10.28アレクサンダー大塚20周年&男盛10周年記念興行 アレク&ヨネvs.船木&杉浦、臼田が稔と藤原組ルールで引退試合
アレクサンダー大塚20周年&男盛10周年記念興行
20年あがとりぃ
日時:2015年10月28日(水)
開場:17:30 開始:18:30
会場:東京・後楽園ホール
観衆:888人
▼第1試合 大衆ホルモンタツ屋杯 13名参加 時間差バトルロイヤル 20分 ※○の中の数字は登場順
○ザ・グレート・カブキ⑬
7分40秒 アッパーカット→体固め
●よしえつねお⑧
※カブキが時間差バトルロイヤル優勝
【退場順】ミス・モンゴル⑥→宇宙銀河戦士アンドロス③→ティグレ・バキ①→間下隼人②→見た目が邦彦⑦→佐野直⑤→力⑪、タケシマケンヂ⑨→平野勝美⑫→九尾⑩→篠瀬三十七④→よしえつねお
▼第2試合 男盛10周年記念ミックスドタッグマッチ 20分1本勝負
●男盛/中島安里紗
10分01秒 ロープで股間を打ったところ→体固め
○三州ツバ吉/藤本つかさ
▼第3試合 6人タッグマッチ 20分1本勝負
○長井満也/南野タケシ/卍丸
11分34秒 ハイパーニー陸牙→体固め
日高郁人/原学/●那須晃太郎
▼第4試合 スペシャルシングルマッチ 45分1本勝負
○ダンプ松本
7分08秒 乱入したミス・モンゴルの竹刀攻撃→体固め
●X=つぼ原人
▼第5試合 臼田勝美引退試合 藤原組ルール 30分1本勝負
●臼田勝美【3D0E】
10分04秒 ミノルスペシャル
○田中稔【2D1E】
▼第6試合 タッグマッチ 45分1本勝負
村上和成/ゼウス
11分32秒 無効試合
関本大介/スーパータイガー
▼第7試合 アレクサンダー大塚20周年記念試合スペシャルタッグマッチ 60分1本勝負
●アレクサンダー大塚/モハメドヨネ
12分31秒 裸絞め
○船木誠勝/杉浦貴
アレクサンダー大塚の20周年記念大会に元バトラーツ勢が集合!初代タイガーらも祝福
臼田勝美が藤原組ルールで田中稔相手に引退試合!10周年の男盛も女子選手に尻攻撃!
オープニング
まずは青西高嗣さんがリングに上がり、アレクの入場テーマである『“AO”corner』の生歌披露。そして歌い終わったところでアレク本人が登場すると、元バトラーツのリングガールだった宮内美穂さんらが花束贈呈。パンチ田原リングアナから宮内さんは当時3歳サバを読んでいたことと、すでに結婚したことが暴露された。
その後、アレクが「これから始まりますアレクサンダー大塚20周年記念大会、たくさんのご来場本当にありがとうございます。ひとつだけ、精一杯のファイトをしますので最後まで楽しんでいってください。よろしくお願いします!」と挨拶。
第1試合
一定時間ごとに2人ずつ入場してくる時間差バトルロイヤル。まずティグレ・バキと間下隼人が入って試合が始まると、続いて宇宙銀河戦士アンドロス、篠瀬三十七、そして佐野直とミス・モンゴルが登場。
さらに見た目が邦彦と花道ですでにタイツを脱いでTバック姿となったよしえつねおが入ってくる。カオスと化したリング上だが、モンゴルがよしえに鞭攻撃を見舞って行くと、もっと欲しがるよしえ。
さらにタケシマと九尾が入って来る間にモンゴルとアンドロスが丸め込まれて失格。そこに力が入ってきてタケシマが抑え付けた間下にセーバーチョップ(=ダイビング袈裟斬りチョップ)を投下して3カウント。さらに空手チョップの乱れ打ちで力無双をしているところに、最終入場者のカブキが登場。
よしえが九尾をエプロンに追いやってからリップロックでオーバー・ザ・トップロープにすると、篠瀬にもリップロックからのオーバー・ザ・トップロープ。よしえは大胆にもカブキにもリップロックを狙うが、カブキは辛くも防御。串刺し攻撃を狙うよしえをトラースキックで迎撃したカブキは赤い毒霧を噴射すると、アッパーカットを叩き込んで3カウント。
