【試合結果】7・28 HEAT-UP板橋大会 【ユニバーサル王座】兼平大介vsバリヤンアッキ 田村和宏&大谷譲二&井土徹也vs木高イサミ&阿部史典&伊東優作 ガッツ石島vs近藤“ド根性”洋史 PSYCHO&CHANGOwith石田慎也vsマスクドミステリー&飯塚優
『インターナショナルシリーズin板橋』
日時:2018年7月28日(土)
開始:18:00
会場:東京・板橋グリーンホール
観衆:114名
▼第1試合 HEAT-UP流ストロングスタイル~ワシが宏志塾塾長渡辺宏志だ!~シングルマッチ 15分1本勝負
○渡辺宏志
6分30秒 逆エビ固め
●室田渓人
▼第2試合 It's a 宇宙空間~ファンタジーワールド~タッグマッチ 20分1本勝負
[Melt Brain Dancing]PSYCHO(フリー)/○CHANGO(フリー) with石田慎也
11分48秒 画竜点睛→片エビ固め
マスクドミステリー/●飯塚優
▼第3試合 再来!悪の巣!~戦え!ヒートアップヒーローズ~タッグマッチ 30分1本勝負
ヒデ久保田(フリー)/○定アキラ(フリー) with新井健一郎
11分24秒 クロスローズ→片エビ固め
プリンス・カワサキ/●イナダマン
▼第4試合 ラストド根性vol.1~ありがとう、感謝を込めて~シングルマッチ 30分1本勝負
○ガッツ石島
11分46秒 フェイスバスター→片エビ固め
●近藤“ド根性”洋史
▼第5試合 スクランブルバウトin板橋~燃えろプロレス魂~6人タッグマッチ 30分1本勝負
田村和宏/大谷譲二/○井土徹也
16分2秒 鬼丸をかわして→エビ固め
木高イサミ(BASARA)/阿部史典(BASARA)/●伊東優作(DEP)
▼第6試合 HEAT-UPユニバーサル選手権試合シングルマッチ60分1本勝負
【王者】○兼平大介
16分53秒 strike of the knee→片エビ固め
【挑戦者】●バリヤンアッキ(インド)
※王者兼平が2度目の防衛に成功。
兼平がインドからの刺客・バリヤンアッキを撃破し王座防衛!定が田村&藤波政権を批判し王座挑戦決定!PSYCHO&CHANGO&石田の“Melt Brain Dancing”が大暴れ!
オープニング
台風12号の接近により、各地でイベントが次々と中止・延期の知らせを打つ中行われた板橋グリーンホール大会。幸い選手・スタッフ共に来場時大きな遅延もなく予定通りに開始された。
選手入場式、代表挨拶は近藤“ド根性”洋史。
近藤「台風で天候の悪い中、本当にお足元の悪い中お越しくださりありがとうございます(館内拍手)。とにかくこの台風を吹き飛ばすほど熱い、熱い試合をして、ガッツさんを倒して、『一番良かった』と言われるように頑張りますので応援宜しくお願いします!(館内拍手)
第1試合
前の週のイベントではタッグで対戦した両者だが、シングルマッチは初めて。ヘッドロックで絞ってもアームロックで切り返され、ヘッドシザースで絞っても倒立から難なく脱出するなど食らいついていこうとする室田を要所でいなしペースを握らせない渡辺。手四つで押し込む室田をブリッジで耐え、押し戻してレッグブリーカー、室田のチョップには腕パンチからヘッドバット、室田に攻めさせて一層キツいのを返す渡辺。ロープに振ってコブラツイスト、決めさせずコブラで返す室田、河津落としにスイッチして切り返す。その場跳びのドロップキックからブレーンバスター、硬い頭でヘッドバットを放つと珍しく館内を煽る室田。全身でぶつかっていくタックル3連発とたたみかけた室田、カウント2。
5分経過、渡辺ブレーンバスターを切り返し背後に立ちバックを取る。室田堪えてロープに走るが渡辺ドロップキック。ワンハンド・バックブリーカーからフォールに入るがカウント2。猪木ばりに立ってこいのポーズを見せた渡辺、胸板への腕パンチからもう1発ワンハンド・バックブリーカー。そのまま逆エビ固めに入ると腰に大きなダメージを負った室田はたまらずギブアップ。宏志塾長の一点集中攻撃講義をその身で味わった室田であった。
