W-1 1.30後楽園大会 武藤vs.征矢のW-1チャンピオンシップ、246vs.KAZMA&土肥のタッグチャンピオンシップ
WRESTLE-1 SUNRISE TOUR 2015〜New Year Fight〜
日時:2015年1月30日(金)
開場:17:30 開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1050人
▼第1試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負
○AKIRA/浜亮太/藤原ライオン/エル・イホ・デル・パンテーラ
7分33秒 ムササビプレス→片エビ固め
NOSAWA論外/MAZADA/アンディ・ウー/●村瀬広樹
▼第2試合 WRESTLE-1vs DESPERADO シングルマッチ 30分1本勝負
●大和ヒロシ
4分28秒 バズソーキック→片エビ固め
○TAJIRI
▼第3試合 KASSENスペシャルシングルマッチ〜WRESTLE-1vsZERO1対抗戦〜 30分1本勝負
●稲葉大樹
7分23秒 スライディングD→片エビ固め
○田中将斗(ZERO1)
▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負
田中稔/○吉岡世起
10分17秒 ゆりかもめ
中之上靖文/●児玉裕輔
▼第5試合 WRESTLE-1vs DESPERADO シングルマッチ 30分1本勝負
○KAI
10分21秒 サンダーファイヤーパワーボム→エビ固め
●河野真幸
▼第6試合 KASSENスペシャルタッグマッチ〜WRESTLE-1vsZERO1対抗戦〜 30分1本勝負
○船木誠勝/黒潮“イケメン”二郎
10分54秒 トライアングルアームバー
鈴木秀樹(フリー)/●小幡優作(ZERO1)
▼第7試合 WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負
[王者組]カズ・ハヤシ/○近藤修司
11分50秒 キングコング・ラリアット→片エビ固め
[挑戦者組]KAZMA SAKAMOTO/●土肥孝司
※初代王者組チーム246が4度目の防衛に成功
▼第8試合 WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
[王 者]○武藤敬司
19分31秒 足4の字固め
[挑戦者]●征矢学
※第2代王者・武藤が2度目の防衛に成功
征矢を退けた武藤がW-1王座V2!黒潮を無視した鈴木秀樹はまたも船木とバチバチ
圧倒的不利なルールの中、タッグ王座V4に成功した246にToo Sharpが挑戦表明!
オープニング
5人となりパワーアップした公認サポーターのCheer♡1が登場。Cheer♡1がデスペラードのことを「最低」と言ってると、強奪したタッグベルトを持ったKAZMAと土肥がMr.ロバートを帯同して乱入。
ロバートは厳正に公平にレフェリングをすると嘘ぶくKAZMAだが、最高のバッドエンドを見せると予告。Cheer♡1は全力でチーム246を応援するという。
第1試合
浜組の4人は花道で並ぶとChoo Choo TRAINを披露。ライオンvs.村瀬で試合開始。グラウンドでマウントを取ったライオンだが、MAZADAがカットに入ると、論外と連係攻撃。すかさず村瀬がドロップキックを叩き込むが、ライオンもカウンターのミドルキック。
パンテーラとアンディがリングインすると、腕を取ったパンテーラはロープに飛び乗ってアームドラッグ。アンディもアームドラッグで投げて場外に追いやると、三角跳びプランチャを投下。アンディのソバットにニールキックを返したパンテーラ。
