【試合詳細】2・23 HERO新木場1stRING大会 【WBCタッグ】友龍&ワイルド・ベアーvsガッツ石島&マスクドミステリー TAKAみちのくvs藤田峰雄 伊藤崇文&佐山駿介&ブラック・アバロンvs田中稔&後藤恵介&海和択弥
『HERO25 旗揚げ10周年記念大会』
日程:2020年2月23日(日)
開始:12:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:未発表
▼アクトレスガールズ提供試合 15分1本勝負
○青野未来
5分47秒 ダブルアーム・スープレックス→片エビ固め
●未依
▼シングルマッチ 15分1本勝負
○兼平大介
6分16秒 腕ひしぎ逆十字固め
●瀧澤晃頼
▼女子タッグマッチ 20分1本勝負
渡辺智子/○佐藤綾子
11分10秒 ダブルリストアームサルト
真琴/●ななみ
▼6人タッグマッチ
20分1本勝負
○伊藤崇文/佐山駿介/ブラック・アバロン
8分13秒 チキンウイング・アームロック
田中稔/後藤恵介/●海和択弥
▼シングルマッチ 30分1本勝負
○TAKAみちのく
9分38秒 スーパーK→片エビ固め
●藤田峰雄
▼WBCタッグ選手権 60分1本勝負
【挑戦者組】友龍/○ワイルド・ベアー
11分15秒 バックドロップ→体固め
【王者組/真GUTS軍】ガッツ石島/マスクド・ミステリー
※初代王者組が3度目の防衛に失敗。友龍組が第2代王者組となる
HERO10周年記念大会で聾レスラー友龍とワイルドベアーが悲願のWBCタッグ王座を奪取!TAKAと峰雄の異次元対決はTAKAに軍配!
オープニング
猫又ねね子さんがHEROのアンバサダーに就任したことを発表。家庭の事情のため長期欠場中の百太聾(女子聾レスラー)が復帰に向け、トレーニングを積んでいることを報告。故ヤミキさんの息子である佐藤剛由代表が「20年、30年とHEROを大きくしていきたい」と、豊島修二会長は「WBCのタイトルマッチを世界でもやりたい。15年、20年と続くようやっていきたい」とあいさつ。
第1試合
アクトレスガールズ提供試合は、終始キャリアにまさる青野が圧倒。未依もぬいぐるみで叩いたり、ドロップキックを見舞ったりで反撃するも、青野がダブルアームスープレックスで仕留めた。
第2試合
インディーの若手対決は、兼平が強烈なチョップ連発で攻め込む。瀧澤もエルボー、ドロップキックなどで対抗するも、一瞬の隙を突いた兼平の逆十字がガッチリ決まって、瀧澤がたまらずタップ。
第3試合
昨年10月にデビューしたばかりの中一戦士ななみは、渡辺&佐藤のパワーに圧倒されるも、ドロップキックで必死に反撃。パートナーの真琴も側転式ダブルニーなどを繰り出す。しかし、ななみは渡辺のダイビング・ボディプレスから、佐藤のダブルリストアームサルトを食って、3カウントを奪われた。
第4試合
デビュー2戦目の海和は、相手トリオの集中砲火を浴びて防戦一方。それでも、伊藤にエルボー、ドロップキック、ブレーンバスターを見舞って意地を見せる。だが、伊藤のチキンウイング・アームロックに捕らえられて無念のギブアップ負け。TTT2・25新木場で、佐山と一騎打ちを行う稔は「よその団体のことになるけど、佐山、あさってシングルでやるから、けちょんけちょんにして潰してやる」とアピールしていた。
第5試合
峰雄VSTAKAの超異色対決は、峰雄独特の動きにTAKAが戸惑いながらも、サミングでダメージを与える。中盤には両者ともに、トップロープで急所を打って悶絶。峰雄はフランケンシュタイナーを繰り出すもフォールは奪えず。めまぐるしいエビの応酬でも決まらず。最後はTAKAが顔面へのヒザ蹴り、スーパーKをたたき込んで勝負を制した。
第6試合
聾レスラーの先駆けである故ヤミキさん(元新日本プロレス練習生)が10年2月に創設した、聴覚障害プロレスラーも所属する「バリアフリープロレスHERO」(主催バリアフリー・エンターテイメント・サポート、協力GPSプロモーション)の旗揚げ10周年記念大会となった、23日の東京・新木場1stRINGで、HERO正規軍のエース・友龍(聾レスラー)と、ワイルド軍リーダーのワイルド・ベアーによる、軍団の枠を超えた越境コンビが悲願のWBCタッグ王座奪取を果たした。
