【インタビュー】「ナメられないために顔面施工費トータル250万で10kgダイエットした」夏すみれが思う幸せと引退する友へできること…【後編】

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 変えの効かない唯一無二の女子プロレスラー夏すみれは、かつてWAVEを絶縁状態で辞め、STARDOMの大江戸隊で暴れ、コロナ禍での投資話の破断でプロレス界から姿を消す波乱万丈な生き方をしてきた。
 色々なものを乗り越えてプロレス界に復帰した夏が、引退する友のために今月末自主興行を行う。
 前半(https://battle-news.com/?p=137742)では夏がプロレスラーとしてどのような思いで生活しているのかを聞いてみたが、後半ではプライベートな事からなぜ自主興行がこんなカードになったのかを赤裸々に語ってもらった。

――この3年間で激白に匹敵するような事はありましたか?
「なかなかあれを超えるようなインパクトある事件は起きないよね(笑)あっでもこの3年間で業界に入ってきましたよね。復活と失脚。今は歌舞伎町の○O○ランドで目撃されてるみたいですよ(笑)そんな金あるなら選手にギャラを払えー!いや~それに次ぐってなるとねぇ~」
 
――パッと出てこないってことは平和に生きていたのではないかと
「事件っていう事件・・・あぁ!整形じゃないですか?この3年の変化で言うなら。去年の年明けにしたからもうすぐ2年。今のところ細かいメンテナンス費用も含めるとトータルで顔面施工費250万ぐらいですかね。あと10kgダイエットしました」
 
――だいぶ外見のインパクトが変わりましたよね。なんでそこまで振り切ったんですか?
「理由は一個じゃないんですけど、なんか本当ただシンプルに綺麗になりたかった。あと私MBTI(人の性格や行動の傾向を16のタイプに分類する性格検査)マニアでして、私のMBTIはENFP広報運動家ってものなんですけど、結構周りの空気とかを読んでしまう性格タイプなんです。整形前の私ってそれがマイナスな方向に作用してたんですよ。なんかイラッとすること言われても、場の空気を壊したくないから笑って流してしまったり。 3年前ってちょうど精神と時の部屋から出て、久しぶりに外界で人との交流を楽しんでた時期だったんで、結構派手に飲み歩いてたんですよね。でもやっぱそうやって出会う人ってろくな人いないから、今まで他人にされた事もないような対応をされたりとかが増えて。でもその時の私はやっぱ言えなかったから、いいよいいよって受け入れて。今考えたらナメられてたんだなって思います。でもふと我に帰った時に、なんでこんな扱いを受けなきゃいけないんだってバーサーカーモードに入りまして!おいナメるなよと。で、変わろうって思って。やっぱり人ってどうしても見た目の印象が強いじゃないですか?それは正直私自身もそうですし。初手でナメられたら終わりだなって思ったから、ナメられない見た目になろうと思って整形をしました。整形したらもっと理想に近づきたくなったからダイエットもしたって感じですね」
 
――それからは周りの対応は変わりましたか?
「あの時は整形をすれば何かが変わるんじゃないかと思って、だから200万もかけて整形してみたんだけど、したところで結局周りは変えられない(笑)自分が変わるしかないんですよ。変わったのは周りではなく自分のマインドですね。『ナメた態度とってくるならいらねえから』って思えるようになれた。今は割とまた付き合いが少数精鋭に戻ったっていうか、本当に自分のことを理解してくれて、私が酔っ払って同じ話ばっかしてても、なんだこいつって思いながらなんだかんだ付き合ってくれる友達だけになりましたね。自分が自分でいられるようになったかなとは思います」


■顔の綺麗な男の子が座って結構アプローチされた
 
――本当に今、温かい世界で幸せに生きてるんですね
「うーんそうね、友人関係には恵まれてますよね。それ以外はズタボロですけど(笑)」
 
――今の話のどこにズタボロになる要素があったんですか!?
「いや、これはね、本当に私の意思の弱い部分で、人付き合いにおいては強くなれたんですけど、対異性に関してはあんま変わってないです(笑)」
 
