6・6 WAVE後楽園ホール大会 世志琥vs水波綾 藤本つかさvs山下りな 浜田文子&山縣優vsフェアリー日本橋&カサンドラ宮城
- 2016-6-6
- 試合
- プロレスリングWAVE
『Catch the WAVE 2016〜波女決勝戦〜』
日程:6月5日(日)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:937人
▼リング・リング・リングWAVE 10分間
大畠美咲/飯田美花/長浜浩江
1-1
つくし(アイスリボン)/優華(アイスリボン)/雪妃真矢(アイスリボン)
<一本目>
○大畠美咲
5分29秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド
●雪妃真矢
<二本目>
○つくし(アイスリボン)
7分21秒 でんでんむし
●長浜浩江
▼アメージング・スクランブルWAVE 20分1本勝負
桜花由美/○メラニー・クルーズ/志田光(フリー)
12分18秒 チョークスラム→エビ固め
●小林香萌/朱崇花/下野佐和子
▼Catch the WAVE2016~波女決勝トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
○水波綾
13分44秒 ホットリミット→片エビ固め
●世志琥(SEAdLINNNG)
▼Catch the WAVE2016~波女決勝トーナメント準決勝 時間無制限1本勝負
○藤本つかさ(アイスリボン)
11分0秒 直伝たいようちゃん☆ボム→エビ固め
●山下りな
▼ファンタジーWAVE~フェアベントレラスvsフェアベンジャーズ 20分1本勝負
○浜田文子/山縣優
11分22秒 ムーンサルトプレス→体固め
●フェアリー日本橋/カサンドラ宮城(仙女)
▼DUAL SHOCK WAVE次期挑戦者決定戦 20分1本勝負
米山香織(フリー)/○チェリー(DDT)
9分36秒 春夜恋
●春日萌花/希月あおい(フリー)
▼Catch the WAVE2016~波女決勝トーナメント決勝戦 時間無制限1本勝負
○水波綾
16分3秒 ダイビングギロチンドロップ→片エビ固め
●藤本つかさ(アイスリボン)
※水波が第8代波女となる
32人参加のリーグ戦を制して2016年の波女に輝いたのは水波綾!水波は高橋奈七永に対戦要求!
第1試合
2016年6月23日(木)~30日(木)東京・全労済ホール・スペースゼロにて公演されるつかこうへい七回忌追悼特別公演「リング・リング・リング 2016」に出演する大畠、飯田、長浜がトリオを結成。この日はダブルキャストとして、同じ舞台に出演するアイスリボンのつくし、優華、雪妃と競演前に激突した。
試合は、10分間で多くフォール、ギブアップを奪ったチームが勝利となる特別ルールで行われ、WAVE勢はそれぞれ「リング」と書かれた書き初めを持って入場。舞台をしっかりアピールする。
ところが試合はアイスリボン勢が奇襲を仕掛けてトレイン攻撃で先制。一本取られる形となり、優華vs飯田へ。優華が強烈エルボーからエンジェルス・トランペットSHを狙うが、堪えた飯田が河津掛け。続く大畠が低空ボディーアタックをお見舞いする。優華もスイングDDTを放っていくが、大畠もドロップキックでやり返す。そして、エルボー合戦は優華に軍配。
続いて雪妃のキックが決まる。だが大畠も耐えきり、ダイビング・クロスボディー、ジャーマンSHと畳みかけ3カウント。WAVE勢が先取した。
この時点で残り5分を切っており、焦るつくしがドロップキックで巻き返しをはかる。強烈エルボー、低空ドロップキックと猛攻を仕掛けるつくしだったが、長浜もサクラ落としでやり返していき、試合は白熱。だが、つくしが一瞬の隙をついたでんでんむしでクルリ。1対1のイーブンに戻した。
追い込まれた長浜だったが、早々に飯田と交代。飯田がエルボースマッシュ、フィッシャーマンバスターと挽回していく。そして低空ドロップキックを放ったが、かわしたつくしが同じ技でやり返し、ダイビング・フットスタンプにつなげる。残り1分から飯田が首固め。ヨーロピアンクラッチもカウント2。つくしのウラカンから丸め込みの応酬となったが、いずれもカウント2止まり。つくしのハルカゼが決まったところでドローとなった。
