロープに飛んだ竹田にカウンターのラリアットを叩き込んでヨシタツにタッチ。
ヨシタツは竹田にビッグブート、ミドルキックを連打からブレーンバスター。さらにCBJを狙って飛びついていくが、これをキャッチした竹田が振り払ってからロッキンポ。葛西にタッチ。
葛西と竹田はダブルのチョークスラムでヨシタツを叩きつけ、吹本がレフリーの気を引いている間にノコギリを取り出してヨシタツに斬りかかる。ヨシタツはこれをキャッチしてニーリフトを叩き込み、葛西からノコギリを没取して放り捨て、岡田にタッチ。
岡田はミサイルキックからフィッシャーマンズスープレックス。さらにヨシタツ・キングダムのトレイン攻撃からダイビングヘッドバットを見舞い、さらにロープに飛ぶが葛西はカウンターのラリアット。
再び吹本がレフリーの気を引いている間に葛西は竹串の束を取り出し、岡田の頭頂部に花を咲かせる。その上でリバースタイガードライバー、パールハーバースプラッシュ、垂直落下式リバースタイガードライバーと猛攻をかけ、カウント3を奪った。
葛西「ストップ・ザ・ミュージック!全日本のファンの皆さん、初めまして!俺っちが世界一のデスマッチファイター、葛西純です。……おい、ヨシタツ。おめー、随分カッコいいおもちゃ持ってるじゃねえか。オイ、今日で終わったと思うなよ?今日が始まりだ。お前のすの素敵なおもちゃ、俺っちが頂戴するから、俺っちの挑戦受けろ」
ヨシタツ「葛西、お前何も知らないみたいだなあ?俺が巻いてからこのGAORAは、挑戦者が挑戦したいと言って挑戦できるベルトじゃないんだよ。いつも、俺が挑戦者を逆指名していたんだ。偉そうに『挑戦したいだあ?』……葛西!たった今、お前を次のGAORAの挑戦者に指名する。かかってこいや!」
葛西ら3人が退場していくと、ヨシタツは未だ倒れたままの岡田に向き直る。
ヨシタツ「岡田、立て。キツいだろうが、立て。岡田、俺を含め、全日本の誰にも相談なしに辞めたらしいな?ということは、お前は今、この全日本を離れて新しい機会を、新しいチャンスを求めてるってことだよな?だったら、ヨシタツ・キングダムが縛る必要はもうまったくない。ただ、俺はお前と歩みだし、これからお前ともっともっと色んな事やってみたいと思ってた。非常に残念だ。だから、籍だけは残しておく。お前が帰ってきたいと思ったら、帰ってこい。帰ってきたくないんだったら、帰ってこなくていい。そうですよね、お客さん?ヨシタツ・キングダムはいつでも岡田に対してウエルカムだ。このプロレス界という大海原で、岡田、せいぜい思いっきり暴れてこい!それで、成長した姿をいつか俺に見せてくれ。今までありがとう!」
ヨシタツは岡田と固く抱擁を交わしてマイクを託すと、岡田は涙声で語り始める。
岡田「ヨシタツさん、ありがとうございます。……すみません、気の利いたこと言えへんのですけど、4年半、こんなに、こんなにしょうもないレスラーを、最後までずっと応援し続けてくれて、全日本プロレスのファンの皆さん、社員の皆さん、選手の皆さん、本当にありがとうございました!ありがとうございました!」
そして、岡田は全日本プロレスのTシャツを改めて着ると、マイクを通さず肉声で「全日本プロレス、ありがとうございました!」と叫び、深々と頭を下げた。
<試合後コメント>
ヨシタツ・キングダム
――まずは葛西選手の印象からお願いします
ヨシタツ「今日やってみて、調子に乗ってるね。世界一のデスマッチファイター?それは俺も認めるよ。世界でもそう言われてるんじゃない?でもね、俺から言わせてもらったらデスマッチファイターなんてそもそも分母が少ないから。だろ?その少ない中での一番だから。悪いけど俺はWWEに入りたいゴマンといる人間の中から、俺は底辺からマンデーナイト・ロウ。トップまでのし上がった男だ。世界一のデスマッチファイター?ああいいよ。かかってこいよ。やってやるよ。GAORA懸けてやってやるよ。いつだ?葛西とやってやるよ。その代わり言っておくぞ。ヨシタツはハンパじゃないぞ!」
――ちなみになんで今日は革ジャンを着たまま試合をしたのですか?