――見た目強くなってもダメだったと
「見た目だけ強くなってもね。20代であんま深く考えずポケーって生きてた時の方が、 その部分で悩むことはあんまりなかったですね」
 
――今は強い見た目を気にしないアホしか寄ってこなくなった
「うん!そうですね(苦笑)そこが今は悩みの種かもしれないですね」
 
――頭のいい人はチョロい女に行くし、しっかりしたお金持ってるオジサマ方はタヌキ顔に行くし、お金を持ってる女なら誰でもいいやって男しか寄ってこないと
「そういえば私、この3年で旅行に行ったりできるレスラー外の友達が出来たんですよ。彼女達のことを私は新宿の女たちと呼んでいるんですけど。去年4人で一緒に沖縄旅行に行った際に男性グループに声をかけられまして。でも結局那覇付近だと観光客が観光客ナンパするだけだから、結局新宿と何も変わらないんですね。彼らも東京から社員旅行で来てるグループだったから。で、そのまま流れで一緒に飲む事になったんですけど、他の3人も飲み屋さんで働いてる子たちだから酒も強いし喋れるし、下手なキャバクラ行くより盛り上がってんじゃないかって感じだったんです。でも一時間ぐらい経ったら男性たちがスッと帰っていって。うん?ってなったけど、国際通りの狭いエリアで飲んでるから、ウロウロしてたら結局また会うんですよ。『あ、さっきの~』ってなってまたワーって飲んだのに、また帰られるみたいなことが1日3回ぐらいあって、さすがに何なの?って思うじゃないですか」
 
――旅行先だしそんな盛り上がってたら誰かがワンチャン狙ったりとかありそうなものですけどね
「私の友達の一人が男性陣とちゃっかり連絡先を交換してたんで、結局次の日もまた一緒に飲むことになったんです。でもメンバーを一部変えてやってきて、そしたら前日とは打って変わって2日目の人達はすごいグイグイ来たんです。私の隣には顔の綺麗な男の子が座ってたんですけど、その子にすごいアプローチされまして。ただアプローチの仕方がなんか変わってたんですよね。普通なら女性に対して『可愛いね』とか『綺麗だね』とかそういう方向で攻めるじゃないですか?でもその人はなんかちょっと独特で・・・所謂ゲイ業界で言うところのネコのような立ち位置で自分のお尻の可能性をすごくアピールしてくるんです」
 
――僕のことどう思う~?みたいな
「ん?ってなるじゃないですか。なんで私にそれを伝えるの?って疑問に思いながら最初は飲んでたんですけど、だんだん気づいてきたのが、その男性はいわゆるバイの方で女性よりもニューハーフさんにリードされたい男性だったんですね!私たち1日目の飲み会でその男性陣に4人全員ニューハーフだと思われてたらしい(笑)その話を聞いたその男の子が『自分めっちゃ会いたいです』って食いついたから2日目も連絡してきたみたいで、あろうことかその子に気に入られたのが私で、私のことをニューハーフだと思って、私のサオ目当てで喋りかけてきてた(爆笑)途中からボタンの掛け違いに気づいたので『私女だよ?』って言ったんですけど、向こうは『またまた~』みたいな。最初信じてくれなくて『え?本当に女だよ!』って言ったら『女なんですか!?僕、ニューハーフが好きなんです・・・』って謎にこちらがフられたというエピソードがあります」
 
――強い女4人集まるとニューハーフだと思われてしまう
「声もね、みんなちゃんと酒ヤケしてるから(笑)ノリも普段新宿二丁目で飲んでるし、もうなんか最近そんなんばっかりですね(笑)」
 
