【試合結果】1・26 Beginning新木場大会 【POP選手権】安納サオリvs尾崎妹加 万喜なつみ&関口翔vs青野未来&有田ひめか

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『Beginning ACT26』
日時:2018年1月26日(金)
開始:18:30
会場:東京・新木場1stRING
観衆:230名・満員

▼シングルマッチ 15分1本勝負
○清水ひかり
11分19秒 スピニング・バズソーキック→体固め
●葉月イナ

▼タッグマッチ 20分1本勝負
○本間多恵/角田奈穂
15分22秒 多恵ロック
堀田祐美子(フリー)/●白いん子

▼タッグマッチ 20分1本勝負
●高瀬みゆき/五十嵐乃愛
13分30秒 変形ブレーンバスター→片エビ固め
○沙紀/山縣優(フリー)

▼タッグマッチ 30分1本勝負
万喜なつみ/○関口翔
13分34秒 STO→片エビ固め
●青野未来/有田ひめか

▼POP選手権試合 30分1本勝負
【王者】○安納サオリ
13分19秒 ドラゴン・スープレックスホールド
【挑戦者】●尾崎妹加(フリー)
※第22代王者が三度目の防衛に成功

安納サオリが外敵として凱旋した尾崎妹加を相手に王座防衛!沙紀がアクトレスガールズ所属一戦目!万喜なつみの衝撃サプライズで場内騒然!?

オープニング

 『AsG』によるダンスから、アクトレスガールズによるパフォーマンス。1月10日にキングレコードよりアクトレスガールズはメジャーデビューしたが、そのCDに含まれる曲を使い新ダンスを披露した。

第1試合

 二人は握手をしてからゴング。手4つの攻防からイナは謎のハンドパワーを送り込むとひかりは戸惑いの表情を浮かべる。しかしひかりはイナをコーナーに叩きつけ、PKからフォールもカウントは2。続いてロープに振っていくがイナはドロップキック。さらにフライング・メイヤーからサッカーボールキックを三連発。ひかりは「痛くないわ!もっと来いや!」と挑発するとイナはスリーパーで捕え、そのままグラウンドに引き倒し尚もスリーパー。さらに体勢を入れ替えてキャメルクラッチをしながらコスチュームからヒモを取り出しチョーク攻撃。これをレフリーに咎められると、ヒモをスカーフに変化させるマジックを披露して反則カウントから逃れ、観客から歓声を浴びる。続いて押さえ込んでいくもカウントは2。
 イナはひかりをコーナーに振って串刺しのエルボーからのドロップキック。カウントは2。しかしひかりは「ナメんな!」と叫びエルボーを連打。イナも正面から打ち返していく。するとイナは大声で叫びながらエルボーを連発し、怯んだひかりにフロントキック。火が点いたひかりは起き上がり尚もエルボー。さらにミドルキック、スピンキックと畳み掛け、イナに串刺しのフライングミドル。これもカウントは2。するとひかりはイナに逆片エビ固め。イナはロープに這っていき、どうにかロープブレイク。するとひかりはイナに追撃のドロップキック。カウント2。さらに狙っていくひかりにイナがカウンターのドロップキック。抑え込むもカウントは2。イナはさらにランニングエルボーからボディスラム。ひかりはギリギリで肩を上げる。イナはトラースキックで怯ませて二発目のボディスラム。カウントは2。さらにイナはトラースキックで怯ませてからの逆さ押さえ込み、スクールボーイと丸め込むがカウントは2。起き上がったひかりはミドルキックからエルボー、さらにボディスラムを狙うがイナがスモールパッケージ。カウント2。 
 イナはひかりが起き上がるのを待ち「来い!」と腕を広げて挑発。ひかりは強烈なミドルキックで返礼。さらにハーフダウンのイナにPKもカウントは2。さらにひかりは側頭部にハイキック2発。ダウン気味のイナに追撃のサッカーボールキックもカウントは2。最後はひかりのハイキックからのバズソーキックでカウント3。
 試合後、ふらつくイナをひかりが助け起こし、二人でお辞儀をしてから退場していった、