ヨシタツ「これはね。俺がデスマッチをやったことがないと思っている人間が多いから。俺はこれを着て大仁田さんに有刺鉄線バット、電流爆破を食らわせてるんだよ。二回やってるんだよ。こう見えてデスマッチやってるんだよ。『デスマッチもやったこともないくせに、デスマッチを語るな』?俺はデスマッチはやったことがあるんだよ。その証明のために着てきたんだ。それと何を持ってくるかわからなかったから、防御の意味でも持ってきた。案の定、やってきただろう。絶対何かやってくると思ってたんだ。でもデスマッチファイターとして誇りがあるんなら、出禁覚悟で凶器持ってこいと言ったけど、持ってきた。プライドだけはあるみたいだな。」
岡田「え~4年半、全日本プロレスでデビューして4年半プロレスができて、自分ひとりの力ではなくて、本当にいろんな人の支えや力のおかげでやってこれました。本当に突然の退団報告をしたことに、ファンの方々、選手の方々、社員の方々。本当に申し訳ありませんでした。いろいろ考えて今回の退団の経緯になりました。ちょっとリング上で感極まっちゃいましたけど、本当にここで俺は全日本プロレスで教わった『明るく、楽しく、激しく。』これはプロレスだけじゃなく、生きていくための糧になる言葉だと思ってます。俺はこれから違うところでプロレスラーとして活動していくけど、決して全日本プロレスとは終わりってわけじゃないから。また何かあればこのリングに上がらせてもらうかもしれない。それはわからんけど。だけど俺は今日は笑って終わりたいと思っています。リング上では笑えなかったけれど、俺は明るく、楽しく、激しく。これからもプロレスに頑張っていくので図々しいですけどこれからもファンのみなさん、よろしくお願いします!ありがとうございました!」
葛西純
「手ごたえなさ過ぎるなぁ。ヨシタツ、デスマッチでもなんでもできるんじゃないのか?リングに上がってあいつの目を見てわかったよ。ビビってるよ、あいつ。骨がなさ過ぎるよ。なんだったら岡田のほうが骨があるよ。まぁいい!あいつが持ってるGAORAのベルト、メチャクチャかっこいいからあいつが持ってるんなら一発で取ってやる。何がデスマッチでもなんでもできるだ、あの野郎!それになんだあいつ。試合中に大仁田厚から受け継いだんだかなんだか知らねぇけど革ジャンなんか着やがって。大仁田のデスマッチと葛西純のデスマッチを一緒にすんな、ボケ!お前に本物のデスマッチを教えてやる。とりあえず授業料はGAORAのベルトだ、以上。」
第8試合
CIMAと諏訪魔でゴングが鳴ると、諏訪魔がそのパワーであっという間にCIMAを押し込んでいき、CIMAがショルダータックルでぶつかっていっても諏訪魔はビクともせず、逆にショルダータックル一発でCIMAをなぎ倒す。CIMAは低空ドロップキックでヒザを撃ち抜いてからの延髄斬りを叩き込むが、諏訪魔は倒れずビッグブート。CIMAは青柳にタッチ。
青柳は、世界最強タッグ&三冠のダブル前哨戦の相手でもある諏訪魔との対面を望むが、諏訪魔は付き合わず光留にタッチ。
光留はミドルキック連打から腕を取っていくが、青柳がショルダータックル。体固めに行こうとしたところで光留が下から組み付いて腕十字を狙うが、青柳が上から潰してフォール。光留がキックアウトすると両者タッチへ。
宮原と石川の対面となると、ロックアップでの押し込み合いから宮原が離れ際にエルボー。さらにフロントハイキック連打から場外戦に持ち込んでいくが、石川は突っ込んでくる宮原を担ぎ上げると場外鉄柵へのギロチンホイップで仕返しし、全員入り乱れての場外での殴り合いに発展。
