「神童」天心、19歳のスタートを飛び膝蹴りTKOで飾る! 勝次vs前口太尊の激闘で場内総立ち!森井洋介と小笠原瑛作は揃ってKO!
8月20日、東京・大田区総合体育館で開催されたKNOCKOUT(ノックアウト)vol.4。前回のvol.3(6月17日、TDCホール)は7試合中6試合がKO決着。しかも、計6度ものダウンを奪い合った勝次対不可思や、小笠原瑛作は現役ムエタイ王者ワンチャローンと倒し倒されの激闘の末にKO勝利するなど「神興行」と呼ぶにふさわしい内容だった。
今回は「神童」那須川天心がメインとはいえ、前回を上回るのはさすがに厳しいかと思いきや、激闘の連続と場内の盛り上がりは前回に勝るとも劣らない、またも「神興行」となった。
メインの天心はさすがのKO勝利。元ムエタイ3冠王のウィサンレックはしっかりと守りを固め「負けない戦い方をしてきた」(天心)。ヒジのカウンターを狙う相手に対して、天心はスピーディーなロー、ミドル、左ストレートで痛めつけていく。三日月蹴りやボディフックの連打でダメージを蓄積させた後、飛び膝蹴りで額を切り裂くと、ウィサンレックの出血が酷くなり2度目のチェックでドクターストップ。
天心はマイクを持つと「ちょっと自分らしくない終わり方。でも狙ってた顔面ヒザで切って、また新しい勝ち方が出来た」と話した後「KNOCKOUT、最高!」で締めた。8月18日に19歳となり、そのスタートをKOで飾った天心。次戦は10月15日のRIZIN福岡大会でのMMA。「2か月空くのは普通ですけど、僕にとってはだいぶ空く感じで、これから夏休みを取ろうかな(笑)。今回は色々なコンビネーションを見せれた。もっともっといい試合が出来るように、10代最後の1年も頑張ります」。
セミファイナルの勝次対前口太尊はキック史に残る凄まじい死闘となった。得意のパンチを狙う前口に対して、勝次は堅い防御からのカウンター。そして前回不可思からダウンを奪ったスーパーマンパンチを狙っていく。2Rに勝次が前口のパンチに右ハイキックを合わせてダウンを奪うが、3Rに前口がヒジで勝次の額を切る。さらに4Rには前口が右ストレートで勝次からダウンを奪う。このまま前口が押し切るかに見えたが、5R、二人は「ドン・フライ対高山善廣」を彷彿とさせる殴り合いに。勝次が右ストレートでこの試合2度目のダウンを奪い、さらに飛び膝蹴りからの右ストレートで倒すと即座にレフェリーがストップ。力尽きた前口は、試合後も頭痛と吐き気があり、眼窩底骨折の疑いもあるために救急車で病院に向かった。
2試合連続の激闘を勝ち抜き、ライト級トーナメント決勝戦に駒を進めた勝次は「あと1つ、人生を賭けて戦う」。決勝戦は、10月4日のKNOCKOUT後楽園ホールで行われる森井洋介対町田光の勝者との対戦となる。
また、この日は「ミスターKNOCKOUT」森井洋介と、旗揚げ以来の連続KO記録を「5」に伸ばした小笠原瑛作も光った。森井は、2Rに韓国ライト級王者キフンの飛び膝蹴りで左目尻から出血。ドクターチェックを受けると、再開後に猛然とラッシュ。3Rも森井の猛攻は止まらず、キフンのノーガード戦法の奇策にも構わず、強烈な左ボディでKO。小笠原瑛作は、スピード溢れるパンチとローで攻め込み、フィニッシュはヒジ打ちでKO。そして「天心戦」をアピールした。小野寺力プロデューサーも「次に天心がやる相手は、小笠原瑛作選手しか考えられない」と前向き。なお、何人もの選手が「12月大会」を口にしたが、小野寺プロデューサーは「色々と調整していて、近日中に発表したい」と語った。
(スポーツライター茂田浩司)
『KNOCK OUT vol.4』
日時:2017年8月20日(日)
開始:17:00
会場:大田区総合体育館
観衆:3050人(主催者発表)
▼第1試合 56.5kg契約
○小笠原瑛作
2R 0:42 TKO(ヒジ打ち)
●ファン・ヒョシク
▼第2試合 64.0㎏契約
○不可思
4R 0:35 TKO (タオル投入)
●茂木俊介
▼第3試合 59.0㎏契約
○重森陽太
4R 0:05 TKO ドクターストップ(ヒジによるカット)
●村田裕俊
▼第4試合 70.0kg契約
●緑川創
5R 判定 (48-49,48-49,48-49)
○宮越宗一郎
▼第5試合 61.0kg契約
○森井洋介
3R 0:49 KO
●ジュ・キフン
▼第6試合 61.5kg契約 KING OF KNOCK OUT初代ライト級王座決定トーナメント準決勝
●前口太尊
5R 2:31 KO
○勝次
▼第7試合 55.5kg契約
○那須川天心
3R 2:45 TKO ドクターストップ(ヒザによるカット)
○ウィサンレックMEIBUKAI