ガンプロ12.28王子大会 大家&今成vs.翔太&河村、小笠原&冨永vs.浪口&力、安部vs.GENTARO
ガンバレ☆プロレス〜第二章 2nd Season〜vol.9 in 王子
日時:2014年12月28日(日)
開場:17:00 開始:17:30
会場:東京・王子Basement MON☆STAR
観衆:138人(超満員札止め)
▼第1試合 URRC第3戦〜THE BEST OF ANGELA AMI〜 30分1本勝負
アンジェラ・まこ
7分16秒 今成の乱入→ノーコンテスト
松本都
▼第2試合 スペシャル・ギルガメッシュ・タイムスリップ・マッチ〜ガンバレ☆プロレス バブルへGO!!〜 30分1本勝負
○円華
8分25秒 ランヒェイ
●タイガーベッドシーン with ベッド・イン(エスコートガール)
▼第3試合 第弐話 EPISODE:2 男の戰い INTROJECTION 30分1本勝負
●安部行洋
10分45秒 バックドロップ→体固め
○GENTARO
▼第4試合 禁断の遭遇!空手vs空手チョップ 30分1本勝負
小笠原和彦/●冨永真一郎
7分34秒 Lanakila-X
○浪口修/力
▼第5試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負
大家健/●今成夢人
14分59秒 ムーンサルトプレス→体固め
翔太/○河村知哉
河村に今成が敗れ、ガンプロのピンチに駆け付けた安部「ガンプロで闘いがしたい!」
ベッド・インがバブルへGO!!ガンバレ☆プロレス大賞授賞式は最高のバリューセットに
オープニング
鈴木亜美の『BE TOGETHER』に乗って大家と今成が登場すると、まずは今成から第1試合に出場予定だったアンジェラ・アミがこの日の朝に病院に行ったところ急性気管支炎と診断されたため欠場になったことをお詫びすると、替わりに真琴が出場することを発表すると「私、このURRCのプロジェクトを始めて数か月ですが、先ほど私、真琴選手の目を見て彼女には高貴な生粋であるアンジェラの血が流れていると確信しました。というわけで、彼女を今日アンジェラ・マコとして参戦させることを、ここに決定いたします!」と発表。
続いて大家が「たくさんの方のご来場、まことにありがとうございます。今年最後のガンバレ☆プロレスの大会ということで、今年はガンバレ☆プロレスにとっても、自分にとってもいろいろありました。自分の無力さ、そしていろいろな人に助けていただき、自分もそうですが、今成もそういういろんな思いを共有出来てきたと思っております。プロレスをメジャースポーツにしたいと僕ら思っています。でもそれは僕たちがプロレスをメジャースポーツにしたいんです! なあ今成? だからさ、今日僕らは負けるわけにいきません。今日の今日のメインイベント、俺と今成で絶対勝ちますので、応援よろしく願いします!」と挨拶。
第1試合
第1試合は今成夢人が提唱した新機構で、「ありのままの自分を全力で肯定する」を基本コンセプトとし、リング上で自信を持って闘いに挑む女性たちを応援するアルティメット・リバース・ライザップ・チャンピオンシップ、略してURRCの第3戦。当初はアンジェラ・アミが崖のふちプロレスの松本都と対戦する予定だったが、オープニングで今成から説明があった通り、アミが欠場することになったため、急遽REINA女子プロレスの真琴がアンジェラ・まことして代打出場する。
まずはアンジェラ・アキの曲に乗りアンジェラ・まこがメガネ姿で登場。セコンドには今成がつく。続いてTommy february6の曲に乗って、メガネ姿の都が登場。「熱い試合、お願いします!」と今成が叫ぶと、お互い「お願いします!」と握手。
ロックアップからお互い突き飛ばすと、ズレたメガネを直す。ショルダータックルでなぎ倒したまこだが、都もまこの腕を掴んで引き込むと、足をすくって倒していく。今成が「メガネがいい感じでズレてる!」と檄を飛ばす中、都をコーナーに叩き付けて踏みつけたまこ。
さらにキャメルクラッチを決めながら自分のメガネを直したまこは、ブレイジングチョップから串刺し式の無気力キック。さらにコーナーに登っていくが、立ち上がった都は追いかけていくと、コーナー上で卍固め。さらに雪崩式フェースクラッシャーで叩き付ける。メガネをかけたままのため、まこは顔面に大きなダメージ。
すかさず卍固めに捉えた都は、そのままグラウンド卍に移行。どうにかロープに逃れたまこは、都のプロレスLOVEポーズからのシャイニング・ウィザードをブロックすると、腹部を蹴り上げてからフットスタンプを投下。
だが、カウント2で返した都は今度こそシャイニング・ウィザードを叩き込むと、外れたメガネをまこにかけてからカバーするがカウントは2。ならばとコーナーに登った都は雪崩式マンマミーア(=バレリーナのように踊ってからのボディプレス)を投下。都が飛距離を間違えてほとんど当たらなかったため、まこはダブルアーム・スープレックス・ホールドを返す。
カウント2で返したまこは都とエルボー合戦を展開。劣勢だった都はヘアーホイップで投げていくと、さらに髪の毛を掴んだまま蹴っていく。怒ったまこが馬乗りになって殴っていくと、都はまこからメガネを奪い取って投げ捨てる!