第2試合

 4人はクリーンに握手を交わしてから、いん子と奈穂のマッチアップでゴング。
 試合開始と同時にいん子がスリップダウン。奈穂が「今のはなんだぁ?」と言いながら髪を掴んで起こしてヘアホイップ。これを咎められるといん子の耳を掴みながらイヤーホイップ。さらにコーナーでいん子を踏みつけていく。これを堀田が止めに入るが、かまわずいん子の顔面を踏みつけていく。さらにいん子をロープに振り、多恵と奈穂のトレイン攻撃。続いて奈穂がいん子の顔面をロープにこすりつけ、顔面をコーナーに叩きつけていく反則攻撃。さらにロープにくくりつけ、奈穂がミドルキック、多恵が背後からドロップキック、続けて奈穂もドロップキック。カウントは2。二発目のドロップキックを狙う奈穂をかわし、いん子がストンピング。続けて顔面にニーリフト。しかし奈穂がカウンターの打撃を入れていん子を倒すと逆片エビ固めに。これは堀田のアシストもありロープブレイク。
 奈穂はグラウンドのヘッドロックに捕らえ、続けて起こしていくが隙を突いたいん子がボディスラムで投げて自軍コーナーに連れ帰る堀田は自軍コーナーで奈穂の顔面を執拗に攻撃。
 タッチはせずに再び中央に引き戻し、いん子が足をインディアンズデスロックに捉えながらのキャメルクラッチ、続けて弓矢固め。これを離して堀田にタッチ。
 堀田が入ってくると、直にローキックの雨あられ。踏みつけフォールに入るもこれは多恵がカット。そのままの流れでダブルのドロップキックを狙うが、これは堀田が回避。続けて多恵と奈穂が二人でロープに振るが、謎のお見合いで奇妙な間が生まれる。堀田は二人をダブルラリアットでなぎ倒す。続けて堀田は奈穂をコーナーに振って串刺しのチョップ。絹を裂くような悲鳴を上げる奈穂は堀田の腕に噛み付いて多恵にタッチ。
 多恵と堀田のマッチアップ。多恵が突っ込んでいって堀田を倒してキャメルクラッチも、救出に来たいん子が多恵を引き剥がそうと引っ張ると、逆に堀田の首が極ってしまう。続いて多恵が堀田に足4の字固めで捕らえると、再び救出に来たいん子は技の構造が分からないようで色々と試行錯誤するも逆に堀田を苦しめてしまう。
 これにブチ切れた堀田がいん子に詰め寄るが、この内輪もめの間に多恵と奈穂がカニバサミからの低空ドロップキックの連携攻撃。さらに堀田をスクールボーイもカウントは2。すかさず多恵がアキレス腱固めで捕らえると奈穂も堀田に首4の字を決めてアシスト。これをレフリーに止められるとダブルのブレーンバスターを狙うが、これは逆に堀田が二人まとめて逆にブレーンバスター。
 激しくタッチを求めるいん子に堀田が渋々タッチ。多恵といん子のマッチアップに。多恵がいん子をリバーススリーパーからのリバースDDTで叩きつけると脇固め。これは堀田がカット。堀田といん子が多恵にダブルのフロントキック。堀田が多恵にトドメを狙うが、これはいん子に誤爆。そして多恵がいん子に多恵ロックを決めると、これがガッチリと入り、いん子がタップアウト。