第2試合
PSYCHO&CHANGOは石田慎也を引き連れ、自分たちの新チーム名“Melt Brain Dancing”(イカれた野郎共)の団旗を掲げて入場。この試合でサイチャンゴを苛つかせたのは誰あろう飯塚優、足関節を狙ったサブミッションには堪らずロープに手を伸ばしていく。サイチャンゴが場外で密談する間にミステリー登場、PSYCHOですらミステリーのパワー&テクニックに手を焼く。だったらキャリアの浅い飯塚を捕まえればいい。ヘッドロックで絞る飯塚の後ろ髪を掴んで自分たちの流れに持っていくPSYCHO。合体ニードロップからCHANGOのセントーンが落とされた時点で5分が経過。
河津落としで倒した飯塚にCHANGOをアームホイップで叩きつける連携技やPSYCHOのキャメルクラッチなどじわじわと飯塚をいたぶっていく。高い打点のドロップキックをPSYCHOに放ちローンバトルを脱した飯塚、ミステリーに交代するとサイチャンゴに代わる代わるボディスラム、PSYCHOには串刺しエルボーからサイド・スープレックス、腹鼓からフライング・ソーセージ。渋い表情を見せるPSYCHOだが、串刺し攻撃をかわして変形コンプリートショットで脱出。CHANGOは串刺しエルボーから延髄斬り、ビッグブーバーからシザースキック。これをかわしたミステリーは喉笛を掴みチョークスラムの体勢、CHANGO振りほどいてロープに走るがカウンターのスクープサーモンが待っている。飯塚にタッチ、「待った待った!」と叫ぶCHANGOにお構いなしのPK、ミステリーのアトミコに繋ぐ連携。連携を逆手に取りふたりまとめて投げ飛ばそうとするCHANGOだが、ミステリーが踏ん張って宙ぶらりん状態。そこに飯塚の右ミドル、続けてミステリーの投げ捨てパワーボムに繋ぐ。初タッグながら息の合った連携でCHANGOを攻めるミステリーと飯塚。
10分経過、「決めるぞ!」と叫びコマンド・スープレックスの体勢に入る飯塚。切り返したCHANGOロープスロー、振り返す飯塚、ロープを掴み飯塚をショルダースルーで場外に落とすCHANGO。しかしそこに石田が介入、エプロンで飯塚にRKOを放ちミステリーをトペコンでカット。バンダナを投げつけエプロンの飯塚を攻撃、だが飯塚は飛びついてロープ越しの三角絞めへ。PSYCHOがエプロンでのスライディングキックでカット、なおも攻撃を続けるPSYCHOをてっしーレフェリーがチェック。ここで飯塚はもうひとりの存在、石田慎也に注意を払っておくべきだった。石田は音も立てずにエプロンに飛び乗ると立ち上がってくる飯塚にRKOをぶっ放す。更に場外のミステリーにエプロンからトペ・コンヒーロ。分断され孤立した飯塚にサイチャンゴがリング内で画竜点睛を決め3カウントを奪うのにそう時間はかからなかった。
リングをジャックしたMelt Brain Dancingは改めて団旗を広げてアピール。膝の手術でこの日を最後にHEAT-UPマットを欠場する石田慎也に贈る勝利であった。
第3試合
SMOKEY CRIMINALのセコンドには傘を杖にして共に入場する新井健一郎の姿が。川崎ヒーローズとしてはもうひとつの厄介者であるスモーキーを退治しておきたい所であるが、ヒデとアキラは体格もひと回り大きく攻略しづらい。プリンスが小気味良い動きで翻弄しようとしても、ヒデはマスクに手をかけ引っ張り倒す。のっけから捕まりかけるプリンスだが、ヒデに飛びついてヘッドシザースホイップで投げ飛ばしドロップキックで場外へ。フォローに入るアキラにはイナダマンがドロップキック、場外に飛ぶと見せかけフェイント。悔しがるヒデとアキラに今度こそWプランチャ、しかし読んでいたスモーキーがかわす。場外乱闘で川崎ヒーローズを引きずり回すヒデとアキラ。リング内に戻ったプリンスとヒデ、村杉レフェリーの注意をアキラが引き付けるとヒデはプリンスのマスクに手をかける。スモーキー勢の狙いは川崎ヒーローズのマスク剥ぎ。これにはイナダマンもセコンド陣もエキサイトするが、村杉レフェリーはそちらをチェックしスモーキー勢の思う壺。