芹那「私たち『リング・リング・リング』という舞台に出演することになってて、ここにいる6人も一緒に出演します! 今日はですね、一緒に出演している舞台のメンバーも見に来てくれています。普段、稽古をしているみんなと違うみんなを見ちゃった感じなんですけど、凄かったですね。ビックリしました。ということで舞台の意気込みを聞いてみたいと思います」
雪妃「舞台ははじめての経験なんですけど、プロレスのシーンだけじゃなくてダンスのシーンがあったりとか楽しみながら稽古させていただいています。ぜひぜひ多くの方が見に来てくださったら嬉しいです」
つくし「自分は、ダンスはとても苦手でロボットみたいになってしまうんですけど、一生懸命、稽古を頑張っているのでぜひ『リング・リング・リング』見に来てください」
優華「頑張ります。見に来てください」
大畠「私もはじめてのことばかりで戸惑うんですけど、WAVEのダンスリーダーとして頑張りたいと思います」
長浜「ダンスがあるんですけど、リズム音痴ということが発覚したんですけど、足を引っ張らないように頑張っていきたいと思います」
飯田「今年、波女の決勝に行けなかった悔しさを燃料に舞台を頑張りたいと思います」
芹那「素敵な舞台を作っていきたいと思います。今日来てくださったみなさんは見に来てくださいますよね。主演は皆さんご存じのキンタロー。ちゃんなんです。今日は来られませんでしたが、得意のダンスやモノマネとかももしかしたら見られるかもしれないので面白い舞台になっています。みなさん楽しみにしていてください」
第2試合
第2試合は桜花&メラニー&志田vs小林&朱崇花&下野の6人タッグ。6・2新宿大会で初遭遇し、見応えのあったメラニーと朱崇花が再び対峙する。
試合は桜花vs下野で幕開け。軽めのコンタクトで終わらせると、メラニーvs朱崇花へ。ロックアップで劣勢の朱崇花に下野&小林も応援にかけつけるが、メラニーが一人で吹っ飛ばす。しかし場外戦に突入すると朱崇花が高さのあるプランチャでやり返す。
続いて志田vs小林となり、志田がヒップアタックで攻勢。桜花を呼び込みビッグブーツをお見舞いする。さらに桜花の串刺しビッグブーツを挟んで、志田がバックブリーカー!小林も、志田の延髄斬りをかわすとエルボーで挽回して下野と交代。
下野はショルダータックルでやり返していくが、桜花&志田(シダレザクラ)がダブルのビッグブーツ!で迎撃する。劣勢に転じた下野を救ったのは朱崇花だった。シダレザクラにブーメランアタックをお見舞いして再び攻勢に戻すと、すかさず下野が雷電ドロップを投下する。ならばと志田はZAN1ベルトで下野を強打するが、下野もラリアットでやり返して、朱崇花とチェンジ。
志田も桜花と交代し、桜花が朱崇花にビッグブーツ、ダイビング・サンマドロップを投下。ここで小林が助っ人に入り、流れを変えると朱崇花がライオンサルト→ムーンサルトプレスにつなげる。
試合が白熱するなか、桜花&志田の合体技シダレザクラから桜花がビッグブーツを叩き込む。下野のラリアットに助けられた朱崇花が小林と交代。桜花もメラニーとチェンジすると、小林がドロップキックを連発していく。だがメラニーは倒れない。ならばとトレイン攻撃を狙うも、フロントキックで迎撃していくメラニー。小林の120%スクールボーイもカットに遭いカウント2止まり。すぐさま小林はカサドーラを狙ったが、メラニーがフェースバスターに切り返す。キックアウトされるとチョークスラムで3カウントを奪った。
第3試合
トーナメント1回戦を突破し、勝ち上がってきた水波と世志琥。だが世志琥の視線には山下しか映っていないようで、それが水波にはシャクにさわる。水波が世志琥の足下をすくい決勝進出を決めるのか、それとも世志琥が復帰後の勢いそのままに決勝戦までたどり着くのか、注目の一戦となった。
入場時、水波はセコンド大畠とグータッチ。世志琥のセコンドには高橋奈七永、南月たいようが付くなかゴングを迎える。いきなりショルダータックルで激突する水波と世志琥。何度も衝突したが、世志琥が先に倒してヘッドロックで捕獲。脱出した水波が串刺しスピアー。そして対角線に世志琥をハンマースルーするも、世志琥がカウンター攻撃から顔面ウォッシュへ。