すると今成が「ふざけるなよ!」と激怒しながらリングに乱入して都やレフェリーに殴りかかっていく。収集がつかなくなり無効試合を告げるゴングが鳴らされると、今成は「メガネ、大事にしろよ!」と一喝するが、怒った都とまこはダブルのビッグブーツで今成を吹っ飛ばす。
今成はマイクを掴むと「オイ、何やってんだよ! なんでメガネ大事にしないんだよ。お前らいつかメガネの祟りがくるぞ。大事にしてな、メガネを生活に使っていけよ」と引き上げていくまこと都にメガネの大事さを訴える。
そして「今日はまこ、都、何だかんだ言って闘ってくれて嬉しいです。だけど、俺は神田愛実、いやアンジェラ・アミにこのリングで胸いっぱいURRCのコンセプトで闘ってほしいと思ってました。そして、あの子が今日ここで闘った、胸いっぱい闘った暁には1つ対戦カードを発表しようと思ってました。それは2月8日、ここ王子で彼女に与える最終試験のようなものです。いま僕がやっているコンセプトっていうのは、ちょっとネガティブに捕らわれがちなぽっちゃりっていうものをもっと肯定できるものだと思うんです。でも最近、むっちりはなぜか認められる風潮があります。僕はこのプロレス界でぽっちゃりじゃなくてむっちりしてるプロレスラーが…いや、エロカワ主義が! この女子プロレスを席巻していると思っています。俺はそのエロカワ主義vs.URRCの全面対抗戦を……2月8日、幸田亜美vs.華名! 僕は彼女に胸いっぱい、このリングでURRCを叫んでほしいと思っています。華名選手にはこれからオファーに行きます。期待していてください! 必ず実現させます!」と仰天プランを発表した。
第2試合
まずはタイガーベッドシーン(以下ベッシン)のエスコートガールを務めるベッド・インが、バブル時代からタイムスリップしてきたかのようなド派手な蛍光色のボディコン衣装にジュリ扇を振りながら登場。そして「ガンバレ☆プロレスをご覧の皆さん、わんばんこ〜。どうも私、おみ足担当の(益子寺)かおりと」「パイオツかいでー担当のちゃん(中尊寺)まいです」「二人合わせてベッド・インです! シクヨロ〜!」と挨拶すると、「まあ今日はさ、何だかガンバレ☆プロレスにバブルのオイニーが足らないって聞いたからさ、ギロッポンからやってきました。私たちは90年代のマブくて、ハクくて、ケバイ女たちに憧れて一念“勃起”した地下セクシーアイドルで〜す。今日はすっごいよ、360°いろいろなところから視姦していただいて、もうすでに下半身がハートカクテル状態!」とバブル全盛時代のフレーズを散りばめながら自己紹介してから『POISON〜プワゾン〜』を熱唱。
歌い終えたベッド・インが一旦退場すると、円華が入場。続いて目張りを入れ、虎柄のジャケットを羽織ったベッシンがジュリアナTOKYOの曲に乗り、ジュリ扇を振るベッド・インと共に登場。そのままベッド・インと共にリングに上がったベッシンに、ベッド・インの2人は両側からほっぺたにキス。
タックルを仕掛けたベッシンだが、腕を取った円華。ベッシンもハンマーロックで切り返すとヘッドロックに捉えていく。観覧席からベッド・インの2人が熱い声援を送るが、円華はハンマーロックで切り返す。
ロープに振って逃れたベッシンはカウンターエルボー。しかし円華は逆水平チョップで反撃すると串刺し攻撃を狙う。これをかわしたベッシンはカサドーラの体勢で飛び付いてのアームドラッグ。ベッド・インの2人から「抱いて!」と応援されたベッシンに「舐めてんじゃねえぞ!」とニーリフトをお見舞いしていった円華は、シュミット流バックブリーカー。
ベッシンもエルボーを返していくが、円華はガットバスターを決めるとセントーンを投下。円華のブレーンバスターを背後に着地したベッシンはカウンターのドロップキック。エルボースマッシュから串刺しドロップキックを叩き込んだベッシンは、リバーススプラッシュ式ダブルニー。