AKIRAが愚連隊の2人をドロップキックで場外に追いやってプランチャを投下すると、浜がリングイン。村瀬の逆水平チョップを受け止めた浜はショルダーブロック。さらに村瀬のラリアットも受け止めると、カウンターのラリアットでなぎ倒してからエルボードロップ。
愚連隊の2人も突進するが、ダブルラリアットで吹っ飛ばした浜はAKIRAにタッチ。ライオンとパンテーラが村瀬にトレイン攻撃を決めていくと、浜がスティンクフェイス。そこにAKIRAがシャイニング延髄斬り。カットに入った愚連隊が合体式フラップジャックを決めると、村瀬が走り込む。
だが、かわしたジャンピングラリアットをAKIRAが叩き込むと、倒れた村瀬に浜がジャンピング・ボディプレス。さらにAKIRAがダメ押しのムササビプレスを投下して3カウント。
マイクを持った論外が「いや〜、何かちょっと物足りないというかさ。汗かいてないよね」と言うと、MAZADAも「汗かくために、ここでやるのはどうですか?」と提案。そこで論外はNOSAWA軍を作り、MAZADAはMAZADA軍を作ると言い出す。
とりあえずその場で論外はライオンと合体。対するMAZADAは浜、村瀬と合体。NOSAWA軍が圧倒的不利なため、論外は「あと一人捜してきま〜す」と言って引き上げていった。
第2試合
大和がいつものように歌って入場していると、背後からTAJIRIが忍び寄ってケツを蹴り上げる。奇襲攻撃に成功したTAJIRIはサミングからブレーンバスター。ショルダークローをエルボーで逃れた大和はロープに飛ばすが、TAJIRIはハンドスプリングエルボー。
ロープに飛び乗った大和は背面アタックでぶつかっていくと、串刺し式スピアーからサイドスープレックス。そして足を踏みならした大和だが、TAJIRIはそこをスクールボーイで丸め込む。
カウント2で返した大和はもう一度足を踏みならすと、コーナー最上段から背面アタック。さらにTAJIRIをコーナーに乗せるが、TAJIRIが突き落とす。レフェリーに激突。それでも大和はコーナー上に追いかけるが、突き飛ばして逆さ吊りにしたTAJIRI。
腹筋の力で上半身を起こした大和だが、TAJIRIはレッドミストを噴射。それでも腹筋の力で上半身を起こした大和だが、今度はグリーンミストを噴射したTAJIRI。
コーナーから降りたTAJIRIは低空ドロップキックを叩き込むと、バズソーキックを狙ったが、これをかわした大和はスピアーを狙ってダッシュ。しかしハイキックで迎撃したTAJIRIは間髪入れずバズソーキックを叩き込んで3カウント。
敗れた大和は「TAJIRI、卑怯なことばっかりしやがってよ。真っ白な俺が緑色になってるじゃねぇか! でもな、俺の魂は何色にも染まらない。ミュージックスタート!」と叫ぶと、『龍騎大和』を熱唱した。
第3試合
W-1とZERO1の対抗戦KASSENのスペシャルシングルマッチとして行われる稲葉と田中将斗の一戦。稲葉はリングインするなりランニングエルボーで奇襲攻撃を仕掛けていくと、ドロップキックでなぎ倒してマウントを取ると、エルボーからヘッドバット。
さらに串刺しランニングエルボー2連発からダイビング・ヘッドバットを落とす。しかしエルボーでなぎ倒した田中は稲葉の顔面を踏みつけると、串刺しジャンピングエルボー。「ここだろ、ここ」と頬を突き出す田中にエルボーで向かっていく稲葉だが、田中は一発のエルボーで稲葉をなぎ倒す。
「甘くねぇんだ」と言いながら逆片エビ固めに捉えた田中だが、稲葉は悲鳴をあげながら何とかロープに逃れる。エルボーで向かって行く稲葉だが、田中は余裕の表情で受け止める。さらにソバットで吹っ飛ばした田中は「終わりか?」と軽く張り手を入れながら挑発してからジャンピングエルボー。