試合後、堀田がマイクを取る。

堀田「……というか、誰?この人?(いん子に)お前のキャラは何だよ」
いん子「セクシークイーンです!セクシークイーンです!」
堀田「全然セクシーじゃねぇじゃん。セクシークイーンはこの中で一人しかいないんだよ。一人しかいないんだよ。だから違うよ。『アクトレスガールズのセクシークイーン、いん子で~す!』って、それくらいのセクシークイーンでやらないと。お色気ムーブとかガンガンやっちゃわないと。そうじゃない?もっとお色気やっちゃわないと」
いん子「すみません!勉強します!」
堀田「意味が無いんだよ終わってからデカイ声で言っても。でもそうやってセクシークイーンって言うんだったらセクシークイーンでここで一番にならないと。じゃない?……まあすごい君たちも良くなってるよ。早くなったねスピードが。あたしが君たちに『お願いします!』とか試合後に『試合見てくださいましたか?アドバイスお願いします!』って言うのは女子プロレスの伝統なんです。全日本女子プロレスからのね。最近はあたしも注意とかアドバイスもしないし。でも、多恵はスピードとかすごく早くなったね。で、奈穂は憎たらしいね、ホントに(笑)それが魅力だけど、それが良くなったよね。まだまだなところもいっぱいあるけど、出来てる部分もあるよね。伸ばしていこうね。でもホントに良くなったよね。ホントにすごい良くなった。今度は多恵とシングルやってみたいなと思ったよね。ホント関節とかも結構極まって痛いのよこの人の(笑)そういう本気で来る人とあたしは戦ってみたいっていうのがあるからね。いつかね。ちょっと代表に言っとくね。いつかいつか。スピード良くなった。スピードいいよね。(奈穂に)あんたも憎たらしいけど、もうちょっと……ね?こう……(笑)スピーディに、分かりやすいよね、あんたは。ということで、すごい頑張ってるみんなを見て、あたしは嬉しいです。あとあなた、(いん子に)セクシークイーンなら一番のセクシークイーンにとことんなりなさいよ。頑張ってね。今度当たったときは。まだまだ後半戦お楽しみに!」

退場していく堀田を 多恵と奈穂は深々と頭を下げながら見送った。

第3試合


 沙紀はBeginningに所属後初のホーム試合。4人はクリーンに握手。みゆきと沙希のマッチアップでゴング。ゴングと同時に二人は激しくショルダー・タックルでぶつかり合う。何度目かの攻防で静かったみゆきはフォールに入るが、それをするりとかわした沙希が逆にストンピング。二人は距離を取り、クリーンブレイク。
 両者タッチから乃愛と山縣のマッチアップに。山縣がじりじりと間を詰めると、乃愛は怯えたように下がっていく。それを追っていく山縣の背後からみゆきがドロップキックでアシスト。続けてダブルのドロップキックを狙うが、これをすかされた乃愛は、山縣に肌をペリペチと叩かれお仕置きをされる。乃愛はか細い悲鳴を上げる。
 沙希にタッチ。沙希はヘアホイップを二連発。さらにロープを使った踏みつけ攻撃。そして山縣に倣って素肌に鞭打。続けてロープにくくりつけてチョップを放ち、山縣にタッチ。
 山縣も乃愛をロープにくくりつけてチョップ。乃愛は悲鳴。続けて山縣がフライング・メイヤーから顔面かきむしり。レフリーに咎められるとさらに肌に鞭打。
 痛みに悲鳴を上げる乃愛はチョップで反撃していくが、山縣は効いていない様子で両手を広げてさらに打ってくるよう挑発。乃愛はフライングボディアタックで反撃すると、「もうダメ、もうダメ……」と半泣きでみゆきにタッチ。
 代わるみゆきと山縣は正面からチョップを撃ち合う。互いに一歩も引かず、両者鈍い音を響かせながらのチョップ合戦。両者の胸が真っ赤に腫れ上がっていく。
 これに競り勝った山縣がニーアタックを狙うが、みゆきがこれをカウンターのチョップで撃墜。さらに攻めに行こうとするみゆきに、乃愛が激しくタッチを要求。
 乃愛が変わって出てきた瞬間に山縣のチョップが入り、乃愛はダウン。山縣は沙希にタッチ。
 沙希と乃愛のチョップの打ち合いとなるが、沙希が優勢。乃愛はドロップキックを狙うが、そのドロップキックを沙希がチョップで撃ち落とす。続いて沙希がリバーススプラッシュを狙うが、これをかわした乃愛がドロップキックからフライングボディアタック。これにみゆきがドロップキックでアシストし、乃愛がセカンドロープからダイビングセントーン。
 みゆきにタッチ。みゆきは沙希にミサイルキックからフォールも2。持ち直した沙希はアトミックドロップからブレーンバスターを狙うが、これはみゆきが逆に投げ返す。フォールに入るが、山縣が救出に来て延髄斬り。さらに山縣と沙希でトレイン攻撃。山縣がボディスラムでコーナー下にみゆきをセットすると、沙希がリバーススプラッシュ。カウントは2。起き上がるみゆきに沙希は何度も顔面蹴り。みゆきも意地で起き上がり、沙希に蹴りで反撃。沙希がロープチャージからのビッグブートを狙うが、みゆきがカウンターのパワースラム、カミカゼと畳み掛け、乃愛もセントーンでアシスト。さらにブレーンバスターを狙うが、これは沙希が逆にブレーンバスターで投げ返す。救出に来た乃愛を山縣が蹴散らし、さらに沙希がみゆきブレーンバスターで叩きつけると、カウント3。