逆エビ固めに捉えていったベッシンだが、円華はロープに逃れる。ベッシンは左右のエルボーを連打すると走り込むが、フロントキックで迎撃した円華はブレーンバスター。しかしランヒェイ(=高速雁之助クラッチ)を狙ったところを逆さ押さえ込みで切り返したベッシンは続けてラ・マヒストラル。
さらにカサドーラを狙ったベッシンだがこれをどどんで切り返した円華は、今度こそランヒェイを決めて3カウントを奪った。試合後、敗れたベッシンはベッド・インの2人に慰めてもらおうとするが、冷ややかな態度を取ったベッド・インは「何か円華選手のほうがさ、トッポくない?」「吉田栄作に似てるしね」「じゃあ乗り換えちゃおうか! じゃあバイビー」とあっさりベッシンを捨てると、引き上げようとする円華に完全に乗り換えてしまった。
第3試合
リングインしようとするGENTAROに近づいていって睨み付ける安部。さらにGENTAROから握手を求めても無視した安部は、試合開始のゴングが鳴ったあとに握手を求める。GENTAROが応じようとするとスカしていった安部は、GENTAROの足をすくって倒すと馬乗りなって叩いていく。
さらに馬乗りエルボーを連打した安部だが、スイープして上になったGENTAROは髪の毛を掴んで殴りかかろうとするが、ひとまず立ち上がっていく。ロックアップからロープに押し込んだGENTAROが叩いていくと、体勢を入れ替えた安部は張り手をお見舞い。
首根っこを掴んだGENTAROに対し、安部も両手でGENTAROの首を掴む。するとGENTAROは張り手のダメージで一旦場外にエスケープ。ロープを空けて手招きしてみせた安部は、リングに戻ろうとするGENTAROに殴りかかっていくが、低空ブレーンバスターで投げたGENTAROはボディスラムを狙う。
これを踏ん張った安部だが、押し潰したGENTAROは執拗にカバーすると、引き起こして下から首を絞め上げる。さらにヘッドシザースで首を両足で絞め上げると、「どうした?」と安部を引き起こす。
安部は大きく振りかぶってからチョップを叩き込んでいくが、首4の字固めで名自負勢多GENTAROは、そこから三角絞めにスイッチ。GENTAROの左ヒザを殴って脱出した安部はエプロンにエスケープするが、リングに戻ろうとするところを捕まえたGENTAROはナックルパート。安部もチョップを返すが、GENTAROはロープに飛ばそうとする。
ロープを掴んで拒否した安部は延髄斬りからドロップキック。さらに変形のスリングブレイドで叩き付けると、エクスプロイダーの体勢に。GENTAROが踏ん張るとコンプリート・ショットのスイッチした安部は首4の字固めを決めながらGENTAROの両腕を掴んでクロスさせる。
何とかロープに脱出したGENTAROはハーフダウンの状態から、安部の蹴り脚をキャッチすると、股下からシャープシューターを決めていく。ロープに逃れた安部だが、GENTAROはリング中央に引き戻すともう一度シャープシューターの体勢に。これを丸め込みで切り返した安部は逆さ押さえ込み。
カウント2でGENTAROが返すと顔面にトラースキックを叩き込んだ安部は、スタガリンブローを狙うが、GENTAROはショルダーネックブリーカーで切り返す。そこから安部をコーナーに乗せたGENTAROは雪崩式サイドスープレックスで投げる。
10分が経過し、「どうした?」と挑発するGENTAROを下からスクールボーイで丸め込んだ安部だが、カウント2で返したGENTAROは捻りを加えたバックドロップで投げていき3カウントを奪った。
試合後、マイクを持ったGENTAROは「オイ、安部。この間と全然違うじゃねぇか。スゲー頑張ったじゃねぇか。もう分かってるだろ? プロレスがどんなもんか、分かっているだろ? 今日の気合いが入っていればお前はもう大丈夫だ。それともまだ何か悩んでいるのか? 今日は頑張ったぞ。別にダメ出しとかやんねぇぞ、今日は。それとも何か悩んでいるのか? 何か言ってみろ」と言うが、安部は無言のまま退場。