5分経過。クイックタッチでプリンスを攻めるヒデとアキラ、ヒデが場外にプリンスを放り出すと遂にあの男が動く。場外でアキラがプリンスを押さえアラケンが傘で一撃。事実上のハンデ戦を強いられる形になってしまう川崎ヒーローズ。捕まってしまったプリンスだが、ヒデへのアストロシザースを決めてようやくタッチ。イナダマンはドロップキックでヒデ、アキラを蹴散らし気合を入れる。プリンスより体格が良いイナダマン、ドロップキックでツープラトン攻撃を弾き返す。串刺しエルボーから顔面への低空ドロップキック、ヒデの串刺し攻撃をかわして串刺しドロップキックからボディプレスと躍動する。しかしヒデは黙ってやられ続ける男ではない。マンハッタンドロップからマスクを掴んで引き倒す。両軍交代、プリンスはアキラにスリングブレイドからミサイルキック、キャメルクラッチからバックローリングでフォールを狙うがカウント2。イナダマンにタッチ、トレイン串刺し攻撃からトラースキックとイナダボンバーのサンドイッチ攻撃、ブレーンバスターとボディプレスの合体攻撃とアキラを攻める。
10分経過、更にイナダマンのWA4がアキラを捕らえるがカウント2でクリアされる。場外からヒデがフォローに入ろうとするが村杉レフェリーに阻まれる。アキラを膝立ちにさせロープに走ったイナダマン、しかしアラケンが両足を引っ掛けてアキラをフォロー。回転エルボーでイナダマンを吹っ飛ばすアキラ、カウント2。突進するアキラをかわしてステップ延髄を放つイナダマン、ロープに走るがアキラのスパインバスターで捕らえられる。待ち構えていたヒデのトラースキックからアキラがクロスローズに繋いでイナダマンがらフォール勝ち。
試合後アキラはイナダマンのマスクを剥ぐという暴挙に。高々とマスクを掲げてヒデと勝利のアピール。アキラは戦利品のマスクを咥えアラケン、ヒデと共にカメラに向かってポーズ。アラケンの復活、SMOKEY CRIMINAL健在ぶりを強くアピールした。
第4試合
おそらく最初で最後になるであろう両者のシングルマッチ。100キロの石島をロープに押し込み、グラウンドに誘われると下からの三角絞めと持てる力と技をフルに出して石島に立ち向かう近藤。タックルでは力負けするが、すかさず膝への低空ドロップキックからスライディングヒップに繋ぐ。その場跳びのフライング・ソーセージ、逆水平で退かせて串刺しエルボー2発、観客を煽りもう一度スライディングヒップとスタートダッシュで攻める近藤。石島はバックエルボーから脳天へのエルボー、スリーパー、首四の字、エルボードロップと体格の差を利して盛り返していく。
5分経過、石島の「立てコラ!」に館内の一部から拍手。チョップ合戦で盛り返そうとする近藤だが、石島のショートアッパーでダウン。石島の串刺し攻撃をかわした近藤は担ぎ上げようとするが耐えられてブレーンバスターで投げられる。石島ロープスローからパワースラム、カウント2。その場跳びのドロップキックを放った近藤だが石島は倒れない。もう一発は首筋へ、叫んだ近藤ロープに走る。ラリアットをかいくぐってジャンピング・ショルダーでなぎ倒す。場内からは大きな拍手が。続けてコーナーからダイビング・ショルダー、しかしダメージのせいかフォールに行かれない近藤。てっしーのダウンカウントに「ダウンじゃないぞ!」と叫び立ち上がる近藤、リング中央で石島を担ぎ上げて投げっぱなしバックフリップ。ド根性デスロックは脚力で弾き返されるが、すぐ起き上がってスピアを打ち込む。石島の巨体が浮き上がる一撃だったがカウント2。観客の手拍子に後押しされコーナースロー、しかし石島反動でラリアット。2度目の「立てコラ!」に館内の一部がどよめく。ヘッドバット連打からショートレンジ・ラリアット、押さえ込むがカウント2。ならばと石島はWARスペシャル、ここに来てこの技はかなりキツかったが近藤ロープにエスケープ。