■私自身は本来普通のつまらない人間
 
――こんなに笑顔ばかりで毒のない夏すみれはこの6年間で初めてです
「ええ!?毒か・・・」
 
――今まではどっかしら怒りを溜めてたというか、かつての団体や激白関連とか、何かしら見返してやるっていうのがあった気がします
「確かにそう考えれば昔は怒りが最大のエネルギー源でしたね。今はそんなに抱えてないかもな」
 
――以前はどこか殺気のようなものをね
「あったかもしれないね(笑)殺してやるとまではいかないけど、こいつが死んだら葬式でリオのカーニバル踊ってやるとかは思ってた(笑)」
 
――今は別に殺してやりたい相手もいないし
「めちゃくちゃムカついて瞬間的に殺気立つ事はありますけど、なんか今は一瞬ムカついても、そいつのことを考えている時間が無駄だな〜みたいな考えになっちゃったかもしれないです」
 
――成長して大人になった
「なんかつまんない人間になっちゃいましたね(苦笑)」
 
――人間としては正しい!だからこそリング上は素晴らしい夏すみれが帰ってきているので
「私自身は本来普通というか、そんな特別感性が研ぎ澄まされているわけでもなく、どちらかというと奇人のフリをした凡人なので、以前はそこで無理が出たんでしょうね、きっと。なんかおかしなことしなきゃ、面白いこと言わなきゃみたいな。そこで頭いっぱいいっぱいになってキャパオーバーしちゃってたけど、最近は割と求められている自分と本来の自分をうまく擦り合わせながらどう表現するかを考えて試合をしてるから、出る団体によって全然人格が違うと思うんです。でもなんかそれが飽きないから楽しい」
 
――ちゃんと一個一個考えられている。昔は怒りとお金を稼がなきゃでずっとやっていたので
「でもそのハングリー精神は捨てちゃダメですよね。今幸せだけどね、結局どこか『なんか満たされないな〜』が出ちゃってるんですよ」
 
――今目指すところややりたいことはどこに向かってますか?
「そう聞かれてしまうと、やっぱり心置きない引退をすることですかね」
 
――まだ引退は頭のどっかにある
「やっぱり復帰の目的はそこだったんでベースにはずっとあります。でも別にいつとかそういうのではなくて、いざ自分が引退する時が来た時に自分のやりたいことを100%叶えて引退がしたいから、それを叶えるためにはやっぱりレスラーとしてもうちょっと、いろんな人に知ってもらったり、自分のプロレスはこうですってものを残したい。昔こんな選手がいたんだよって言ってもらえるようにならないと寂しいじゃないですか?しれっと引退して『そういえば居たな〜』なんて言われたら。そのための下地作りとして一試合一試合を一生懸命、情熱込めて試合するのが、今の自分がやるべきことかなと思いますね」

■優宇ちゃんは実はちょっと思い入れがある選手だったんです
 
――そういう自分の引退も考える中で、友人である優宇が引退するということで今回10月31日にTOKYO SQUARE in Itabashi(インイタ)で自主興行が組まれたわけですよ
「そうでしたね!今まで一体何の話!?マジでバトル・ニュースの取材を受ける時、本来の目的忘れること多くないですか!?(すでに3時間が経過)」
 
――前段が濃いから…優宇への餞として今回組まれたと聞いてます
「そう。もともと私と優宇ちゃんってリング上での絡みは皆さんも印象にないとは思うんですけど、意外とプライベートでは仲良くしてもらってて、それこそ一緒に旅行に行ったりだとか、優宇ちゃんがフリーになった直後かな?共通の知人がいましてその人から私に電話がかかってきて、東京女子プロレスにいた優宇って子が今度フリーになるから、同じフリーとして色々教えてあげてくれないかっていうのでその場で電話を代わってもらって。初対面は電話だったんですよね。その時に1回飯でも行きますかってなって、そこで初めて優宇ちゃんと会って色々話を聞いて。やっぱ東京女子さんって団体の方針としてあんまり他団体との交流を持たないので、優宇ちゃんもフリーになるもののあんまり他の女子プロレスを知らないっていう状態だったんで。色々相談に乗ったりしてたとこから始まってて、実は思い入れのある選手なんですよ」
 