しかし稲葉もカウンターのジャンピングショルダーを返すと、ランニングエルボーからフィッシャーマンバスター。バックドロップを狙った稲葉だが、田中は投げさせない。串刺しラリアット2連発を決めた田中は、さらにラリアットを狙う。かわして組み付いた稲葉だが、田中はDDTで叩き付けるとファルコンアロー。
トドメのスライディングDをかわした稲葉は、続くブレーンバスターも背後に着地すると、張り手を叩き込んでからブルーサンダー。さらにもの凄い飛距離のダイビング・ヘッドバットを投下。カウント2で返した田中は走り込んできた稲葉をカウンターのラリアットでなぎ倒すと、スーパーフライを投下。
カウント2で返した稲葉だが、田中は狙い澄ましたスライディングDを叩き込んで3カウント。
第4試合
吉岡vs.中之上で試合開始。ロープに飛んでスピードをあげていった吉岡がジャンピングミドルを叩き込むが、中之上もすぐにショルダータックルを返す。続いて稔と児玉がリングイン。コルバタで投げていった児玉だが、稔もカウンターのドロップキック。
タッチを受けた吉岡はミドルキックからカサドーラを狙って飛び付くが、バックドロップで切り返した児玉。中之上にタッチすると、中之上がベアハッグ。そこに児玉がドロップキックを叩き込むと、中之上は逆エビ固めへ。
これは稔がカットしたが、中之上は稔を場外に放り投げると、吉岡にストンピングの連打。エルボー合戦からダブルアーム・スープレックスで投げていった中之上に続き、児玉が走り込むが、ゼロ戦キックで迎撃した吉岡はジャーマンで投げ捨てて稔にタッチ。飛び込んできた中之上をヒザへの低空ドロップキックで迎撃した稔は、児玉とエルボー合戦を展開。
しかし児玉はジャーマンで投げられたダメージが大きくダウン。Too Sharpは蹴りの連係攻撃を決めると、吉岡が児玉にクロスフェース、稔が中之上にヒザ十字を決めていく。
どうにかロープに逃れた児玉だが、稔のミドルキックから吉岡がジャンピング・カカト落とし。さらにToo Sharpはトレイン攻撃を狙ったが、かわした児玉はエプロンからジャンピングキック。さらに中之上とのサンドイッチ攻撃から中之上がバックドロップ、ダイビング・エルボードロップと決めると、児玉がファルコンアロー。
カウント2で返した吉岡はスピンキックを返すと走り込むが、中之上が飛び込んで来て、上空にトスしてからエルボースマッシュ。さらに児玉がトラースキックからカンクーントルネード。
これを吉岡がかわすと、稔が入ってきて低空ドロップキックからカッキーカッター。さらに吉岡がレッグラリアットを叩き込むが、児玉もカウンターのドロップキック。しかし稔がハイキックを叩き込むと、吉岡がトルベジーノからクロスフェース。場外では中之上のエルボーを稔がかわして鉄柱に誤爆させる。
それでも中之上はリングに戻るが、稔がドロップキックで場外に蹴落としてプランチャ。その間にリング上では吉岡が児玉をゆりかもめで絞りあげていきギブアップを奪った。タッグ王座挑戦コンビのチーム中玉に勝利したToo Sharpは腰に手を当ててタッグベルト獲りをアピールした。
第5試合
武藤に「いまの自分にそのベルトに挑戦する資格はないと思います」と告げたKAI。再び這い上がるために初代W-1王者であり、昨年二度対戦して二度負けている河野に一騎打ちを要求。
ロックアップからロープに押し込んだKAIは、パンッと河野の肩あたりを叩いてブレイク。グラウンドでお互いに譲らない攻防を見せたが、KAIがリングサイドのTAJIRIに気を取られたところで河野はKAIを場外に投げ出す。
河野も場外に出ると、サミングを見舞いながら西側客席まで連れていって壁に叩き付ける。河野はリングに戻ろうとする河野に襲いかかっていくが、逆に鉄柵に投げつけた河野はイスでKAIを殴打すると、止めに入ったセコンドの浜にもイスを振り下ろす。