10分経過、石島はロープスロー、スピアからジャックナイフ固めで丸め込み石島の虚を突いた近藤、カウント2。素早くコーナーに登りピョン吉スプラッシュが完璧に決まるがカウントは2。逆水平でリング中央に固定させロープに走る近藤、だが隠し技であるニールキックを繰り出した石島。予想外の一撃で大きく吹っ飛んだ近藤。とどめとばかりにゴーストバスター、だがカウント2でキックアウトする近藤に驚きの表情を見せる石島。ならばとフェイスバスターをぶっ放し文句なしのカウント3。二大巨塔の一人にあと一歩まで迫った近藤だが力尽きた。
試合後おもむろにマイクを掴む石島。
石島「おい近ちゃん、近ちゃん。10月で引退しちゃうんだよな。こんなに出来るんなら、もったいないんじゃないかおい。今日俺も何発も頭打って、ホントイカレそうになったけど、まあ、何度か気合い入れ直したけど。お前、やるじゃないか。(土下座する近藤、館内拍手)まあでもな、お前が自分で悩みに悩んで決めた道だから、10月31日まであまり時間はないけど、悔いのないように一生懸命頑張っていこう。お疲れさん。(握手を交わす両者、館内拍手)」
近藤「ガッツさん、ガッツワールドで1回当たって、凄いパワーで、絶対超えたいと思いました。HEAT-UP、GOING-UP一緒になって、一緒に練習見てもらって、僕もHEAT-UPの中ではパワーファイター…いや、近藤“ド根性”洋史としてあなたに勝ちたかったです。僕は、色々な先輩、そしてガッツさんからもありがたい言葉をいただき思うことは…僕は、最後まで自分の決めた道を信じて、ド根性で、全力で頑張りますので、最後まで宜しくお願いします。ありがとうございました。」
再び固い握手、そしてリング中央で互いに礼。『近ちゃん』と称される明るいキャラクターの近藤がリングを去るまで、残り95日。その間近藤は全力ファイトでまた観客を喜ばせてくれることだろう。
第5試合
イサミのHEAT-UPマット登場は約3年ぶり。コーナーで両手に持った缶ビールをあけるが直後に「くっせ!くっせ!」と他人事のように言ってのける。田村の右手にはユニバーサルタッグのベルト、ようやく田村にベルトが戻ってきたと実感させられる。館内からは各選手に寄せられる声援があちこちから飛ぶ。先発は因縁の残る井土と優作、腕の取り合いから先にエルボーを放つ井土、タックルで優作をぶっ倒すと館内から声援と拍手が起こる。井土は田村にタッチ、クリーンにやろうと井土が手を離した次の瞬間、振り向いて井土の顔面に張り手をぶち込む優作。エキサイトする井土をなだめるようにする田村。優作は阿部と交代、稲田堤道場で共にインストラクターとなっているが、両者のコンタクトはまるでスタンドからグラウンドへのスパーリングの様相。素早いグラウンドの攻防の中、田村は場外へエスケープ。悔しがる両者に対し館内からは万雷の拍手が起こる。田村が下から腕十字、阿部はつま先に噛み付いてからアンクルホールドへ。田村が取り返すと無理をせず阿部はイサミにタッチ…互いの手がすれ違いなかなかタッチできない。アックスボンバーズの同士であった田村とイサミは再会を懐かしむようなファイト。グラウンドからもつれるように赤コーナーへ、田村は譲二と交代。イサミのローに対し、ロープに押し込んだ譲二は大きく振りかぶったチョップ一閃。乾いた音が場内に響くと館内から拍手。イサミも逆水平で返すが、譲二の一発に胸を押さえ渋い表情を隠せないイサミ。場内からはより大きな拍手と譲二コールが沸き起こる。それに押された譲二はタックルでイサミをぶっ倒す。