時間差バトルロイヤルはカブキの優勝に終わった。
第2試合
藤本は対戦相手の中島とのコンビで保持しているリボンタッグのベルトを持って入場。中島もリボンタッグのベルトを手に単身で入場。最後に『Europa』が鳴り響く中、ワインレッドのバスローブに身を包んだ男盛が入場。花びら柄の入ったフンドシを新調した男盛と、微妙な距離を取る中島。
藤本と中島の先発で試合が始まったが、男盛が「中島さん!」と呼んでタッチ。戸惑う藤本だがリストロックに捉えていき、男盛が突き出したケツを蹴り飛ばす。しかし男盛もヘッドシザースで藤本の頭を両足で挟み込むと、股間に近づける。
どうにか振り解いた藤本はチョップを叩き込むが、男盛はパッション屋良ばりに自ら胸を叩いて効いてないアピール。そこに入り手を見舞った藤本が三州にタッチ。男盛を蹴り倒した三州にドロップキックを叩き込んだ中島はエルボーを連打。だが、三州もカウンターのミドルキックを叩き込んで藤本にタッチ。
串刺しドロップキックからクラウチングスタートからの串刺し低空ドロップキックを発射した藤本にエルボー合戦を挑んでいった中島は投げ捨てジャーマン。これを着地した藤本はサッカーボールキックを連打するが、ランニングローをかわした中島はストレッチマフラーからぶっこ抜きジャーマン。
タッチを受けた男盛は藤本にヒップバットを見舞うと、ドラゴンスリーパーのような体勢からナイトメアー。さらにコーナー際でヘッドシザースに捉えると、中島が入ってきて藤本の顔を男盛のケツに押し付けようとするが、体勢を入れ替えた藤本は中島の顔を男盛のケツに押し付ける。これに怒った中島が男盛に殴りかかっていくと、藤本も加勢。
ベストフレンズは三州を合体攻撃で蹴散らすと、藤本が男盛にランニングロー。ここで正常な状態に試合が戻り、三州が男盛にSTOを決めてから場外に連れ出し、藤本と両側からリストロック。溜まらず観客に向かってケツを突き出しながら悶絶する男盛。そこに中島がコーナー最上段からプランチャを投下するが、藤本と三州が離れたため男盛に誤爆。
男盛をリングに戻した三州はSTOで叩き付けるとミドルキック。しかし蹴り脚をキャッチした男盛はヒップアタックを見舞ってから中島にタッチ。男盛とのダブルタックルからダイビング・フットスタンプを投下した中島だが、カウント2で藤本がカット。男盛が三州をスパインバスターで叩き付けてからうず潮スイングで男盛の10周年を祝う10回転振り回す。
そしてコーナーに登っていくが、藤本がロープを揺らすと転落した男盛はロープに股間を強打。悶絶する男盛の上にグッタリする三州を乗せた藤本は、その上から乗っかって3カウント。試合後、中島はだらしない男盛に蹴りを入れてとっとと引き上げてしまった。
第3試合
長井は舎人一家に合わせてサングラスにニッカポッカ姿で登場。そこから日高組に奇襲攻撃を仕掛けていくと、リング上では原が南野にミドルキックからアームロック。ロープに逃れた南野だが、タッチを受けた那須が踏みつけてから日高とのダブルドロップキックを発射。そこから那須がスリーパーに捉えるが、南野は急所蹴りで脱出。
那須を場外に放り投げると、長井が客席に投げつける。さらにイスを振り下ろしていった長井は那須を鉄柱に叩き付けてからリングに戻す。すかさず舎人一家が合体攻撃で痛めつけると、南野が那須の顔面を踏みつける。