しかし走り込んでのもう一発は、水波がかわして逆にラリアット。さらにはキャメルクラッチへ。水波がストンピングを浴びせていくと、お互いに「何だオラ!」と挑発しあう。あまりの迫力に観客もどよめく。世志琥はバックブリーカーでやり返すと、背中へのセントーンでお返し。そして逆片エビ固めでしぼり上げる。
5分経過。水波はパワースラムで攻守を入れ換えると、大外刈りからのイチジクへ。そのまま絞り上げたが、世志琥もなんとかエスケープ。すぐさま水波はラリアットからのレッグドロップを放つと、小刻みエルボー。襲いかかってきた世志琥をかわしてトップロープに引っかけると、ギロチンドロップを投下する。そしてスピアー、裏投げにつなげると、さらにはダイビング・ギロチンドロップを狙うが、かわした世志琥がショートレンジラリアットからのセントーン。
続いて世志琥はネックハンギングボムを放ったが、水波もラリアットでお返し。一気に畳みかけようとするも、世志琥がお返しのカウンターラリアット。ほぼ同時に立ち上がると、ラリアットの相打ちを繰り返し、世志琥がラリアット3連発! だが水波も執念のキックアウト。もう一度、ラリアットから俵返し。
一方、世志琥もセカンドロープからのセントーンを放ったがカウント2。ならばと世志琥はトップロープに登る。追いついた水波がヘッドバットからドラゴンSHを放つがこれでも決まらない。世志琥もヘッドバットからラリアットを狙うが、水波が逆にラリアット。最後は新技・ホットリミット(変形ファイアーサンダー)を繰り出した水波が決勝進出! 水波の執念がまさった形となった。
<試合後コメント>
世志琥
「あー、悔しい。今日のことは忘れねーよ。それと、このWAVEリーグ戦に出て、自分にはここにも敵がいることわかったんで、自分はそれ以上言うことはありません」
第4試合
準決勝2試合目は山下りなvs藤本つかさ。すでに世志琥が敗れ、水波が勝ち残っている状況。これが山下の心情にどう響くのか!?
開始早々、山下が一直線。動揺を吹き飛ばすような勢いで向かっていったが、冷静にかわした藤本が丸め込みを連発する。すぐに山下もショルダータックルを放っていき串刺しラリアットを成功させるとドラゴンスリーパーへ。
なんとか脱出した藤本が顔面ウォッシュ。世志琥の得意技をあえてくりだし山下を挑発する藤本。そしてミサイル弾を投下する。キックアウトされるとクロスフェースで絞り上げる。これを脱出した山下が胴締めスリーパーへ。そして張り付けラリアット、バックドロップでカウント2。さらに山下は逆エビ固めでしぼりあげるが、藤本が執念でエスケープ。山下はセカンドロープからのエルボードロップを投下。
藤本もサッカーボールキックで流れを変えると、たいようちゃん☆ボムを狙うが、山下がフェースクラッシャーで切り返す。すぐさま藤本はツカドーラ狙い。だが、山下が切り返しラリアットを連発。あわやのシーンを連発する。藤本もインフィニティを繰り出すが、これも決まらない。ならばとたいようちゃん☆ボムでトドメ。これにて決勝戦は藤本vs水波に決定した。
<試合後コメント>
藤本つかさ
「世志琥しか見ていない山下と闘って私が負けるというのは、恥に等しいものだと思って試合をしていたので。この結果は妥当ですかね。でも勢いをつかめなかった山下もまだまだだということが証明されたので頑張ってもらって。私は私で全勝優勝波女。いまだかつてWAVEの中でもないと思うんですけども、それを狙ってベルトを取って、そしてICEにも返り咲いて、女子プロレス界、どんどんいろんな人を巻き込んで闘っていきたいと思います」
山下りな
「終わってしまいましたね。できれば後楽園のメインで、32人のてっぺんを決める試合で世志琥とやりたかったし、もしくは水波とやりたかった」
——世志琥が一つ前の試合で負けたのは自分のテンションにマイナスになった?
「ショックはありました。試合中に藤本に世志琥の顔面ウォッシュされて、一瞬本当にカッとなってしまって。私は水波にも特別な思いはあるし、やりたいと思ってたから。団体を背負って試合をしているからには、余計に負の感情をリングにもちこんじゃいけないと思ってます。へこむっていうことはなかったけど、ついカッとはなりましたね。世志琥を思わせるような技をされて」
——前の試合の結果で、感情の乱れはあった?
