【インタビュー】来週開幕!全日本プロレス・世界最強タッグに出陣のアブドーラ・小林が「ショッパくて恥ずかしい」宮原健斗に「大日本プロレス、最高ですか!?」代行宣言!

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今月18日に東京都・新宿FACEで開幕する全日本プロレス・2020世界最強タッグ。大日本プロレスからは、ある意味もはや全日本プロレスの常連である関本大介が参戦。そんな関本の今年のパートナーは、おそらく誰にとっても想定外なアブドーラ・小林だった。大日本プロレスは北海道巡業真っ只中。日付が11月9日から10日へ変わったばかりの深夜0時過ぎ、アブドーラ・小林に電話インタビューを敢行した。

――大日本の巡業はいまどちらでしょうか?
「夕方にバスで網走に着きまして。それから食事会でさっき宿へ戻ってきました。いやあー、寒い!うっすら雪が積もってますよ」

――大日本の巡業はバスでの長距離移動が常だと思いますが、現在のコンディションは?
「ぶっちゃけ膝が痛いですね。後十字靭帯が溶けてなくなってますから。いま体重が165Kgあるんですよ。大日本では浜選手の次…いや、もしかしたら大日本でというか、日本で2番目にオレが重いのかな?完全に変形性膝関節症です。昔からのダメージの蓄積もあって。あ、これそのまま書いちゃっても全然かまわないんで!」

――膝の調子を気遣って減量するなどの考えはないのでしょうか?
「いや、現代にはびこるアスリートプロレスの逆目を突きたいんで。こういうバランスの悪い身体で。そういう考えは2年目くらいからありました。プロレスってある日を境に、皆がいきなり身体を絞り始める風潮に走り始めたじゃないですか?だからオレは逆に太ろうと」

――そういう思想は何かの影響を受けたのでしょうか?
「キャリア2年目か3年目で、ミスター歩誤助というキャラになった頃からなんとなくそうしてましたね。人に見られるうんぬんを意識するようになったのはアブドーラ・ザ・ブッチャーと身近に接するようになってから。ブッチャーはオレに大きな影響を与えてくれました」

――どのような影響でしょうか?
「レスラーならば強いのは大前提なので当たり前。そこから先のこととして、レスラーは人に見られてナンボなんだと。そういう教えです。それでは何を意識したかというと…あ、ブッチャーとは違う人の名前出しちゃうんですけどいいですか?例えばターザン後藤さんって、街でメシ食ってて『あ、後藤だ!』とファンに見つかると、いきなりメシをもっともっと食いだすんですよ。多めにメニューを注文したりとか。一度後藤さんとたまたまメシ食ってたときにも、そういうことがありまして。だからいまでも『小林だ!』といわれたときは、オレも多めに食っちゃいますね。そういうときはいまでも肉1キロだって食っちゃいますから」

――そんな小林選手の全日本プロレスに対する印象は?
「ちょっと前まで大型外人が多かったし、昔からそういうイメージですね。いまはジュニアも盛んみたいですけど、新日本に比べて全体的に昔ながらのプロレスだと思ってます。大型外人がいたうえでの日本人がいるプロレス、それが全日本だなと、子供の頃からそんなイメージですね。いまではそのイメージの象徴が諏訪魔と石川。で、そん中でアスリートプロレスで頑張ってる宮原も凄いなと思います。だけどやっぱり大型な人たちあってこその全日本プロレスという印象ですね」

――全日本に入りたいと思ったことはないのでしょうか?
「実は高校2年生のときに、渕さんに面接してもらったことがあるんですよ」

――それは初耳です
「オレの田舎の長野の体育館で全日本の大会があって。その頃から、進学しないでレスラーになると言いまくってたんですけど。そしたら渕さんの知り合いの知り合いの知り合いな学校の先生が会わせてくれて。『こういうヘンなヤツがいるから渕さんに諦めさせてもらおう』ってことだったのかな?いま考えると。そしたら面接で渕さんは『175cmではとらない、180cmないとムリだ』と落とされました。『キミは小さいからダメだね』と。まだ馬場さんが御存命だった頃です。ま、いま考えるとスポーツ歴も何もなく、ただの田舎の調子に乗った高校二年生ですから。取る取らない以前の問題ですよね。あの頃はいまよりもデカい選手がたくさんいたから。華やかでしたよね。オレの中で、新日本よりもフィットしてる団体でした」

