パンクラス12.23大阪主催大会 北方大地vs.石綱テツオ、土肥潤vs.竹本啓哉、辻川凌平vs.蓮實光、中村晃司vs.大道翔貴、長谷川孝司vs.鈴木崇豊
パンクラス大阪主催興行
日時:2015年12月23日(水・祝)
開場:16:45 開始:17:00
会場:大阪・旭区民センター大ホール
観衆:666人(満員)
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○長谷川孝司(パンクラス大阪稲垣組)
1R 0分29秒 ヒザ十字固め
●鈴木崇豊(和術慧舟會奈良 TEAM VAMOS)
▼第2試合 ストロー級 3分3R
●尾崎龍紀(チームクラッチ)
判定0-3
○川原波輝(総合格闘技スタジオSTYLE)
▼第3試合 フライ級 3分3R
○NavE(Grand-Square)
1R 1分40秒 腕十字固め
●草信考謙(TEAM TED)
▼第4試合 フェザー級 3分3R
○チャールズ・ベルマーレ(総合格闘技 闇愚羅)
1R 1分32秒 三角絞め
●鈴木敦順(総合格闘技スタジオSTYLE)
▼第5試合 バンタム級 3分3R
●勇 和輝(チームクラッチ)
2R 0分58秒 TKO(グラウンドのパンチ→レフェリーストップ)
○中本龍平(BLOWS)
▼第6試合 フライ級 3分3R
●秋葉太樹(総合格闘技reliable)
3R 2分40秒 チョークスリーパー
○松場貴志(ALIVE)
▼第7試合 フェザー級 3分3R
○中村晃司(パンクラス大阪稲垣組)
2R 0分18秒 KO(右ハイキック)
●大道翔貴(TEAM TED)
▼第8試合 バンタム級 3分3R
●辻川凌平(創道塾)
判定0-2
○蓮實 光(パラエストラ栃木)
▼第9試合 バンタム級 3分3R
○土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)
判定3-0
●竹本啓哉(ALIVE)
▼第10試合 ストロー級 3分3R
○北方大地(パンクラス大阪稲垣組)
判定3-0
●石綱テツオ(ISHITUNA MMA GYM)
第1試合
稲垣組の一員として闘っていた長谷川だが、グラプッリングの大会への出場をきっかけに寝技の面白さに目覚め、総合を離れて寝技1本に絞った。また、東京への転勤を機にさまざまな選手と交流、さらに技に磨きをかけてきた。そんな長谷川が6年ぶりに総合への復帰を果たす。
1R開始すぐにダッシュしてタックルに入る長谷川。引き込んで腕を狙う。これは抜かれるが、すぐに足を取る。そのまま膝十字が極まり、鈴木はたまらずタップ。長谷川が見事な秒殺劇で総合への復帰を果たした。
勝った長谷川は感極まって号泣。会場を埋めた満員の観客から温かい拍手を浴びていた。
<試合後コメント>
長谷川孝司
「まずホッとした。久しぶりに総合の試合をするのがちょっと怖かったこともあって、安心感から涙が出ちゃった。この6年間、いろいろ生活が変わって、その中で、格闘技がないと生活が締まらないなと感じていた。それで、うれしかったのと、安心感と…。でも、総合とか組み技とか関係なく、やることをやろうと思っていた。今さら打撃でどうこうというのでもないし、寝技に特化してやろうと思った。
総合をまたやることは、自分の考えで決めた。今日は上嶋(佑紀)にセコンドについてもらったけど、最近はBRAVEで練習させてもらうことが多い。その中で、みんなが練習する姿に刺激を受けていることが大きいかも知れない。
今日の試合のことしか考えていなくて、次のことを考えている余裕はなかった。SNSでふざけているだけの奴じゃないというところを見せられてよかった(笑)。とりあえず今日は酒を飲んで寝ます(笑)」
第7試合
豪快でヤンチャな闘いぶりが持ち味の中村だが、ここ3戦は2敗1ノーコンテストと“らしくない”試合が続いた。今年最後の試合、しかも地元でいいしめくくりをしたいところ。
1R、ローキック、ハイキックと足技で攻める中村。大道が一瞬グラつく。中村はさらにミドル、ハイ、ローと足を使っていく。手が出せない大道は組み付いて倒すが、中村はすぐに立つ。大道は再び投げて上になり、ボディを殴ったところで終了。
2R。1Rと同様、足で攻める中村の右ハイキックがヒット! 大道はそのまま崩れ落ちた。かなり長い間立つことができない大道。セコンドらにかかえられ、リングを下りた。
「伝家の宝刀」で劇的KO勝利を挙げた中村は、コーナーポストに上り、観客の大声援に応えた。
<試合後コメント>
中村晃司
「しっかり自分の仕事をした。前回はあんなことをしてしまった(※計量オーバーにより、勝ったものの記録はノーコンテスト)ので、今回の勝ちで禊をしたということで。
今日は自分の動きができた。しっかり闘えたと思うし、来年につながったんじゃないかと思う。来年は、お客さんの求める試合を東京でしたい。今は大阪で練習していて、タクミさんともよく練習しているけれど、今後、上位にからんでいきたいし、ベルトも狙いたい。来年は全員ぶっ倒す、覚悟しろ!」