「そうですね。でもそれはマイナスではない気持ちでした。世志琥ができないんだったら私がやってやるって。世志琥が取れなかったものを私が取れば、おのずと向こうからくるだろうし」
第5試合
6・2新宿大会でフェアリー日本橋が「フェアベンジャーズvsフェアベントレラス、決着つけましょ。私のパートナーはカサンドラ宮城。ラスアベの2人、ベルトを懸けさせてあげてもよろしくってよ」とビデオメッセージを送ったことでタイトルマッチになるかが注目されたが、二上社長の判断によりノンタイトルで行われることとなった。
フェアベントレラス(=Las Aventureras)はカサンドラ宮城メイクで登場。その姿にカサンドラが共鳴したようで、握手を求める。すっかり魔王と勘違いした様子のカサンドラをフェアリーが「あれは人間よ!」と引き離す。
早速、フェアリーは自己紹介しようとしたが、山縣がカットに入り試合がスタート。いきなり掴まるフェアリー。するとカサンドラがカットに入るかと思いきや、「センダイガールズプロレスリングといったらこのカサンドラ宮城って決まってんだろ?」と空気の読めない自己紹介をしはじめる。
これにはフェアリーも黙ってはいられないようで「ちょっとお待ちになってよ。私、やられてたでしょ!? 助けるところよ。そうだったアナタは自己紹介するためだけにやってきたのよね。自己紹介するがいいわ」と譲ると、カサンドラは「知ってんのか? カサンドラ宮城はな、宮城倫子の体を借りて魔王が入ってきた完成形なんだよ。ここにいるピーポーたちに知られたことで満足だ。以上だ」と退場。
微妙な空気に包まれたが試合が再開。しばらくカサンドラがいない状態で試合が進む。カサンドラはしれーっとリングに戻ってくると不自然な動きを繰り返しながらリングイン。そして文子に串刺しエルボー、目つきからの首固め。すかさずフェアリーがフェースクラッシャーで続く。
文子も反撃にかかりムーンサルトの体勢に入ったが、フェアリーは「お待ちになって! まだ自己紹介をしていない」と試合を止める。そして「私は森の妖精フェアリー」とだけ自己紹介して、再び仰向けに。非常にやりづらいなか文子はムーンサルトを投下するも、かわしたフェアリーが丸め込み。なんとかキックアウトした文子がお仕置きのダブルビッグブーツ、ボーンアロー+フットスタンプの合体技から今度こそはのムーンサルトで3カウント!
第6試合
6・2新宿大会で山縣優にタッグ王座挑戦をアピールした米山香織。米山としては自分より「若くてかわいくて動けるようなパートナー」を探していたが、名乗りを上げたのはチェリーだった。プロレスのキャリアでは確かに若いが、年齢はチェリーのほうが上……。チェリーの押しを断り切れなかった米山がチェリーとの即席タッグ<ゴキゲンBBA>を組んで次期挑戦者決定戦に挑んだ。
一方、春日萌花&希月あおいの<SO ON FLOWER>は4・17博多大会でタイトルに挑戦。破れはしたが、まだタイトル奪取を諦めておらず、再挑戦を目論んでいる。
試合はBBAが奇襲を仕掛けてスタート。米山が春日をリバースインディアンデスロックに捕らえると、希月をあえて挑発。希月がエルボーで跳び込むと、米山がぶっ倒れて結果的に春日が苦しむ展開に。
SO ON FLOWERは追走式ボディーアタックで応戦するも、チェリーがネックブリーカードロップから春爛漫。エクスプロイダーにつなげる。続く米山が希月にニーアタックを放つと、モンゴリアンチョップの打ち合いへ。米山の雪崩式アームサルトが決まる。追い込まれた希月だったが、ジャンピングラリアットを放って春日と交代。米山もチェリーとかわる。
チェリーはドラゴンスリーパーで捕獲していき、ダブルの攻撃。米山がセントーン、チェリーはチェリートーンボムを連続投下。ピンチとなった春日を救ったのは希月だった。ジャンピングラリアットでBBAを蹴散らすと、命拾いした春日がコーナーに登る。
チェリーが追いつくと、春日がブラ下がりフットスタンプ! 希月のスノーブロウを挟んだあと、ダイビング・フットスタンプにつなげるがカウント2。すぐさまチャカチャカで丸める春日。だがカウント2。追い込まれたチェリーだったが、米山のアシストから春夜恋で3カウント。次期挑戦権を獲得した。
