リアルジャパンプロレス3.24.後楽園決戦直前インタビュー第3弾!【“疾風怒涛” 長井満也(ドラディション)】

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3月24日(木)東京・後楽園ホールで開催される『初代タイガーマスク黄金伝説~LEGEND OF THE GOLD Ⅳ』のメインイベントに於いて、関本大介(大日本プロレス)のレジェンド王座に挑む長井満也の25周年目の“覚悟”を聞け!

<メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
[第9代王者]関本大介(大日本プロレス)
vs
[挑戦者]長井満也(ドラディション)
※第9代王者、初防衛戦

――3・24後楽園でのレジェンド王座挑戦、関本大介戦が近づいてきました。
「(関本とは)過去にもシングル、タッグ両方で闘ってますが、彼がチャンピオンで自分がチャレンジャーという立場になってからは初めて。大会のメインで当たるというのもあって、ワクワクしながらも少し緊張していますね」

――昨年12月9日のタイトルマッチ、船木誠勝vs関本大介をどう感じましたか。
「いちファンとして見ると、ボクが思っていた想像を超えたすごくいい試合というか、船木さんの持ち味がすごくよく出てたなかなと思うし、関本君がここ数年でレスラーとしての力をすごい伸ばしてきたなと感じた試合でしたね」

――フィニッシュのジャーマンスープレックスをどうご覧になりましたか。
「やっぱりあれは説得力ありますよね。ボクのなかでですけど、ジャーマンスープレックスってつなぎ技じゃなくてピンフォールが取れる(大技)。むかしはジャーマンって一年に何回かしか見られなかったですから」

――完全なる必殺技でしたよね。
「ボクが小学生とか中学生のころのプロレスではホントに年に数回出るかどうかの大技だったので、それをつなぎ技じゃなくて彼がそれで3カウントを取って会場のみんなが納得する必殺技に戻してくれたという感じがします」

――その試合後に長井選手がリングに上がり挑戦へ名乗りを上げました。その理由は?
「自分は今年デビューして25年、年齢も47歳になってやっぱりそれくらいになると、いますぐにではないにしろ、引退っていうんですかね、自分がリタイアする時期とかタイミングを考えるようになってきたんです。それで自分の引退試合、自分の最後の試合ってどうなるんだろう、誰とやるんだろうみたいなことを漠然と考えたとき、自分のなかで関本君みたいなああいう(選手とやってみたい)。レスラーとしても尊敬してるし、ひとりの人間としてもリスペクトできる。いつになるかわからないけど、選手としてリタイアする引退試合は関本君とやれたらいいなということをちょっと漠然と考えてて。それを考えたときに、自分がホントに体力的にも落ちてきたときにやるよりはまだコンディションを維持できるときに関本君と自分の節目になるような試合ができたらいいなと思ったんですね。そんなときに、関本君が船木さんとの試合でチャンピオンになったので、これはオレがいまいくチャンス、タイミングなんじゃないかなと思って行動に出たんですよ」

――引退試合ではなく、それよりも前にいまの段階でやっておきたいと。
「引退試合の前に引退試合のカードをやるみたいな感じですね。自分はデビューから15年、20年とかいう節目的なものをやったことがなくて、それを自分が引退試合のときにやりたいなと思ってた彼と、それもリアルジャパンのタイトルマッチでできるって、もしかして最高のステージなんじゃないかと思って、自分でアピールしたんです」

――関本選手とは長井選手がレジェンド王者時代に2回ベルトを賭けて闘っています。両方とも両者リングアウトでスッキリした決着がついていませんが、当時と現在の関本選手で強さに違いは感じられますか。
「上から目線なようでへんですけど、ボクも当時から彼のことをすごい認めてて、もし彼があと10センチ身長が高かったら世界チャンピオンになってると思うし、来るべくして上がってきた選手だと思う。当時もやっぱり、試合の攻めの迫力もあるし、受けの迫力もありました。いい選手だと思ってて。そこからキャリアを重ねて成熟してきて、これからが関本選手の全盛期じゃないけどレスラーとしてもっと上に上がっていく時期なのかなって感じていますね」