――2018年に退団してるのでもう長い付き合いですね
「そんな子が引退するってなったら、やっぱり最後に試合したいなってレスラーとしては思うじゃないですか。でも私と優宇ちゃんって本当に出る団体が全く被らない。最後に試合はしたいけど果たしてどこでこの試合は実現するんだって思っちゃって。来るかわかんないオファーを待つぐらいだったら、自分で場を作っちゃった方が早いなと思って。だから今回自主興行を開催する運びになったんですけど、メインのカードは優宇ちゃんのやりたいことを叶えてもらえたらっていうカードだったんで。なんかやっぱね、どうしても引退ロードの中で希望する人全員と当たれるわけではないじゃないですか?だからもし最後に当たりたくても他で当たれない選手がいるのであればこの興行を使っていいよって言ってて。それで最初に出た名前が山下りなだったんですよね。それはもう是非是非ってことで山下にもすぐに声をかけて。あとはやっぱり優宇ちゃんといえばタッグパートナーは橋本千紘選手だと思うんですけど、今優宇ちゃんも仙女所属になったことで橋本選手とのタッグの機会は引退までの残り数ヶ月でまだ結構あると思うんですよ。だからこう、もう一つ何か希望を足すとしたら?っていう風に聞いたら石川修二さんとのチーム333キロがやりたいって言われて。対戦する身としては『マジか〜』ってなりましたけど」
 
――そうですね。ヘビー級に放り込まれるわけですしね
「石川さん出すならこっちは諏訪魔さん出すよってことで、諏訪魔社長には最近私もEvolutionさんでお世話になってて、なんというかその・・・心惹かれるお方だなと感じていたので、すぐにお声がけをしてこの6人タッグになりました」

▼メインイベント 優宇 壮行試合“さよならの代わりに”6人タッグマッチ
夏すみれ(フリー)/山下りな(フリー)/諏訪魔(全日本)
vs
優宇(センダイガールズ)/橋本千紘(センダイガールズ)/石川修司(フリー)
 
――発表された時にいろんな方々から『どうした!?』と連絡がありましたね
「はい。なんかみんなまるで私が自ら自殺カード組んだと思ってますけど、自分の意思で組むわけないじゃないですか!一人だけOL混ざってるようなもんですよ!私が一番そう思ってる(笑)こっちは何kgなんですかね?」
 
――生きて帰れないかもしれないカードを自分の自主興行で
「うん、本当に。逃げれるもんなら逃げたいですけど、まあある意味ね、この組み合わせって間違いなく他の団体じゃ絶対見れないじゃないですか。私にとっては優宇ちゃんとの対戦もそうですけど、一緒に組む山下も今んとこ自主興行系の大会では毎回必ずメインで組むか当たるかしてもらってるぐらい信頼を置いてる選手なので。隣には背中も命も預けれる存在がいて、そこに更に諏訪魔社長が居てくれるのであれば、ちょっと怖い気持ちもありますけど、この試合はどんな展開になるんだろうってワクワク感を自分自身がすごく感じてます」