5分経過、ロープに飛んだ譲二の背中を阿部が蹴っ飛ばす。イサミは譲二を場外へ、阿部が田村と井土をカットする間イサミと優作は場外でやりたい放題。いつの間にか場外で殴り合っている井土と優作、イサミは傘の柄を使って譲二にチョーク攻撃、何故かその傘を膝でへし折ってしまう暴挙に。いつまでたっても場外戦を繰り広げる両陣営、このまま両軍リングアウトかとも思われたが譲二とイサミがリング内に…何故か場外カウントを続けている村杉レフェリー、カウント17で通常に。ちなみに田村と阿部は別次元の闘いを場外で繰り広げていた模様。イサミと煩悩兄弟は譲二の腕狙いに。阿部のグラウンドスクリュー、イサミのWフットスタンプ、アームロック、優作の脇固めと次々に繰り出され譲二が窮地に追い込まれる。譲二はエルボーで反撃しようとするが、阿部は難なくかわしてステップ延髄。ロープに走ろうとする阿部の手を掴んだ譲二はローリングエルボー。ボディパンチからぐるぐるソバット、阿部がロープに走ると別方向に走った譲二が飛びつきダイヤモンドカッター。田村にタッチ、エルボーで3人を吹っ飛ばし、阿部には人工衛星ヘッドシザース。
10分経過、田村串刺しミドルから串刺しエルボー、スリングブレイド。観客を煽りソバットコンビネーションから「見てろよこの野郎~!」とイサミを挑発、そして「ボディが!お留守だぜ!」と阿部のボディにパンチ一閃。ロープに走るが阿部がドロップキックでお仕置き。この行為にイサミが怒らないはずがない。串刺しビッグブートから雪崩式フランケン、立ち上がった田村だが横っ面に絶槍が突き刺さる。ブレーンバスターを切り返した田村、背後に降り立つがイサミのエルボー。エルボー合戦となり今度はイサミが本家「ボディが!お留守…」アームホイップで田村が切り返し腕十字からアンドレへ。そこに阿部が入ってきて「背中がお留守だぜ~!」と叫んでサッカーボールキック。無防備の背中を思い切り蹴られたものだから田村はたまらない。イサミが引きずり起こしロープスロー、田村はコーナーで立っていた阿部のボディにドロップキック。余裕があったら「ボディが!お留守だぜ!」と叫びたかっただろうが。しかし振り返った所にイサミの勇脚。結局田村に掟破りのバチが当たった。コーナースローをウルトラタイガーで切り返し、両軍交代し井土と優作に。優作ソバットからDDT、引きずり起こしてスリーパー。井土は無理やり振りほどきロープスローからドロップキック、フィッシャーマンバスター。カットに入ったイサミと阿部を蹴散らした田村と譲二、優作への串刺しトレインから井土ボディスラム、田村と譲二の同時ミサイルキックに繋ぐ。そして譲二のフォローを得て井土がスライディングD、イサミと阿部がカット。今度はBASARAの番とばかりに阿部が譲二に、イサミが田村にドラゴンスクリューの共演、並んでポーズを決める。
15分経過、優作のボディスラムから阿部が走り込んでPK、そしてイサミのダイビングダブルニードロップへ。万事休すと思われたが井土はカウント2でクリア。続いてイサミは田村にトペ、阿部は譲二にエプロン疾走PK、勝負を優作に託す。優作バズソー、井土かわしてスクールボーイ、カウント2。続けて首固め、カウント2。突っ込む井土に優作トラースキックをドンピシャのタイミングで放つ。すかさずバズソー、井土カウント2でキックアウト、館内おおっという声援。そして優作は距離を取り鬼丸へ、これをヒット寸前でかわした井土、全体重をかけたエビ固めで殊勲のフォール勝ち。館内からは大きな拍手が沸き起こる。