 試合後、みゆきと壮絶なチョップ合戦を演じた山縣はみゆきに歩み寄り、自らのチョップ痕を見せながらニヤリと笑う。それを見た乃愛も山縣に自らのチョップの痕を見せに行くが、これは山縣がスルー。
 退場していく山縣と沙希を、みゆきと乃愛は深々と頭を下げながら見送った。

第4試合


それぞれ握手をかわそうとするも、未来だけ握手に応じない。
 なつみとひめかのマッチアップでゴング。ひめかは手4つを仕掛けるが、なつみの身長では届かない。するとなつみは翔を呼び込み、肩車をしてもらってこれに対抗。しかし、未来も入ってきてひめかを肩車。熾烈な制空権争いは激化するも、なつみがロープ渡り式のアームドラッグでこれを制する。
 なつみはひめかをロープに振ると串刺しのドロップキック。翔も入ってきて同じく串刺しのドロップキック。フォールも2。なつみはフライング・メイヤーを連発し、賭けるとともにひめかをロープに振ってダブルのビッグブート。これもカウント2。ひめかは「痛い!」と感想を漏らす。
 翔にタッチ。翔はひめかの頭をコーナーに叩きつけ、フライング・メイヤーからストンピング。なつみに素早くタッチを回すと、なつみもストンピング連打。さらになつみはひめかをロープにくくりつけ、翔とともに顔面を踏みつけながら記念撮影タイム。
 翔とひめかのマッチアップ。翔は足4の字で捕らえるが、ひめかはローリングしてロープへ。翔はひめかをロープに振るが、ひめかはカウンターのショルダータックルで吹き飛ばし、未来にタッチ。
 代わる未来とひめかは二人でトレイン攻撃から未来がニーリフト。フォールも2。続いて翔と未来が正面からエルボーで激しく打ち合う。未来はロープチャージからランニングエルボーを狙うが、これをキャッチした翔が払腰。なつみにタッチ。
 代わるなつみは未来にドロップキックを連発。さらにロープに振ってカウンターのドロップキック。さらにフライング・メイヤーからカバーもカウントは2。
 そしてなつみは「行くぞー!」と叫んでからのモンキーフリップ、そのまま逆エビ固めに。翔もすかさず入ってきてさらにキャメルクラッチをかけるアシスト。
 なつみはさらにドロップキックを狙うが、逆に未来がドロップキックで吹き飛ばし、続けてタイガードライバーを狙う。しかしなつみがこれをバックスライド。カウントは2。
 ひめかとなつみのマッチアップへ。突っ込んでくるひめかになつみはスクールボーイも、体制が崩れ、ひめかがなつみにストンピング。なんとかドロップキックを成功させたなつみは「上げるぞ―!」のアピールから、体格で勝るひめかをボディスラムで叩きつける。さらになつみはひめかをロープに振るが、ひめかがカウンターのランニングエルボー。両者タッチ。
 翔と未来は正面からぶつかり合い、互いにドロップキック。これに競り勝った翔はフェイスクラッシャー。ロープに走る翔だったが、未来が追走でボディスプラッシュ。さらに未来がブレーンバスターを狙うが、身体を反転させて背中におぶさった翔がスリーパー。これを逃れられると、なつみも入ってきてダブルのドロップキック。さらに追撃を狙う翔だったが、未来がカウンターのラリアットを決めると、ボディスラム。カウントは2。
 未来とひめかの連携打撃からフォールも2。未来はロープチャージするが、翔がカウンターのドロップキック。ダブルダウンから起き上がった翔は未来の起き上がりを狙ってSTO。これがキレイに入るとそのまま翔がカウント3を奪った。

