【試合詳細】12・24 スターダム後楽園ホール大会 【ワールド】岩谷麻優vs花月 【ワンダー】星輝ありさvs小波 木村花vsジュリア 葉月vs刀羅ナツコ 【アーティスト】渡辺桃&林下詩美&AZM vs中野たむ&鹿島沙希&スターライト・キッド

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『STARDOM YEAREND CLIMAX 2019』
日程:2019年12月24日(火)
会場:東京・後楽園ホール
開始:18:20
観衆:1334人(超満員)

▼スターダム・ヤングバトル 15分1本勝負
○上谷沙弥/飯田沙耶/星野唯月
8分5秒 ランニングシューティングスタープレス→体固め
●小野崎玲皇/吏南/妃南

▼TCS vs 大江戸隊 6人タッグマッチ 20分1本勝負
[TOKYO CYBER SQUAD]ジャングル叫女/DEATH山さん。/●ルアカ
7分14秒 ブレーンバスター・ホールド
[大江戸隊]○夏すみれ/ジェイミー・ヘイター/"セッション・モス"マルティナ

▼アーティスト・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負
【王者組/Queens Quest】○渡辺桃/林下詩美/AZM
11分52秒 ピーチ・サンライズ
【挑戦者組/STARS】中野たむ/●鹿島沙希/スターライト・キッド
※王者組・Queens Questが初防衛に成功

▼葉月引退試合 シングルマッチ 30分1本勝負
[大江戸隊]●葉月
14分49秒 ダイビング・ギロチン・ドロップ→片エビ固め
[大江戸隊]○刀羅ナツコ

▼シングルマッチ 15分1本勝負
[TOKYO CYBER SQUAD]△木村花
15分0秒 時間切れ引き分け
△ジュリア

▼ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負
【王者/STARS】○星輝ありさ
16分24秒 SHiNiNG IMPACT→片エビ固め
【挑戦者/TOKYO CYBER SQUAD】●小波
※星輝ありさが8度目の防衛に成功

▼ワールド・オブ・スターダム選手権試合 30分1本勝負
【王者/STARS】○岩谷麻優
22分17秒 ムーンサルト・プレス→片エビ固め
【挑戦者/大江戸隊】●花月 
※岩谷麻優が初防衛に成功

岩谷が花月を制して赤いベルトを防衛もトロフィーを破壊?!星輝が宿敵・小波を制して白いベルトV8!スターダムが東京ドーム進出!葉月が「こういう不本意な引退はしたくなかった」と不穏なマイク!

第0試合


 全面開放となったスターダム後楽園ホール大会。第0試合には若手選手たちによる6人タッグマッチが行われた。
 
 上谷らが握手を求めるも、小野崎らは睨みつけるのみで無視。
 星野と吏南でゴングが鳴ると、手4つからバックの取り合い、ヘッドロックからロープに振っていった吏南がドロップキックで先制。ここに小野崎と妃南が入ってきて星野に串刺し攻撃のトレインを決めると吏南が卍固めに入るが、飯田らがカットへ。吏南は妃南にビンタをしてタッチ。
 妃南は星野にボディスラムから払い腰を2発叩き込んでいくが、星野はエルボーで対抗。妃南のエルボーに撃ち負けるシーンもあったが、星野は連打で意地を見せ、妃南のボディスラムを切り返して首固め。さらにドロップキックで一矢報いて飯田にタッチ。
 飯田は妃南に逆水平を連打し、カットに来た小野崎をチョップで蹴散らして妃南に逆水平からラリアットを狙うが、これをかわした妃南が払い腰。小野崎にタッチ。
 小野崎はスライディングバックエルボーで先制するが、飯田がエルボー合戦を挑んでいき、連打で打ち勝った飯田がカサドーラ。上谷にタッチ。
 上谷はロープを背にした小野崎に貫通ドロップキック2発からエルボーを連打してロープに飛ぶが、吏南&妃南がエプロンから攻撃してカットすると6人で乱戦に。競り勝った飯田と星野が小野崎をロープに振っていくが、小野崎は2人まとめてフェイスクラッシャーで撃退すると、上谷にエルボー連射かも、上谷が組み付いてジャパニーズレッグロールクラッチ。これをカットされると上谷ら3人が吏南らをコーナーに振って3人まとめて串刺しドロップキックを見舞っていく。そして星野がドロップキック、飯田がミサイルキック、上谷がボディスラムからの側転ダブルニードロップからランニングシューティングスタープレスで小野崎を沈めた。

木谷高明オーナー挨拶


 大会オープニングにブシロードの木谷高明オーナーがリングに上がり、ファンに向け挨拶を行った。

木谷「只今紹介に預かりましたブシロードの木谷です。本日は年末並びにクリスマスイブのお忙しいなかでご来場いただき誠にありがとうございます。改めまして皆様に12月1日よりスターダムがブシロードグループ入りしたことをご報告いたします。スターダム、まだ私もまだそんなに試合とか見てるわけではないんですが、色々12月1日に至る過程において調べさせていただいた中で、非常に可能性を感じまして、是非ともブシロードグループ入りしてもらって、もっともっと伸びていくことの助けになればと思いまして、このような体制になりました。
 1月以降ですね、露出をどんどん増やしてもっともっと世の中に突き刺していってですね、昔のような女子プロレスがメジャーな存在になるように注力したいと思うので、引き続き宜しくお願いいたします。ただ、ここにいらっしゃしゃる皆様は非常に熱いファンの方が多いと思います。私実は、まだ女子プロレスについて勉強不足だと自覚しておりますので、リングの中も外も含めてですね、一生懸命勉強したいと思いますので何卒ご支援ご指導のほど、宜しくお願いいたします。それでは、さらにこれからいろいろなことは考えて……」

(ここに突如リングへ木村花が乱入し、木谷オーナーからマイクを奪い取る)

木谷「ちょ、ちょ、ちょ……!」
花「ヨーチェケラー!お前なにしに来たんだよ!私の許可なく勝手にリング上がってよお!……ていうか、Twitterフォローしろし!」
木谷「ふぉ、フォローしてなかった?俺……?それはすみません(笑)今日は挨拶に……」
花「媚を売りに来たのか!」
木谷「挨拶に来た。実は先日ね、12月1日の2日前に、ブシロードのイベントに出てもらってそのとき、『明後日からよろしくね』という話をさせてもらいました、改めて、今月から宜しく」

(木谷オーナーが握手を求めるも、花は手をひっぱたいてから顔面をビンタし、木谷オーナーが吹っ飛ぶ)