リングに戻ってきたKAIにニーリフトから串刺しニーを見舞った河野は、バックドロップでカウント2まで追い込むと、ファルコンアローで叩き付ける。走り込んできた河野をウラカンホイップで場外に投げたKAIはトペを発射。
しかし、河野はかわしてセコンドのアンディに誤爆させると、KAIを鉄柵に叩き付ける。KAIもランニングニーをかわすと、場外で垂直落下式ブレーンバスター。河野をリングに戻したKAIはエルボーの連打から串刺しフロントキック。ブレーンバスターで投げたKAIはフェースロックに捕らえるが、河野はロープに脱出。
ならばとパワーボムの体勢に入ったKAIだが、河野は腰を落とす。KAIはエルボーにスイッチしたが、すべてを受け止めた河野はエルボーを返すと、フロントキック合戦に。そこからジャンピングニーを叩き込んだ河野。
チョークスラムからランニングニーで畳みかけた河野はネックハンギングボム。しかし、これもカウントは2。河野の串刺し攻撃を延髄斬りで迎撃したKAIはラリアット。だが、倒れない河野は「来い!」と挑発。KAIのラリアットに対し、ラリアットの相打ちで対抗した河野だが、2発目を相打ちに持ち込んだ直後、ガクッと崩れ落ちる。
すかさずKAIは河野を憧れの大仁田厚の必殺技であるサンダーファイヤーパワーボムで叩き付けると、ガッチリ抑え込んで3カウントを奪った。TAJIRIがリングサイドまで駆け上がってカウントを邪魔しようとしたが間に合わず。
ようやく河野に一矢報いたKAIは「勝ちました! 俺は納得いってないです。あいつとは何度でも……またあっちから言ってきたら、俺は受けると言います。やっと去年の借りを返せました! でもあと一人…あと一人借りを返さないといけない選手がいます。この会場にいますよね? 田中さん! いや、田中将斗! 2月13日の後楽園で俺と勝負しろー!」と叫んだ。
2.13後楽園に関する発表
スクリーンでは2.13後楽園にグレート・ムタの降臨が発表されると、さらに2.13後楽園大会で日体大レスリング部出身の芦野祥太郎(25歳=写真左)と、アニマル浜口ジム出身の熊ゴロー(24歳=写真右)の2人がデビュー戦を行うことが発表された。
第6試合
昨年のW-1後楽園大会で行われたKASSENスペシャルで初遭遇した船木と鈴木秀樹。その際、試合そっちのけの大乱闘になると鈴木は船木に向かって「みんなお前に気を使ってんだよ。俺は気をつかわねぇんだよ、馬鹿野郎!」と発言。さらに遺恨を深めた両者が再び相まみえる。
船木と鈴木が睨み合う中、黒潮はいつものようにリングサイドを一周してからジャンピング・リングインしようとしたが、そこを捕まえた鈴木は黒潮のジャケットを破り取る。すかさず小幡が黒潮にチョップをお見舞い。
リング上では船木と鈴木で試合開始。鈴木は船木をロープに押し込むが、お互いに相手の髪の毛を掴んで離さない。船木が張り手を見舞っていくと、鈴木はタックルでテイクダウンを奪うが、船木は下から三角絞め。鈴木はロープを掴むが、その背中に黒潮がスリングショット式フットスタンプ。
だが、鈴木は黒潮を無視して船木と睨み合い。そのまま小幡にタッチしてしまう。完全に無視された黒潮にチョップを見舞っていった小幡はヘッドロックで絞りあげる。ロープに飛ばした黒潮をショルダータックルで倒した小幡だが、黒潮はヘッドスプリングで起き上がる。そこにドロップキックを叩き込んだ小幡は、再び起き上がった黒潮に張り手。
黒潮も張り手を返すと、小幡はサッカーボールキック。黒潮もサッカーボールキックを返すと、喧嘩腰で殴り合いに。小幡の張り手を食らって朦朧としながら倒れた黒潮。そこに鈴木がエルボーを一発叩き込んで小幡にタッチ。またも無視された黒潮は控えの鈴木にエルボーで向かっていくが、小幡が黒潮にエルボーを見舞ってから鈴木にタッチ。