第5試合


 昨年に安納がアイスリボンに参戦した折に、元・アクトレスガールズの妹加とアイスリボンの弓李のユニット『GEKOKU娘』が安納に噛み付いたことで因縁が勃発。
 昨年大晦日のアイスリボン後楽園ホール大会で行われた安納&本間vs妹加&弓李のタッグマッチでは妹加組が勝利したものの、安納が試合後に「尾崎妹加とシングルがしたいですね。タッグでもなく、1対1の勝負で、アイツのパワーと私のパワーをぶつけ合いたいなって思いました」とコメントし、妹加とのシングルを要求。今回はその要求が通った形で安納のPOP王座を賭けてのシングルマッチが実現した。

 記念撮影後、妹加が握手を求めるが、それを拒否したサオリが張り手を見舞い、王者の奇襲という形で試合がスタート。
 距離を取った二人は改めて手4つで組み合うと、パワーで勝る妹加がサオリを潰し、マウントパンチ。しかしサオリがその腕を取って脇固めで切り返す。速攻での試合終了かと思われたが、妹加がなんとかロープへ逃れる。
 尚もサオリが優勢。安納は妹加の腕をロープを使って極め、妹加の腕殺し。追撃を狙って走るサオリを妹加がロープを下げてエプロンに出すと、エプロンサイドでボディスラム。サオリは場外へ逃れる。
 リングに戻ったサオリを妹加が猛追。コーナーに押し付けて踏みつけまくるとフェイスバスター、エルボードロップ、セントーンと畳み掛ける。フォールもカウントは2。続けて妹加は逆エビ固め。サオリはどうにかロープへ。妹加は串刺しのエルボーからアルゼンチンバックブリーカー。しかし背後に着地したサオリがおぶさる形でスリーパーへ切り返す。なんとかコーナーに叩きつけてこれを外した妹加だったが、サオリはコーナーに登ってミサイルキック。フォールもカウントは2。フォールを返した妹加の腕を取ってそのままサオリは三角絞めへ移行。これを逃れられるとサオリは再びコーナーに登るが、妹加が追いかけて担ぐと、サオリは回転エビ固めを狙う。しかしこれを耐えた妹加がヒップドロップからセントーン。さらに妹加もコーナーへ登る。サオリはこれを追ってコーナーに登り、雪崩式ブレーンバスター。さらにすぐに起こしてフィッシャーマンスープレックス。カウントは2。
 しかし妹加も雄叫びを上げて立ち上がり、エルボーを打ち込んでいく。サオリもこれに答えて正面から激しい打ち合いへ。そしてビンタの相打ちからダブルダウン。
 先に起き上がったのは妹加。妹加はサオリにハンマーパンチから俵返し。フォールに行かずもう一発。さらに三発目を叩き込みフォールも、サオリはギリギリで肩を上げる。すると妹加はサオリに腕を取りながらのラリアット。妹加はブレーンバスターを狙うが、これを切り替えしたサオリが丸め込みを連発。妹加は全てギリギリで肩を上げる。ロープに走るサオリだったが、妹加が追走ラリアットで攻めを潰すと、そのまま担ぎ上げてアルゼンチンバックブリーカーでギブアップを迫る。ギブアップしないと見るやアルゼンチンコースターへ。フォールもカウントは2。妹加は連続でフォールを入れてサオリの体力を奪っていく。ふらふらと起き上がったサオリだったが、即座に妹加がラリアットをぶちかます。カウントは2。
 妹加は満を持してコーナーに上がり、ダイビングセントーンも、すんでのところでかわしたサオリが組み付いてジャーマンを三連発。これもカウント2。
 サオリは妹加を起こしてロープに走るも、妹加がカウンターのラリアット。妹加はもう一発ラリアットを狙うが、これをかわしてバックを取ったサオリがジャーマン。これを返されると、ふらふらと起き上がった妹加に延髄斬り。さらにトドメのドラゴン・スープレックス
で叩きつけると、妹加も肩を上げることが出来ず、カウント3。