戦いの場がリングに戻ると宮原と諏訪魔の対面に。宮原のエルボー連打を受け止めた諏訪魔がダブルチョップでなぎ倒し、DDTで追撃するもここに青柳が突っ込んできてカット。試合権利を無視して諏訪魔にエルボーを見舞っていき、諏訪魔はスロイダーで反撃。諏訪魔は光留にタッチすると、青柳を場外に叩き出して鉄柵にぶつけていく。
光留はミドルキックを連打していくが、宮原が光留の軸足を何度も踏みつけて脱出。光留は「反則だろこれは!」とアピールするも、和田京平レフリーは「靴履けよ」と一蹴。
代わる諏訪魔は宮原に串刺しラリアットからスロイダー。さらに「投げるぞオイッ!」と組み付いていくも、宮原がショルダースルーで脱出し、青柳にタッチ。
青柳は諏訪魔のラリアットをかわして走りながらフライングフォアアーム。さらにブーメランアタックからロープに飛ぶが、諏訪魔がカウンターのラリアットで叩き伏せる。
代わる石川はショルダータックルから串刺しラリアット、ダイビングフットスタンプと連撃してからランニングニーを放つが、これをキャッチした青柳がドラゴンスクリュー。CIMAにタッチ。
CIMAは「投げるぞー!」と諏訪魔のポーズを真似るが、上がらないと見るや組み付いて頭頂部へのエルボースタンプを連打してからDDT。さらにコーナーに振って突っ込んでいくが、石川がカウンターのドロップキックでCIMAを吹き飛ばし、光留にタッチ。
光留はミドルキックを連打してCIMAに膝をつかせるが、「おい諏訪魔!お前が後輩だってことは今年2020年、川崎球場で証明した!こっから俺が本気を見せてやるぜ!行くぞ後楽園!」と口上を述べている間に復活したCIMAがスーパードロル。宮原にタッチ。
宮原はドロップキックコンビネーションから観衆に向けてポーズを決めるが、その隙に今度は光留が背後からミドルキック。ここに諏訪魔&石川が飛び込んできて境川を放ち、光留が延髄斬りから水車落としから捕獲式腕十字も青柳がカット。光留は再び腕十字も、青柳がダイビングエルボードロップで豪快なカット。ここに諏訪魔が救出に駆けつけてダブルチョップを連打していくが、青柳は正面から受け止めて耐えてからジャーマン・スープレックスで排除。さらに突っ込んできた石川にはトラースキックを見舞い、宮原のブラックアウト+青柳のトラースキックを同時に叩き込む連携攻撃で排除。
宮原は光留にシャットダウン・スープレックスを狙うが、振り払った光留がハイキックから延髄斬り。しかし宮原はこれをガードしてブラックアウトを叩き込むと、コーナートップからCIMAがメテオラを投下。強力なアシストを得た宮原がシャットダウン・スープレックス・ホールドで光留から3カウントを奪った。
CIMA「えー、全日本プロレスファンの皆さん!#STRONGHEARTS、CIMAです!全日本プロレスに上がらせてもらったのも、20年近く前です、おそらく。もう、宮原選手がこんなときから(膝辺りに手をかざす)。青柳選手が、こんなときから(大きなお腹を撫でるジェスチャー)。でもほんとに久しぶりに全日本プロレスに上がって、3つ気付いたことがあります。まず1つ!……デカい!みんなデカい!なんのけない蹴りの一つでもアメリカかドイツで試合してんじゃないかってくらい手応えあってビックリしました。これも全日本プロレスのスゴいところです。僕のイメージしてた全日本プロレスは、そういう大きい、デカい、超人たちが身体と身体でぶつかり合うようなプロレスが全日本プロレスの魅力だと思ってたんですけど、違う魅力もありました。全日本プロレス、思った以上に自己主張が激しい!(笑)それが一番ビックリかも分からない(宮原が自分を指差す)。君もや(宮原を指差す青柳へ)。こっち(宮原)は一生懸命お客さんにアピールしてんのに、こっち(青柳)はこっちで諏訪魔選手と喧嘩腰で……完全に俺置いてけぼりやがな。