ママさんレスラーがファン投票で王者から2連勝し王座決定トーナメント決勝進出!「喜怒哀楽の全てをお見せしてお客様に笑顔になってほしい」

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 16日、埼玉県・アイスリボン道場にて『アイスリボン1038』の無観客試合が行われ、星ハム子がIW19王者決定トーナメントの決勝戦に進出した。

 IW19王座とは、2010年にアイスリボンの姉妹団体として誕生した『19時女子プロレス』のベルト。当時はUSTREAM配信での無観客興行を中心に、クラウドファンディングもまだ主流でなかった時代に個人協賛を集めて王座戦を行うなど画期的な試みを数多く行っていた。
 東日本大震災後に初王座戦が行われると、被災地出身選手を中心にしたトーナメントだったこともあり、アイスリボンが行っていた復興支援の『被災地キャラバン』でも地元出身の王者がベルトを掲げ被災地に勇気を与えていた。

 しかし当時は「無観客はプロレスではない」・「配信で王座戦を行うなんてお客さんに失礼」という批判も多く、女子プロレス団体JWP(現:PURE-J)も反発。徐々にお客さんを入れての公開放送形式に移行したが、2013年6月に団体は活動休止に。IW19王座も第10代王者として君臨していた藤本つかさが封印した。
 あれから約7年が経過し、現在は新型コロナウイルスの影響で各団体が興行を中止しYoutubeなどでの無観客配信が中心に。アイスリボンもニコニコ生放送やYoutubeで配信を行っており、時代が追いついたこともあって王座復活のトーナメント戦が先月25日から開催。
 19時女子経験者であるAブロック6人、未経験者のBブロック6人による12人でのトーナメント戦となり、準決勝は勝ち残り3WAY戦に。ルールは19分1本勝負で引き分けの場合はニコニコ生放送での視聴者投票にて勝者が決定。オーバー・ザ・トップロープありの場外カウント19秒という特殊ルール。

 ハム子は、今月2日に行われたAブロックの1回戦で2008年にデビューした同期であり、今までに50戦以上シングルマッチで戦ってきた間柄である藤本つかさと対戦。19分時間切れ引き分けの死闘を展開し、視聴者投票で圧倒的な差をつけて藤本に勝利した。(藤本:24.6%、ハム子:75.4%)

 ファンの後押しを得て勝ち上がりを決めたハム子は、この日の準決勝で世羅りさ、つくしとの3WAYマッチで対戦。
 試合中盤に世羅がつくしにOTRさせられて失格となると、終盤はハム子とつくしの一騎打ちに。スピードを生かして必殺級の大技を畳み掛けるつくしに対し、ハム子は耐え抜きながら重い一撃を入れる攻防が続き、両者の形成は全く互角のまま19分時間切れとなった。
 
 ニコニコ生放送の視聴者投票の結果は、つくしが46.2%、ハム子が53.8%となり、またしてもハム子が視聴者投票で勝利。トーナメント決勝戦進出を決めた。

 ハム子は自らも予想外だったというこの結果を受け、驚愕しながら感涙。
 そして「私はこうやってマイクを持たせてもらってもうまいことを喋れる訳ではない、運動神経もいいわけでもない。人気があるわけでもない。でもプロレスが大好きです。ただそれだけです。私が大事にしている気持ちのあるプロレス、今こそチャンスだと思っています。私はありのままの姿をリング上で体現して、喜怒哀楽、全てお客様の前にお見せして、それでもお客様が笑顔になっていただけるように、今だからこそ自分がチャンピオンになって広めていきたいと思います」と真摯に語った。

 ハム子は、デビュー後しばらくは自分に自信が持てない時期が続いていたが、2012年に自身初のシングルタイトルであるIW19王座を獲得したことが転機となり、今ではアイスリボンになくてはならない中心選手へと成長した。2017年には実の娘である星いぶきもアイスリボンからデビューし、反抗期のいぶきと時には衝突しながらも母娘タッグでリボンタッグ王座に挑戦するなど、ハム子はレスラーとしても母としても強い姿をファンに見せ続けている。
 普段は縁の下の力持ちとしての働きが多く、脚光を浴びる機会が無かったハム子だが、現リボンタッグ王者の藤本&つくしの両名からファン投票で勝利したということから、ファンは確かにハム子を求めているということが数字で現れる結果となった。

 なお、IW19トーナメント決勝戦は、後日行われるBブロック準決勝の雪妃真矢vsトトロさつきvs鈴季すずの勝者とハム子のシングルマッチで行われる。

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