【試合結果】12・11 PANCRASE大阪大会 有己空vsグッドマン田中 中村晃司vs杉山和史
『PANCRASE 東成区民センター大ホール大会』
日程:2016年12月11日(日)
会場:大阪・東成区民センター大ホール
開始:14:30
観衆:555人(満員)
▼第1試合 フライ級 3分3R
●尾崎龍紀(総合格闘技道場コブラ会)
判定0-3
○仁科太志(ゼロ戦クラブ)
▼第2試合 ストロー級 3分3R
●ふじい☆ペリー(総合格闘技道場BURST)
判定0-3
○大崎勝海(総合格闘技道場relible)
▼第3試合 バンタム級 3分3R
●長谷川孝司(パンクラス大阪 稲垣組)
2R 1分48秒、アームロック
○高山慶悟(TL Training Center)
▼第4試合 バンタム級 3分3R
○三村 亘(パンクラス大阪 稲垣組)
判定3-0
●梅井隆至(REAL STYLE)
▼第5試合 フェザー級 3分3R
○室川和登(総合格闘技道場ゴンズジム)
判定2-1
● 楳原 嵩(アブソリュート岡山)
▼第6試合 フェザー級 3分3R
○藤崎航汰(パンクラス大阪 稲垣組)
2R 2分27秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
●上野藤士(INFINITY)
▼第7試合 ストロー級 3分3R
○三谷敏生(総合格闘技道場コブラ会)
判定3-0
●安藤ロイド(和術慧舟會 兵庫支部)
▼北方大地あいさつ
▼第8試合 ストロー級 3分3R
○後藤琢也(パンクラス大阪 稲垣組)
判定2-1
●川原波輝(総合格闘技スタジオSTYLE)
▼第9試合 ライト級 3分3R
○太田裕稀(格闘技吉田道場)
判定3-0
●井上啓太(GROUND CORE)
▼第10試合 フライ級 3分3R
○秋葉太樹(総合格闘技道場relible)VS●
1R 1分28秒、TKO(横三角絞め→レフェリーストップ)
●和田教良(志村道場)
▼第11試合 セミファイナル フェザー級 3分3R
●中村晃司(パンクラス大阪 稲垣組)
2R 0分37秒、TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○杉山和史(TURNING POINT MMA/ハイブリッドファイター)
▼第12試合 メインイベント ウェルター級 3分3R
●有己空(パンクラスイズム横浜)
判定0-3
○グッドマン田中(GOODMAN GYM)
杉山が快勝し最高の40代の幕開け。東西の鉄人対決は田中に軍配!
第1試合
ロー、ミドルと積極的に攻めていく仁科。尾崎のパンチをかいくぐり、ケージへ押し込んで腿にヒザを打ち込む。尾崎はこのパターンから脱出できず、2Rに渡ってコツコツと攻め続けた仁科がデビュー戦を白星で飾った。
第2試合
1R、大崎は打撃で前に出ていく。圧力に押されるふじい。2Rも大崎が打撃で前に出て、ケージへ押し込み、バックから引き込んで上を取る。ふじいは足を絡めるが、大崎の大きなパンチに屈してしまう。3R終盤では打ち合いとなるが、大崎が右パンチを効かせて終了。3Rを通し、終始、圧倒した大崎が判定勝利。
第3試合
グラップリングの世界から再び総合へ戻ってきた長谷川の復帰第3戦。相手は同じく寝技を得意とする高山だ。
1R、ローで様子を見る高山を、長谷川がテイクダウン! しかし高山が返す。長谷川は立つ。再び上を取る長谷川は首を狙うが、展開なくゴング。
2R開始すぐ、高山にドクターチェックが入るも、すぐに再開。高山は飛び込んでパンチ。長谷川は組んでケージを押し込むが、高山が上となりパンチを落とす。そこからアームロックを極め、長谷川がタップアウト。
第4試合
1R、ギラギラした目で相手を睨みつけた三村が、いきなり頭から突っ込んでテイクダウン! 殴りまくる。サイドからマウントへ移行し、殴って終了。
2Rも三村がケージへ押し込む。離れてパンチで尻餅をつかせ、さらに殴る! 梅井が上になると、立って仕切り直し。三村は腕を狙いにいくが、終了となる。三村は左まぶたをカットしているが、試合に影響はないようだ。
3Rも前に出る三村。梅井が上になるが、三村は立ってタックル。しかし、梅井が上に。三村は少々疲れが見えるか。梅井は鉄槌を連打して終了。
