ブシロードの木谷高明会長が江戸総鎮守・神田明神の明神塾に登壇!「どんな状況になってもコンテンツを作り続ける」とコロナ禍のエンタメを語る!
23日、江戸総鎮守・神田明神にて開催された『明神塾』に、ブシロードの木谷高明会長が登壇した。
『明神塾』とは、神田明神の文化事業の一つとして行われている歴史ある文化講座。毎年テーマが異なり、2020年は『江戸・東京の伝統文化と交流 II』と題した『神田明神と現代文化の交流』に焦点が置かれた。
今年の登壇者としては、小説家の京極夏彦氏や国学院大学の松本久史教授、勝海舟の玄孫である高山みな子氏や日本武道館職員など様々な職種の方が発表されているが、そのスタートを株式会社ブシロードの木谷高明会長が切ることとなった。
『エンタメ戦国時代を射抜く三本の矢』をテーマに木谷会長は、まずはトレーディングカードゲーム会社として立ち上がった同社に関して、9年前に新日本プロレスをグループ会社とした後はスマートフォン事業にも注力し、現在は音楽コンテンツを得意とした自社コンテンツを様々な形で成長させる会社になったと説明。
カードゲーム、ガールズバンド、ミュージカル、プロレスなど様々な自社コンテンツをアニメや芸能などとあわせて立ち上げているが、そもそもこのように“コンテンツを立ち上げる”ということを行っている国は日本・アメリカ・中国・韓国が主であり、その中でも日本の種類数は圧倒的だという。
その背景として木谷会長が上げた理由は『歴史の長さ』・『言語と経済力』・『文化芸能に触れる土壌がある』ことだ。
木谷会長は2014年から18年までシンガポールに住みながら世界戦略を行っていたが、そのシンガポールも国家としての歴史は50年。東南アジアの国々は新しい国が多い。日本のように戦国時代の英雄や歴史を動かした偉人が数多くいる国は少なく、その偉人の数だけ人を引きつける物語が存在することから、日本は歴史をモチーフとしたコンテンツを作る土壌があるという。
さらにその土壌に子供の頃から自由に触れることができ、絵や小説なども自ら書くことができる。
さらに日本は世界三位の経済国であり、人口は少ないながら日本語の世界的影響力は高いことに触れながらも、そこから生まれたコンテンツを“世界に売る”事に関しては下手であると断言。
歴史があるがゆえに歴史に縛られ、映像コンテンツもテレビを主体とする受け身の文化だったが、このコロナ禍でついに配信ビジネスをはじめた日本はスタートラインに立ち、見る側に言語の縛りが薄い野球や相撲などが世界を相手にビジネスができるように変化を始めたという。その中でブシロードは、すでに2014年から開始していた世界向け配信プラットフォーム『新日本プロレスワールド』を強化し、45%の海外会員を誇る10万人以上の有料視聴者数へと成長させた。さらに音楽事業を強化し、DJをテーマにした『D4DJ』という新規コンテンツで日本のコア層を狙い撃ちにしながらも、万国共通となるDJ文化で音楽配信による世界戦略を開始する。
最後に木谷会長は、先日開催された新日本プロレス大阪城ホール大会において、声を出せないコロナ禍においても観客が拍手を使った新たな楽しみ方をリアルタイムに開発していく姿を見た事に触れ、このコロナ禍においても「どんな状況になってもコンテンツを作り続けるしかない。夢や希望を与え続けるのがエンタメの役割」と力強く宣言し講義を終えた。
現在神田明神では『初代タイガーマスクの武道精神と日本文化展』を開催しており、プロレス文化とも造詣が深く秋葉原エリアに建立されている神田明神とブシロードは今後も何かしらのコラボを続けていく予定だ。