でもね、逆にしっかりそういう自己主張激しい団体の方がやりやすいですよ、僕は。それから3つ目、今日の僕のコスチューム見てもらったら分かるように、僕の人生のカラーはブルーです。全日本プロレスのリング見てください。真っ青です。素晴らしいですね。だから今日は必ず青のコスチュームを着て全日本さんさんのリングに上がろうと決めてきましたけど、思った以上に青をまとっている人が多い!佐藤選手も青でした。他にも複数名青を目撃しました。でも最後にどうしても言いたいことがある!CIMA、もう1回全日本プロレスのリングに帰ってきていいですか?!(観衆が拍手)今日はヘビー級の中に紛れてやりましたけど、まだまだ若い選手、ジュニアの選手、たくさんいるからな、CIMAが責任持ってこのリングに刺激ブチ込もうじゃないですか!青が被るんやったら……僕はCIMAである上に、#STRONGHEARTSの一員です。次は黒のコスチュームを纏って、私1人か、2人か、3人連れて全日本プロレスに来てもいいぞ。そん時までぜひ楽しみにしていてください。ありがとうございました!(※CIMAのテーマ曲が鳴り始めると慌てて止めさせる)いや、あの、この団体の人と違うから……(笑)ヘイ、千両役者!十分温めておきましたから!」
宮原「……OK!CIMA、ありがとう今日は!ただちょっと、振りがやりづれぇ!大丈夫だから!また組むなり闘うなり、楽しみにしてますよ」
宮原とCIMAが握手を交わし、CIMAが退場していく。
青柳「来年の1月2日、3日と、世界タッグと三冠に挑戦します。期待しててください。以上です」
宮原「ありがとォー!2020年!今日で2020年、全日本プロレス、ラストマッチです。今日はご声援、ご来場、本当にありがとうございました!2020年は、プロレスというジャンルのみならず、この日本・世界が大変な状況にありました。僕もプロレスラーになって初めて無観客試合というのを体験しました。正直、あまりいい言い方ではないかもしれませんが、もう無観客試合はやりたくない!俺は、皆さんの前でするプロレスが、僕の思うプロレスです。皆様も生活や色んなことで今は苦しいことも、大変なことも多いと思います。ただ、僕らはこのリングでプロレスを通して皆様の明日への活力になればいいと思って、命張って闘ってます!全日本プロレスも、この2020年は様々な変化が起きました。ただ!俺は!全日本プロレスのエースだ!何も変わらない!全日本プロレスにはこの俺、宮原健斗がいる。この変わらない事実を、皆さん見に来てくれ。俺は常日頃、この全日本プロレスは歴史が長い団体だ。ただ、その歴史の中で、一番今が最も最高だ!それはなぜなら!俺がいるからだ!プロレス界で最も最高な男がいるんだ。まだまだ俺が全日本プロレスのど真ん中に経って、2021年も盛り上げていくからな。また2021年、皆様と笑顔で会えるのを楽しみにしております。2020年、本当にありがとうございました!さあ、2020年を最高マイクで締めくくろうじゃありませんか!皆様準備はよろしいでしょうか?!最後に会場の皆さんに聞きたい!全日本プロレス、最高ですか~ッ?!もう一度!全日本プロレス、最高ですか~ッ?!OK、ラスト!全日本プロレス、最高ですか~ッ?!全日本プロレス……最高ッ!」
<試合後コメント>
諏訪魔&石川修司
諏訪魔「ウ~ン!なんなんだあのクソガキ!あ~!調子に乗りやがって。スカシてるだけだな。出し切れなかったなぁ。」
石川「今年最後の試合でね。」
諏訪魔「CIMAもやっぱ名前が売れてるやつに試合を乱された。引かれたわ。最初から青柳に集中していればよかったなぁ。」
石川「さすがにいろんな団体に上がってるし、しょうがないですよね。気を取られるのは。」