南野のオーバーハンドチョップにチョップで対抗した那須だが、南野は目潰しを見舞っていくと長井とダブルのブレーンバスター。そこから長井はテキサス・クローバー・ホールドに捉えるが、日高がカットに入る。しかし南野が再び那須を場外に放り出すと、長井がミドルキックを叩き込む。
リングに戻された那須はブレーンバスターを狙った卍丸を逆に投げると日高にタッチ。シュリケン(=スペースローリングゼロ戦キック)を決めた日高だが、背後から南野が攻撃すると舎人一家は合体攻撃を狙う。これをミスティフリップ(=駆け上がり式リバースDDT)で切り返した日高は南野を場外に追いやって捻りを加えたケブラーダを発射。
その間にリング上では原が長井にレッグラリアットを叩き込む。そして日高が卍丸を連れてリングに戻ると、原とサンドイッチミドルを連打。そこから日高がリバースDDTで叩き付けるとロープに飛ぶが、卍丸はカウンターのフロントキックを叩き込んで南野にタッチ。カウンタエルボーを見舞った南野だが、日高はアイルビーバックからニールキックを叩き込むと那須にタッチ。
串刺し式の稲妻レッグラリアットを叩き込むと、日高のミサイルキックから原がジャーマンで投げ捨て、那須がバズソーキック。カウント2でカットされると、那須はソバットからランニングロー。しかし、これもカウント2。卍丸がカットに入ると、南野がアッパーカットを叩き込んで長井にタッチ。
串刺しランニングエルボーからダブルアーム・スープレックスで投げた長井だが、那須も首固めで丸め込む。さらにスクールボーイから逆さ押さえ込みまで決めた那須だが、カウント2で舎人一家がカット。舎人一家はダブルのキックから卍丸がチンクラッシャーを決めると、南野がスタンディングのシャイニング・ウィザード。
さらに長井がキャプチュードで投げてから魔界ドライバー(=ファルコンアロー)で叩き付けるがカウント2で返した那須。ならばと長井はハイパーニー陸牙(=ランニングニー)を叩き込んで3カウント。南野はDKから脱退したが、長井との絆は固いようだ。
第4試合
元Wコロンの木曽さんちゅうさんが特別リングアナとして、まずはダンプを呼び込む。対戦相手のXとして登場したのはつぼ原人。南側の客席から現れたつぼは客席を徘徊しながら入場すると、勝手にゴングを乱打。
ダンプが竹刀で威嚇するため、なかなかリングイン出来ないつぼ。ダンプはレフェリーも竹刀で殴打すると、つぼがリングインするなり竹刀で殴打。さらにダンプのセコンドについたミス・モンゴルもつぼを殴り倒していくと、つぼは自らゴングを鳴らして帰ろうする。
だが、主催者のアレクが入ってきて「つぼ兄さん、それで帰られたらギャラ払えません!」と言うと、渋々リングに戻ったつぼ。握手を求めていったつぼだが、ダンプは応じない。するとつぼはリングサイドで観戦していた山田邦子さんに向かって握手を求める。邦子さんが応じると、まるで邦子さんが引っ張ったかのように見せて自ら場外に転落したつぼ。
いろいろ悪あがきしてからリングに戻ったつぼはまたもダンプに握手を求めると、ダンプがようやく応じようとしたところでガットショット。さらにショルダータックルで当たっていくが、ダンプは倒れない。
自らカツラを投げ捨てたつぼは観客の手拍子を煽ってから筋肉ポーズ。すると、同じことをダンプにもやれと指示。ダンプが渋々やると、そこに襲いかかっていったつぼ。ダンプをコーナーに乗せて、二段目に座らせるとスペースローリング・カンチョーをお見舞い。さらに場外から足を引っ張って鉄柱に叩き付けようとするが、ダンプの腹がコーナーにつっかえて足が鉄柱のところまで出ない。