試合が終わっても取っ組み合いの乱闘をしている井土と優作、止めに入る田村と譲二、セコンド陣。そこにイサミと阿部が介入するものだからリング内はしっちゃかめっちゃかに。先に去っていくイサミと阿部、リング内では井土がウィナーコールを受けている。優作がマイクを要求。
優作「オイ井土オイ!ちょっと丸めて勝った位でいい気になってるんじゃねえぞ!今日は俺の負けだけどな、これでお前と…今すぐでもどこでもいい。1対1で決戦(マイクを投げ渡す)だ。」
井土「シングルで…やってやるよ(突進して飛びかかる)この野郎!!」
周りの制止も聞く耳持たず、乱闘の続きを始める井土と優作。そこに阿部が入ってきてセコンド室田の背中を水入りペットボトルで一撃。更にイサミも入ってきてロープ際の田村に延髄斬り。館内は爆笑。イサミは田村に、阿部は譲二に1対1を要求する仕草。去っていくBASARA軍&優作、ようやく田村、譲二、井土が3人で手を挙げる。これでリング上に誰もいなくなり一時の静寂が…と思われたら退場口でイサミ、阿部、優作が待ち伏せ。リングに田村を入れたイサミはすぐ場外に放り投げる。強烈過ぎるアピールで存在感を示したイサミ、阿部、優作。ここでおわりなのか、それとも次のラウンドがあるのか。
尚、田村組がコメントを出している際にSMOKEY CRIMINALが乱入。
アキラ「オイ!」
田村「なんだ、また来たのか?」
アキラ「また来たのかじゃねえぞテメエコラオイ!」
田村「何だよ!」
アキラ「何だよじゃねえよ悦に浸ってるんじゃねえぞカス共がええ!!」
田村「何だよ、お前誰だよ?」
アキラ「誰じゃねえよ、この前よ、オイ、兄貴達も負けたままじゃ終われねえんだよ!」
田村「終わっただろ?」
アキラ「オイ、それとなんだお前、藤波辰爾?新井のオジキも言ってんだろ?あんなロートル連れて恥ずかしくねえかカスコラオイ!」
田村「あの試合で足折ったの誰だよ?お前らとは終わったんだよ!」
アキラ「全然イケてる、終わってねえんだ何だよお前!『レジェンド』が必要か?」
田村「そうだよ。」
アキラ「『レジェンド』が必要なのか?だったらよお、こっちにも策があるんだよ。オイ!用意してんだよテメエオイ!」
田村「何だよ?」
アキラ「レジェンド来ればタッグのタイトルに挑戦させてくれるんだよな?」
田村「誰だよ?誰だか言ってみろよ!いるのかよ?」
(乱闘になりかける)
アキラ「いるんだよ!言ってやろうかここで。言っていいんすか?」
(アラケンが首を縦に振る)
アキラ「お前が!一番嫌いな!長井満也さんだよ!」
田村「ふざけんじゃねえよ!そんなの連れてくるんじゃねえよ!」
アキラ「嘘だと思うか?嘘だと思うかお前?オイ!楽しみにしてろこの野郎オイ!」
新井「ま、田村さん、ね?我々から、ヒデちゃんと俺の最高なタッグから、ね、ベルト獲って、更に…ね~藤波辰爾の『金魚のフン』感が増して、『コバンザメ』感が増して、オーラが半端ないっすよね。あの、お願いです田村さん、ちょっと口悪いですけど、ウチの若いのにチャンス与えてもらっていいですか?」
田村「(アキラに)やれんのかお前?中途半端に来るんじゃねえぞ!」
アキラ「チビ!来いよカスオラお前!」
田村「長井満也連れてくんのかお前!連れてくるんならやってやるよ!」
アキラ「おうやってやるよお前!長井さんなんか出させねえ、俺一人でぶっ潰してやるカス!」
田村「その言葉忘れんなよ!やってやろうじゃねえかよ!」
アキラ「やってやるよお前!じゃあ組めよ!」
田村「おう組んでやるよお前!プロレス界そんな甘いもんじゃねえんだぞ!」
アキラ「おうわかってる、わかってるよ。」
田村「ふざけんなよ!」
アキラ「殺っちゃいますよ、俺!」
定アキラの挑戦を受ける形となり、以下のカードが8月27日新木場にて実現。また、井土徹也と伊東優作のシングル対決も新木場で行われることとなる。