鈴木は朦朧とする黒潮にエルボーを一発叩き込むと、すぐに小幡にタッチ。エルボーと蹴りで黒潮を痛めつけた小幡からタッチを受けた鈴木はフロントスープレックスで投げると、黒潮の髪の毛を踏みつける。さらにエルボースマッシュでカチ上げるが、黒潮もカウンターのドロップキックを返して船木にタッチ。
フライングメイヤーからローキックを胸板に叩き込んだ船木は浴びせ蹴りから胴絞めチキンウイング・フェースロック。黒潮が小幡にドロップキックを叩き込んでカットを阻止すると、船木はランニングローを狙ったが、鈴木はボディへのヘッドバットで迎撃してからワンハンド・バックブリーカー。小幡にタッチした鈴木は黒潮を場外に連れ出す。
その間に小幡は串刺し低空ドロップキック、ミサイルキック、ドラゴンスクリューと決めていくと、立ち上がろうとする船木に低空ドロップキック。しかし船木はミドルキックを返すとランニングロー。さらに控えの鈴木に張り手を見舞ってから小幡にハイブリッド・ブラスター(=リストクラッチ式変型ツームストンパイルドライバー)。
これをカウント2で鈴木がカットすると、黒潮が鈴木にスワンダイブ式ミサイルキック。場外に出た鈴木に黒潮はプランチャを投下するが、かわされて自爆。その間にリング上では小幡が船木にダブルニーアタックなどで一気呵成に攻め込んでいくが、船木は下から三角絞めで捕獲すると、さらにダブルリストロックの複合技に捉えてギブアップを奪う。
場外では鈴木が黒潮をイスで何度も殴打していったが、船木が黒潮を救出。船木と鈴木は再びリング上とエプロンでお互いの髪の毛を掴みながら睨み合い。さらに鈴木に煽られて小幡も黒潮に張り手を見舞って乱闘になると、セコンド陣も一斉に飛び込んできて揉み合いになる。
ここでマイクを持った船木が「やめろ! もう終わったんだからやめろ! ZERO1でやるから待ってろ! 今日は負けたんだからやめろ! 次の試合もあるんだから。今日はどうもありがとうございました!」と乱闘を制止した。
第7試合
246からタッグベルトを盗み取ったKAZMAと土肥は、タッグタイトル挑戦が決まると「リング周囲を取り囲む場外フェンスの内側には、デスペラードの選手のみ立ち入ることが許される」「リング内で戦う選手が場外へ落下した場合、場外フェンス内にいるデスペラードの選手がこれをリング内へと戻す」「WRESTLE-1本隊の選手が場外フェンスを乗り越え、フェンス内に立ち入る行為は反則とする」「デスペラードが用意したMr.ロバート氏をサブレフェリーとして起用し、場外での反則行為の監視にあたる」という“デスペラード式ピラニアマッチルール”を突き付けた。
ロバートレフェリーに加え、河野、TAJIRIと共に登場したデスペラードに対し、246は近藤が竹刀を手に登場。試合前にW-1本隊の選手は全員鉄柵の外に出されてしまう。さらにロバートレフェリーが神林レフェリーを突き飛ばすと、デスペラードが奇襲攻撃を仕掛けていく。KAZMAのタックルで吹っ飛ばされた神林レフェリーはバックステージへと運び出され、ロバートレフェリーがメインレフェリーとなって試合開始。
近藤がカウンターエルボーからKAZMAをカバーするが、ロバートはなかなかカウントを取ろうとしない。エプロンからカズがロープ押しのスタナーを決めると、そこからムーンサルトプレスを投下。
しかしまたもロバートは超スローカウント。カズは串刺し式ニールキックから逆上がりでリングに戻ろうとしたが、KAZMAがドロップキックで場外に落とすと、すかさず河野とTAJIRIが攻撃。リングに戻ったカズはロープに飛ぶが、TAJIRIが足をすくって倒すと、デスペラードが一斉に襲いかかるが、ロバートはシューズのヒモを結び直している。