怒ったダンプは逆に場外からつぼの足を引っ張って引きずり出すと、客席に投げつけていく。リングに戻ったダンプはショートレンジラリアットを叩き込むが、つぼもスクールボーイで丸め込む。そこからショルダータイツを脱ぎ、タイツを下げて尻を出したつぼはバーミヤンスタンプを狙うが、モンゴルが乱入して竹刀でケツを殴打。悶絶するつぼをダンプが押さえ込んで3カウント奪った。
試合後は握手とハイタッチをして健闘を称え合ったつぼだが、乱入したモンゴルには怒りの竹刀こ攻撃。するとマイクを持ったダンプが「皆さん、こんにちは。めちゃめちゃギャラ泥棒です。大塚さん、20周年おめでとうございます! これからもドンドン頑張ってプロレス界を盛り上げてください。応援しています。今日はどうもありがとうございます。目をつぶると(つぼ原人の)オケツの穴が浮かびます」とアピールした。
第5試合
この試合は3カウントフォールがなく、ロープエスケープ3回で1ダウンとなる5ロストポイント制の藤原組ルールで行われることがアナウンスされる。パンチ田原リングアナも藤原組の半被を羽織ってリング上へ。まずは藤原組〜バトラーツ時代の時代を共にし、引退試合の相手を務めることになった田中稔が入場。
続いて濃紺のロングガウンのフードを目深に被った臼田が入場。握手を交わしてから試合が始まると、まずはお互いに牽制のローキックを出していく。稔のミドルをキャッチして軸足を払ってダウンさせた臼田だが、稔もすぐに立ち上がる。
稔のローをキャッチした臼田だが、稔は下から絡みつく。だが、臼田はクルックヘッドシザースで切り返すと腕十字にスイッチ。これで稔は1ロープエスケープ。稔はインローから片足タックルでテイクダウンを奪うが、臼田はレッグロックに捉える。スイープして上になった民留はヒザ十字を狙うが、臼田はアキレス腱固めで切り返す。これで稔は2ロープエスケープ。
手四つで組もうとする臼田に右ハイキックを叩き込んだ稔。臼田はこれでダウンしたが、カウント9で立ち上がる。そこに稔がすぐに襲いかかるが、臼田はバックに回ってジャーマンで投げ捨てると腕十字。これで稔は3ロープエスケープとなり1ロストポイント。
臼田の蹴り脚をキャッチした臼田はヘッドバットから藤原ばりの一本足頭突き。そしてミドルキックでダウンを奪い、稔は2ロストポイント。稔はハイキックからダブルアーム・スープレックスで投げると一気に腕十字。だが、クラッチが切れた瞬間にヒザ十字で切り返した臼田。どうにかロープに逃れた稔。
蹴り合いから稔がジャンピングハイ。これで片膝をついた臼田にバズソーキック。ダウンした臼田だが、カウント9で立ち上がると、稔はブレーンバスターからサッカーボールキック。怒った臼田もサッカーボールキックを返していく。そこからお互いにサッカーボールキックを蹴り合うと、稔は連打から投げ捨てジャーマン。さらに立ち上がろうとする臼田の顔面にバズソーキックを叩き込む。
どうにかカウント9で立ち上がった臼田は首相撲からヒザを連打するとハイキックから突進。だが、カウンターのハイキックからミノルスペシャルを決めた稔。必死にロープに向かって足を伸ばす臼田だが、届かない。稔がリング中央で改めて臼田の腕を完全に伸ばすと、臼田もタップアウト。
試合後、握手をした両者は座礼して健闘を称え合う。稔は先輩・臼田の腕をあげてから一旦リングを降りた。
臼田勝美引退セレモニー
臼田の引退セレモニーへ。まずは石川雄規から「臼田選手はまさにこの世界の盟友」と、そして前田日明からの「お疲れ様」いうビデオメッセージがスクリーンで流れた。続いて元バトラーツのリングガールだった宮内美穂さんらから花束が贈呈されたあと、マイクを持った臼田が「本日はご来場いただきまことにありがとうございます。藤原組でデビューしてから22年間、今日、こういった後楽園ホールとといった素晴らしい会場で引退試合を出来る、藤原組の後輩であるアレクサンダー大塚……アレク、ありがとう。そして引退試合、最後の試合の相手が藤原組の同志だった田中稔で本当によかったです。ありがとうございました。プロレスの怖さとか、凄さとか、素晴らしさを自分に教えてくれた師匠である藤原喜明さん……藤原さん、本当にありがとうございました。今まで応援してくれたファンの皆さん、22年間本当にありがとうございました!」と引退の挨拶。