『マンデーナイトUP』
日時:2018年8月27日(月)
開始:19:00
会場:東京・新木場1stRING
ー追加決定分カードー
▼HEAT-UPユニバーサルタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組】田村和宏/藤波辰爾(ドラディション)
vs
【挑戦者組】長井満也(ドラディション)/定アキラ(フリー)
▼猛暑酷暑~真夏のタイマンマッチ~30分1本勝負
井土徹也
vs
伊東優作(DEP)
第6試合
会場後方座席にはさくらえみをはじめとする我闘雲舞勢やバリヤンアッキ応援シートのお客さんが。インドの国旗を手に応援する声を聞き気合の入る挑戦者アッキ。これまでは上半身にTシャツを着ていたアッキだが、この日のためか見事な肉体美を披露して試合に望む。それでも約20キロの体重差は大きく、軽々とボディスラムで投げられてしまうアッキ。コーナースローを振り返し、兼平が振り向くと「नमस्ते(ナマステ)~!」と手を合わせるアッキ。呆気にとられる兼平が突っ込むとアッキはスライディングレッグシザース。そして首筋に数度ニーを落としサッカーボールキックから後頭部への低空ドロップキック。更にスリーパーから首筋に数発エルボーを落とし、スワンダイブで兼平の後頭部にミサイルキックを決めた場面では館内がどよめく。これには王者兼平も苦痛の表情。力技にこだわらず細かい、時には大胆な打撃技で活路を見い出すアッキ。バックを取って持ち上げたアッキだが、取り返した兼平は後方回転して腕十字。必死にロープを求め足をばたつかせるアッキ、エスケープ。肩の付近を少々気にしている兼平、打撃には打撃と逆水平を打ち込む。体重の乗った兼平の逆水平でアッキの胸が紅く染まる。サッカーボールキック1発でも体重差がある分ダメージは増加。
5分経過、兼平はアームブリーカーから巻き込んでチキンウイング・アームロック。落ち着いた表情の兼平に対し、苦しむアッキだがロープに足を伸ばす。兼平の逆水平にアッキの身体が一瞬浮き上がる。ロープスローから反転し飛びついたアッキだが、結果的にフラップジャックの形でマットに叩きつけられてしまう。兼平ブレーンバスター、カウント2。腕のダメージが大きいアッキ、館内から「アッキしっかりしろ!」と激励のエール。ロープに振って兼平キチンシンク、更に走るがアッキはフランケンで投げ飛ばす。場外に降りた兼平にアッキはノータッチ・トペ・コン・ヒーロ。応援団の国旗がたなびく。場内のアッキコールに「いくぞー!」と胸を広げて気合を入れるアッキ。リングに戻ると横に落とす変形のバックドロップ、コーナースローを振り返されるが飛びつき式の回転エビ固めで丸め込む。剛柔変幻自在のスタイルで兼平を困惑させる。横に落とすブレーンバスターからロープに飛ばしてバックエルボー。兼平はキチンシンクからコーナー上にアッキを据えてボディに虎王。早くもstrike of the kneeを繰り出すがアッキはキャッチ、しかし兼平はこの展開も研究していたらしく、冷静に腕十字を極めていく。動かないアッキ、決まったかと思われたが身体を反転させたアッキがロープに手を伸ばす。
10分経過、エプロンに出た両者、兼平はパワーボム狙い、こらえたアッキは何と断崖式ジャーマン狙い、未然に終わりジャンピングハイから突っ込むアッキ、キャッチした兼平はエプロンでエクスプロイダーへ。足が滑ってしまった分低い弧を描き危険な角度で叩きつけられたアッキ。リング内に戻った両者はエルボーの打ち合い、突如目が覚めたかのようにエルボーを連打するアッキ、離れると兼平の虎王が顔面を捕らえる。兼平バックドロップ狙い、こらえたアッキはトラースキックから右ハイ、かわした兼平膝を突き立てアッキダウン。