PANCRASE286に出場の徳留一樹が公開練習!過信を捨てた元・王者が半年ぶりの復帰戦に向け想いを語る

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 4月10日午後、都内渋谷区のクロスフィット代官山で、徳留一樹(パラエストラ八王子)が公開練習をおこなった。
 徳留は、「PANCRASE 286」(23日、ディファ有明)でアキラ(フリー)と対戦する。公開練習の内容は、サーキット練習。これまでも見せたことがあるが、今回は1つ1つのメニューが約15秒と短い。何種類ものメニューを短いスパンで繰り返すうち、次第に徳留が苦しそうな息を吐く。しかし、その背中には、この練習を繰り返し、乗り越えた証が見えた。

 徳留は2015年11月、北岡悟を破り第6代ライト級キング・オブ・パンクラスの座に就いたが、昨年9月、初めての防衛戦で久米鷹介(ALIVE)に敗れ、ベルトを失ってしまった。今回は約半年ぶりの復帰戦。一度は引退も考えたというが、さらなる進化をとげ、パンクラスに帰ってくる。
 対戦するアキラは、元五味隆典の愛弟子。強烈なパンチが持ち味だ。パンチの強い選手に勝つことは、前回の久米戦の悪夢を払拭することでもある。

 また、徳留は五味に憧れ、五味のもとにいたこともあり、時期は違えど五味の弟子同士の対決でもある。絶対に負けられない一戦だ。
 徳留の話は以下。

——前回の試合では、ベルトを失ってしまいました。
徳留「ちょっと考えましたね。辞めると続けるか考えて。でも、直せるところが見つかったので、もうちょっと頑張ってみようと思いました。かなり考えましたけど、やると決めてからは切り替えて集中できました」

——敗因は何だったと思いますか。
徳留「向こうより自分の力がなかっただけ。相手はベルトに照準を泡得てやってきていました。向こうの方が気持ちが入っていたと思います。あの時点では、向こうの方が強かったと思います。あの時の自分には、そういう部分が欠けていました」

——気持ちを切り替えたきっかけは?
徳留「負け方ですね。今までの負け方を振り返ってみると、みんな同じなんですよ。つまり、自分が強くなったと過信していたんです。打撃も巧くなったと思っていました。ああいうふうに当てられるところを克服したと思っていましたけど、相手はそこを僕のウィークポイントだと思っていたということですよね。またやってもダメだったら、もうそこは直らない部分だと思います。キッパリ諦めます。でも、今、いい感じにできて来ているので、試合で試すのが楽しみです。そこさえ直せれば、自分に穴はなくなると思います。打撃はある程度できますし、寝技もできるので。とにかく、そこ(ウィークポイント)を直していきたいです」

——今日はサーキット練習を見せていただきましたが、どのくらい練習しているのでしょうか。
徳留「以前は週2回ここでやっていましたが、今は週3回やっています。内容は、筋肉をつけるためではなく、最大筋力を上げるようなトレーニングです。週3回やるようになってから、心肺機能が上がったんですよ。もうこれ以上上がらないと思っていましたけど、やればまだまだ上がるんだと嬉しかったです。これは数値にも表れていますし、自分自身も実感しています。タイトルマッチの時が最大と思っていましたけど、まだ上がるものなんですね。体格的には、自分では毎日見ているので分からないですけど、デカイねとはよく言われます。でも(試合に向けて)体重は全然落とせるので、本当にいい感じです」

——バキバキのすごい身体ですが、久米選手を意識したことは?
徳留「特にそういう意識はないです。誰が、というより自分自身を高めていきたいですね。あと、もうちょっと筋肉をつけた方が、組んだときにコントロールできるんじゃないかというアドバイスもいただいたので」

——出稽古も以前と同じように続けているのですか?
徳留「新しくGENスポーツアカデミーでお世話になるようになりました。ここはウェルター級の選手がたくさん集まっていて、グローブを着けて、ウェルターの人たちとスパーリングさせていただいています。僕はまあまあフィジカルが強い方ですけど、やはり上の階級の人は違いますね。なので、自分の中の技術を使ってやっています。あとは、シルバーウルフで大宮司(進)さんに打撃を見ていただいて、八王子で基礎をやって、それらを総合に落とし込むという感じです」

——さて、今回の相手はアキラ選手です。
徳留「パンチを持っていますよね。1発もらったら、自分は打たれ弱いので倒れると思います。でも、そこでもらわないでKOして、いつものように金網に乗ってワーッとやりたいです」

——改めて、アキラ選手の印象は?
徳留「尊敬する五味(隆典)さんの弟子なんですよね。パンチが五味さんに似ているなと思います。いわば同門対決みたいな側面もあるので、負けられません。ただ、同門とは言っても、一緒に練習したこともないですし、五味さんに教わった時期も重なっていないので、あまり気にはしていません」

——どんな試合になるでしょうか。
徳留「打撃戦になるかどうかは、場合によりますね。打ち合いになるかも知れないし、寝技になるかも知れないですし。でも、どんな展開になっても、1本かKOで勝ちたいです。でも、これは本当に負けられない試合です。自分のことをまた使ってくれたパンクラスに、徳留を使って良かったと思ってもらえるように、ハデに勝ちたい。気合いが入っています」

——あとには久米選手の試合があります。やはり気になりますか?
徳留「しっかり見ようと思います。そして、とにかく自分はいい勝ち方をして、また挑戦できればと思います。でも、まだ先はあまり考えられません。とにかく、このアキラ戦をしっかり獲ることが先決です。でも、目標は高く、ブレないように持っていたいですね。まずは4月23日、しっかりKOか1本で勝ちます!」

(写真・文/佐佐木 澪)

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