試合後、米山が改めてタイトル挑戦をアピール。7・6後楽園大会を希望したが、山縣のRegina戦が決まっているため、7・10札幌大会での挑戦が決定した。二上社長は「わかったベルト+カニを懸けましょう」と言うと、BBAは大喜びでリングを降りた。
第7試合
4・10後楽園からはじまったCatch the WAVE 2016もこの試合で最後。決勝に勝ち進んだのは、WAVEのアニキこと水波綾と、アイスリボンの絶対的存在でもある藤本つかさのシングル初対決。水波はWAVEに移籍した年のCatch the WAVE 2012以来、2度目の決勝進出となり、その時は栗原あゆみ(引退)に敗れて準優勝止まり。それ以降、波女戴冠に執念をもやしてきたが、ヒザのケガも重なりなかなか結果を残せずにいた。一方の藤本はアイスリボンを背負って、Catch the WAVEに出場。3度目のエントリーで決勝戦にまでたどり着いた。
決勝戦という独特の雰囲気のせいか、立ち上がりは慎重だった。力比べで組み合うと水波がまさるが、すぐにリストロックの主導権争いへ。そこから藤本がサッカーボールキックを放つと、水波が怒ってエルボーのラリーに持ち込む。パワーでまさった水波が、藤本を場外にスピアーで突き落とすと、すぐにエプロンからのギロチンを狙ったが、かわした藤本が場外プランチャを投下する。
リングに戻ると藤本がミサイル弾→串刺し低空ドロップキックをお見舞い。コーナーに登るが、追いかけた水波が雪崩式パワースラム!
藤本も対角線に距離を取り向かっていくが水波がかんぬきスープレックス。そして裏投げを連発。さらにはドラゴンSHを狙ったが、着地した藤本が再びキックで攻勢に出る。
水波はタワーハッカーボムも繰り出すがカウント2。ならばとコーナーに登りダイビング・ギロチンドロップ。さらにドラゴンSHを狙うが、堪えた藤本がビーナスシュート、カサドーラを狙う。これを受け止めた水波がドラゴンスープレックスでぶん投げて両者ダウン。
同時に立ち上がると、エルボーのラリーから藤本が馬乗りエルボー。ロープに走るが、水波がカウンターのラリアット。一方、藤本はツカドーラ、インフィニティでカウント2。ビーナスシュートの体勢に入ったが、水波も両腕でガードしてみせる。
すぐさま藤本はたいようちゃん☆ボムを狙うが、回避した水波がラリアット。ドラゴンSHでも決まらない。ならばと水波は花マルどっかんを敢行。そして、ダイビング・ギロチンドロップをズドンと落として悲願の波女となった。
表彰式
二上美紀子社長がリングに上がり、表彰式へ。
二上社長「まいど! 32人集めました。今日で終わりました。みなさんどうだったでしょうか(拍手&大歓声)。私はプロデュースしたものの、もの凄く面白かったと思います! まだまだこの続きがあるので、また次回見に来てください」
各賞は以下の通り。
●敢闘賞=ラビット美兎
二上社長「初出場で持ち前の気の強さを存分に発揮し、大いにリーグ戦を盛りあげた女子プロ界最小パワーファイター」
●殊勲賞=長浜浩江
二上社長「反則勝ちとはいえレジェンド尾崎魔弓に勝利し、桜花に時間切れドローに持ち込みました」
●技能賞=飯田美花
二上社長「今年もチマチマと多才な技で試合を盛りあげてくれました」
●ベストバウト賞=5・3後楽園◎飯田vsつくし
(次点5・25新木場◎藤本vs美兎、5・10新木場◎志田vs米山、5・17蕨◎大畠vs優華)
●ベストパフォーマンス賞=石黒レフェリーと尾崎魔弓
二上社長「悩みました。レスラーではありません。今年の2016年、Catch the WAVE、本当にこの先の抗争が楽しみです。石黒レフェリーと尾崎さん。何もないけど副賞として尾崎さんにはビール券、石黒レフェリーには夏休み1週間プレゼント!」
●3位=山下りな、世志琥
二上社長「(山下と世志琥を見ながら)この続きはまたやりましょう。一言いいですか、(世志琥に向かって)女子プロに戻ってきてくれてありがとう」
●2位=藤本つかさ
二上社長「ファイナリストのなかで唯一の30代、本当にご苦労さまでした」
●波女=水波綾