木谷「ちょっ!ほんとに痛いよ!ホントに!」
花「みんな!スターダム後楽園ホール大会楽しむ準備は出来てるか~っ!フゥ~ッ♪い~い?みんなで最高のクリスマスイブを過ごすよ!イエッサー!それではスターダム後楽園ホール大会、スタート!」

第1試合


 大江戸隊の面々が愉快に酒盛りをしながら南側客席より入場し、天に向けて酒を噴射していく。TCSが入場してポーズを決めると、大江戸隊の3人も横でポーズを真似る。そして紙テープを回収する上谷をなぜか夏らが暴行していき、場内からはブーイング。
 マルティナとルアカでゴングが鳴ると、夏が「レッツゴー!マルちゃん!」とコールを煽る中でリストの取り合いとなり、マルティナが「アブナーイ!」と連呼する中で尻を振って妖艶に踊っていき、夏から酒を受け取ってルアカに噴射するも、これが夏に誤爆。
 叫女に代わり、叫女がマルティナにストンピング連打も、マルティナはヘッドバッドでやり返してジェイミーにタッチ。
 ジェイミーは叫女へストンピング連打から叫女の肩のテーピングにヒジをぐりぐりと押し当て、叫女をロープにくくりつけて3人で酒を噴射しようとするが、これはDEATH山らがカット。大江戸隊の3人は即座にそれぞれをロープに振ってビッグブートで反撃すると、再び3人で乾杯してから酒を口に含んで叫女に噴射も、叫女はビニール傘を展開してこれを防御。
 叫女とジェイミーはラリアットでぶつかり合い、これを制したジェイミーがラリアットでなぎ倒すとロープに飛ぶが、叫女もカウンターのラリアットを叩き込んで両者タッチ。
 DEATH山と夏となると、DEATH山が「デース!デース!DEATH山デース!」とポーズを決めながら何度も串刺し攻撃狙っていくが、溜めが長すぎたため夏がすべてビッグブートで反撃。しびれを切らしてビッグブートで突っ込んでいく夏をクロスチョップでカウンターしてから千豚♪で押しつぶしたDEATH山がルアカにタッチ。
 ルアカは夏をショルダータックルでなぎ倒してコーナーに振ろうとするが、夏が反転してコーナーに押し付けブロンコバスターの体勢へ。夏がブロンコバスターで串刺しにして「今年もありがとうございましたぁ~!」と股間を押し付けて腰を降ると、ここにマルティナもブロンコバスターで参加。さらにジェイミーもブロンコバスターで突っ込もうとするが、これは叫女がドロップキックでカット。
 夏はルアカへビッグブートを狙って走るが、ルアカはカウンターのクロスボディ。そしてルアカがフィッシャーマンズバスターを狙うが、夏が耐えると叫女とDEATH山がドロップキックでアシスト。ルアカはフィッシャーマンズスープレックスホールドからランニングブート、さらに突っ込んでいくが、ここにマルティナが入ってきてコードブレイカーでアシストすると、すかさず夏が「もらった!」とフィッシャーマンズスープレックスホールドでルアカから3カウントを奪った。
 

第2試合


 第2試合で行われるアーティスト戦。
 STARS側が握手を求めるも、QQ側はこれを無視。AZMとキッドでゴングが鳴ると、即座にロープワーク合戦から打撃のかわし合いのスピーディな展開となりAZMのカサドーラをキックアウトしたキッドがドロップキック。さらにSTARSの面々がAZMに集中攻撃を仕掛けていき、3人で同時の低空ドロップキック。さらにキッドがフットスタンプで追撃してフォールも2。キッドはロープに飛ぶが、詩美がドロップキックで吹き飛ばすアシストからQQが3人でキッドへトレイン攻撃。3人で串刺しドロップキックを見舞っていき、AZMは桃にタッチ。
 桃はキッドに首投げからサッカーボールキック。場内の「もう一回!」コールに合わせてさらにサッカーボールキックを叩き込み、詩美にタッチ。
 詩美はキッドにボディスラムを2連発からロープに振っていくが、キッドはブーメランアタック。これをキャッチした詩美がスクラップバスターを狙うが、キッドは回転エビ固めからスリングブレイドで切り返してたむにタッチ。
 たむは詩美に串刺しエルボーからPKも、詩美はこれをキャッチしてラリアット。たむはスウェーしてこれをかわすが、ここに桃が加勢に入り詩美と桃が2人でたむをロープに振っていくが、たむは桃をネックブリーカー、詩美とAZMをダブルのリバースDDTで叩きつけ、STARSの3人で相手3人にそれぞれ貫通式ドロップキック。さらにたむは詩美にジャーマンスープレックスを狙っていくが、振り払った詩美がラリアット。両者大ダメージを負うも、先に詩美がAZMへタッチ。
 AZMはたむにミサイルキックからブレーンバスターを狙うが、たむが耐えて走り、ショルダータックル。さらにヘッドハンターで追撃してキッドにタッチ。
 キッドはAZMは二段階式619をヒットさせると旋回式ボディプレスからコーナーに振り、串刺し攻撃を狙うがここに桃と詩美が乱入してカット。AZMはブレーンバスターで叩きつけ、キッドがこれを返すとコーナーに上ってダイビングフットスタンプを投下も、キッドがこれを回避し619、たむがジャーマン、そこへキッドがジャックナイフを合わせる連携もカウントは2。ならばとキッドはキッちゃんボムを狙うが、AZMはミスティカで切り返し、両者エビ固めの応酬へ。これに競り勝ったキッドが低空ドロップキックで吹き飛ばしてコーナーに上がり、旋回式フロッグスプラッシュを投下もカウントは1。AZMは即座にバズソーキックを叩き込み、コーナー上からダイビングダブルフットスタンプを突き刺す。しかしこれもカウント2となると、AZMはハイキックを側頭部に叩き込みブレーンバスターを狙うが、キッドはDDTで切り返し、ダブルダウンへ。
 桃と鹿島の対面となると、桃のハイキックをかわした鹿島がコーナー上からのエビ固めからケンカキック。さらに追撃を狙うが、ここに詩美とAZMが入ってきて妨害。これを鹿島がダブルのフェイスクラッシャーで蹴散らすと、場外へ逃れた2人へキッドとたむが場外プランチャで追撃。鹿島はダイビングクロスボディからコーナーに上がり、桃へダイビングダブルフットスタンプを突き刺すもカウントは2。ならばと鹿島はmy emblemを狙うが、振り払った桃がハイキックからスタンドでのスリーパーホールドからテキーラ・サンライズを狙うが、鹿島が起死回生で切り返し、さらに桃のハイキックをかわしてビンタ。さらにロープに飛ぶが、AZMがキックで妨害し、詩美がアルゼンチンコースター、ここに桃が蒼魔刀を突き刺すもカウントは2。続けて桃はAZM、詩美とともに3人で同時のドロップキックを叩き込むと、Bドライバーで突き刺そうとするが、ここでも鹿島が起死回生。これは詩美が必死のカット。
 たむとキッドが詩美をロープに振っていくが、詩美は2人まとめてラリアットでなぎ倒し、鹿島にぶっこ抜きジャーマン。ここで桃がピーチ・サンライズで叩きつけると、これでカウント3が入った。STARSはアーティスト王座の初防衛に成功した。