呆然としながらその背中を見送ったGENTAROは「本当に帰っちゃったよ。でも今までずーっとダメだと思ってたよ。でも負けて、今日の安部は良かったと思う。俺が初めて認めたな。ありがとうございました」と語ってからリングを降りた。
第4試合
坊主頭になった力に向かって小笠原が近づいていくと、両者額をくっつけて睨み合う。浪口と冨永の先発で試合が始まると、まずは足をかけて冨永が倒していくが、浪口はすぐに腕を取っていく。またもカニ挟みで倒した冨永だが、浪口も足をあっけて倒すとヘッドロック。これをヘッドシザースで逃れた冨永。すると浪口は力にタッチ。
いきなり小笠原が前蹴りを食らわせると手刀を落としていく。だが、すぐに立ち上がった力はエルボーを返していき浪口にタッチ。蹴りを叩き込んだ小笠原が冨永にタッチすると、冨永はエルボードロップ。
続いて小笠原が手刀から片膝立ちの浪口の顔面に中段蹴りを叩き込んでいく。ダウンした浪口をスリーパーで絞め上げていった冨永。さらに小笠原は上段蹴りを顔面に叩き込んでから手刀を落としていくと、冨永が逆片エビ固めに捉える。しかし浪口は拳をマットに叩きつながらロープに逃れると、走り込んできた冨永にドロップキックを叩き込んで力にタッチ。
体当たりからDDTで冨永を叩き付けた力は、飛び込んできた小笠原をブレーンバスターで投げると空手チョップを連打。そこに冨永が襲いかかるが、力は空手チョップ。しかしトラースキックを返した冨永が小笠原にタッチする。
小笠原の上段回し蹴りをかわした力だが、そこに冨永がドロップキック。タッチを受けた浪口が張り手を連打していくが、冨永はカウンターのトラースキックからオーバーヘッドキックを返すと、垂直落下式ブレーンバスター。浪口も張り手を返すと、「まだだ!」と叫んでから串刺しジャンピングエルボー。さらに逆水平チョップからブレーンバスター。
ダイビング・ヘッドバットを投下するが、小笠原がカウント2でカット。そこに力が飛び込んできて小笠原を場外に追いやると、浪口の指示を受けてコーナーへ。浪口が羽交い締めにした冨永にセーバーチョップを投下した力。大きく吹っ飛んだ冨永を浪口がLanakila-Hで叩き付けて3カウント。
試合後、納得いかない小笠原が力に襲いかかるが、力も退くことなくやり合う。蹴っていった小笠原をセコンドのベッシンが力から引き離すが、力は見せつけるようにガッツポーズ。それを見た小笠原は力と浪口に殴りかかっていくが、セコンド陣が必死に小笠原を引き離す。力は浪口と共に勝利のガッツポーズを決めた。
第5試合
メインではガンプロ側に反旗を翻した翔太がガンプロと対抗戦を行っているユニオンプロレスの河村と合体。大家&今成というガンプロツートップと対戦する。いつものように『BAD COMMUNICATION』をシャウトしながら入場したガンプロ組だが、翔太と河村は背後から襲いかかると、そのまま場外戦へと雪崩れ込んで試合開始。
翔太は大家を壁に叩き付けると逆水平チョップ。河村は今成を鉄柱に叩き付けていく。リングに戻った河村は大家とエルボー合戦。さらにウラカンホイップで投げた河村は翔太にタッチ。
翔太を揉み合いになる大家とタッチした今成は、控えの河村にツバを吹きかけると、翔太にヘッドバットを落とす。かなり滾った様子で翔太を踏みつけた今成はエルボーを連打。だが、翔太が今成をロープに飛ばしたところで河村が場外から足をすくって倒し、さらに場外に引きずり出して痛めつけてからリングに戻す。
これで形勢逆転した翔太が今成の顔面を踏みつけていく。続いて河村が串刺し攻撃を狙うが、今成は蹴りで迎撃。だが、河村は今成の両足をセカンドロープの上に乗せて動けないようにすると、急所に低空ドロップキックをお見舞い。さらに翔太がボディブローを叩き込んでから髪の毛を掴んで引き倒す。
翔太が腕固めに捉えていくと、エプロンから河村が今成の頭を踏みつける。今成の左腕をロープに巻き付けてから蹴り飛ばした河村はチンロック。ロープに逃れた今成はエルボーを返していくが、河村はナックルパート。今成もアッパーカットを打ち込んでいくが、河村はショルダーネックブリーカーを決めて翔太にタッチ。