カズがどうにか土肥をコーナーに押し込んでタッチしたが、ロバートが見ていなかったためタッチは認められない。KAZMAと土肥はラダーでカズを攻撃すると、ラダーを押し当ててからイスで殴打。さらに合体ブレーンバスターでラダーの上に叩き付けてカバーすると、ロバートは超高速カウント。
どうにか2で返したカズは飛び付き式のリバースDDTを返すと、ようやく近藤にタッチ。串刺しラリアットからブルドッキングヘッドロックとネックブリーカーでKAZMAと土肥をまとめて攻撃した近藤は土肥にランサルセ。しかしロバートは超スローカウント。246はラリアットとトラースキックのサンドイッチ攻撃を決めるが、ロバートはカズに下がるように指示してカウントを叩かない。
場外のKAZMAがカズに竹刀攻撃をお見舞いすると、竹刀を渡された土井が近藤に竹刀攻撃。しかしカズはラダーをセットしようとしたKAZMAに土肥を叩き付けると、ラダーの上に登っていく。これをロバートが足止めすると、KAZMAが反対側から登っていって雪崩式ブレーンバスター。
近藤にトレイン攻撃を見舞ったデスペラードはKAZMAのジャンピングニーから土肥がラリアット。さらに河野が乱入してチョークスラムで叩き付けてから土肥がラリアット。KAZMAはカズにニーリフトから回転式バックエルボーアタック。TAJIRIも乱入すると、ついにロバートも一緒になってストンピング。デスペラードは近藤を羽交い締めにすると、TAJIRIがグリーンミストを噴射。しかし、これを近藤がかわしてロバートに誤爆させると、W-1本隊が一斉に鉄柵の中に。
黒潮が土肥にミサイルキックを発射すると、近藤がキングコング・ラリアット。さらにカズのハンドスプリング・レッグラリアットから近藤がもう一発キングコング・ラリアットを叩き込むと、戻ってきた神林レフェリーが3カウントを叩いて246が王座防衛に成功!
そこに吉岡が入ってきて246に向かって「カズさん、近藤さん、防衛おめでとうございます。そして、ありがとうございます。というのも、やっぱり俺が超えなきゃいけない壁っていうのは高くて険しくないと意味がないと思うんですよね。俺のパートナーに稔さん、対戦相手にチーム246、俺の憧れたこの3人の中でWRESTLE-1のタイトルを争えるなんて最高じゃねぇか! ただ勝ちたいわけじゃねぇぞ。俺はこの3人の中でも一番目立って、俺の時代を作りたいんだよ! それが俺の挑戦だ! 俺からの挑戦、受けてくれますか?」と挑戦表明をすると、握手を求めてきたカズと近藤に張り手。
さらに近藤と吉岡が睨み合いをしていると、カズが「稔さん、あんたはどうなんだよ。あなたの気持ちはどうなんだ? あなたが本気になるところを見たいんだ。あなたもいままでの歴史を作ってきたんだ。それをこうやってベルトをかけて闘うことをしてきた。おめーがやる気ならそこの口の悪い若者を教育しておけ」と吐き捨てると引き上げようとする。
引き上げようとする246を「ちょっと待った!」と引き止めた稔は「カズさん、近藤君、俺は本気だー! いいか、次の後楽園、お前たちから俺たちが確実にベルト獲るからよく覚えておけ。このすっとこどっこい!」と、改めてToo Sharpとしてタッグタイトルへの挑戦を宣言した。
第8試合
前哨戦のタッグマッチで武藤からギブアップを奪い、ようやく手に入れたシングル王座挑戦だが、王者武藤から「ギミックレスラー」扱いされた征矢。しかし、気合い充分の様子で入場した征矢は、まずタックルを仕掛けていく。
これは押し潰した武藤だが、バックを取った征矢はガブっていくとローリングを狙う。だが、武藤は回転させずに押し潰す。再びバックを取った征矢はバックマウントを取って体重を乗せる。
そこから腕十字を狙った征矢だが、武藤はアキレス腱固めで切り返す。うまく防御して脱出した征矢は武藤をロープに飛ばす。武藤のショルダータックルを受け止めた征矢はバックドロップで投げると、逆水平チョップを叩き込む。さらにダブルチョップからロープに飛ばしてのダブルチョップで殴り倒すと一人カンフーポーズ。