<試合後コメント>

渡辺桃&林下詩美&AZM
桃「獲りましたよSTARSから。狙っていた鹿島沙希から取ったということで有言実行しました!まあね、STARS倒したけどまだまだ敵はいっぱいいるし、人も増えてきてるので、3人タッグ誰か出てきてくれたらいつでも挑戦受けたいと思いますので、お待ちしております」
AZM「自分は鹿島沙希ではなくキッドから獲りたかったですけど、キッドがいつもと違う感じがして、すごくいつもはもっともっと強かったんですけど、キッドにはまた挑戦してきてほしいですね。次は私がキッドから獲ります」
詩美「前哨戦は2戦ともSTARSにしてやられてしまったんですけど、今日はこのタイトルマッチは私達がしっかり勝ったということで、ユニット最強は私達Queens Questだと思っているので、勘違いして自信を持っているユニットがあるのなら私達に挑戦しに来てほしいと思います」

第3試合


 11月に突如引退した葉月の引退試合の相手は、「一番可愛がっていた後輩」であると語る大江戸隊の刀羅ナツコ。葉月の選手コール時にはリング上を埋め尽くさんばかりの黒・ピンクの紙テープが投げ入れられる。
 ゴング前にはしっかりと握手を交わし、試合が始まると互いに一歩も動かず見つめ合う。
 ロックアップから押し込み合う力比べから、ナツコが押し込んでクリーンブレイク。再び向き合ってロックアップの体勢も、葉月がガットショットで止めてロープワークで翻弄してからのヘッドシザースホイップ。さらに髪を掴んで引き倒し、髪を掴んだまま連続のヘアホイップでロープ際に放り投げると、「よっしゃいくぞー!」と顔面ウォッシュ。場内から「もう一回!」コールが起きると葉月は観衆を煽りながらもう一度顔面ウォッシュを叩き込み、ロープにナツコの首を引っ掛けてのシーソーホイップで追撃。
 葉月はボディスラムで叩きつけ、セントーンを投下。さらにダイヤル固めで転がしていき、これをキックアウトされると「来いよオラ!」とナツコに活を入れる。ナツコはエルボーで立ち向かっていき、葉月と足を止めてのエルボー合戦へ。葉月が再びヘッドシザースホイップを狙うが、ナツコはこれをスパインバスターで切り返し、スライディングキック。
 続けてナツコはコーナーを背にした葉月に串刺しバックエルボーから串刺しラリアット、そして葉月へ感謝の掟破り顔面ウォッシュを叩き込み、さらにキャノンボールで追撃。そしてコーナーに上ってダイビングセントーンを狙っていくが、葉月は起き上がって地対空フロントキックから雪崩式DDT。さらに走るが、ナツコはスピアーでこれを迎え撃ち、ダブルダウンへ。
 2人は膝立ちになりながら互いの名前を呼び合ってエルボーを打ちこんでいき、ナツコが裏拳からロープに飛ぶが、葉月はビッグブートでナツコを場外に吹き飛ばし、トペ・スイシーダで飛んでいく。さらにナツコをリングに戻してスワンダイブ式ミサイルキックからフロントハイキック。コーナーの下にボディスラムでセットし、コーナーに上ってダイビングセントーンで押しつぶすもカウントは2。葉月はスタイルズクラッシュでナツコを叩きつけ、ナツコのキックアウトに合わせてクロスフェイスへ。ナツコがロープへ近づいていくとローリングしてリング中央に戻してリーガルストレッチに組み換えて絞り上げるが、ナツコは体勢を反転させて押しつぶしてフォール。これをキックアウトした葉月が垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して試合を決めにかかるが、ナツコは意地のキックアウト。

 葉月は「もう一発!」と垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、ナツコが耐えるとビッグブートから串刺し攻撃を狙うが、ここに夏、マルティナ、ジェイミーが入ってきてさよならトレインから夏がビッグブート。夏が「ナツコ!決めろ!」と勝負を託し、ナツコがバックフリップからエルボー連打、裏拳、ラリアットと連撃し、葉月がキックアウトするとカミカゼからコーナーに上がり、フロッグスプラッシュ。すぐにまたコーナーに上がってもう一発フロッグスプラッシュ。さらにもう一度コーナー上からフロッグスプラッシュの3連発からフォール。これを返されるとナツコは「終わり!」と宣言して昇天で叩きつけ、葉月がこれを返すとエルボーパットを放り捨ててのラリアット、さらに昇天を狙うが、着地した葉月が葉・月ストラル。さらに葉月がロープに飛ぶが、ナツコがスピアーでカウンターし、改めてもう一発スピアー。続けてナツコが昇天でコーナー下に叩きつけてからコーナートップに上がり、ダイビングギロチンドロップを決めてみせると、これでカウント3が入った。

 試合後、葉月は泣き笑いでナツコに握手を求め、ナツコは号泣しながら葉月を抱きしめ、葉月はナツコの頭を優しく撫でた。

 続けて、リング上で葉月の引退セレモニーが行われた。
 週刊プロレス、ブシロードファイトの原田社長、飯田沙耶、上谷沙弥、星野唯月、続いてQueens Questの一同。続いて登場したジャングル叫女とはビンタを打ち合った。続いて、大江戸隊メンバーと元大江戸隊の山口菜緒がリング上で大江戸隊ボードへ寄せ書きしたものをプレゼントし、夏が「We are 大江戸隊!」とリング上でセルフィーして記念撮影。
 続いて渋沢四季が登場して記念品を贈呈、
そして葉月の同期であるまなせゆうな、コグマが登場し、コグマは泣きながら葉月と抱擁。まなせは優しく葉月の肩をたたいてねぎらった。そして、風香と息子さんが一緒にリングに上がって息子さんから記念品が渡された。エグゼクティブプロデューサーのロッシー小川が葉月に分厚い封筒を手渡した。そして、メインイベントに出場するためセレモニーに出席できない花月の代理として花月のお母さんがリング上で葉月に花束を贈呈して抱き合った。
 最後に、葉月の家族がリングに上がり、葉月と家族は泣きながら抱き合った。