逆水平チョップからコブラツイストに捉えた翔太だが、腰投げで逃れた今成。しかし翔太は大家へのタッチを阻止すると、低空ブレーンバスターで投げていく。河村はエルボーを連打してからロープに飛ぶが、カウンターのジャンピングエルボーを返した今成はようやく岡にタッチ。
翔太のアッパーカットにエルボーで体躯した大家は、走り込んできた翔太をショルダータックルでなぎ倒すとボディスラムを連発。10分が経過し、大家は逆水平チョップから串刺しエルボー。そしてカミカゼを狙ったが、うまく逃れた正体は串刺しラリアットからセカンドロープに大家を叩き付けて背後から攻撃するとDDT。
ブレーンバスターを狙った翔太だが、腰を落とした大家は逆に投げていくと今成にタッチ。左右のフックから渾身のアッパーカットで殴り倒した今成はフィッシャーマンズ・スープレックス。滾りまくった今成はナックルを叩き込むが、翔太はチンクラッシャーを返す。フラついた今成は場外に落ちるかと思いきや、アイルビーバックからラリアット。
だが、翔太もマンハッタンドロップからショートレンジラリアットを返すと河村にタッチ。串刺し式ダブルニーアタックからリバーススプラッシュを投下した河村は、ナックルパートを叩き込むと走り込む。しかしカウンターのテーズプレスで押し潰した今成は「負けたんだ、テメーは!」と叫びながら馬乗りナックル。だが、次の瞬間、河村の顔を見た今成は殴るのやめ、脅えるように立ち上がる。
するとフラリと立ち上がった河村は「俺は負けてない!」と絶叫しながら今成に殴りかかる。暴走気味の河村を見て大家が飛び込んでくるが、翔太も入ってきて大家を場外に連れ出す。覚醒した河村は朦朧として座り込む今成の顔面にランニング・フロントキック2連発を叩き込むと、ダメ押しのムーンサルトプレスを投下して3カウント。
エンディング
試合後も今成に馬乗りになり「負けてねぇよ!」と叫ぶ河村だが、そこに安部が入ってきて河村を引き剥がすとドロップキック。そしてマイクを持った安部は「大家さん! 自分、答えが見つかりました。自分はこのガンプロでプロレスが…闘いがしたいです!」と絶叫。大家が「お前、やれるのか、本当に?」と確認すると、安部は迷うことなく「やれる!」と即答したため、大家は「よし、2月8日、王子! ガンバレ☆プロレス王子大会、大家&安部vs.翔太&河村決定だ!」と次回大会のカードをその場で決定。
それを聞いた翔太は「ふざけるな! 安部のお陰で寿命が延びただけだ、この団体は! 同じ時代を生きたよ、お前とは。そこから数年経ってな、違いを見せてやるよ!」と安部に向かって捨て台詞を吐きながら引き上げていった。
改めて大家が「あーーー、悔しいよ! でも安部、俺たちのピンチのときのガンバレ☆プロレス……お前がDDT辞めてプロレス続けていたのも知ってる。でも俺たちと一緒にプロレスがしたい、闘いたいってお前から言ってくれた! 俺はそれがすごい嬉しい! 人生にはな、出来る・出来ないありますよ! あれ、俺に出来るかなとか、俺には絶対できっこねぇとか。そう思うことあるでしょ? でもな! 俺たちが生きていくために一番大事なことは何だと思う? なぁ? そうしたいっていういう気持ちだよ! なぁ? 助けてあげたいっていう気持ちだろ? なぁ、阿部! ありがとう。お前がそういう気持ちを持っている限り、お前はガンバレ☆プロレスの一員だ! 2月8日、この阿部と組んで俺は絶対に勝ちます! そしてな、今はまだ願望かもしれない。でも絶対にやり遂げてみせる…プロレスをメジャースポーツに……俺たちがしたいんだよ! なぁ? お前たちも俺たちガンバレ☆プロレスでプロレスをメジャースポーツにしたいって思ってるよな? なぁ、そうだろ? だからその気持ちを込めて、いつものやつで締めるぞ。お前ら立て! いくぞー! ウィアー、ガンバレ☆プロレース!」で締めくくる。
