“格闘王”前田日明に長州力がリキラリアット未遂?!プロレスの“決めごと”に触れた前田が「プロレスはどんどんダメになって行く」と苦言!
15日、東京都・後楽園ホールにて『PRO-WRESTLING MASTERS』が行われ、“格闘王”前田日明がMASTERS初参戦を果たし長州力と対峙した。
武藤敬司がプロデュースする『PRO-WRESTLING MASTERS』は、往年のレジェンドプロレスラーたちが集い平成維震軍やBATT、TEAM2000などのユニットも再集結するオールスター興行。
この日は、参戦を熱望されていた前田がセコンドとしての参加を表明。「対戦相手にも懐かしい顔がいるのでどんな感情が生まれるかは分かりませんが当日を楽しみにしてますよ」と対角線に対峙する長州力を意識したかのようなコメントを発表し、大きな注目を集めていた。
セミファイナルで行われた藤波辰爾&長州力&獣神サンダー・ライガーvs藤原喜明&長井満也&冨宅飛駈の試合、前田は藤原組のセコンドに付き、リング下に置かれたイスに座って試合を観戦。
試合は、“若手”のライガーが捕まる展開となり、藤原と長井のラフファイトに苦戦。場外戦では藤原が前田に攻撃を促す場面もあったが、前田は苦笑いでやんわりと拒否。
ライガーがカウンターの掌底を決めて藤波に代わると、藤波は長井にドラゴンスクリューからのドラゴンスリーパーで試合を決めようとするが藤原がヘッドバッドでカット。続く冨宅が飛び出してくるとライガーが掌底でアシストし、長州が渾身のリキラリアットで冨宅を沈めた。
試合後、藤波に促されリングに上った前田はマイクを取り、満員の観客席に向けて挨拶を始めるが、ここで突如長州がロープに走ってリキラリアットの構えを見せ、前田が身構えるが長州は直前で動きを止めて破顔。長州の茶目っ気に前田も笑顔に。長州はそのままリングを後にしようとするが、藤波とライガーに促され、一瞬ではあるが前田と握手を交わした。
バックステージに戻った藤波は、長州に「行きゃ良かったのに!勢いで!前田に!行けば勢いでこっちもなんか、けしかけようと思ったんだよ」とリキラリアットが未遂に終わったことを残念がるが、長州は苦笑い。そして長州は「日明は(リングに)上がんないって(笑)今から1年かかるよ。上がるったら言ったらもっと前に出てるよ」と笑顔で語り会場を後に。
一方の前田は、リングには上がらないのかと聞かれると「俺はね、引退試合やったんで、ダメですね」と現役復帰を否定。
そして前田は怪我が多発する現代のプロレスについて触れ、「プロレスは今のようにルチャっぽくなってると、一発怪我やっちゃうと大きいんでね。厳しい試合、激しい試合、怖い試合、キツい試合=アクロバチックでは無いんですよね。プロレスに対して、“決めごとで”っていう定義も浸透しちゃいましたけど、それを分かってても『ひょっとしたらプロレスはリングの上でホントにやり合ってんじゃないか』って思わせるようなものをね。前田日明自身が成功したのは何かって言うと、業界の人達まで騙したんですよね。猪木さんもそれが出来たし、自分もそういう猪木さんを見習って、業界の人間、一緒にやってる人たちも騙すのは最高なんだなって、やってました。若い人もそこまでやってね、何が現実で何がウソなのか、何が作り込みなのかって分かんないように、やってる内にやってる本人も分かんなくなってくんですよ。そこまでやったら印象に残るすごいレスラーとして名前が残るでしょうね。そのへんの部分がゴソッと抜けちゃってるんで、プロレスはどんどんダメになって行きますね。やってる本人さえも分かんなくなるようなアングルが組めたら最高ですね」と赤裸々に持論を展開した。