第8試合
骨太でストレートな闘いを見せる蓮實。今年は3連敗と振るわない結果となっている。2015年最後は白星で終わりたい。
1R、パンチで前に出る蓮實。上になり殴る。辻川は立つが、蓮實は再び倒してパンチ、ヒザを打つ。両者立ち、辻川がバックを取る。蓮實は立って辻川を投げるが、辻川がバックを取ったところでゴング。
2R。パンチから倒し、蓮實が上を取る。辻川が立つと、ローキックの応酬。パンチ、キックを打ち合って終了。蓮實のパンチの圧力が目を引く。
3R。パンチから、蓮實が組んでロープへ押し込む。辻川はパンチ、ロー。蓮實ボディブロー。蓮實のパンチで辻川がダウン! 走り寄った蓮實だが、思わず頭部を蹴ってしまう。現在のパンクラスのルールではサッカーボルキックは禁止されているため、蓮實はイエローカードにより減点1。辻川の回復を待って試合再開。辻川のタックルを潰した蓮實がフロントチョーク! 苦しい辻川だが、首を抜いたところで終了。
判定は2-0で蓮實。今年最後に連敗を脱出した。倒せそうな場面は何度かあったが、判定となったのが惜しい。来年に向けて、さらなる成長を求めたい。
第9試合
竹本は日沖発、久米鷹介ら強豪と同門。パンクラスには2013年より参戦。今年は2戦1勝だが、9月のGRANDSLAMでベテランの大石真丈に判定勝ちしている。対する土肥は2011年よりパンクラスに参戦。5戦4勝の成績だ。また、玄人好みと言われる技術力と飄々としたキャラクターで異彩を放っている。
1R。まるで相撲のようにガチンとぶつかる両者。竹本がコーナーへ押し込み、フロントチョークを狙う。土肥が頭を抜くと、竹本はガードからパンチ。土肥もパンチ、ヒジを打つ。竹本は左腕を捉えているが、土肥がヒジとパンチを打って終了。
2R。土肥のタックルと竹本のパンチが同時に出る。土肥が上になり、大きいパンチを連打。竹本は鼻血。しかし下からヒジ、パンチを入れる。しかし、上になっている土肥がヒジとパンチを打ちまくって終了。
3R。またも、相撲のように音を立てて組み合う両者。土肥はロープへ押すと回ってテイクダウン! 竹本は下から三角絞めを狙うが、外されてしまう。続いてガードポジションから腕を狙うが、これは決められない。土肥は回ってバックを取り、さらにハーフからマウントに移行。竹本がハーフに戻したところでゴング。
判定は3-0で土肥が勝利した。
第10試合
北方は今年2戦しているが、ローブローを受けての試合続行不可能(7月)、また計量オーバーにより(10月)ノーコンテストが続いてしまった。こうしている間にも、パンクラスは動いている。来年へ繋げるためにも、どうしても勝っておかなければならない1戦だ。
1R、北方がパンチからタックル、テイクダウン。すぐに片足をパスして殴る。教科書のような美しい動きだ。石綱はガードに戻すが、北方は力強くパンチを打つ。ハーフになり、ヒジ。さらにパンチを連打して終了。
2R。石綱はハイキックで奇襲。しかし北方は落ち着いてタックル、体躯ダウンを奪う。さらにサイドポジションに移行し、ヒジ、ボディブロー。逃れたい石綱が回って亀になると、北方はマウント、さらにサイドポジションへ。ヒジを連打する。石綱は脱出できないままゴング。
3R。石綱はまたもハイキック。北方はコーナーへ押し込む。石綱は片手で北方の胴を抱えており、そのまま試合から三角絞めを狙う。北方は小さくたたきつけて頭を抜く。パンチを打って立ち、猪木アリ状態に。石綱が蹴り上げ、北方がかぶさったところで終了。
判定は、終始、相手をコントロールし自分のペースで闘った北方の勝利。自分自身とパンクラスの今年最後の試合を勝利で飾った。しかし、試合後、喜びを爆発させることはなかった。北方には、もっと大きな目標があるからだ。それはベルトを巻くこと。今日の勝利はその第一歩に過ぎない。まだ笑ってはいられない。
北方はリング上で「年末の忙しいときにご来場くださり、ありがとうございます。僕はまだまだもっと強くなりたいし、試合のたびに応援してくれたり、協力してくれたり、支えてくれたりした人たちの存在が嬉しいです。この嬉しい気持ちをとマイクアピール。
<試合後コメント>
北方大地
「試合をやる前から、勝つのが当たり前だと思ってきた。しっかりフィニッシュするのが目標だったけど、できずに反省している。相手をコントロールするということも、勝つにあたり、クリアして当たり前だと思っている。
この1年を振り返ると、すごく隙が多かった、そのひと言に尽きる。細かい事は格闘家として言うべきでないが、とにかく隙が多かったと思う。
今、パンクラスはめっちゃ面白い。次はランカーとやらせてもらって、しっかり仕留めたい。
2016年は4戦してベルトを獲るのが目標。3人ランカーと闘って、年末にタイトルマッチをやりたい。冷静に判断して、今の自分では勝てると思わない。でも、自分は自分の力を正しく表現したいし、それを3戦することによってしっかりつけて、ベルトに辿り着きたい」
【写真・文/佐佐木 澪】