すると『BAD COMMUNICATION』に乗せ、大家、今成、そして号泣する安部の手をあげるGENTARO、さらにベッシン、都、まこも一緒に足を踏み鳴らす。そこにジュリ扇を振ったベッド・インの2人と力も合流すると、リング上は狂喜乱舞! 観客から「大家」コールが起こると、両手を広げた大家をベッド・インの2人が囃し立てた。
集会
リング上ではGENTAROが力を相手にグラウンドテクニックをコーチ。観客が思わずどよめく中、リングサイドに座った大家と今成、そして安部が集会を始める。
今成「大家さん、安部ちゃんがねガンプロでプロレスやりたいって……」
大家「今成、お前は悔しいと思うよな? 当然だよ、オイ! 安部がDDTを退団する直前にお前がDDTに入って初めてのドキュメンタリー。安部を撮ったんだよな。その安部が、今成、俺たちのピンチに駆け付けてくれる。いろんな葛藤もあっただろうし……でも安部がプロレスを続けたい、その一心でDDTを離れてもプロレスやってきた。俺たちのこともやっぱり気にしててくれたんだ。なぁ? 分からない。正直、DDTを離れていた数年間、安部がものすごい活躍したとか、そういう声はなかなか聞けませんでした。でもな、ガンバレ☆プロレスで闘いたいって言ってくれたんだよ! なぁ? このリングで俺たちと一緒に闘う動機は充分だよ! 言いずらかっただろう、安部」
今成「安部ちゃん、人生にね未練だってあったっていいんだよ。たくさん未練があって、それが自分が好きかどうか分かんねぇときがあって、迷ったっていいんだよ。でも最後の最後、遠回りしても遠回りしてもキミの答えはプロレスが好きで、プロレスがやりたくて、一緒に闘いたい仲間がいた……ガンバレ☆プロレスはね、そういう人生をここに集めて、それをエネルギーにしてプロレスをメジャースポーツにするんすよ。安部ちゃん! おかえり!」
今成がそう叫ぶと、思わず目頭を押さえる安部。リングサイドに集まった総立ちの観客からも拍手と一緒に「おかえり」という声が飛ぶ。
今成「どう、ガンバレ☆プロレス。参戦2回目だけど。熱い?」
安部「一度離れた自分をこうやってまた迎え入れてくれて、本当に嬉しいです(泣)。だから大家さんや(今成)監督の力になりたい。一生懸命頑張るよ!」
今成「一緒に人生進めようぜ!」
今成が安部の肩を抱いて拳を握ると、観客からも拍手が起こる。
大家「そして1月19日ですが、市ヶ谷南海記念診療所でガンバレ☆プロレス大賞授賞式を行います! 基本的に授賞式はパーティーですので、立食形式で飲み放題・食べ放題をお客様皆様にしていただきます。ですが、しかし! 数に限りがございますので、その辺は是非ともご了承願います! そして、ガンバレ☆プロレス大賞(の)女子プロレス大賞なんですが、現在のところアンジェラ・アミが5票! 石橋葵が1票! そして加藤悠が、ガンバレ☆プロレスに一度も参戦していない加藤悠が2票! 2票取っております!」
なぜかガンプロ参戦経験のないフリーランサーの加藤悠に2票入っていることに、観客から笑いも起こったが、大家は……
大家「ただし、アンジェラ・アミの5票では、やはり女子プロレス大賞取るには相応しくない。そのように私は思っております。ですので、アンジェラ・アミvs.加藤悠、決戦投票…ではなく、決戦を行いたいと思います! 1月19日、ガンバレ☆プロレス大賞 女子プロレス大賞決定戦、アンジェラ・アミvs.加藤悠決定!」
そう仰天発表すると、観客からは「おー」という驚きの声と共に歓迎する拍手が起こる。
大家「その他の賞ですが、まず三賞、敢闘賞・殊勲賞・技能賞の選手に3WAYマッチを行ってもらいます! さらにはMVP・新人賞・ベストタッグ・ベストバウトを受賞した選手を交えまして試合を行いたいと思っております! というわけですので、基本的にはパーティーですが、1月19日南海記念診療所は試合も行いますので、皆様ぜひご参加よろしくお願いします!」
今成「大家さん、つまり受賞者による闘いが行われる、受賞パーティーと闘いがセットになった最高のバリューセットですね!」
