“力道山三世”力がアイドル界の重大なルール違反を犯しアイドルとの結婚が破談に
12日、埼玉・レッスル武闘館にて崖のふち女子プロレス『崖っぷちかぐや姫2020~ミヤコハウス2020~』が開催。“力道山三世”力が無知ゆえの過ちで結婚を逃した。
崖のふちプロレスは元アイスリボンの松本都が2011年に設立。2016年に一度解散したが、2019年にDDTプロレスとプロレスリングNOAHの社長を務める高木三四郎が個人的にオーナーとなり、『崖のふち女子プロレス』と名前を変えて正式に再始動。基本的に松本都vs誰かのワンマッチで行われるスタイルだが、ザ・グレート・サスケや鈴木みのるともシングルで対戦してきた都の破天荒さに期待が集まり、当日まで何が行われるか具体的にわからないにもかかわらず毎回超満員になる興行だ。
今回の興行は「お前は結婚できない」と“力道山三世”力を罵倒し傷つけてしまった過去がある都が、その罪滅ぼしもかねてお嫁さん候補を用意し、試合を通じて力の魅力を世の中に知ってもらうというコンセプトで開催された。
嫁候補として、福井県を中心に活動するアイドルユニット『せのしすたぁ』のまおさん、元・女芸人界一かわいい女芸人の『劇場版ゴキゲン帝国Ω』プレイングマネージャー・白幡いちほさん、ものまねタレントの志真うたさんが登場。突如始まるラップバトルで力への愛を表現すれば、糸通し対決で家事能力が試され、人生のキャリアを試されるセクシーさや爽やかさでお互いを牽制。目の前で繰り広げられる事態に翻弄された力が突如フォースのパワーに目覚めて暗黒面に落ちてしまうが、これは都が擬似爆破バットで殴りつけ正気に戻す。
しかし、目の前で繰り広げられている光景に我慢できなくなった百田光雄がリングに現れ「力、お前女性に囲まれてチャラチャラすんなよ。お前が結婚したいのは俺もわかるよ。俺も早く孫が見たい。見たいけど、だけどお前の本業はなんだ!?お前は今日プロレスの試合があるって言うから来たんだよ!見たらお前、女性に囲まれてチャラチャラデレデレしっぱなしだろこら!早く試合やれよこら!」と一喝する。
気を取り直して、松本都with一般人・澤宗紀vs力withせのしすたぁ・まおの試合が始まると都は容赦ない攻撃を浴びせていくが、力は女性への攻撃をためらい優しくチョップを打ち込む。レスラーとしてキャリア10年以上になる都はバカにされてるとキレて場外乱闘に持ち込み、澤も加勢してボコボコに。これで目を覚ました力が強烈なチョップで都の胸板を真っ赤に腫らし、まおもコブラツイストなどでアシスト。途中志真うた扮するASHUKAとランジェリー武藤が登場すると米国大手団体さながらの闘いも繰り広げられるが、最後はまおと力が連続セーバーチョップを都に叩き込み3カウントを奪った。
様々な闘いを経て力はまおに「今日タッグパートナーとして共に戦ったまおさん、よろしくお願いします!」とプロポーズすると、実印まで持参して本気を見せていたまおは喜びの笑顔を見せる・・・が、そこへ事務所のマネージャーがリングに現れ「ちょっとお待ちください。実は、力さんに重大なルール違反が今回ありまして、ちょっとこのカップリングは認められないなと思って、こちらをごらんください」とスクリーンを指差す。
スクリーンには「お疲れ様です!今日はありがとうございました!場所間違えてしまって本当にすみませんでした……。3月12日、よろしくお願いいたします!」という力からまおへの会見時のTwitterDMが晒され、これが所属アイドルへの個人的連絡というアイドル界でのご法度にあたり事務所としては容認できないとのこと。
力は育ちの良さから興行の関係者やチケットを購入してくれたファンにまで、その日関わった全員にお礼のDMを送っていることを説明して説得。さらにまおがラップバトルで「女子プロレスラーになってやる」と発言していた事にも触れると「同じ夢を持っている方とプロレスのことで相談したり励まし合ったりしたい。うちの父と母の関係を見てたんですが、母はプロレスのことにまったく口出ししませんし、プロレスのことを話さないですし、夫婦の間に距離感があるんですよ。父もプロレスに関してはうちの母は一切入らせませんし、自分はそれを見ていて奥さんになる人なら自分のプロレスも含めて全てを分かちあっていきたいというのもありますし、お互い高めあって励ましあってそういう方と家庭を築き合いたいと思っております」と百田家の事情も交えて真剣である思いを語る。
だが冷徹に「いやもうちょっとアイドルやらせたいんで。ちょっとまだ力さんのことを信用できませんし」とマネージャーは切り捨て、まおも「頑張ってね。応援してるから。マネージャーNGで私とは結婚できなかったけど、でもでも私、いつでも恋バナ聞くから」とあっさりと友達宣言。
力も「まおさんとは結ばれることありませんでしたがこういう場を作っていただいてありがとうございました都さん。できることでしたら、都さん、今度は女子レスラーの方と同じ機会をお願いします」と発言し、これに怒った都がスタナーからのシャイニング崖ザードを叩き込んで力をKO。
最後はせのしすたぁの曲である『ラストチューン(aka イエッタイガー)』を全員で熱唱し、ハッピーエンド風に興行をまとめた。
文字では伝わりきらない狂気に満ちた崖のふち女子プロレスは、5月20日に埼玉・レッスル武道館にて次回興行を予定している。