――自主興行決まってからもトラブル続きで、会場ともモメました
「あの時一連の流れを見てた人からは『仲良いノリなのかと思った』って言われましたけど。実際あの会場で試合したのは過去に2回ぐらいしかないので決して友達関係ではなく、私はただ正規の料金払って会場を借りる利用者でしかないんですけど、開催発表をしたらいきなり『夏すみれが試合をすると掃除が大変だ』みたいなことを書かれたんですよね。そしてまた運が悪い事に私はその投稿を見た時ワインバーで飲んでたんですよ一人で。ふふふんってちょっとほろ酔いになりながらXを開いたら、それが書かれてたのを見たからもうその瞬間にブチ切れて。そっからはワインを飲む手が止まらなくなり。新宿二丁目に移動しまして、自分の行きつけのお店で暴れ散らかして。いざ帰ろうと思って路上に出たら、知らない人が酔いつぶれてたのでなぜかその人の上に跨って写真を撮り。最終的にはフィリピンパブに流れ着いて朝を迎えたんですね。翌日は友人からバーベキューに誘われてたんですけど、その調子で飲んでしまっていたので、もちろん行けるはずがなく。魂のドタキャン・・・あの1日は一体なんだったんですかね!?まあでもね、それも今となってはもう会場さん側と交渉して平和的な解決策として、インイタに限る話ではないですけど、やっぱああいう会場ってライブハウスとして届けてるところが多いので、どうしても条例の問題で入場時のワンドリンク代は必ずかかってしまうんですけど、追加でドリンクをおかわりをしていただく際にはドリンク一杯分、来場者、出場選手、スタッフ全員に振る舞っていただく事になりました。なんでもガバガバ飲んでください。ちなみにその追加のドリンクはその日に飲めなくても、また次回インイタに行く機会があればその時でも使えるみたいなんで。ドリンクコインとして受け取れるので、皆さんが良きように使ってください。最終的にはお客さんが喜ぶ形を落としどころにしたって感じですかね」

――売られた喧嘩はただでは終わらせんぞと
「まあそうですね。やっぱ先ほども言いましたけど、私は3年前からバーサーカーモードに入ってますから!(笑)でもかといって人とモメたいわけじゃないんで。いい落としどころを見つけて、結果としてお客様が楽しめる形になる事がこの業界に携わる者としては一番正解なんじゃないかなとは思っています」


――さらに音響スタッフをタダでGAMIさんがやってくれることになりました
「GAMIさんのうっかりミスにより、いただいていたオファーを忘れ去られておりまして(苦笑)待てど暮らせどカードが送られてこなかったんですよ。前日なのにな~みたいな。なのでGAMIさんに連絡したら『あ、ごめん忘れてた』って言われて。おおマジかと思って。だったらこれもせっかくだったらなんかおもろい方向に持っていけないかなと思って、ちょうど音響と照明のスタッフさんを手配し忘れてたので『じゃあGAMIさん、無償で音響照明お願いします』ってことで落とし所にしました。なので今回の興行は音響照明すべてGAMIさんが選手を華麗に彩ってくれます」
 
――そういうところで歴史が繋がるというか、3年前だったらありえない
「まあそうですね。GAMIさんとは3年前に飲みの席で偶然バッタリ会ったんですけど退団以来久しぶりの再会だったのでお互い目があって数秒固まりました。で、先にGAMIさんから『写真撮っていい?』って歩み寄ってくれたんで、だったら私も『一緒に飲みましょう』ってことでそこから再びWAVEとの交流が再開したんですよね。いや~歴史がありますね~」
 
――WAVEが一個溶けない氷として心にあったものが溶けたと
「私が退団した後、私もGAMIさんもお互いいろんな事件があったじゃないですか?多分お互いがお互い、もうなんか退団時のことなんか忘れるぐらいそれ以上の荒波を乗り越えてきたんで、相手を許せたりだとか固くこだわってた部分を譲歩できたり、そういう余裕が生まれたんだと思います。やっぱ私にとっては結局のところ、プロレスラー夏すみれを生んでくれた場所はWAVEですしGAMIさんなので。本来であれば誰だってね、『帰れない』や『帰らない』は個人の意思の自由ですけど、帰れる故郷があるならそれに越した事はないじゃないですか?」
 
――色んな過去のトゲが無くなり、その後できた各団体との繋がりが今回のメイン以外のカードに組まれている
「自主興行って日頃自分に仕事を振ってくれてる団体さんなり選手に対してお礼ができる機会でもあるじゃないですか。そういう部分も意識した上でマッチメイクを考えましたね」