賞状、トロフィー、100万円が授与され、水波がマイク。
水波「2016年Catch the WAVE波女に水波綾なりました! 一言、感無量でございます。移籍してきていろいろ結果出なくて、なんか凄くふがいなくて悔しくてどうしようかとスゲー思っていたこともあったんですけど、こうやって今、波女になってここに立って、改めて思うことは、きっとここでこうやって闘ってリングで試合やっていることは、それもすべて水波のことが大好きで大好きで仕方のない二上社長、桜花専務! そして先輩、後輩! 口角が下がっている大畠! そしてそして水波のことが大好きで大好きで大好きでたまらない、ここにいるみなさんのおかげです。ありがとうございまーす!(アニキコール)よし! 波女の称号、100万円。もう一個ありますよね! Reginaのチャンピオン山縣優さん!!」
山縣がベルトを持って現れるが、そこに志田が割って入る。
志田「ちょっとまったーー! 志田光は空気、読めませーーーーん! すみませんね、みなさん長い間持ちすぎてコスチュームの一部みたいになっていますけど、覚えていますか? ZAN1で勝ち取ったいつでも挑戦権。次の後楽園ホール、7月6日にいつでも挑戦権、使わせてもらいます。本当すみません、水波さん!」
水波「……おい志田。7月6日、タイトル先にやってくれていいよ。自分、もう一人やりたい人がいるんです。高橋奈七永さん!(世志琥のセコンドに来ていた奈七永が現れる)2月に初シングルやりました。スゲーあの試合、記憶なくして、スゲースゲーふがいないんです、自分。そのままで自分と高橋さんの闘いは終わっています。だからいまこうやって波女になりました。あの時の自分とは絶対、違います。もう1回、もう1回シングルやらせてほしいです、お願いします」
奈七永「水波選手、波女おめでとうございます。世志琥を下しててっぺん取った水波選手にそうやって言われたら、高橋奈七永がことわる理由はどこにもありませんよ。やりましょう! けどな今日、世志琥が負けたんですよ。負けた。2月のときにはSEAdLINNNGに世志琥はまだ帰ってきていなかった。だから私もあの時とは違う。お前の記憶なんてどうでもいい。私にはお前を潰しに行く理由ができた。覚えておけ」
水波「受けてもらったということでいいですね、社長! じゃあ、7月6日に水波綾vs高橋奈七永のシングルお願いします。あともう1個。タイトル、志田と山縣優さんがシングルでタイトルやりますよね。次、自分が挑戦するときは9月、自分の地元・名古屋で挑戦させてください。自分は山縣さん、アナタがくることを信じています。(山縣に向かって)誰が来ようと絶対、絶対防衛して、9月シングルのタイトルマッチお願いします」
Catch the WAVE出場全選手の記念撮影のあと、再び水波がマイクを握る。
水波「では改めまして、2016年波女・水波綾が締めさせていただきます。もっともっとWAVEは波にのっかって、そして、私、水波綾も熱く×3、そして波にのって、これからどんどん上にいきます。今日はみなさんありがとうございます、これがWAVEだーーー!」
<試合後コメント>
藤本つかさ
——準優勝という結果に終わったが
「プロレスで久々に悔しい思いをしたなって思っていて、こういう勝負ごとって2位じゃあのトロフィーに名前も残らないんですよ。日本で2番目に高い山は何かって言われたときに何も思い浮かばない。たぶん自分の今回の準優勝ということもそういうことだと思うので凄く悔しいです。唯一の救いは優華が小波女になってくれたことですね。この悔しさは個人の思いとして来年のCatch the WAVEにつなげたいと思います。悔しいです。以上です」
——今回32人の、かなり大きな大会となったが
「そうですね。32人のなかの2位……っていうのでも、来年になったときに去年の2位って誰だっけってなると思うので、やっぱり私は1位を目指したいですね。こういう勝負ごとは。ただ自分が参加したっていうのもありますけど、この何カ月か夢を見ることができたので楽しかったです。決勝は水波さんだったので、楽しかったけど、悔しかったです」
——どの試合が印象に残る?
