ジュリアが中野たむを制してシングル王座初戴冠&二冠王達成!「素っ裸の中野たむにも興味がある」
26日、東京都・後楽園ホールにて女子プロレス団体スターダムが『STARDOM CINDERELLA SUMMER IN TOKYO』を開催し、ジュリアがワンダー・オブ・スターダム王座の初戴冠を果たした。
スターダムは新型コロナウイルスの影響で2月後半から興行を全て中止に。その間に、ワンダー・オブ・スターダム王者である星輝ありさの引退や、木村花さんの死去などいろいろな出来事があったが、先月21日から大会を再開。
“白いベルト”ことワンダー・オブ・スターダム王座は、現在はWWE、NXTで活躍する紫雷イオや宝城カイリ(現:カイリ・セイン)も戴冠してきた王座であり、昨年には引退の身から突然の復帰を果たしたスターダム一期生の星輝ありさが電撃戴冠を果たし、防衛V10を達成するなど不動の地位を築いてきた。
しかし、星輝は今年5月に突如引退を発表して同王座を返上。星輝の王座を狙う選手は多くいただけにスターダム内に衝撃が走った。
今年3月に行われたスターダムのシングル最強決定戦“シンデレラ・トーナメント”を制して星輝への挑戦権を獲得していたジュリア、同じく星輝に挑戦が決定していた刀羅ナツコ、星輝の盟友であった中野たむ、さらにかつて星輝とワンダー戦で激闘を展開した小波と白いベルトに縁ある4人で新王者決定トーナメントが行われることとなり、17日の後楽園ホール大会でジュリアとたむが決勝に進出。
「星輝の想いを背負って闘う」と語るたむに対し、ジュリアは「去った者をいつまでも引きずるのやめろ。アンタの相手はあたしなんだよ」と真っ向から反論。去った仲間を想い続けながら闘うたむと、過去と決別して前だけを見ようとするジュリアという2人が胸に秘めたそれぞれの信念をぶつけ合う対戦となり、この日の王座戦の行方には注目が集まっていた。
試合は序盤からジュリアがビッグブートやネックブリーカーを軸とした首攻め、たむがジュリアの武器である右足に狙いを定めたローキックや足関節技と一貫性のある攻撃を蓄積させていく展開に。
ダメージを押して意地の蹴り技で攻め立てていたジュリアだったが、終盤にはたむの打ってきた布石が奏功しロープへ走ろうとした際に膝から崩れ落ちてしまう。たむはこのチャンスを逃さず得意のバイオレット・シューティングや星輝から受け継いだ1399、さらに美しいブリッジを描くタイガー・スープレックスやジャーマン・スープレックスと猛攻をかけて行くが、ジュリアもバックドロップやグロリアス・ドライバーで対抗。
最後はたむのスピンキックを耐えて腕をロックしながら首を固める複合関節技で捕らえるとたむが意識を失い、レフリーが慌てて試合を止めた。
悲願のシングル王座初戴冠を果たし、アーティスト・オブ・スターダム王座(6人タッグ王座)も合わせて二冠王を達成したジュリアだったが、受け取ったベルトもトロフィーも一旦置き、立ち上がれずにリングに伏せる体勢となっていたたむと同じ姿勢を取りながら「お前の背負ってるもの、裏にいる、お前が背負っているもの、すげぇ分かった気がするよ。でも、素っ裸の中野たむにも、ちょっと興味あるな」と目線を合わせて語りかけ、「いつでも待ってっから。いつでも、やろうぜ」といつかの再戦を誓った。
バックステージに戻ったジュリアは、「中野たむの背負う気持ち、仲間への想い、ファンへの想い。裏にあるアイツの色んな感情が、色んな痛みとなって降り注いできた。色んな感情、色んな理由でみんなプロレスラーはリングの上で闘っているっていうのが分かった。『中野たむが全部間違ってる』と思ってたけど、正解とか間違いとか、そういうのじゃないな。リングに立ったら1vs1。仲間はいても、仲間は助けちゃくれねぇ。そういう覚悟があるかないか。その差だった。ちょっとだけジュリアの方が強かった、気持ちが。でも次、もう一度中野たむとやってみてぇなって。素っ裸の。丸裸の中野たむと、もう一度、今度は本当の1vs1で」と胸に秘めた思いを独白した。