――せっかくなので第1試合から見どころを
「第1試合は青木いつ希vsYuuRI。これは、もともと自主興行をやる度に青木いつ希には毎回出てもらってて、彼女には毎回第一試合を任せてるんですよ。何でかっていうと、やっぱり大会の第一試合ってすごく大事だと思うんですよね。お客様の中には初めてプロレスを見に来ましたって人たちもいるんで、そんな時に重要になるのって、その日初めて見る試合だと思うんですよ。第一試合がその大会を左右すると思っているので。青木いつ希は明るくてハツラツとしたキャラクター。 でも技は一個一個力強くてプロレスラーとしての説得力もありますし、とりあえず青木を第一試合に置いとけば間違いないだろうって絶対的な信頼感が私の中にあるので今回もお願いしてたんですけど、実は最初はスケジュール的に雲行きが怪しかったんですよ。いつ希が呼べないとなるとちょっとどうしようかなって悩んで。で、この枠をYuuRIにお願いしたんですよね。YuuRIはナツバーでも働いてくれてますし、最近ではチームナツバーとしてちょこちょこタッグ組んだりとかもして公私ともに仲良くしていて。そんなYuuRIに誰と試合がしたいかっていうのを聞いたら、青木いつ希の名前が出たんですよ。それ聞いたらやっぱりどうしてもいつ希がいいなぁと思って、もう1回ダメ元で聞いてみたらスケジュール空いてましたってことですぐにお願いしました。私やYuuRIにとってこの第一試合のシングルマッチは願ったり叶ったりでしたね。ただ最近ちょっとYuuRIの奇行が激しくて!」
 
――トペをしようとしてステージから落ちたり、スワントーンで自爆し続けたり・・・
「YuuRIの大奇行ムーブでベテラン3人が苦笑いすることしかできなかったっていう光景が広がったので、いざそうなってしまった時に青木がどうさばくのか、そこら辺も私は大注目しております」

――第2試合が3WAYです
「小林香萌と狐伯に関しては実力はもうみんなもご存知の通りじゃないですか?過去にシングルマッチをした事もあるみたいだし、ここの顔合わせはすごく信頼のおける2人なんですけど、そこに絡むエチカは、少し前まではちょっとプロレスの部分ではまだ粗さが目立つと言いますか、力を抜くと手を抜くを混同しているなと感じることがあって。1度試合後にめちゃくちゃブチ切れたことがあるんですよ。でも最近の彼女はすごく良くなったと思うんです。自分の見せ方だったり自分のプロレスが固まってきた頃かなって思うんで、そろそろ次のフェーズを目指してもいいんじゃないかなと思って。他の2人みたいなパワー、スピード、テクニック、この全てを兼ね備えている2人と闘うとなると自分の体格の大きさだけに頼っていたら正直何も手を出せないと思うし、だったら違う何かで勝負をしなきゃいけないじゃないですか?その何かを2人との対戦で掴んでほしいんですよね」
 
――試練ですね
「試練かもしれないですね。ただ3WAYなんで、結局のところ頭良いやつが勝つんですよ。エチカは頭悪いやつではないと思ってるんで。2人を翻弄してほしいです」

――第3試合は・・・どういう繋がりかわからない人もいますね
「私が可愛いと思う人たちを集めた、令和の時代に逆行するルッキズムを極めたバトルロイヤル!色んなタイプの綺麗や可愛いがあるけど、美しけりゃなんだっていい。なんか意外と女の敵は女だと思ってる男性多いと思うんですけど、女の方が綺麗な女好きだと思いますよ。私は美しいものが大好き。それをギュッと集めてみました。やっぱあの、可愛い子のコスプレが嫌いな人なんてこの世にいませんからね。たまに『ポートレート売るために試合してんのか!』とかね、女子プロレス批判であげられますけど、ポートレート売るために試合したっていいだろう!この試合はポートレート売るための試合なんだよ!!だからもう皆さんは是非とびきり可愛い格好で試合してもらって、試合後の物販でじゃんじゃんグッズを売り散らかしてくださいね〜!!」