エンディング


 王座防衛に成功したサオリの腰にPOPベルトが戻ってくると、会場は大喝采。
 そしてサオリはマイクを取る。

サオリ「ありがとうございます!妹加、二年半前に妹加がアクトレスガールズを退団して、それから私は、やっぱりずっと寂しかったんですよね。初期メンバーもほとんど抜けて……、みんなとずっといっしょにいたいなという気持ちもありました。でも、今はこんな素敵なメンバーに囲まれて、いっぱい仲間が増えて、個性豊かで、そんなアクトレスガールズが私は大好きです!妹加とはもう別々の道だけど、でも、今日は1対1で初めて戦って、この二年半の妹加の生き方も分かりました。でも、この絶対不屈彼女を生み出したのは、妹加です、妹加がいたから私は絶対不屈彼女になれたんです。だから……ありがとうございます!」

サオリが妹加に握手を求めると、妹加はその手を握り返す。サオリを目の敵にしている妹加のパートナー・弓李は不満気な様子でそれを見つめる。そして二人は立ち上がり、熱い抱擁を交わした。
 妹加の退場後、サオリは観客へ深々と頭を下げる。すると、リングになつみが上がってくる。なつみは泣きながらマイクを取る。

なつみ「サオリ、ベルト防衛ホントにおめでとう。今から言うことは、サオリが思ってるようなことじゃないと思う。みんなも驚かせちゃうと思うし、サオリには一番はじめに伝えなきゃいけないことなんだけど……実はずっと言えなかったことがあります。堀田さん、よかったら一緒にリングの上で自分の気持ちを聞いて頂けますか?お願いします。自分は、アクトレスガールズに出会って、役者だけをやってた自分がホントにここまでみんなに応援してもらえるような人間になれたと思っています。これからもアクトレスガールズで頑張っていこうって思ってはいたんですけど……これだけは二人にちゃんと言わなくちゃいけなかったのに、このリングで言う形になってしまってホントにごめんなさい!これだけは言わせてください、堀田さん、サオリさん……お誕生日おめでとうございまーーす!!(満面の笑顔で)」

 なつみの声とともにセコンド陣がクラッカーを鳴らし、リング上には誕生日ケーキが運ばれてくる。状況の理解が追いつかず呆然とする堀田とサオリは流されるままにケーキのロウソクを吹き消し、半泣きのサオリが再びマイクを取る。