――レジェンド選手権は長井選手が過去2回巻いているベルトですけども、いまのレジェンド王座と違いはありますか。現在、初代タイガーマスク選手が欠場していることもあると思うのですが、レジェンドタイトルマッチがメインでおこなわれるようになってきていますよね。今回もメインです。過去はほとんどがメインではなく大会の中盤で組まれることもあった。王座の価値に違いが出てきたと思いますか。
「佐山(初代タイガーマスク)さんが欠場しているのはやっぱりリアルジャパンプロレスの大ピンチだと思うんですけど、佐山さんがいなくなるのはいつの日か来てしまうわけで、その日を迎えるためのいい時間なのかなって感じはありますね。団体のベルトってその団体の顔だと思うし、たとえば佐山さんが復帰して佐山さん絡みの注目カードが出たとしてもやっぱりメインはそこの団体のベルトのタイトルマッチがメインイベントになるみたいな、そうもっていけるようないい流れなんじゃないかなと思いますね」

――船木選手が巻いて関本選手が巻いて、こんど長井選手が挑戦する流れは明らかに過去のレジェンド王座の価値とは違うと思うんです。注目度がグンと上がってると思います。
「これで注目度が落ちないように頑張るだけですね(笑)」

――関本選手のどんなところを警戒しますか。
「警戒というか、ああいうごっついタイプの選手って攻めるときはすごいんだけど、自分が相手の技を受けたり守りになるとけっこうハートが弱い人だったりというのは多いんです。でも彼は受けるときも怖がらないで受けるし、攻めるときは迫力があるんで、(警戒すべきは)それですね」

――カードが決まってからは初代タイガーマスク選手が会見でも言ったように、長井選手に期待していると。すごく期待しているという話を聞いて、ご本人はどう感じますか。
「うれしいですけど、プレッシャーがきますよね。まあでもボクがリングスを辞めてK-1や他の団体に出させてもらった後に、本来のプロレスを一番最初に手ほどきをしてくれたのが佐山さんなので、そういう意味では佐山さんの団体の後楽園ホールのメインイベントで良い内容と結果を出して、佐山さんに恩返ししたい気持ちもありますね」

――長井選手に上がってもらわないと困るというようなコメントもあります。
「なにぶんボクも47歳なんで。でも船木選手もそうなんですよね」

――船木選手もリアルジャパンに来てからベルトを巻きましたから、負けてられないですよね。
「そうなんですよね」

――ただ長井選手はしばらくリアルジャパンのリングから消えていたようなんですけど、どこでなにをしていたんですか。
「そうなんですよ。ボクがなんでリアルジャパンのリングから消えていたのかは、平井(代表)さんのほうへ…」

――代表に聞かないといけない?
「ハイ(苦笑)」

――ただ、船木vs関本のタイトルマッチは直接見ていたんですよね。
「見てましたよ、ハイ。久しぶりに会場に来て(笑)」

――久しぶりのリアルジャパンはどう見えましたか。
「特にメイン(船木vs関本)はすごくいい雰囲気で熱がありましたね」

――個人的印象ですけど、リアルジャパンのベストマッチだと思いました。
「すごく悪い言い方ですけど、ここ数年の船木さんのベストマッチでもあると思います。初めからいい試合にはなるなと思ってましたが、船木さんはやっぱり船木誠勝というスタイルもあるしブランドもある。やっぱり会場に来てた人って船木さんと関本君の試合ってこうなるだろうなっていう、ボクらもそうですけど、その人たちの試合を想像するじゃないですか。その想像をたぶん超えるものを見せたから、あの日の会場は熱くなったと思うんですよね。船木さんもよかったけど、それを超えさせたのは関本君のレスラーとしての成長と成熟度がそうさせたと思うんですよね」

――次の長井選手との試合も想像を上回ることが期待されると思うんですが。
「そうですね。ボクのプロレスラーとしてのひとつの節目として残したい試合でもあるので、そこは自分がいままで学んできたものもそうだし、佐山さんに旭川の道場で教えてもらったものをボクなりに守ってずっとやってきたつもりなので、それをリングで出せればと思いますね」

――佐山さんは長井選手の蹴りにすごい期待しているようです。
「こないだの記者会見でもそうですけど、長井ちゃんの蹴りは遅いんだよって怒られているので、それはいま気にしてます(苦笑)」

――威力があるからこそ、そう言っているんでしょうね。もっとスピードを上げればすごいことになると。そういうアドバイスがあったうえで大会を迎えるわけです。
「このアドバイスがきちんと反映できなかったらちょっと怖いですね(笑)。でもそれだけ自分のことを気にかけてくれてるんだなっていう気持ちがありがたいですね」