攻め手の多さで圧倒した三村が判定フルマークで勝利。
第5試合
1R、楳原のタックルを受け止めた室川だが、楳原が上に。室川は下からチョークスリーパーを狙う。かなり絞め上げるが極まらず。楳原のパスを阻止し、ハーフガードで終了。
2R、組んでケージへ押す楳原。引き込んで倒し、殴るも展開なくブレイク。楳原は再びタックルからテイクダウン。室川がハーフから殴って終了。
3R、スタンドで勝負したい室川、タックルから展開を作りたい楳原。室川は倒されてもすぐ立ち、楳原は倒して上になるも、その先へいけないまま終了。判定2−1で室川が勝利した。
第6試合
1R、お互いに様子を見るが、上野がスライディングする。藤崎は足を取らせず、パンチを振り下ろす。上野の蹴り上げがローブローとなるが、すぐに再開。藤崎は足を取り、立たせない。
2R、フェイントをかけながらパンチを打つ上野。再びスライディングし、足を取るが、藤崎は大きくボディを殴る。そのまま連打し、上野の動きが止まってレフェリーが試合を止めた。
第7試合
三谷が何度もテイクダウンし、ヒジを巧く使い攻める展開。3R通して肩固め、チョークなど仕掛けるが、安藤はしぶとく、なかなか極まらない。2Rでは安藤の攻撃がローブローとなるが、すぐに再開。3Rでも三谷が終始、攻勢。救い上げてテイクダウンする。安藤が立っても、三谷はすぐに上となる。引っこ抜くパワーが素晴らしい。少々、疲れが見えるが、最後まで肩を狙い続け、技術・パワーともに安藤を圧倒。三谷が判定フルマークで勝利した。
三谷コメント「相手はしぶとかった。何度もチャンスがあったのに、極められず残念。絞めたときに腕がつってしまい、極めきれなかった」
▼北方大地あいさつ
12月18日、ディファ有明で行なわれる「PANCRASE 283」で、砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE)の持つストロー級王座に挑戦する北方大地(パンクラス大阪 稲垣組)が、地元であいさつ。
北方「来週、東京でタイトルマッチに挑戦します。今、大阪というか、関西にはチャンピオンがいません。僕はここでデビューして、この舞台で育ててもらいました。それなのに、ここにチャンピオンがいないのが歯がゆいです。来週は砂辺選手をぶっ飛ばしてベルトを持って来ます。大阪、関西を代表して闘います。応援よろしくお願いします」
第8試合
組んで展開を作りたい後藤が、全ラウンドを通し川原を封じた。ケージへ押し込み、足をかけて尻餅をつかせるなど、絶対に離さない! という強い意志が伝わってきた。川原はヒジや細かく連打するも、有利なポジションを取れない。お互い空手経験者だが、打撃の展開はなく、終始、押さえ込んで立たせなかった後藤が勝利をもぎ取った。
第4試合の三村、第6試合の藤崎と、稲垣組の若手が揃って勝利。前田吉朗、北方大地らに続き、稲垣組代4世代が着々と育っていることを証明した。
第9試合
1R、太田が先に仕掛けてケージへ押し込み、ヒザを打ち込むが、入れ替え合って終了。
2R、太田が井上の蹴り足をキャッチするが、グラウンドで足の取り合いに。立ってケージへ追い込んだ井上が、飛びヒザを見舞う。
3R開始すぐに太田のドクターチェック。左まぶたをカットしているが、問題なく再開。このラウンドでも足の取り合いとなるが、お互い極められずゴング。攻め手の多かった太田が判定勝利。
第10試合
秋葉が蹴りからテイクダウン。ヒジを打ち、相手をコントロールしていく。なんとか脱出したい和田だが、秋葉はガッチリとキープし、足で首を絞めていく。1分28秒、レフェリーが試合を止め、秋葉が勝利。
第11試合
必殺のハイキックを持つ中村と、重いパンチを持つ杉山の対決。華麗なる足か、豪腕か、どちらが勝利をつかむのか。
1R、中村の蹴り足をキャッチした杉山が、そのままパンチを打ち、テイクダウン。ケージ際でサイドポジションとなるが、中村は立つ。打ち合うが、中村に戸惑いの色? 思ったよりも杉山のパンチが重かったか。
2R、中村はロー、ハイと蹴りで距離を取るが、パンチをもらうことも辞さず杉山はパンチで入ってくる。このパンチで中村がダウン! 連打する杉山をレフェリーが止めた。
杉山コメント「どうにかいけました。勝って、とりあえず安心しました。嬉しいというより、ホッとしたというか、安心しましたね。普段、茨城の先輩たちとしてきた厳しい練習が実りました。