葉月「最後の引退相手にナツコを選んで良かったなって、試合をして思いました。すごいプレッシャーだっただろうけど、ありがとう!やっぱりプロレスは、信頼関係がないと出来ないと思っています。……こういう不本意な引退はしたくなかったし、すると思ってなかったです。これから先、葉月みたいな不本意で辞める人がいないといいなって思ってます。で、最後に大江戸隊、ホントにドラフトで葉月を指名してくれて感謝してます。大江戸隊に入れてよかったです!スターダムのことは大っ嫌いだけど、大江戸隊と葉月のことを応援してくれた皆さんのことは大好きです!以上!ありがとうございました!」

 不穏なマイクの後、10カウントゴングが鳴らされ会場中からピンクと黒の紙テープが舞った。そしてリングを降りた葉月は、ナツコを先頭にして組まれた騎馬に乗り、会場を一周してファンに最後の別れを告げた。

<試合後コメント>

葉月
「なんとか無事に怪我なくリングを降りられたので良かったなと思いますし、やっぱり最後の相手、最初で最後のシングルのナツコを選んでよかったなと試合をして改めて思いました。引退理由に関しては、まあ、リング上で言ったとおりですね(笑)やっぱり大江戸隊が大好きだなって、すごく感じました。大江戸隊に入れてよかったし、大江戸隊がなかったら今の葉月はないし、大江戸隊にすごく支えられてたんだなって思いました」

――今後の活動ついてなにか予定は
「特に決めてないです。一旦ゆっくりします(笑)」

――引退の実感は沸きましたか
「今の所実感はないですけど、多分これから、たぶん次みんなが試合ある日程のときに、会場とかにも行かないので、これで『ああ辞めたんだな』っていうのを思うのかなって思っちゃいました(笑)」

――同期のまなせゆうな選手とコグマさんがリングに上がられたときはどう思いましたか
「びっくりしました!まあなんか、まなせゆうなはなんとなく来るんだろうなっていうのは感じてたんですけど、コグマは一切知らなかったのでビックリしました。嬉しいです、今日来てくれて」

――引退理由について
「会社からは『言うな』と言われています。なぜかというと、会社が悪くなっちゃうからです。ただ、まあ色々問題があり、努力しても努力が報われないこともあるし、こっちが正しいことを言っても『間違ってる』って言われることもあるし、やっぱりそういう、プロレスラーとしてじゃなくて、まず人間としてみんなみたいにクソになりたくないなって思ったので、キリのいい引退を考えたってことですね。まあこれを書かれるのかわからないですけど、“引退”っていうのをして、スターダム所属全員、なんとも思ってないでしょうけど、よく考えたほうがいいなと思います。自分で言うのもなんですけど、試合もできるいい選手をなくしたんだからって思います。『お前らのせいだぞ』って思います」

――本当は辞めたくない?
「うん……これ話すと泣いちゃう。辞める予定も、すぐに辞める決断もなかったです。こういうことがなかったら。やっぱり自分は白いベルト取って、お客さんの目に見せたいなという思いはずっとあったので、それは叶えたいなって思ってたんですけど、やっぱりそういうことが内部で起こった時期に、白いベルトも『もういいや』って思いましたし、なんていうんですかね、プロレスを嫌いになって辞めたくなかったので、今がいいかなっていう感じですかね」

第4試合


 ひと悶着もふた悶着もあったジュリアの入団に関して真っ先に舌鋒鋭く批判の声を上げていた木村花は、記者会見や路上でも乱闘を引き起こすほどの遺恨を繰り広げており、この日は両者の決着戦となる試合として注目を集めていた。
 両者はゴング前から額を突き合わせてにらみ合い、当然試合前の握手も拒否。
 ゴングと同時に両者突っ込んで足を止めながらエルボーを乱れ打ち、両者マウントを取りながら転がってエルボーを打ち合っていく。これを制した花がキーロックを狙うが、ジュリアも抜け出してマウントを取り、両者上と下から打ち合っていく。ジュリアが腕十字に切り替えると花は必死に足を伸ばしてブレイク。
 ジュリアが花を引き起こすと、花はジュリアの顔面にツバを吐きかけて思い切りビンタ。ジュリアが怒って顔面へのビッグブートを叩き込み、場外に放り出して観客席に投げ込んでイスで殴打したり観客席の東西南北すべてへなだれ込んでいく大暴れ。さらに北側客席から宙吊りのスリーパーホールドで痛めつけ、場外に倒れ伏す花を尻目に先にリングへ戻る。
 花がなんとかリングに戻ってカウントがリセットされると再び花を場外に蹴り出し、場外ボディスラムから長く助走をつけてランニングブートを狙うが、今度は花が椅子を持ち出してジュリアを殴打。
 形勢逆転して先にリングでジュリアを待ち受けた花は、ジュリアがリングに戻るとビッグブートで顔面を蹴りつけていき、串刺しブートを狙う。これをブートで止めたジュリアはミサイルキックを突き刺し、ブレーンバスターを狙うが花がこれを耐えるとジュリアはスイングネックブリーカーに切り替え、クロスフェイスで絞り上げる。
 花がなんとかこれをブレイクすると、ジュリアはロープに飛んでいくが、花はドロップキックでカウンターし、倒れたジュリアの後頭部に踵落とし。さらに滞空式ブレーンバスターから顔面を蹴りつけていき、ジュリアは立ち上がって張り手で徹底抗戦の構え。互いにもみ合って首のつかみ合いとなり、さらにゴツンと鈍い音が響くヘッドバッドの応酬からダブルダウンへ。
 立ち上がった両者はさらに顔面へのビッグブートで意地を張り合い、花が雄叫びを上げて連打してロープ際に追い込み、さらに走っていくが、ジュリアは追走ビッグブート。さらに走る花にカウンターのビッグブートを突き刺し、蜘蛛の巣の形で組み付いてからステルス・バイパーへ。
 花が必死にこれをブレイクすると、ジュリアは花を無理やり引き起こしてグロリアスバスターを狙うが、これを着地した花がハイドレンジア(グラウンド式卍固め)。しかしジュリアは即座に転がって体勢を入れ替えて腕固めに捕えるが、花も腕を取り返す。さらにロープブレイクしたジュリアの顔面にビッグブートからコーナーに上がり、ミサイルキックからパッケージドライバーを狙うタイガーリリーの体勢に入るが、ジュリアが暴れて首固め。キックアウトした花はビッグブートを放っていくが、これをかわしたジュリアが組み付いてグロリアスバスター。上から押さえ込もうとするジュリアを丸め込んで花がフォールもカウントは2。ならばと花は即座にハイドレンジアで絡みつくが、ジュリアはこれをブレイク。
 花はジュリアへパッケージドライバーを狙うが、振り払ったジュリアがビンタからグロリアスドライバー。花がこれを返すとSTFで固めていき、さらにステルス・バイパーの体勢になったところでフルタイムドローのゴングが鳴った。