そして10カウントゴングが鳴らされたあと、「176センチ、87キロ、臼田勝美〜」とパンチリングアナがコールすると、アレク、稔、日高、ヨネ、田中純二、引退した澤宗紀さんといった藤原組時代やバトラーツ時代の仲間が中心になって臼田を胴上げして臼田を送り出した。
<試合後コメント>
臼田勝美
「ありがとうございました。無事に22年間のレスラー生活、終える事できました。ありがとうございました」
――引退試合を終えて今の気持ちを。
「あの、名残惜しいとかそういう気持ちは全然なくて、ほんとに、すっきりしてるというか。引退試合を決めて、日取りとかも決まってから半年? 7ヶ月ぐらい、この期間が一番プロレスデビューしてから、一番なんか充実してた気がしますね」
――引退試合の相手が田中稔選手でした。
「まあ、あの稔さんとは節目節目になる時に対戦することが多くて、自分が新日本のスーパーJrに参戦する時にも、バトラーツの後楽園ホールでも田中稔からベルトを獲って、そこから勢いがついてスーパーJrに声がかかったりとか、ほんとにバトラーツの解散興行の時も確かタッグで稔さんと対戦させてもらったので、結構やっぱり節目節目で稔さんとあたってる気がするんで、最後の試合の相手が田中稔っていうのはほんとに、これもほんとに巡り合わせなのかなと実感してますね」
――アレク選手のこういった大会で引退試合でしたが。
「あの、あいつのデビュー20周年という大きな記念の大会なのに、自分の引退という花道を大会の中で作ってくれた事に感謝してますね。いや、なんか今日久しぶりに見る皆さん、懐かしい顔いっぱいあったんで、ちょっと、泣くんじゃないかなというのが心配だったんですけど、なんとか泣かずに笑顔でリングを降りる事ができて最高ですね」
――試合前から紙テープもすごい飛んで感極まる場面もあったと思いますが。
「はい、そうっすね。紙テープも何もなかったら寂しいなとは思ってたんですけど、まあ、ありがたいですね。最後にこうやって応援してもらえて、ほんとに、幸せなレスラー生活を送ったんだなと今日改めて思いましたね」
――レスラー生活の中で一番思い出に残ってる事は?
「ん〜、まあでも、何から何まですごく思い出に残ってますね。新弟子の頃藤原組の道場で、しごかれて何度も何度も音を上げそうになってた日々から、今日までほんとに全てが印象深いですね。やっぱり、藤原組に入門して藤原組でデビューできたというのは自分の中で、師匠が藤原喜明だって言えるって事が自分にとって誇りです」
――最後に集まっていたバトラーツの面々には現役の選手もいますが、現役生活を終えて後輩たちに伝えたい事は?
「やっぱり、リングに上がるっていうのは誰でもかれでも上がれるわけではないと自分は思ってるんで、やっぱりデビューしてリングにあがるっていうのはそれなりのものを背負って上がってるということなので、それを最後まで今日の自分みたいに、自分の後輩が引退する時にすごく楽しいレスラー生活だったって胸はってリングを降りれるように頑張ってもらいたいですね。でも皆、自分の後輩は自分なんかより立派に成長してる選手ばっかりなんで全く心配してないですけどね。逆に今度は客席から応援したいなと思いますね」
――今後は?