――そんな全日本の伝統シリーズである最強タッグのオファーを受けたときはどのような気持ちだったのでしょうか?
「最強タッグのオファーは、最初メールの打ち間違いかと思いました。『関本・岡林』を『関本・小林』と打ち間違えて送ったのではないかと。うちの選手でいえば、(橋本)大地と神谷や、河上と菊田とかが実績的にあるじゃないですか?全日本で。オレも関本と『マッスル&ファットです』というチームを組んでいましたけど、それももう10年以上前のことなんで。まさかいまさらこんな本式なオファーが来るとは夢にも思いませんでしたね」

――全日本ではどのようなインパクトを残したいとと思いますか?
「関本はアスリート枠だと思いますけど、オレ自身はバケモノ枠だと思ってますんで。全日本ファンには、大日本特有のデスマッチ的なもので魅せたいですね。そもそも最強タッグの歴史を見るとブッチャー&シークとか、流血の歴史というものがあるじゃないですか。狙うのはそこです。一応はPWFルールに則り反則が許される5カウントを生かし、こっちの世界へともっていく。そんな5カウントを何度も有効に使えば自分の世界を作ることができる。試合前のボディチェックで、凶器を持っててもバレなければこっちのもんですから。いまは『どこまでやったらいいかな?』と考えてますね。あ、もちろんフォークも使いますよ」

――現代のプロレス界の風潮とは真逆をいっているように感じますが、そのあたりはどのように考えているのでしょうか?
「アスリートプロレスは許せない。正直、許せない。プロレスの若手はたらふく食うもの。いまでもそうでしょ?新人が入って来たらとりあえず食え食え。そうやって最初の1・2年はさんざん食わせといて、どうしていきなりハシゴをを外し『身体を絞れ』なんて言うのか。アスリートプロレスは、正直世の中に求められてない、必要のない、自己満足なものだと思います。プロレスは戦いが前提で、重いものが有利。で、相手を流血させればさらに有利になる世界。普通に考えたらそうでしょ?なのでそういう『普通に考えたら』の世界をオレはやりたいですね」

――開幕戦では宮原&青柳組と対戦しますが
「衝撃宣言してもいいですか?開幕戦で宮原健斗に勝って『大日本プロレス、最高ですか!?』をやりたいんです。いまは歓声禁止。そんないま、宮原は観客に手拍子で応えさせていると聞きました。だけど、それはショッぱい。あまりにもショッパいです。オレの場合は勝ってからの『愛してます』を、お客さんと会話できないぶん全力での手話で対話してるんですよ、いま。オレがレクチャーしたうえで。宮原はオレと同じく明るいキャラのくせに、そうやって観客の拍手に頼ってる時点でどうしようもなくショッパいです。同じキャラ・レスラーとして恥ずかしいです、傍から見てて。ま、全日本は硬派な団体だと思っていたんで。そんな中で宮原がああいうキャラでトップを獲っているのは凄いと認めはしますけどね」

自らを『バケモノ枠』と定義するアブドーラ・小林は、2020世界最強タッグに『かつて自分が見ていた時代の全日本プロレス』を蘇らせようとしているのではないだろうか。そうしたうえで観客を納得させ、宮原健斗を倒し手話による『大日本プロレス、最高ですか!?』で観客を満足させることができるのか?注目はvs宮原組がおこなわれる11/18開幕戦の新宿FACEと、『かつての全日本のイメージの象徴』である諏訪魔&石川と戦う12/7後楽園。今年の全日本プロレス・世界最強タッグは注目の戦いが目白押しだ。

文・日々樹アキラ

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