 試合終了のゴングが鳴り響いている中で両者は髪や首をつかみ合いながら欄楼を続け、セコンド陣が総出で2人を引き剥がした。
 試合後、ジュリアは右手を伸ばすが花はこれをはたいて拒否。しかし花はグータッチで健闘を讃えた

ジュリア「ああ!ああ!ああ~ッ!ジュリアのことが好きで好きでたまらない木村花ァ!!2020年はもっとオメーのこと味わわせてやるからよ!ジュリアを味わえ!来年はもっとその先まで、この2人にはまだまだ続きがある。覚えとけよ!アルルルィィィイデ・ヴェルチ!またな!」

 ジュリアはこの日試合に出場しなかったアンドラス宮城と共にバックステージへ消えていった。

<試合後コメント>

木村花
「引き分けっていうのもホントに悔しいし、この間タイトルマッチやって負けたときよりも悔しいです。あたし的にジュリアに共感する部分っていうか、全てが理解できないわけじゃない。私だったら、ジュリアの気持ち、少しは、少しだけなら分かる。他の選手はわからないと思う。つらさとか。不特定多数の知らない人から暴言浴びたり、何も事実を知らない人から好き勝手言われたりとか、私自身元々所属はしてましたけど居場所がないって感じてて、居場所を求めてここに来たので、ちょっと前の自分とにてるなって思ってて。15分じゃ足りない。全然、いつでも、向こうも悔いが残ったと思うし、時間無制限で、時間に縛られたくないって思います」

――ジュリア選手に共感できる部分があった
「あった!ほとんどの人はジュリア選手の考えとか気持ちを理解できない。だからたくさん誹謗中傷、批判を……浴びて当然だと思うんですけど、絶対わかってたはずじゃないですか。彼女も25、6で社会人として不義理なことをして、これからもっと辛い道に、茨の道になるって分かってた上での今回の行動だと思うんですよ。じゃあ、何が彼女をそんなふうにさせたのかが私は気になって。結構な賭けに出たじゃないですか。何が彼女をそうさせたのか。今回の試合では、自分の気持ちももっともっとぶつけられたと思うし、ジュリアの気持ちももっともっと受け止められたと思う」

――TCSにジュリア選手を引き込みたいという気持ちとは違う?
「全く無いかな。彼女もなにかに所属するっていうタイプじゃないと思うし、私も自分のユニットは『ああしなさい、こうしなさい』っていうんじゃなくて、自分の個性を出してくださいっていう風に思ってるんで。彼女は自分の個性がすごく出てるんで、必要ないですね、TCSは」

――また再戦したいという思いは
「そうですね。全然足りないですね、15分は。ナメてんのかって。こんだけ言い合いになってつかみ合いになって、こんだけ性格は似た者同士だと思うんですけど、15分で足りるわけねーだろって。馬鹿にしてんのかって思いますね。もっかい、時間無制限で」

――会見では「スターダム所属として認めない」という発言がありましたが、最後のグータッチはジュリア選手を認めたということでしょうか
「あれはまあ、『またやろうな』っていう意味のだから。私も元々スターダム生え抜きじゃないし、私が“スターダム所属のジュリア”って認めたところで、他の選手がどう思うかわからない。認めたつもりはないけど、まあ、15分じゃ足りないよねっていう意思を伝えたつもりです」


ジュリア&アンドラス宮城
ジュリア「ジュリアのことが好きで好きでたまらない木村花。最初噛み付いてきたときは、『なんだこいつ』って思って、私のことなんにも分かってない。コイツには絶対負けないと、仕返ししてやるって思ってたから。でも今日試合して、まあ『好きなんだな、ジュリアのこと』って。ジュリアに絡みたくて仕方がないんだなって。それなりに潰し合って潰し合って、なんか感じたものが。『もっとコイツと闘いたい』って。だから、今日で終わりじゃない。今日が始まり。2020年、木村花にジュリアをたっぷり味わわせてやりたい。お客さんにもジュリアを味わってほしいと思います。アリーデヴェルチ!またな!」