年齢、性別、国籍、障害のあるなしなど、すべてのバリアを取り払った、世界に類を見ない同王座を巡っては、8チーム参加により、昨年4月13日の神奈川・川崎25Dスタジオ大会で開幕。同9月28日、新木場大会での決勝戦には、友龍、維新力組の正規軍と、ベアー、シューター組のワイルド軍がコマを進めていた。ところが、シューターが病気により長期欠場となり、ワイルド軍は無念の棄権。代わりに準決勝でワイルド軍に敗れていた真GUTS軍のガッツ石島、マスクド・ミステリー組が敗者復活となり、友龍、維新力組を下して初代王座に就いた。同11月9日の川崎大会で、ワイルド軍は”秘密兵器“のワイルド・ゼロを投入し、ベアーとのコンビで挑戦したが、真GUTS軍の軍門に下った。ガッツ組は同12月25日の「Growth」新木場大会で大和ヒロシ、瀧澤晃頼を退けて2度目の防衛に成功。ここで立ち上がったのが友龍とベアーだった。
かつて正規軍とワイルド軍は抗争を繰り広げていたが、18年11月10日の新木場大会で和解した。しかし、友龍とベアーがタッグを組むのは初めてで急造コンビとなっただけに、コンビネーションが不安視された。GPS・豊島修二会長からは、「今度負けたら、今年はもうチャンスは与えられない」と最後通告され、文字通りラストチャンスといえた。
前半、HERO軍は、パワーでまさる真GUTS軍に押されたものの、友龍はチョップ連打、2人まとめてのラリアット、WARスペシャルで応戦。石島が友龍にラリアットを繰り出して反撃すると、ミステリーがベアーにダイビングエルボーをたたき込んだ。さらに、真GUTS軍はベアーに合体式のフェーズバスターを決めて追い込んだ。
HERO軍が窮地に追い込まれると、セコンドに付いていた、ワイルド軍マネジャーのワイルド・バニーがエプロンに上がり、酒と思われる液体を口に含んでレフェリーとミステリーに噴射。レフェリーが視界を奪われ悶絶している隙に、バニーがトップロープからダイビングボディアタックをミステリーに敢行。すかさずベアーがバックドロップを決めて、ミステリーから3カウントを奪い、王座を奪取した。
納得がいかない石島は「マネジャーが介入して勝ったと思うな。リターンマッチの権利がある。TTTのメンバーで取り返しにくる」とアピールするも、豊島会長は「考えとく」と即答を避けた。
してやったりのバニーは「レフェリーがOKなら、プロレスではOKなのよ!」と上機嫌。ふだんは寡黙なベアーは「やっと巻けた。このベルトはHEROにとって悲願。ワイルド軍にとっても悲願。トーナメントが開幕したときは、(ワイルド)セブンもシューターもいた。2人の思いが詰まったベルト。シューターが戻ってくるまで、防衛を重ねていきます。セブンの1周忌に間に合ってよかった。ワイルド軍は今1人であっても潰さない」と涙ながらにマイク。
耳にハンディを持ちながら、聾レスラーとして、日本プロレス界史上初めて、チャンピオンベルトを腰に巻いた友龍は手話通訳を介して「ベルトを巻くことができました。天国のセブンも見てくれたと思う。これからベルトを守っていきます。誰の挑戦でも受けます」と満面の笑みを浮かべていた。
初代WBCタッグ王座決定トーナメント開幕から実に10カ月が経った。その間、ワイルド軍の指令塔でHERO・GMのセブンさんの死や、シューターの長期欠場といった不運が重なったHEROだが、2本のベルトがようやく戻るべきところに返ってきたようだ。
次回5月30日、新木場(19時)での「HERO26 ワイルド・セブン追悼試合」の参加決定選手として、友龍、ベアー、海和、アバロン、ウルトラセブン、高杉祐希、リッキー・フジ、稔、大野“ワイルド”翔士、大和、石島、ミステリー、TORU、瀧澤、後藤、洞口義浩、マドレーヌ、梅咲遥が発表された。