ブレーンバスターを狙った征矢だが、脳天にヒザを落とした武藤はフラッシング・エルボー。これをかわした征矢は蹴りかかるが、蹴り脚をキャッチした武藤はドラゴンスクリューを狙う。しかし踏ん張って回転を止めた征矢は三角絞めへ。ロープに逃れた武藤だが、征矢は首筋にエルボーを落とすと、さらにヘッドバットを首筋に連打。
武藤をコーナーに叩き付けて後頭部への串刺しラリアットからショルダーネックブリーカー。たまらず場外にエスケープした武藤だが、追いかけていった征矢。しかし武藤が逆に鉄柵に投げつけてからリングに戻る。リングに戻ろうする征矢に低空ドロップキックを見舞った武藤はロープ越しのドラゴンスクリュー。
さらにヒザへの低空ドロップキックからドラゴンスクリューを狙ったが、征矢はこれも三角絞めで切り返す。AKIRAが「ワイルド」コールで後押しするが、武藤はどうにかロープに脱出。
武藤は何とかアームホイップで投げると、コーナーに投げつけて串刺し式シャイニング・ウィザード。さらに征矢をコーナーに乗せると、雪崩式ドラゴンスクリュー。10分が経過し、ヒザへの低空ドロップキックからドラゴンスクリューを狙ったが、腰を落とした征矢はバタフライロックに捉える。さらに串刺しラリアット、ブルドッキングヘッドロックと畳みかけた征矢はぶっこ抜きブレーンバスターを狙ったが、武藤は高角度DDTで切り返す。
そこから串刺し式シャイニング・ウィザードを叩き込んだ武藤は、征矢をコーナーに乗せて雪崩式フランケンを久しぶりに繰り出すと、ドラゴンスクリューからシャイニング・ウィザード。
これをブロックした征矢はラリアット。しかし武藤もブロックしてドラゴンスクリュー。だが、征矢もショートレンジラリアットを返してダブルダウン。先に立ち上がった武藤がヒザへの低空ドロップキックを出せば、征矢もドロップキックを返す。武藤は征矢のラリアットをかわしてヒザへの低空ドロップキック。征矢も返す刀でショートレンジラリアット。
打とうはドラゴンスクリューを狙うが、征矢はブレーンバスターでぶっこ抜いて切り返す。15分が経過し、征矢はコーナー最上段からダイビング・ラリアット。カウント2で返した武藤だが、征矢は「くたばれ!」とデスバレーボム。これもカウント2で返されると、征矢は対角線をダシュしてワイルドボンバーを叩き込むが、カウントは2。
驚きの表情の征矢は前哨戦でギブアップを奪ったサソリ固めを狙ったが、自ら回転を加えた武藤は変型の足4の字固めで切り返す。どうにかロープに逃れた征矢だが、武藤は逆回転ドラゴンスクリューを征矢の右足に決めると、正調ドラゴンスクリューからシャイニング・ウィザード。
さらに渾身のプロレスLOVEポーズから後頭部にシャイニング・ウィザードを発射すると、正面からダメ押しのシャイニング・ウィザード。しかし征矢もカウント2で返す意地を見せる。背後から征矢のヒザ裏にミサイルキックを発射した武藤は、ドラゴンスクリューから足4の字固めへ。征矢も悲鳴をあげながら必死で耐えたが、最後は無念のギブアップ。
難敵の征矢をも退けて王座を防衛した武藤は、腰にベルトを巻くと、勝利のプロレスLOVEポーズを見せた。
<試合後コメント>
武藤敬司
「いや〜、この前の記者会見で『征矢はただのバカだ』って言ったのは、ちょっと訂正するよ。いろいろ考えて試合に臨んできたって感じで、だいぶ追い込まれたっすね。もっとワイルド殺法で来るかと思ったら、何か意外と計算したような賢いプロレスであの野郎きやがってですね。ただまだやって、まだまだ発展途上って気がしましたね」
ーー戦前、ギミックという発言がありましたが、そういうのも含めて見方を改める?