僕は打撃で勝つことが多いんですけど、実は、自分の打撃ってまだよく分からないんですよ。勝っても、どれで勝ったのかよくわからなかったりして。僕はボクシングの練習とかきちんとやっているわけじゃなくて、道場でやっているだけ。打撃からテイクダウンするっていう感じで打撃を組み立てているんですけど、途中のが当たっているのかな? 力が入っていない分、効くのかも知れませんね。
中村選手のハイキックは怖かったです。警戒していました。でも、もらわないのは無理だと思い、距離を取ったりするんじゃなくて、蹴られても倒されないような練習をしてきました。首を鍛えるため、毎日三点倒立して。当たるのは覚悟でいっとけばいいという考えでした。
中村選手とは、倒すか倒されるかも試合になると思っていました。1Rで茨城スタイル(※タックルからテイクダウンして展開をつくる)したので、2Rは出て来たんだと思います。それで、自分の方が先に強いのを当てられました。もう、がむしゃらでしたね。
大阪の雰囲気は、東京とそんなに変わらない気がしました。僕は外国で試合をすることが多いので、アウェイといっても、中国なんかでやるのと比べれば、そんなに差はない気がします。でも、どこへ行っても、やっぱり勝てば盛り上がるし、お客さんも喜んでくれる。そういうのは、どこでも変わらないなと思います。
40代に入って最初の試合で勝ててよかったです。僕は、パンクラスに参戦させていただいた時からランカーになりたいと思っていました。トップになるのは難しいかも知れないですけど、ランカーなら目指せるかなと。この年なので、無駄な時間はないので、強い選手と闘いたい。だから、パンクラスという厳しいところを選びました。最後はぶっ飛ばされて終わってもいいと思っているし、どうせ終わるなら、強い選手と闘いたいんです。
来年は、何位でもいいのでランキングに入りたいです。そのために練習しています。今日セコンドについてくれた梅田(恒介)さんもそうなんですけど、茨城の練習は本当に厳しいです。梅田さんは、僕にとっては神様以上。梅田さんに総合格闘技をいうものを教えていただきましたし、梅田さんがいなかったら、僕は井の中の蛙だったと思います。引退されましたけど、未だにボコボコにされてますから。あっ、ランカーも夢ですけど、梅田さんを倒すのも夢ですね(笑)。来年は、梅田さんに勝てるくらい強くなりたいです」
第12試合
2006年10月以来、10年ぶりの大阪参戦となる41歳の鉄人・有己空。格闘技界の生けるレジェンドを迎え撃つのは、有己空の4歳下、関西で活躍を続けるベテランの田中だ。東西の鉄人対決は、果たしてどちらが勝利するか。
1R、すぐに組んでケージを押し込み、バックを取る田中。引っこ抜いて倒すが、有己空はすぐに立つ。再び引っこ抜く田中だが、有己空はまた立つ。三たび倒そうとする田中だが、有己空はこらえ、ケージ際で殴り、突き放してパンチ、蹴り。有己空がケージへ押してヒザを打ち込んだところで終了。
2Rも同様の展開となる。田中は有己空のバックを取り、離さない。有己空はなんとか脱出したいが、田中がガッチリ組んだクラッチを切ることができない。有己空は、このラウンドも得意の打撃を出せず終了。
3R、セコンドの川村亮に「もう、やるしかないな」と言う有己空。川村も「そうだ!! やるしかない!!」とゲキを飛ばす。
その言葉通り、パンチを振って前に出る有己空。しかし、田中はまたも組んでケージへ押し込み、投げてサイドポジション。有己空はすぐに立つが、再びバックを取り殴る田中。有己空はクラッチを切れず、脱出できないまま終了のゴングを聞いた。
判定は3−0、西の鉄人が東の鉄人を制した。
田中「パンクラスは初めてで、メインを飾らせていただき、しかも、テレビでいつも見ていた近藤(※有己空)と組んでいただき、本当にありがとうございました。近藤選手と闘うのか怖かったですけど、仲間のサポートで勝つことができました。
今後もパンクラスに出たいですが、今、僕は、関西のデモリッションという大会でずっとやっていて、そっちのベルトを獲りたいと思っています。次は、ぜひタイトルマッチをお願いします。他の団体に出ることは、それから考えたいと思います」
(写真・文/佐佐木 澪)