大家「そうだよ!」
今成「ガンバレ☆バリューセット・スペシャルマッチですね!」
大家「そうだ!」
今成「しゃーーーーーーー!」
大家「……はい! そして今年最後ガンバレ☆プロレス、我々は負けてしまいましたが、まだまだ頑張っていきたい、その一心でガンバレ☆プロレスを続けていきますので、皆さんご声援よろしくお願いします! プロレスをメジャースポーツに俺たちはしたいんだよ! 分かるな? だからその気持ちを込めて、もう1回あの言葉で締めるから、お前たちもう1回立て!」
今成「よし、俺たちでもう1回バブル作るぞ! バブル作るぞ! プロレスバブル作るぞ!」
大家「いくぞー! ウィアー、ガンバレ☆プロレース!」
<試合後コメント>
大家健&安部行洋
大家「ガンバレ☆プロレス年内最終興行、メインで! 確かに大家&今成組、負けましたけど、でもな! 安部が何年かぶりに…前回も出てくれたけどなぁ! 俺たちの力になりたいって、俺たちと一緒にプロレスがしたいって帰ってきてくれたんだなぁ! 一回辞めてね、それで戻りたいって気持ちはね、やっぱね、出てくることあると思う。俺もね、そうだった。一回…プロレスを辞めて、戻りたいって気持ちがあって、それでね、頭下げて戻らしてもらいましたよ、DDT。でもね、ほんとに迷ったし、ほんとに俺を受け入れてくれてるんだろうか? そういう気持ちすごいあったよ! だけどね、ほんとに! やり直すっていうのは、難しいことなの。でもね! 気持ち! 人生において、あれができないから、これができないから、これができるから、あれができるからで、自分の人生決めんじゃねぇ! 嫌じゃないですか。子供の時はさ、あれになりたいとか、これになりたいとか、こうしたい、ああしたい言ってたでしょ? ねぇ? だったら、今でも変わんないだろ? 安部は勇気を出して俺たちと一緒にプロレスがやりたいって言ってくれたんだよ。ほんとに悩んだと思うよ。でも、俺達の事を見てくれてた。それで俺たちがピンチの時に俺たちを助けたいと思ってくれた。だから俺もね! すごく嬉しいんだ! 安部」
安部「はい」
大家「辛かったのはわかる。この何年間か、思うように行かないこととか、沢山あったと思うよ。これからも、もしかしたらあるかもしれない。でもさ、これができるからこうしようとかさ、あれができないからこうしようとかさ、嫌じゃないか?」
安部「嫌です」
大家「やりてーんだな、俺たちと一緒にプロレス」
安部「やりたいです」
大家「だから来たんだよな? だから助けに来てくれたんだよな?」
安部「はい」
大家「その気持ちを! ガンバレ☆プロレスで! 十分にぶつけてくれよな、安部!」
安部「(泣きながら)はい! 全力で大家さんの力になります!」
大家「どうだった? この何年間かどうだった?」
安部「正直、色々モヤモヤしてた部分はありました。やはり大家さんが言ったとおり、遠くからお二人の事見ていました。自分がDDTに居るときに大家さん、そして今成監督にはお世話になって、いつか、いつか今度は二人のために何かしたいとずっと思ってました。けどやっぱり、これでいいのかな?とか、俺じゃ迷惑なのかな?って気持ちがあって、なかなか前に踏み出すことができなくて。けど、やらずに後悔するならやって後悔したい。人生は一度しかないから。それが止まっていた僕の足を動かして、今こうやって大家さんと一緒にプロレスができます」
大家「やりたいとか、やりたいことに年齢なんか関係ないんですよ! 俺たちはもうやりたいからやる! そうしたいからそうする! だからね、絶対に諦めないんですよ! 安部もガンバレ☆プロレスの一員です。これから俺たちに困難は沢山あると思います。でもね! 俺と今成と! 安部と! ガンバレ☆プロレスの皆で! 絶対に乗り越えていきます。だから、みなさんも! 何ができるから、何ができないから、そんなできるできないで、人生決めないで! やりたいことを叶えられるために! 一緒に! 頑張っていきましょう! 応援よろしくお願いします!」