安納サオリが初代アクトレスガールズトーナメント決勝に進出!「私が今まで信じて作り上げてきた三年間を後楽園で出します」
6日、東京都・新木場1stRINGにて『Beginning 新木場大会』が行われた。
Beginningは『女優によるプロレス団体』をコンセプトに、所属選手を“アクトレスガールズ”と呼称して2015年に旗揚げ。堀田祐美子がマネージャーに就任し、現在ほぼ全ての女子団体にアクトレスガールズが参戦するほどに成長。そして10月20日&21日にサンリオピューロランドにて開催された『こすぷれふぇすたX inサンリオピューロランド』に参加し、ハローキティとのコラボステージを行うなど、プロレス界の内外を問わず急成長中の団体だ。
同団体は11月15日に行われる初の後楽園ホール大会に向け団体初の王座創設を発表しており、9月から“最強のアクトレスガールズ”を決める初代王者決定トーナメントを実施中。この日はその準決勝として安納サオリvs関口翔の試合が行われた。
自他ともに認める“団体の顔”である安納サオリは、同トーナメントの準決勝に駒を進めていたものの、9月に尾崎魔弓率いる正危軍に加入してからは凶器を用いる残虐ファイトや、恩師・堀田祐美子へ不遜な態度を取るなどの以前からは考えられない様子を見せるようになっていたが、10月末の前回大会で約2年ぶりとなる堀田とのシングルマッチで熱い“心のプロレス”の指導を受け、心の迷いを吹っ切ってこの日の準決勝に臨んでいた。
対する関口翔は、デビューして1年半のキャリアながらトーナメントの台風の目と期待されていた現在急成長中の選手。そのポテンシャルを見込まれOZアカデミーに定期参戦しており、成長を見せてきた関口は12月2日のOZアカデミー後楽園ホール大会で志田光の持つOZアカデミー認定無差別級への挑戦も決まっている。
安納は“団体の顔”としての意地を、翔は王座戦を前に負けられない覚悟を背負って後楽園ホールのメインイベンターの座を争ったこの試合、安納は足4の字で痛めつけてから足への執拗なストンピングなど、関口の足を潰しに行く。
しかし、関口は安納の突進を払い腰でカウンターし、得意のグラウンド引き込みスリーパーなどでじっくりと安納のスタミナを奪う。関口はこれをロープブレイクした安納に真っ向からの張り手合戦を挑み、互いの顔面をバチバチと引っ叩く壮絶な打撃戦を見せる。
これに膝をついた安納へ関口は突っ込んでいくが、安納はバックを取ってロコモーション式ジャーマンスープレックス。関口はこれを返して吼え、ラ・マヒストラルやバックスライドなど丸め込みで粘り、必殺のランニングSTOを決めてみせるが、2発目を狙った際に安納が飛びついてウラカンラナ。そのまま押さえ込みカウント3を奪った。
試合後、関口は「めっちゃ悔しいです。サオリさん、絶対に、優勝して、そのベルトをかけて、自分ともう一度勝負してください!」と再戦を誓いリングを後に。
そして、安納は後楽園ホール大会のメインイベントで対戦することが決まった沙紀をリングに呼び込み宣戦布告。沙紀は「私はこの後楽園ホール、ゴールでもなく中間地点でもなく、私がベルトを巻いてアクトレスガールズの新しい始まりにするんで」と返し、両者はリング上で睨み合った。
バックステージに戻った安納は、「いやぁ……余裕なかったっすわ、全然。関口翔いいっすね、勢いありますね、めっちゃ。二年ぶりにやったんですけど、全然違いました。でも、今日勝ったのは私なんで、私が後楽園ホールのメインイベントで沙紀と決勝当たります。それで優勝するのは私です!」と関口を評価しつつ、初代王座戴冠に向けて笑顔を見せる。
そして、沙紀との決勝戦について聞かれると、沙紀が『新しいアクトレスをスタートさせる』と発言していることに触れ、「じゃあ今までのアクトレスガールズはなんだったんだって。これを信じてやってきたところがありますし。私は今まで信じてきた三年間を、作り上げてきた三年間のものを後楽園で出します。もちろんそこ(後楽園大会)は沙紀と同じで、ゴールではなくスタートだと思ってるんで、いいスタートを切れる11月15日にしたいと思っております」と抱負を語った。
安納は、7月の沙紀戦に敗れてから団体を背負う使命感と成果を出せない焦燥感の板挟みで悩み、この一戦が間接的に正危軍入りのきっかけとなったと語っており、この決戦は安納にとっては決勝戦以上の意味を持つ試合となる。
三年間団体を背負ってきた安納の覚悟と、新しい風景を見せていくという沙紀の決意がぶつかり合うトーナメント決勝戦は、11月15日の後楽園ホール大会で行われる。