第5試合


 試合前、新日本プロレスの小島聡と元新日本プロレスの井上亘が花束を贈呈。
 星輝が握手を求めるも、小波はコーナーにもたれかかったままこれを無視してゴング。格闘技にバックボーンを持つ2人は掌底やローキックで牽制しあい、星輝が鋭いローキックで先制。すると小波もすぐに撃ち返し、ローキックの応酬へ。小波が膝をつくと星輝は容赦なく左右のローキックを放っていくが、小波はこれをキャッチして張り手。それでも星輝はミドルキック、ローキックと続けていくが。小波はソバットで吹き飛ばしてスイングネックブリーカーから低空ドロップキック。
 小波はフェイスロックで星輝を痛めつけ、さらにスリーパーホールド。星輝がこれをブレイクすると小波は星輝をコーナーに押し付けて顔面をグリグリと踏みつける。さらに串刺し攻撃を狙うが、星輝がかわすとトップロープを飛び超えてタランチュラ式腕ひしぎ。これをブレイクすると首4の字固めで痛めつけ、さらにマットへ顔面を打ち付けていくが、星輝は足を伸ばしてブレイクへ。
 星輝はすがりつくように小波へエルボーを放っていくが、小波は顔面を踏みつけてこれを上から押しつぶし、無理矢理星輝を引き起こすが、星輝は掌底からのソバットのコンボを決め、ロープに飛ぶが、小波はこれをキャッチしてバックを取りジャーマンスープレックス。さらにバズソーキックを叩き込み、星輝がたまらず場外に逃れていくと、小波は追っていって場外でジャーマンスープレックス。さらに場外でのファイナルランサーで痛めつけ、先にリングに戻って星輝を待ち受ける。
 星輝が場外カウント19で上がってくると、小波はパイルドライバーを狙うが、星輝が振り払って飛び付き、胴締めスリーパーへ。小波はこれを後転して抜け出して逆にスリーパーホールドに捕えるが、星輝が首投げで切り返してサッカーボールキック、ランニングニーと叩き込んでいき、コーナーを背にする小波へ串刺しダブルニーからリバーススプラッシュ式ダブルニードロップ。さらにブラジリアンキックを小波にかわされながらもヒットさせ、SSCを狙うが、なんと小波は空中で星輝の腕をキャッチして腕十字に捕らえ、さらにしっかりと体重を預けながらのコナロック。
 これをブレイクされると小波は星輝へ貫通スライディングキックを叩き込むと、トライアングルランサーを狙っていくが星輝はダイヤモンドカッターで切り返してスライディングキック。両者ダウンへ。
 星輝は小波が起き上がるとジャンピングニーを2連発。小波が雄叫びを上げて即座に立ち上がるとハイキックを叩き込み、コーナートップに上がって1399を側頭部にクリーンヒットさせる。さらにブラジリアンキックのフェイントから後ろ回し蹴りを叩き込み、再びコーナーに上っていくが、小波が下から追いすがり、コーナー上でフロントネックロックから雪崩式ブレーンバスター。そしてノーザンライトスープレックスからにやりと笑い、走り込んでPK。フォールから星輝のキックアウトに合わせてダブルリストロックに捕らえたまま担ぎ上げてドライバーで突き刺し、さらにチキンウイングアームロックからトライアングルランサーへ。小波が極限まで反り上げるが星輝はなんとかブレイク。
 小波は星輝をコーナーに追い込んでめちゃくちゃに顔面を踏みつけていき、突撃するが星輝は後頭部にハイキックからミドルキック。再びダブルダウン。
 先に起き上がった小波は星輝を引き起こすとハイキックを放つが、星輝のハイキックが空中で衝突し、星輝がジャンピングニーからSSC、ブラジリアンキック、そしてSHiNiNG IMPACTを突き刺すとこれで3カウント。怒涛の畳み掛けで星輝が8度目の防衛に成功した。
 試合後、星輝は倒れ伏す小波に握手を求めると、小波はその手を取り、星輝の手の甲をぺろりと舐めた。

星輝「後楽園の皆さん!お元気ですか~?最後、手を舐められました。女性に手を舐められたの初めてです。チョット待って……よし!8度目の防衛成功しました~!皆さんが私が堕ちかけた瞬間に私に声をかけてくださったので頑張れました。ありがとうございます。やっぱり、今、大波に乗っている小波さん、強い!ヤバい!でも楽しかったです!で、今わたし、復讐してるんですよ。なににっていうと、5☆STARで負けた人にこの大事なベルトをかけて挑戦してこいって言ってるんですけど、後1人!残ってるやつが!いるんですよ!デビュー2年目にして、何だ3冠とか4冠とかやって!あのクソチビ!林下詩美!どこだ~っ!……どこ?」

(詩美がゆっくりと会場に現れ、リングに上がるとなぜか星輝が恐縮しながらマイクを手渡す)

詩美「5☆STARGP、私は星輝ありさからしっかり3を取って勝利しました、次、その白いベルトをかけて試合しても結果は同じです。私がその白いベルト、いただくんでよろしくお願いします」
星輝「ナマイキだなあ(笑)でもそういう風に来られたほうが、うれしい。よろしくお願いします!次の後楽園で、どうです?」

(星輝が右手を差し出すも詩美はこれを無視してマイクを取る)

詩美「次の後楽園、林下詩美vs星輝ありさ、私が白いベルト取る姿、皆さん見に来てください!」

(星輝がベルトを詩美の顔面に押し付けて挑発し、両者にらみ合った後に詩美が退場)

星輝「たのしみです!ありがとうございます!じゃあまたね~!麻優ちゃんの応援してね~!」

<試合後コメント>

小波
「星輝ありさ!最高の選手ですね!私、やっぱり星輝ありさのことが大好きです!井上亘さんに七色のトライアングルランサーを教えていただいたにもかかわらず、私の実力が及ばなくて白いベルトを獲ることは出来ませんでした。でも、今日の試合で答えは出ました。ファイナルランサーでスターダムのてっぺんを必ず獲ります」

――今日はそれを決めることは出来ませんでした
「そうですね。場外でファイナルランサーでトドメを刺して、場外で首を使い物にならなくしようと思って出したんですけど、序盤で飛ばしすぎて、ファイナルランサーを決めることが出来ませんでした。場外でやったとき、タップしてました」

――今年はシンデレラトーナメント、5☆STARと決勝で敗れ、タイトル奪取もなりませんでした
「来年こそは必ず自分の実力をベルトで証明したいと思います」

――最後、星輝選手の手を舐めた理由は
「敬意を込めて。星輝ありさに敬意を込めて、私なりの愛情表現をしました。口で言うのは簡単ですけど、行動に表すのは難しいと思うんで、行動で示すタイプなんで」


星輝ありさ
「無事8度目の防衛をすることが出来たんですけど、首と頭がものすごく痛くて、意識が飛びかけてたんですけど、そのたびにセコンドで応援してくれるSTARSのみんなやファンの人達の応援してくれたのが耳に届いたので勝てました。ヤバかったです」

――小波選手とはシンデレラトーナメントの決勝で当たり、今回はタイトルをかけてのシングル戦でした。以前と比べてどうでしたか
「5☆STARで負けて、『これはどうにかしなきゃいかん』と思っていたんですよ。私も進化してますけど、小波……あっ、大波さんは最近ものすごい勢いで進化してて、いろんな技をドンドコ出してきたんで、訳わからなかったです。本当にマジで意識飛びました、途中。でも、がんばれた。ハイ!」

――かなり追い込まれた?
「大分ヤバいっす。関節もすごくて、ホントにタップしそうになりました。でもこれで負けちゃったらダメだなと思ったので、どうにか動きました。どうにか」

――小波選手は「星輝ありさは場外でタップしていた」と言っていました
「アレはダメ。痛かった。場外で良かったですよ(笑)あたまいてー、首いてー」

――これでチャンピオンのまま年を超すことになりました
「そうですね。ありがたいですね。来年はね、あの林下詩美と闘います。1月に、絶対。そこもちゃんtのリベンジ、復讐して9度目の防衛をしたいと思います。それでリベンジは完全に終わるんですけど、他にやりたい人もいる。でもリベンジ終えないと他の人に挑戦なんて出来ないから、そこでまずは終わらせます。復讐編を!」