――セミはセレネが試練のカードですね
「セミファイナルのテーマとしては『とにかく気の強い女だけを集めてみました』というタッグマッチなんですけど、ここにセレネちゃんがいる理由としては、やっぱSEAdLINNNGさんにもお世話になってますし、SEAdLINNNGからも誰か選手を呼びたかったんですよね。SEAdLINNNG十周年の後楽園でちょうど生え抜き4人だけのタッグマッチがあったんでその試合を見てたんですけど、私の目に残ったのがセレネちゃんだったんです。私はセミの一枠に誰を入れるかって視点のみで試合を見てたので、セレネちゃんを見てたら『この子絶対気強いだろうなー』って思って。気の強さって技とか技術の部分ではなくて、例えば技を受けた時の目つきとか。攻撃した後の立ち上がり方とか、いわゆる所作の部分に出ると思うんですよ。勿論みんな力強くハツラツと試合をしたんですけど、気が強い女は誰だ?って目線で見るならセレネちゃんかなって。南月代表から『こういうテーマの試合には誰がいいと思いますか?』って相談した際にお墨付きがありましたし、このメンツの中に入ったらどうしてもキャリア差もあるから、もしかしたら彼女の中に少し怖いって感情も芽生えてしまうかもしれないんですけど。実際私も南月代表も『セレネだ!』って思ったからこのカードに入れたので、自信を持って日和ることなく、根っからの気の強さをぶつけてほしいです。どうせ周りも気の強い女しかいないんだからガツガツ行ってほしいですね!あとは葉月ちゃんとVENYの絡みも私の記憶の限りは多分初めてだと思うんで、ここもちょっと見たかったんですよね。葉月ちゃんはメキシコ遠征帰りにそのまま出場してくれるしどちらもスピードとかルチャ的な動きを得意とする選手でもあるんで、ここの絡みも注目ポイントかなと思っています」
 
――濃い5試合ですね
「いや正直ね、メインでめっちゃ金かかってるんで、本当は全3試合ぐらいでうまいこと茶濁すかと思ってたんですけど、やっぱ色々考えてたらあのカードも見たいこのカードも見たいってどんどん浮かんできちゃって、結局赤字覚悟の全5試合になっちゃった」

――FACEでやれましたね
「まあでもいいんですよ。結局この大会の軸はやっぱり優宇ちゃんのための大会、優宇ちゃんを最後に見送りたいっていう趣旨の大会なんで、多少採算度外視で・・・と言いつつもさすがに赤字になると私は年末の年越しそばも食べられずに年を越すことになってしまいますから・・・是非、人助けだと思って会場まで足を運んでください」

【番外編へ続く】

『夏すみれ自主興行 “さよならの代わりに”』
日程:2025年10月31日(金)
開始:19:00
会場:TOKYO SQUARE in Itabashi
チケット:https://x.gd/MzwZx

▼第1試合 シングルマッチ
青木いつ希(ショーンキャプチャー)
vs
YuuRI(ガン☆プロ)

▼第2試合 3wayマッチ
小林香萌(フリー)
vs
狐伯(WAVE)
vs
エチカ・ミヤビ(PPPTOKYO)

▼第3試合 ハロウィンコスプレバトルロイヤル出場選手一覧
炎華(WAVE)/神楽姫ミサ(フリー)/梅咲遥(ディアナ)/ラム会長(666)/尾﨑妹加(フリー)/雪妃真矢(フリー)/紫雷美央(フリー)/櫻井裕子(COLOR'S)/風南ユキ(SEAdLINNNG)

▼セミファイナル スペシャルタッグマッチ
葉月(スターダム)/笹村あやめ(2AW)
vs
VENY(フリー)/望天セレネ(SEAdLINNNG)

▼メインイベント 優宇 壮行試合“さよならの代わりに”6人タッグマッチ
夏すみれ(フリー)/山下りな(フリー)/諏訪魔(Evolution)
vs
優宇(仙女)/橋本千紘(仙女)/石川修司(フリー)

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