DEEP 7.20大田区大会でメインの北岡と岡野、セミの悠太と中村がそれぞれ意気込みを、引退試合を行う梅田恒介が今の心境を語る
7月19日、『DEEP CAGE IMPACT 2015』(20日、大田区総合体育館)の前日計量がおこなわれた。注目の2大タイトルマッチ、北岡悟vs.岡野裕城(ライト級=メインイベント)、悠太vs.中村K太郎(ウェルター級=セミファイナル)は、北岡70.2kg、岡野70.0kg、悠太76.7kg、中村76.2kgで初回パスした。このあと、4選手は調印式に臨んだ。
メインの北岡は瞳から鋭い光を放つ。言葉少なながら、全身から発散するオーラが既に闘いに入っていることを強く感じさせた。対する岡野はやや緊張しながらも、この試合に懸ける意気込みを語った。
北岡悟(Lotus 世田谷/王者)
「(計量を終えて)特にないです。今の気持ちも、特にないです。減量に関しては、0点か100点かで言えば100点です。クリアしたので。
(紅白のネクタイは意味がある?)意味はないです。ただ、きちんとしたものを着ようと思いました。スーツを新調しようかと思いましたけど、暑苦しいのでこのようにしました」
岡野裕城(マッハ道場/挑戦者)
「今、計量をパスできてホッとしています。あとは明日やるだけなので、早く試合がしたいです。減量はきついですけど、落とすのは当たり前ですから。きついのは、前の階級のときと変わりません。
マッハさんには、戦術的なものを教わるのではなく、追い込んでいただきました。自分が限界と思った時にお尻を叩いてもらって自分1人ではできないような追い込みをしていただきました。
明日、僕は北岡選手に勝って、日本のMMA界の勢力図を塗り替えたいと思います。注目してください」
セミファイナルの両者は、淡々とした雰囲気。悠太は誠実な人柄、中村は飄々としたキャラクターがにじみ出た会見となった。
悠太(ALLIANCE/王者)
「今日まで、やれることは全部、一所懸命、練習してきました。ゴングが鳴ったら真っ向勝負をしたいです。中村選手は、日本のトップだと思います。経験とか実績もありますし、そういう選手に対するプレッシャーはあります。でも、だからこそ練習をやって来ています。明日は、それを全部出したいです。
(スリーパー対策は?)そこだけやって来ているわけではないです。闘って勝つ、その準備をしてきました」
中村K太郎(K太郎道場/挑戦者)
「悠太選手は、チャンピオンにふさわしいトップ選手だと思っています。心して臨みます。対策は秘密で…すみません。
1本勝ちを目指すような闘いをしたいと思っているので、削って最後はスリーパーになるような試合をしたいです。明日は頑張ります」
第10試合の梅田恒介(R-BLOOD)は、この大会で引退となる。2004年にDEEP でプロデビュー、DEEPを主戦場として闘ってきた。1972年生まれの43歳。また1人、名物男がマットを去る。
梅田恒介
ーー引退を決めた理由は?
「11月のパンクラス(※2014年11月、PANCRASE 262/稲葉聡戦)で負けて、2回目の3連敗をして、心がポッキリ折れました」
ーー心が折れたというのは?
「もういいや、という感じ。連敗が続いたので、何かもういいやと思いました」
ーー11月から時間がたっていますが、後悔は?
「迷いはなかったです。今回の試合も、佐伯(繁・DEEP代表)さんが『最後、DEEPで終わりにしろよ』と言って組んでくれたんです。それがなかったら11月で辞めていたと思います。けじめをつけられるという意味で、佐伯さんには感謝しています」
ーー10年間のプロ生活で、思い出に残っている試合は?
「デビュー戦(※2004年7月、DEEP 15宮本優太朗戦)もですし、ジョン・バチスタ・ヨシムラ戦(※2005年9月、DEEP 20)も印象に残っていますね。それからパーキ戦(※2012年6月、DEEP 58)が、自分の中で思い出というか印象に残っています」
ーーさて、引退試合の相手は小見川道大(Neo Judo)選手ですが、どのようにして決まったのでしょう。
「最後に強い選手とやりたい、トップとやりたいと言ったんです。何人かの候補の中で受けてくれたのが小見川選手でした。佐伯さんと小見川選手には心から感謝しています」
ーー小見川選手の印象はいかがでしょうか。
「自分の柔道をやってきました(※柔道歴20年、四段)。小見川選手は僕と年も4つしか違わないし、同じ茨城出身です。小見川選手は子供のころから強くて、社会人でも強かったし、総合格闘技の世界に入っても強いです。柔道出身の成功者ですね。こんな強い選手と組んでいただけて本当に嬉しいです。
ーーどのように闘いますか。
「いつも通り、みんなが見てつまらない試合、自分を出すだけです」
ーー今後も格闘技と関わっていかれるのでしょうか。
「レフェリーやジャッジをやります。DEEPやグラチャンが主戦場になると思います。格闘技が好きなので、ずっと格闘技に関わっていきたい。勉強しながら、格闘技に携わっていきます」
ーー最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
「プロになって10年間、ありがとうございました。『感謝』のひと言です」
【写真・文/佐佐木 澪】