大晦日のDEEPさいたまSA大会に向けて北岡が公開練習「日本の格闘技を見てきた人はDEEPを見るべき」
12月26日夕方、都内世田谷区のLotus世田谷でDEEPライト級王者・北岡悟(Lotus世田谷)が公開練習をおこなった。北岡は31日に開催される『DEEP DREAM IMPACT』(さいたまスーパーアリーナ)のメインで、吉田善行(チーム・カラン)の挑戦を受ける。
体調は万全、問題ないと言う北岡は、八隅孝平をパートナーに、3分1Rのグラップリングを披露。Tシャツを着ていても、身体の充実ぶりがうかがえる。北岡は、ケージを意識した動きも見せつつ、好調をアピールした。
この試合はDEEP史上初のケージでのタイトルマッチとなる。北岡はリングでの試合でベルト獲得、防衛もリングで果たしており、ケージの経験は今年10月のパンクラス(※リッチー・ウィットソン戦)1戦のみ。対する吉田はキャリアのほとんどがケージとなる。しかし、北岡は「相手は強い選手だと思うし、しっかりしたキャリアもある。でも、あまり気にならないし、気にしていない。気にし過ぎてもしょうがないし。もし自分がケージ初戦なら気にするかも知れないが、1回パンクラスで経験しているから」と全く問題にしていないようだ。また、ケージのあるジムへの出稽古もしているという。
試合まで残すところ4日。どんな対策をしてきたのか気になるところだが、北岡は「10月のパンクラスを経て、その反省を踏まえた練習をしてきた。どの練習を増やしたかは、ここでは言いたくない。ただ、相手を中心に考えるのでなく、自分がレベルアップすることを心がけてきた。自分をより良く仕上げること。いつも通りと言えばいつも通りですね」と話した。
大晦日、両国国技館ではIGFが開催される。21日におこなわれた『DEEP 70 IMPACT』での挨拶で、北岡は「両国に出るラマザン(・エセンバエフ)にも青木(真也)にも負けているけど、心から屈服していない。DEEPもIGFに屈服していない。日本の格闘技を見てきた人はDEEPを見るべき」と語った。この発言に関して質問が出ると、北岡は「僕が看板として出ている以上、自分が負けているという現実を踏まえた上で、気持ちでは屈していないぞという突っ張りです」と心境を話した。当日行なわれる22試合中、タイトルマッチはこの1試合のみ。
また、北岡にとっては大晦日の試合では3連敗しているというジンクスを跳ね返したい一戦でもある。その意気込みが表れたのだろう。とかく、挑発的な言葉が出ると深読みされがちだが、ベルトを巻き、メインを務める選手であれば当然の気持ちではないか。
北岡は、さらに「僕は“北岡悟”という“ブランド”で勝負している。重責というよりも、自分だけ目立てるおいしい状況。この大会で、自分1人が目立っている。この公開練習にしても、そう。他の選手はやらない中、自分はやっている。(大晦日は)俺の1人舞台だから。人にはオイシイと言われたいし、言わせたい」と話した。しかしそれも、自分の立ち位置や役割をよく分かっている北岡ならではの発言だ。「自分の代わりはいない。それが現実。その誉れを力に変えたいし、変えてみせます」と力強く語った。
【写真・文/佐佐木 澪】