サオリ「もう、もう(なつみも)辞めると思っだぁ……ビックリしだぁ……(ベソをかきながら)よがったぁ……ありがとうございます……もう声も出ない……」
堀田「やっぱり女優やねぇ!!『ちょっと待ってよ嘘でしょ?!』みたいな(笑)こっちも『もういいよ!言わなくていいよ!』とか言っちゃってさ。あんなめちゃくちゃいい試合した後でさぁ?!(笑)」
サオリ「ですよねぇ?!そうですよねぇ?!ホントにありがとう、ホントにありがとう皆さん!ありがとうございます!」
堀田「ホントあたしも涙も出ないよ。すごいね……ドッキリ……」
なつみ&皆「ドッキリ!大成功~!」
サオリ「じゃあ、売店の時間が無くなるから締めよう!じゃあ、妹加!妹加、いる?よかったら一緒に締めよ!(妹加もリングに上がる)」
堀田「すみません、一言だけ!妹加とサオリの試合を見て、あたしが今までアクトレスで見た試合で最高の試合でした。ホントに私が一番伝えたかった感動と言うか、気持ちと言うかが見えて。すごいいい試合したよね!みんな!この気持、あたしが一番伝えたかったこと!あなた達が今までやってきた気持ち、悔しい気持ちとかがぶつかりあって、 今までやってきた気持ちがぶつかりあったことが一番出てた試合!みんなこれ忘れないで!次に誰がベルト挑戦するか分からないけど、思い切り頑張ってね!妹加も頑張って!良かった!最高!」
サオリ「よし!2018年最初のアクトレス大会ありがとうございました!じゃあ、いつもので占めます!いいですかー?!行きますよ!強く!優しく!あなたに一生懸命!アクトレスガールズ!」

<試合後コメント>
安納サオリ
――尾崎妹加選手との王座戦を終えられたご感想は
「やっと実現と言うか、年末にも言わせていただいたんですけど、私がずっと闘いたかった一人・尾崎妹加と戦って、ずっとモヤモヤと言うか、謎に包まれたままだったんですけど、今日初めてシングルをして、妹加の気持ちだったりパワーだったりとかをマタ改めて確認できました。今日はホントに良かったと思います。二年半離れてましたけど、二年半の思いを妹加にすべて今の試合でわかったなって思いました」

――年末のアイスリボン大会では尾崎選手にピンフォールを獲られていましたね
「そうですね。あのときはホントに認めたくなかったっていうのもありますし、ベルト持っている中タッグで負けてしまったことに対しての悔しさとかもどかしさがありました。だからこそさらにシングルしたい気持ちがより倍増したので、実現できてよかったなというのに尽きますね」

――シングルマッチをしてみて、尾崎選手の二年半で何が変わったと感じましたか
「全然違います。アクトレス居たときからずば抜けた存在ではありました。パワー云々技術云々。でも、もうより一層パワーも付いてますし、今日初めてあんなに感情むき出しの妹加を見たんじゃないかなと思います。ちょっと嬉しくなりましたね」

――安納選手も同じ気持ちでしたか?
「倒れても倒れても『まだやりたい!』『絶対勝ちたい!』って気持ちが強かったので、どれだけ身体が痛くても感情で、気持ちで立ち上がってたなっていうのはあります」

――最後のドラゴン・スープレックスは狙っていたのですか?
「狙ってなかったです。ジャーマンで最初から決めたかったんですけど、やっぱり返されましたし、どれだけやっても返されることに『やっぱり違うな』って思いました。尾崎妹加はやっぱ違うなって思ったところで、出ましたね。ドラゴンが。今まで一回くらいしか出したことのない……この(POPの)ベルトを獲ったときしか出してないんですけど、これじゃなきゃ勝てないと思ってやりました」

――厳しい試合でしたが、勝てた要因・原動力は何だったのでしょう
「やっぱり、見に来てくれている人の応援ですね。あとメンバーがリングの近くでみんな必死に『サオリ!サオリ!』って応援してくれたことで、立ち上がれましたし、メンバーの顔を見て、ベルトも守るんだ、まだ絶対ベルトを手放せないと思ったので、どんなにしんどくても立ち上がれましたね」

――このタイミングでやれてよかったと思いますか?
「良かったと思います。ホント唐突にアイスさんと関わるようになって、結構それも自分の中で疑問だったんです。『なんで今なんだろう』って思ってましたし、何か意味があるのかなって。何事にも意味はあるので。今後2018年で尾崎妹加さんと、アイスリボンさんとなにかやっていけたらいいなと今日、今は思います。新たな物語が作れたらと思います。バチバチな感じがずっと続いてたんですけど、うちらの関係はそういうものじゃなくて、もっと違うものが芽生えたらなって。今日の試合でお互い芽生えたらいいなって思いました」