第6試合


 スターダムの2019年最終試合であり、ブシロード体制になってから初のワールド・オブ・スターダム戦ということで団体の今後の方針を占う試合として注目を集めるこの試合。
 試合前に岩谷が握手を求めると、花月はゆっくりとこれに応じ、岩谷が両手で花月の右手を包み込んでからゴング。
 手4つでじりじり距離を詰め、花月がローキックで先制して腕を取るが、岩谷もすぐに取り返してヘッドロックからグラウンドで首を取り合う攻防からクリーンブレイク。
 再び向き合って花月が岩谷の足を引いて踏みつけていくが、下から組み付いた岩谷がアームドラッグで放り捨て、花月の突撃をブートで止めてコーナー上から飛びついてアームドラッグ、そしてドロップキックで場外に吹き飛ばすと、トペ・スイシーダで飛んでいくフェイントからリング上でポーズを決める挑発。花月が上がってこようとするとドロップキックで蹴落とし、今度こそトペ・スイシーダを狙うが、花月が場外から毒霧を噴射して岩谷を止めて場外に放り出すと、今度は花月がトペ・スイシーダを2連発。
 岩谷をリングに戻した花月は、今度は反対側の場外に岩谷を落としてトペ・スイシーダ。そのまま観客席になだれ込んでいき、北側客席の“へり”からのダイビングフットスタンプ。
 岩谷をリングに戻した花月はスワンダイブ式ミサイルキックから串刺しエルボーからジャンピングハイキック。さらに花月はビクトル投げから両腕を固めていくが、岩谷は転がっていき足を伸ばしてブレイクへ。花月はさらに首投げから変形三角締めに入ってギブアップを迫るが、岩谷はこれもロープへ。
 花月はハーフダウンの岩谷に容赦なくミドルキックを打ち込んでいき、「どうしたオラァ!もっと来いよコラァ~」と岩谷の顔を覗き込んで挑発。岩谷は立ち上がってエルボー連打で突っ張っていくが、花月はミドルキックで黙らせ「お前そんなもんか!」とロープに飛んでいくが、岩谷はカウンターのフライングフォアアームで叩き伏せるとコーナーに上っていくが、ダメージが大きく足を踏み外して落下してしまう。花月は岩谷をコーナーに振っていくが、岩谷はドロップキックで吹き飛ばし、花月へジャーマンスープレックスを狙うが、花月は暴れて抜け出して裏拳。これをかわした岩谷はDDTで突き刺して見せ、花月の顔面を左右の足で蹴飛ばしてロープ際に押し付けると貫通式ドロップキック。さらにジャーマンスープレックスホールドで叩きつけるもカウントは2。
 岩谷は花月を無理やり引き起こすとエルボー合戦を挑んでいき、花月も意地の連打で対抗。岩谷は花月が大ぶりの一撃を狙ったところでカウンターを叩き込み、ハイキックを放つが花月もかわしてハイキック。これをかわした岩谷はロープに飛ぶが、花月はカウンターのソバットからハイキック、えびす落とし、チョークスラムと怒涛のラッシュをかけ、岩谷が肩を痛めている右腕を取ってチキンウイングアームロックでギブアップを迫る。
 岩谷がローリングして足をロープにかけてブレイクすると、花月は「終わり!」と宣言してコーナーに上がり、大江戸コースターを狙うが、岩谷は下から追いすがって雪崩式フランケンシュタイナー。さらにセカンドコーナーからのダイビングフットスタンプ、コーナートップからのフロッグスプラッシュと空中技を続け、さらにコーナートップからムーンサルトプレスを投下。これをかわした花月はランニングニーを岩谷の顔面に突き刺すと、岩谷をコーナーに上げて自らも登っていくが、岩谷はエルボーで対抗。花月は一旦リングに降りて地対空ハイキックから雪崩式えびす落としを敢行。さらに花月はコーナートップから大江戸コースターを狙うが、岩谷が起き上がって下からビンタを連打して下から花月をハイジャックバックブリーカーで担ぎ上げてBTボム。さらに岩谷がコーナーからムーンサルトプレスを投下も花月は回避してレッドミスト。さらにえびす落としからコーナーに上って大江戸コースター。完璧に決めてみせるがカウントは2。

 花月はさらにファイヤーマンで担ぐが、岩谷はフブキラナで切り返し、さらに組み付いてドドンパ。そしてドラゴンスープレックスホールドで叩きつけるもカウントは2。さらに岩谷はコーナーに上ってムーンサルトプレスを投下。これを花月がカウント1でキックアウトすると、岩谷は花月を引き起こして二段階ドラゴンスープレックスホールドを狙うが、花月がこれを着地して岩谷にグリーンミスト。立て続けにえびす落としからコーナーに上って大江戸コースター、さらにデスバレーボムで叩きつけるがカウントは2.9。
 花月はさらにえびす落としを狙うが、これを背面着地した岩谷が二段階式ドラゴンスープレックスホールド。これを花月に返されると、コーナーの下にツームストンパイルドライバーで突き刺し、コーナートップからのムーンサルトプレスを投下。これで死闘に終止符を打った。

 勝利した岩谷にはスターダムのスペシャルサポーターである相羽あいなからチャンピオンベルトと勝利者トロフィーが授与されるが、満身創痍の岩谷がトロフィーに体重を預けるとトロフィーがまっぷたつに折れてしまう。

岩谷「後楽園の皆さん!こんばんはー!こんばんはー!!ああ!ああ!こんばんはー!ああ!うう!ええ!ああ!多分、多分、フットスタンプで肋骨が折れたぁ~!いや、多分ウソ(笑)大丈夫(笑)けどそれくらい、内臓が出たかと思った!でも24日、後楽園、試合、最後に後楽園の試合でリングに、後楽園のリングに経ってるのは岩谷麻優だ!なんの、なんの言葉も出てこん!トロフィー、トロフィーごめん!ごめん!なんか、なんかトロフィー見ると、折ってしまう!ごめん!花月!花月!花月!お前、赤い毒霧、青い毒霧、最高のクリスマスプレゼントをありがとう!今年も、今年も最悪で最高のライバルでした。来年も、最悪で最高なライバルとして2020年もよろしく、ありがとう!」