兼平strike of the knee、キャッチしたアッキ回転十字固めの要領でローリング、兼平担ぎ上げるがアッキは前方に回転し、変形の首落としへ。両足で片方の腕もクラッチしているため逃れにくいこの技、十分絞め上げたと感じたアッキは十字固めで丸め込むがカウント2。ここでアッキはCrescent moonへ、持ち上げさせなかった兼平は腕に一撃、もう一発をかわしたアッキはバックドロップの体勢から山折りへ。館内どよめく。天を指したアッキはコーナーに登ってファイヤーバードスプラッシュ、少々前置きが長かったせいかかわす兼平。しかし足で着地していたアッキはすかさずドロップキックを放ち兼平をコーナーに激突させる。仰向けに倒れる兼平に今度こそはのファイヤーバード、しかし腕のダメージが大きいアッキはフォールにいかれない。それでも押さえ込みにいくが、兼平の手がロープを掴んでいた。
15分経過、コーナーで座り込む兼平にアッキが突進してニー、更にfromコーナーtoコーナーのドロップキック、あわや王座交代かとも思わせたが、王者の意地かカウント2で肩を上げる兼平。アッキは再度Crescent moon狙い、逃れた兼平は腕を掴みカミゴェ、更にstrike of the kneeに繋ぐがカウント2。場内のヴォルテージが最高潮に達した中、バックドロップからstrike of the kneeで兼平が貫禄のピンフォール勝ち。未知の外国人レスラーを相手に2度目の防衛に成功した。
エンディング
てっしーからベルトを受け取った兼平、マイクを握って語りだす。
兼平「アッキ選手…俺があなたを挑戦者に選んだのは間違いじゃなかったよ。アッキありがとう!(館内拍手)ちょっとね、twitterでね、連戦がどうのとか言ったけど、それは今後HEAT-UPは近藤さんがいなくなったり、戦力が不足する中でこのベルトの価値を守るのは俺しかいなかったから、ああいうことを呟きました。でも本当はアッキ選手のこと大好きです(館内笑いと拍手)。なんか、よかったらコメントお願いします(マイクをアッキに渡そうとする)。」
躊躇するアッキだったが、館内の声援に押されてマイクを握る。
アッキ「皆さん…ごめんなさい。これは全然カッコよくないけど…間違えたね、でも、僕の話(ストーリー)はまだ終わってないよ。これから始まります(館内拍手)。今日からでも、これからも、サポート(応援)が必要です。サポートしてください。お願いします(館内拍手)。それは僕にとっていちばん大切なことです。皆さんのサポートは、僕の心にいちばん、いちばん場所があります(大きなものです)。皆さん、ありがとうございます(館内拍手)。僕の話を、今から見てください。ありがとうございます(館内拍手)。」
去っていくバリヤンアッキに大きな拍手と声援が贈られる。アッキはリングと応援してくれた方々に深々と礼をしていった。
兼平「次の挑戦者…まだ、田村さんに相談してないすけど(館内笑い)、ここでは発表しませんっ!(館内「ええ~」の声)今後は、俺が指名するのではなくて『俺が挑戦したい』という人に挑戦させたいと、今の所思っています。(館内若干薄めの反応に)…あんまり反応なかったすけど…(館内笑い)本日は、この台風の中ご来場いただき、本当にありがとうございました!(館内拍手)僕がこのベルトを持っている限りは、僕にしか出来ない、チャンピオンの、HEAT-UPの新しい景色をこれからも観せていきますので、応援宜しくお願いします!(館内拍手)」
荒天だった外もいつの間にか風だけになっていた板橋。ユニバーサル王者が台風を切り裂いたと言ったら過言になるが、この日集まった観客の熱気が雨を払ったとは言っていいだろう。とどろきアリーナ大会まであと95日、兼平はHEAT-UPの新しい景色をこれからも観せ続けていくだろう。