――最後の締めで尾崎選手を「一緒に締めようと」呼び込んでいました
「やっぱり、妹加は二年半前にアクトレスガールズを辞めてしまいましたけど、私は仲間だと思っています。一緒にプロレス初めて、一緒に立ち上げて頑張ってきた仲間だったし、だからって言って『アクトレスガールズに戻っておいで』っていう気持ちは全く無かったです。でも、一緒に締めたいなと思いました。単純に、『強く!優しく!あなたに一生懸命!アクトレスガールズ!』っていうのがやりたくて呼び込んでしまいました」

――アクトレスガールズとしての新しい一年が始まりましたが、今年の抱負は
「ずっと思ってることなんですけど、個人のアレかもしれないですけど、後楽園ホール大会をやりたいです。やるからには満員で。あとは月に1回ではなく月に2,3回、お客様に届けられる試合を作れるように個々が成長していって、もうアクトレスガールズはまだまだなんで。アイスリボンさんや他の団体さんとかと比べるのもアレですけど、ホントにまだまだだと思うので、そこをもっと意識を持って、私が万喜なつみとともに引っ張っていけるように、もっと日本中のたくさんの人に知ってもらいたいですね。『こんな子たちがいるんだよ』って。そんな一年にしたいなって思います。……(マスコミ陣が)いっぱいだぁ。嬉しい♪」

尾崎妹加
――久しぶりのアクトレスガールズのリングですが、ご感想は
「正直すごい気まずかったし、正式に皆さんの前で止めるという発表も出来ない中で辞めたので、アクトレスガールズの中で試合してもいいのかなって正直思っていました。でも、サオリが闘いたいって言ってくれたから、この場に立つことが出来て、すごく感謝しています」

――およそ一年半ぶりということですが、安納選手にはどういった印象を持ちましたか
「使う技も多くなってたし、元々持ってるものがあるなと思っていたんですけど、私が抜けてからいろいろあって、リーダーシップも取ってくれていて頼もしい感じになってて、純粋にカッコイイなぁって思いました。強くなってましたね」

――どういうところに「強くなった」と感じましたか?
「プロレスラーとしてだけでなく、団体を引っ張っていくリーダーとして、頼もしい存在になっているなと感じました」

――最後、堀田選手から「アクトレスガールズの中でのベストバウトだ」という言葉がありました
「まだやれたかなって思います。でも、初めてのサオリとのシングルがタイトル戦で、でも、やっぱりお互い約二年半おもってたことをりんぐじょうでぶつけられてわたしはすっきりしたし、モヤモヤもなくなったんで、また今後ライバル関係でいられたらなって思います」

――安納選手のベルトに再挑戦したいという思いは
「うーん……最初はベルト賭けるって言ってたけど、ベルトとか無しで対戦したいですね。シングルでも、タッグでも」

――タッグを組むということはあり得る?
「それは特には(笑)私には正規のパートナーの弓李さんがいるので。でも、どんな形でもいいので対戦したいです」

――最後、尾崎選手が安濃選手の手を握り返したとき、弓李選手が絶望的な表情を浮かべていましたが、あのときはどのような想いだったのでしょう
「ずっとサオリは私が抜けてから、なっちゃんや多恵や奈穂ちゃんとメンバーが居たんですけど、色々迷惑かけたなぁって思ってて、そんな迷惑をかけた私に握手を求めてくれて、すごい純粋に嬉しいなって思ったし、やっぱり『おかえり』じゃないけど、『大丈夫だよ』って、そういう『安心して』っていう意味での握手をもらえたのかなって思って、普通に嬉しかったです。……弓李さんは背にしていたので分からないんですけど、普通に嬉しかったんです」

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