「初戦からずっと全力投球でいってて、チェリーさん相手で苦しめられて、それから奇襲続きで苦しめられて、準決勝でお客さんの期待を裏切りつつの、メインイベントということなのですべて心に残っていますね。でもやっぱり決勝。負けたのが……全勝優勝でいきたかったのに負けたのがやっぱり悔しいです」
——試合後にリング上で水波と話していたが。
「初対戦だったねって言われて、初シングルだったねと言われて、ああそうだ。じゃあ、もう1回やるしかないよねっていう話をしました」
水波綾
「終わりましたね、Catch the WAVE。さっきも言ったんですけど、本当に感無量です。言葉じゃ言い表せないぐらい凄く嬉しいを越えた本当にありがとうございますっていう感じです。センダイガールズというところから移籍をしてきまして、そこからずっと自分はよくなるために、自分は正しいと思って、移籍しますってここに来たんですけど、いま5年目でぜんぜん結果を残せなくて挙げ句の果てに長期欠場して、なんか悔しかったり歯がゆかったりする気持ちが強かったんですけど、そのたびに自分には周りの人、周りの人がそのたびに支えてくれて、ダメだと思ったら引き上げてくれて、励ましてくれる人もいれば、しかってくれる人もいて、そういう人がいるから自分はいまここまでやってこれました。そして、やっと一つ結果というもので、波女という称号を今日、取ることができました。まだまだ恩返しには物足りないですけど、でもやっぱ1個返せたということは、凄く嬉しいです。ありがとうございます。そして、波女になって、Reginaももちろんですけど、でも自分、やっぱり2月高橋奈七永さんとシングルをして、凄く途中記憶を飛ばして、あの試合を凄く後悔しています。悔いが残っている試合。だからReginaは志田がやるって言ったので、それはそれでやってくださいと思いました。その前に高橋奈七永さんともう一回シングルをして、いま自分が波女に今日、なったので、またあの時の自分と絶対違うと思うし、一つ結果を残してから高橋奈七永さんにシングルをと言おうと思っていた部分もあったんで今日、もう1回言ったらOKだったのでね、次、7月6日。絶対、あのときの屈辱というか、悔しさっていうのを晴らすのは前提で絶対、高橋奈七永に勝ちます。潰しに来るとかいってるけど、そんなものを遥か越えて、私がガンガンいってこの波に乗った勢いで高橋奈七永さんとシングルをして結果を残したいと思います。もう次、次いきますよ以上です」
——準決勝の世志琥戦は?
「世志琥、本当にはじめてだし、いままで接点もないし、戻ってきて凄く周りが世志琥、世志琥ってフィーチャーしているのもあって、果たしてどんな選手なんだっていうのが自分のなかで思って。それが準決だし、試合見てても勢いもあるし、パワーもあるし、インパクトもあるし、勝敗と、いろんな意味での闘いでもありました。やっぱり周りが言うだけの選手だと闘って思いました。世志琥はスゲーっすね。なんでですかね。5年ちょっと? たぶん世志琥が見ている先っていうのは凄くデカいものなんだなって、スゲー先のものを見ているんだなっていうのを闘って感じました。Catch the WAVEに関しては私はそもそもキャッチは全部気持ちで闘ってきたので、その気持ちさえ折れなければ波女になれるって自分のなかで信じてやってきたので、今日は自分のほうが波女になりたいっていう気持ちが世志琥より強かっただけで、勝てたんだなって凄く思います。次当たったらもうわからないくらい。世志琥っていうのは凄い選手だなって思いました」
——試合にはお母さんもいらっしゃってました?
「はい。親が大好きなので、ぜんぜんいいところ見せれなくて、ここ来て。本当にこれがはじめての親孝行だと思っているんですけど、生で見せることができて凄く嬉しいです」
—−フィニッシュの前の技は花マルどっかん?
「うんうん、あれは大畠の技です。最初、絶対リーグ戦あった時には自分が波女になってやろうと大畠も思っていたと思うし、水波なんかなんだよって思っていたと思うんですけど、自分がいけないってなってから見えないところでサポートしてくれてた部分があるし、2人で、2人だけじゃないですけど、いまパートナーなので。水波いってくれっていう気持ちを汲んでいた部分もあったので、最後は気持ちをこめて、あと大畠の力も借りようと思って、あの技でやってからフィニッシュ決めました」
——ブロックで永島に2連勝したのが自信に?
「も大きいですね。あと初戦負けたっていうのが自分のなかでは大きかったですね。あそこで負けたことによって、やっぱこれじゃいかんって思えるタイミングが、初戦で負けたことだと思うので、そこと永島さんに勝ったっていうところがボンボンって波をつかむきっかけとなったと思っています」
(記事・写真提供 プロレスリングWAVE)