――リアルジャパンでのメインは久しぶりですね。
「ボクがチャンピオンだったときにスーパー・タイガーと防衛戦をやったときがメインでしたね。佐山さんが大仁田さんとやった後楽園大会。そのとき以来だと思います」

――この25年間でプロレス団体、格闘技団体、実にさまざまな団体で試合をしてきた長井選手ですが、リアルジャパンに上がる意味とは?
「そうですね、ボクはプロレスが好きで見てたけど、自分もなりたいと思わせてくれたのが初代タイガーマスク。やっぱり初代タイガーマスクがいなかったらプロレスラーになっていないと思うし、佐山さんがキックを使ったからボクも使ってると思う。だからこの25年というか、むしろ12歳のときからずっとボクのなかで佐山さんを追い続けてると思う。すごく不思議な感じです。ボクは北海道の田舎にいた、ただのプロレスファンだったのに、それが実際にプロレスラーになれて、しかも憧れてた人がやってる団体に出て、そのメインでベルトに挑戦するという、なんかこう不思議といったらあれですけど、12歳のときからずっと追いかけ続けたものを追いかけ続けてここにたどり着いてるのかなって感じはします」

――もともと格闘技のキャリアはスーパー・タイガー・ジムから始まってるんですよね。
「それが初めてですね。まったくホントのド素人で、学生時代に格闘技なんてやったことないんで。それがたしか17歳のときですか。もう30年になるんですね」

――デビューにたどり着くまで団体が変わったりもしました。デビュー後もプロレス、格闘技、全方位のリングに上がってきました。次のタイトル戦は、ある意味でキャリアの集大成でもあるのでは?
「そうですね。ボクが格闘技を始めて佐山さんのところで手ほどきを受けて、リングスでデビューしたり、ほかのプロレス団体上がったりしましたけど、自分のひとつの集大成みたいなものですね。それをリングの上で出せられればと思います」

――リアルジャパンはストロングスタイルの復興を標榜しています。長井選手の考えるストロングスタイルとはどういうものですか。
「どうしてもこうリアルジャパンで佐山さんがストロングスタイルというのを口にするとやっぱりみんなUWFスタイル、あれに傾いていく(勘違いする)と思うんですけど、でもやっぱりそれだけじゃなくて、佐山さんのお言葉を聞くとスペクタクルじゃないとダメだし、飛んだり跳ねたりでもそこに意味のある、大きな会場にいるファンを惹きつけるようなものもないといけないという感じがあるんですよね。佐山さんのスタイルってただUWFスタイルを黙々とやるのでは全くなく、「ストロングスタイルの闘いを見せるせるもの」。自己満足に終わらないファンの気持ちというのか惹きつける動きだったりがあると思うので、そのへんってすごく難しいのかなと思いますね。たぶん選手一人ひとりによっても解釈は違うと思うし、ボクは残念ながら佐山さんみたいなセンスも運動能力もないですけど、やっぱりこうタイガーマスク時代から見てきたボクのなかの佐山さんの言うストロングスタイルとはこういうことなんじゃないかなというのをこの試合で出せられればと思いますね」

――いまセンスも運動能力もないとおっしゃいましたが、両方なければ25年も現役でできませんよ。しかもいろんな団体に出ている。U系もそうだし、純粋なプロレス、エンターテインメント性の高いプロレスも出ている。実に幅が広いです。
「う~ん、それだけにストロングスタイルってすごく難しい言葉ですね」

――関本選手の場合はストロングBJと呼ばれる大日本のストロングスタイル。それとUWFの系統からやってきた長井選手がぶつかる。そこが興味深いところでもありますね。
「やっぱりこう、異質っていうんですか。異質の者同士がリングでぶつかり、お互いの個性がぶつかり合うのがおもしろいと思うんですよね。関本君は大日本プロレスのスタイルというんですか、あれは俗に言うU系ではないですけど、佐山さんもすごい認めてるじゃないですか。そういうところってあるんじゃないかと思いますね」

――ストロングスタイルのなかでも異質なストロングスタイルがぶつかり合う。
「それがおもしろいんだと思いますよ、やっぱり」

――そこが大きな見どころですね。
「ボクがいまの関本君と正面衝突したらボクのほうが木っ端微塵にされてしまうと思うので、そこはボクのキャリアを使ってボクの持ち味の勝負どころまでどうやってもっていくかだと思いますね」