「今後はまったくほんとにノープランですね。何も考えてないです。ただまあプロレスはずっと応援していきます」
――改めてご自身の中でプロレスとはどういう存在でしたか?
「現役の時にも言ってたんですけど、自分の生きてる証がプロレスかなと思ってたので、だからといって引退したから死んじゃうわけじゃないですけど、まあそういう素晴らしい青春の一ページというか、それを作れたんで、その自分に今度は恥じないようにこれからは生きていきたいと思います」
第6試合
見るからに超強力タッグの関本&スーパータイガーに対し、狂気をはらんだ村上&ゼウス。関本とゼウスが先発を買って出て試合開始。ロックアップからヘッドロックに捉えた関本だが、ロープに振ったゼウス。関本はショルダータックルでぶつかっていくが、倒れないゼウスもショルダータックルでぶつかっていく。激しいぶつかり合いから打ち勝ったのはゼウス。
そこから関本を場外に投げ捨てると、すかさず村上が鉄柱に叩き付ける。リングに戻された関本にゼウスが逆水平チョップを叩き込むと、関本も逆水平チョップで応戦。逆水平チョップ合戦からその場跳びドロップキックで吹っ飛ばした関本はタイガーにタッチ。
コブラツイストを仕掛けるタイガーだが、村上がカット。タイガーは下から三角絞めを仕掛けるが、あっさり持ち上げたゼウスはバスターで叩き付けて脱出すると村上にタッチ。タイガーの右腕をロープに巻きつけながら関本を挑発していった村上はミドルからのストレートでタイガーを殴り倒す。
ゼウスはタイガーを場外に連れ出すと客席に投げつける。さらに西側の壁に叩き付けると、村上も関本を客席に投げつけてからイスを首に巻き付けてチョーク攻撃。村上がコーナーに戻ると、関本はまず村上に一撃与えてからゼウスとラリアットの相打ちを連発。
そこからジャンピングラリアットを叩き込んだゼウスだが、関本は串刺しラリアットを2連発で返すとブレーンバスターの体勢に。逆に投げようとしたゼウスだったが、関本はその反動を使って投げていく。サソリ固めに捕らえた関本だが、すぐに村上がカット。怒った関本は村上を場外に連れ出すと羽交い締め。
そこにタイガーがミドルキックを叩き込むが、ゼウスも関本を客席に叩き付けるが、関本は村上を客席に投げつけてから逆水平チョップ。だが、村上もパンチの乱打を返していく。喧嘩腰でやり合う。ゼウスとタイガーも場外でバチバチとやり合って収拾が付かない状態に。
ここで和田良覚レフェリーが無効試合となるゴングを要請。暴れ狂う村上をセコンド陣が必死に控室へと戻していくが、珍しくブチ切れ状態の関本が走って追いかけるという大混乱のセミファイナルとなった。
第7試合
メインはアレクサンダー大塚20周年記念試合スペシャルタッグマッチ。1999年1月以来、16年ぶりとなるアレクとモハメドヨネのタッグ「ラヴ・ウォリアーズ」が復活し、船木誠勝&杉浦貴という総合格闘技の経験がある超強力タッグと対戦する。
スクリーンではアレクがPRIDEでマルコ・ファスから番狂わせの勝利をあげたシーンやバトラーツ時代の映像が流れる。まず船木がレジェンド選手権のベルトを腰に巻いて入場。そして滅多に絡むことがないノアの杉浦とガッチリ握手。そして『“AO”corner』に乗ってお揃いのジャンパーを羽織ったラヴ・ウォリアーズが入場。
アレクと船木の先発で試合開始。脇の差し合いからロープに押し込んだアレクだが、慎重にブレイク。バックの取り合いからいきなりジャーマンでぶっこ抜いて投げ捨てたアレク。船木はたまらす場外にエスケープしてから杉浦にタッチ。いきなり激しいエルボー合戦からアレクがもの凄い音をさせながらヘッドバット。