「あ、でも何となくファーストタッチ、セカンドタッチぐらいで、あの野郎全然ワイルドじゃなくて硬くなって、緊張していたよ。そういうところがまだアイツの発するコメントと、ちょっと裏腹な一面が見えちゃったりして。逆にそこがこっちは焦ったくらいだね」
ーーその中でも久しぶりに雪崩式フランケンだったり、いろいろな切り返しも見せていましたが
「そうですね(苦笑)。ただね、もう皆さん知っての通り、ヒザが悪いんであって。ヒザが悪いということは心肺の練習、ハートを動かす練習ってなかなか出来なくてですね、(試合を)やる度やる度に呼吸が乱れてですね、やっぱりまだまだっていう気持ちも本当にあるんだけど、早く倒してみろと(思う部分もある)。たぶん15年前の武藤敬司と比べたって、武藤敬司自体がもう……たぶん15年前の武藤敬司が100としたら、いまはもう40だよ! ただ誤魔化して30プラスアルファして70ぐらいで頑張ってやってるけどさ。じゃないとやっぱり何か……正直焦りも感じてくるよな」
ーー試合後、とくに次の挑戦者に誰もアピールに出てこなかったですね
「そうですね。ここで一巡? もう一巡? そんな層が薄いのかなって思ったけど……」
ーー次回大会にグレート・ムタの参戦が発表になっていましたが、ムタから何か連絡はありましたか?
「ムタはムタでね、あまりそういう物事に縛られることなくね、何か一説によるとアメリカにまた近々、出没するんじゃないかっていう、そういう噂もありますしね。俺にはコントロール出来ないっすね」
ーー次の挑戦者に特別誰かっていうのは、武藤さんはないと思いますが……
「逆にチャレンジャーのほうが臆しちゃってさ、俺と闘ったら損するんじゃないかっていう意識持っていたらちょっとショックだよな」
ーー誰も出て来ない物足りなさとかは感じますか?
「うん……いや、出てこないと困るね(苦笑)。それこそもう他団体に行っちゃうかもね。他団体のほうが遠慮がないから落とす可能性高いからね」
征矢学
「ご覧の通り、52歳ですか? 52歳で30年のキャリアのWRESTLE-1の社長であり、現WRESTLE-1のチャンピオン……なかなかね、こうしてチャンスが巡ってくることは、まず相当ないと思うんですよ。ただ、今回こうしてせっかくのチャンスをねいただいたにも関わらず負けてしまった。まあ完璧に負けたと同じでしょ。言ってみれば俺はギブアップした。もう俺の足がこれ以上絞められたら、選手生命の危機を感じたというかね。ここまで武藤さんが追い込んでくるというのは……武藤敬司自体は現役レスラー……現役と言っていいか、まあコンディションのいい状態の武藤敬司じゃないですけど、でも現チャンピオン。そういうのを考えた上で年齢とかそういうもの関係なしに、今日は負けたんだけど……ただっ! ただここで負けたんじゃなくて、もう一度! 武藤敬司に挑戦する資格があれば、必ず俺は狙っていきたいと思う。1回負けたからって…1回負けたからと言って、これで諦めたくない。私は…いや、ワイルドというのは必ずしも負けて降参するんじゃない。負けてもそこから這い上がる! そこから這い上がるのがワイルドってもんだ。だから俺はもう一度、チャンスを掴みます。もう一度、必ずWRESTLE-1のチャンピオン武藤敬司にチャレンジする。以上!」