――王者の関本選手にとっても試練だと思います。キャリアではるかに上回る長井選手。しかも船木選手、長井選手という大日本では対戦できないストロングスタイルとの真っ向勝負が続きます。
「彼はそれだけのことができる技量がありますよ」

――だからこそリアルジャパンでも闘っている。
「そうだと思いますね」

――こんどチャンピオンになれば3度目の戴冠。レジェンド王座の最多戴冠記録になりますが。
「あ、そうなんですか」

――いまのところ、スーパー・タイガー選手と長井選手がともに2回ベルトを巻いています。ベルトを取ったらなにをしたいですか。
「ボクの大きな野望では、ボクがチャンピオンになって最初の挑戦者を船木さんにしたいなと。どうですか?」

――それは見てみたいです。
「ボクは20歳のとき初めて船木さんとUWFで逢って、いろいろ分かれて20数年ぶりに、2年前(2014年)の9月18日にリアルジャパンの後楽園で試合をしたんですよ。船木さんと佐山さんが組んで、ボクとAKIRAさんで闘ったんです。あのときボク、船木さんと初めて試合をしたんですよね。まだシングルで船木さんと試合をしたことがないんです。リアルジャパンのリングでタイトルマッチで船木さんと初シングルができたらおもしろいと、その先のことを思ってます」

――船木、関本、長井というレジェンド王座をめぐるトライアングルができれば。
「そうですね。そこにスーパー・タイガーが入ってきてくれればさらにおもしろいなと思いますね」

――そうなればリアルジャパンがより活性化されますね。
「ハイ」

――実現のためにも次のタイトルマッチは大勝負になりますね。
「大勝負ですね。それがホントにできたらすごくいいですね。船木さんとのシングルってやる機会があるとしたらリアルジャパンのリングくらいしかないと思うので、タイトルマッチという最高の舞台で初めてのシングルになれば、すごくいいなと思ってます」

――なにもなくカードを組むよりもどちらかが王者でどちらかが挑戦者というシチュエーションでやりたいですよね。
「そうなったら最高ですね」

――そうでもないとなかなか実現できないカードかもしれません。
「なんか知らないうちにやってたんだというよりは、ここまでシングルが一度もないんだったらリアルジャパンの後楽園ホールのメインでチャンピオンシップを賭けての初シングルになったらいいなと思ってます」

――おふたりのキャリアを考えてもその方がドラマチックですよね。
「ハイ」

――そのためにも関本戦は勝たないといけない。
「頑張ります!」

リアルジャパンプロレス『初代タイガーマスク黄金伝説~LEGEND OF THE GOLD Ⅳ』
日時:3月24日(木)
会場:後楽園ホール
試合開始:18時30分

▼第1試合 シングルマッチ30分1本勝負
長谷川秀彦(フリー)
vs
倉島信行(ドラディション)

▼第2試合 バトルロイヤル10選手参加
スーパー・ライダー(リアルジャパン)/グラン浜田(フリー)/間下隼人(リアルジャパン)/山本SAN(COMBO)/“力道山3世”力(リキエンタープライズ)/LEONA(ドラディション)/小笠原和彦(PRO-KARATE 押忍闘夢)/フリーダム・ウォーレス(Battle Arts Academy)/戸井克成(邪道軍)/松崎和彦(邪道軍)

▼第3試合 タッグマッチ30分1本勝負
ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)/那須晃太郎(フリー)
vs
ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)/折原昌夫(メビウス)

▼第4試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
藤波辰爾(ドラディション)/石川雄規(Battle Arts Academy)/アレクサンダー大塚(AODC)
vs
田中稔(WRESTLE―1)/柴田正人(フリー)/ベアー福田(SECRET BASE)

▼セミファイナル 6人タッグマッチ60分1本勝負
船木誠勝(フリー)/鈴木みのる(パンクラスMISSION)/川村亮(パンクラスMISSION)
vs
スーパー・タイガー(リアルジャパン)/タカ・クノウ(チーム太田章)/佐藤光留(パンクラスMISSION)

▼メインイベント レジェンド選手権試合60分1本勝負
【王者】関本大介(大日本プロレス)
vs
【挑戦者】長井満也(ドラディション)
※第9代王者、初防衛戦

(記事・写真提供 リアルジャパン)

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