諏訪魔「たださ、俺らだって正月に勝負懸かってるんだし。負けたら解散だよ?そんくらい俺らだって切羽詰まってるんだから。土俵際だよ。」
石川「2、3日は正月明けとは思えないくらい凄惨な試合をして。あいつらのペースになったらダメになっちゃうから。もう一回やり直さなくちゃいけない。」
諏訪魔「年末あいつらにこんな風に締められて、今年最後の大会で。気分悪いよ。今年はもう切り替えて、2日,3日とバッチリ決めていきましょう。」
宮原健斗&青柳優馬&CIMA
宮原「2020年はフィナーレを迎えた。こうやって会場にお越しくださったみなさま。そしてテレビから応援してくれたみなさま。本当に2020年、ありがとうございました。本当にこういう大変な時代に、制限の中で手拍子や足踏みで僕らプロレスラーにエネルギーを届けてくれた。そのエネルギーをリング上からみなさまに、明日への活力だったりワクワクした普段の日常では味わえない心を届けた1年になったらいいなと思いましたね。本当に2020年は思いもよらぬことが起きるなと思いましたし、2021年、全日本プロレスはさらに最高を追い求めなくてはいけない。そこにはやはり俺が中心で、ベルトを巻いてやんなきゃいけないと思ってるんで。1月2日から世界タッグのベルトを取って、そこからは俺がベルトを総取りしますよ。俺がベルトを巻かなきゃ面白くないって思うんで、やはりエースがベルトを巻いたほうがわかりやすくておもしろいし。全国に全日本プロレスを届けられるのはやはり俺だと、2020年思いました。2021年、楽しみですね。」
青柳「こうやって『中心に立つ。中心に立つ』って言ってますけど、来年のアタマは僕が主役みたいなものですから。1月2日に世界タッグ挑戦。そして3日は三冠戦です。これ両方取れば青柳優馬、史上最年少の五冠王者。これは話題になりますよ。これで僕が中心でしょう。間違いないですね。来年も今年以上に貪欲にやっていきますよ。」
CIMA「いやぁプロレス生活24年で、初めてですね、CIMAよりしゃべる選手がいたんだと。」
宮原「誰にでも言ってるでしょ?なかなか長かったですよ、マイク。」
CIMA「まだまだですよ。これは僕の宿題です。全日本のリングに帰ってくるたんびにCIMA節をもうちょっと磨いていきます。」
宮原「いやぁでも勉強になったなぁ。マイク。無駄がないですね。隣にいて『無駄ねぇな』って。どこで考えてるんですか?」
CIMA「どこも考えてない。リングに上がったらああいう風景が見えたんで。キャンパス青い。ロープも青い。選手も青い。」
宮原「絶対試合しているときから考えていたんじゃないかな。」
CIMA「いやいや。あと僕のイメージではノープランで来たんで、本当に肉体と肉体のぶつかり合いが全日本プロレスなんで、そこにCIMAがどうやって入り込もうかっていうことだけを考えてたんですけど、こんなに自己主張が激しいとは思わなかったですよ。喧嘩してるところでアピールしてどうするんだって。しかもパートナーでしょ?いろんなプロレスがあって、時代は動いてるんだって思いましたね。本当にまたこのリングに帰ってきたいです。」
宮原「2020年、本当に感謝感謝ですよ。こういう状況下でプロレスというジャンルを選んで足を運んでくれる。これだけでも僕は感動した1年だったし、プロレスというジャンルはスゲーなって。こんな生活していて、こんな中でエンターテインメントとしてプロレスを選んで、なにか僕としてはやっぱりプロレスというジャンルは最高だなと改めて思いましたし、やはりこの全日本プロレスは宮原健斗が盛り上げないと、と改めて思いました。とにかく2020年はありがとうございました。2021年もまた笑顔で会えるのを楽しみにしています!」