 岩谷が右手を差し出すと花月が握手に応じ、さらに花月が抱きしめて岩谷の耳もとでなにかをささやきかける。そこへ渡辺桃がリングインしてマイクを取る。

桃「お取り込み中すみません、こんな大激闘のあとですみませんけど、素晴らしい試合でしたよ」
岩谷「ありがとう!」
桃来年2020年1月、私が成人式を迎えます。若い若い渡辺桃です。そこで岩谷麻優さん、防衛しましたよね今日。この私が来年1月、9周年大会でその赤いベルト、挑戦させてください。東スポ女子プロレス大賞とった岩谷麻優さんなら受けてくれますよね?」
岩谷「渡辺桃さん!こんばんはーー!!赤いベルト、赤いベルト、そりゃあほしいよね?誰でも……(岩谷がトロフィーに体重を預けようとすると悲鳴が上がる)大丈夫。私失敗はしませんので。結構光見えて、頭いいんですよ。赤いベルト、もちろん防衛戦、相手します。でも、桃、桃は何で麻優に勝てるんだろうね?この赤いベルトのチャンピオン、岩谷麻優を、たの……(噛んでしまう)くそっ!倒す覚悟とそれなりの技を持って、来月お待ちしているんで、かかってきてください。いつでも、後楽園でも、大阪でも、名古屋でも!」
桃「ぜひ!是非お願いします!」

(桃が退場しようとすると岩谷が呼び止める)

岩谷「チョット待って渡辺桃!今日、なんの日か分かってる?12月24日、クリスマスのイブだ!イブ、スターダム、年内最終戦。もう8年もいるからわかるよね?12月24日、年内最終戦と言えば、最後に後楽園で2019年の過去の映像が見れるんだよ!だから、それを見ずに変えるってことはないよね?一緒に、一緒に映画鑑賞しようよ!スターダム、全員、全員だよ?全員で2019年の思い出を一緒に振り返りましょう!これは『VTRスタート!』とか言えば、流れるのかな?映像班、スタンバイOKですか?クソッ!肋骨が痛い!ちょ、早く!VTR!!VTR!!VTR!!スタート!!」

(会場で2019年のダイジェスト映像が流れ、新日本プロレス1・4東京ドーム大会の第0試合、ダークマッチでスターダムが登場することが明かされる)

岩谷「……すげぇ!まさか、まさかまさかの、あぁ~どうすればいいんだぁ~!おい、ちょっと、言葉が出てこないから、花月、お前が締めろ!」

(花月に大歓声が上がる)

花月「いやあ、こんなに人気だと思わなかったよ。まあこんなこともめったに無いし、岩谷、2人で締めようぜえ?」
岩谷「まあ、年内最後だし、こういう空気で終わるのもいいんじゃないでしょうか!皆さんご起立お願いします!じゃあスターダム恒例の今を信じて明日に輝け!スターダム!って今年最大の声援で叫んでください!準備はいいか~!来年もスターダムをよろしくお願いします!せーの!今を信じて明日に輝け!WE ARE スターダム!!ありがとうございました~!!」

<試合後コメント>

岩谷麻優
――花月選手とは7度目の対戦でした
「7度目!うーん、なんか赤いベルトのチャンピオンとして、ちゃんと言葉を発しないといけないと思ってるんですけど、今はうーん、なんか、頭が真っ白で、なんか言葉が出てこない。うーん」

――それは戦い抜いたことによるものか、ダメージによるものか
「両方。もうなんか去年は怪我をしていて、年内最終戦の試合に出られなくて、一昨年も出れなかったらしいんですよ。欠場した覚えないんですけど。なんか、うーん、防衛できた喜び、体へのダメージがすごくて、試合前は結構プレッシャー、緊張してて、結構動きが硬かったと思うんですよ。思うように体が動かなくて、緊張しすぎて、なんか……ダメだ。ほんとに言葉が出てこない。つらかった!ホントにつらかったんですね。うん。闘いながらダメージがすごくて。(コスチュームのパーツを外し、2色の毒霧で自分がとても汚れていることに気づく)なにこれー?!今顔大丈夫ですか?客観的に見れないじゃないですか?自分の手とか、体見たらスゴいことになってるんですけど、自分顔大丈夫?(映像を見せられる)……結構ひどい!こんな顔で最後締めてたんですね。うーん!なるほどお!これはちょっと映像を見るのが怖いですね。トロフィーも欠けましたね、大分。(装飾に付いた鳥の)羽がなくなっちゃってますね。ああ!ああ!ホントにダメージがスゴイです。なんか、今自分の顔を画面越しに見て我に返って、結構冷静を取り戻してきたんですけど、ホントにつらかったです。今まで花月とシングルマッチするときは、宙吊りにされてたりして、今回もなんか宙吊りにされるのかなとか、うーん、メッチャいろんなことを想像してて、こう来たらこう返そうとか頭の中では思ってても、中々体が思うように動かなくて、フットスタンプとか、つらかった。ホントに。ホントにつらくて。(コスチュームから垂れたヒモを引っ張りながら)大丈夫これ?生理のヒモみたいになってる。これ女性からしたら分かりますよね?(笑)」

――試合後には渡辺桃選手が挑戦表明をしてきました
「まあ誰かしら『このベルトが欲しい』って言ってくることは想定してたんですけど、桃。意外と渡辺桃と自分ってシングル決まってもどっちかが体調不良だったりとかで、2回ほどシングルが流れてて、そのあとシンデレラか5☆STARかでシングルで戦ってはいるんですけど、こう、自分のほうが先輩なのに勝てないことが多くて、ドローになっちゃったりすることもあったので、来月は30分1本勝負。時間はたっぷりあるので、ちゃんとここで決着付けたいと思います。今日って試合時間何分くらいですか?」

――1・4新日本プロレス東京ドーム大会への参戦が決まったことについて
「なんか、今までは今日の試合を振り返ったダイジェストとかも含まれてて、毎回『あっ!すごい!殺気試合したばっかりなのにこの映像流れるんだ~』みたいのを毎年思ってた記憶があったんですけど、今回それがなくていきなりドームって出てきたんで、不意を突かれたというか、ちょっとびっくりしましたね。リング上がスゴイざわついてて、選手側からしてもサプライズ。誰が出るかはわからないですけど」

――やはり、チャンピオンは出たほうがよいのでは
「そうですよねー。まあ、スターダムのアイコンとして出たい……ちょっとごめんなさい、ホント言葉が出てこなくて。もう、意気消沈です。……使い方合ってます?『心底残念』的なやつ。四字熟語で言ったら。心底残念です。あぁ、もう無理~!ああ、ダメージ100%、喜び100%、達成感100%、もう感情が、心底残念!」

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