タッチを受けたヨネも重たいエルボーを連打するとロープに飛ぶが、杉浦はフロントキックで迎撃。ヨネもフロントキックを返すとレッグドロップを落とすが、かわした杉浦はローキック。これを紙一重でかわしたヨネはアレクにタッチ。
すると杉浦も船木にタッチ。脇腹へのミドルキックを連打した船木はアームロックの体勢に。アレクが堪えると船木はアレクの右腕を抑え付けて蹴りまくる。さらに杉浦が張り手からフェースロックに捉えるがアレクはロープに脱出。だが、船木がハーフダウンのアレクを蹴り飛ばすと、そこからチキンウイング・フェースロックに捉えた状態で杉浦にタッチ。
ブレーンバスターで投げた杉浦はランニングニー。だが、キャッチしたアレクは水車落としで切り返したヨネにタッチ。串刺しラリアットを叩き込んだヨネだが、杉浦も串刺しフロントキックを返す。だが、ヨネはもう一発串刺しラリアットを叩き込むと、ダイビング・レッグドロップを投下。
ハーフダウンの杉浦を蹴りまくったヨネはラリアット。杉浦もエルボー合戦に持ち込むと、ロープに飛んだヨネにフロントキック。しかしヨネもロープに飛んだ杉浦に追走式ラリアット。ブレーンバスターを狙ったヨネをフロントに投げ捨てた杉浦はキチンシンクを叩き込んで船木にタッチ。ミドルキックからランニングローを叩き込んだ船木は、ヨネの張り手をブロックし、逆に張り手を叩き込んでから浴びせ蹴り。
さらにチキンウイング・フェースロックを仕掛けていくが、どうにかロープに逃れたヨネ。ロープに飛ばされたヨネはどうにかラリアットを返してアレクにタッチ。うず潮スイングで船木を回していったアレクは20周年ということで20回転。さらにジャーマンで投げてからフルネルソンに捉えるが、船木は腕十字で切り返す。
これをヨネがカットすると、ラヴ・ウォリアーズはトレイン攻撃。しかしかわした船木はアレクにソバット。杉浦もヨネをバックドロップで投げるが、アレクは船木にヘッドバット。だが、船木が掌底を返すと、座り込んだアレクに杉浦がランニングニー。続けて船木がランニングローを叩き込むがカウントは2。
ならばと船木はハイブリッド・ブラスター(=リストクラッチ式変型ツームストンパイルドライバー)で叩き付けるが、ヨネが辛くもカウント2でカット。杉浦がヨネを抑え付けると、船木はアレクにガッチリとスリーパーに捉え、ここで試合終了のゴング!
エンディング
記念試合を勝利で飾ることが出来なかったアレクだが、勝った船木に座礼。船木も握手をしてアレクを称えると、杉浦も座礼から握手。そしてヨネと抱き合ったアレクだったが、スクリーンには美女に囲まれてデレデレ顔の石川雄規が映し出される。苦笑いしながら見つめるアレクに「とにかくおめでとうございます!」と言う石川に続き、前田日明からは「これからもケガのないように。次の時代を担う選手として頑張ってほしいと思います」というビデオメッセージが流された。
さらに『1・2の三四郎』の作者である小林まこと先生、山田邦子さん、そして初代タイガーマスクから花束の贈呈が行われた。タイガーは「アレク20年間お疲れ様。みんなもよーく知ってると思うけど、こんなにいい奴はいないです。こんなに優しい奴はいないです。レスラーにしておくのは勿体ない。これからがまたアレクが立派なプロレスラーとして巣立っていける……これからですよ。引き継いでいけるのはこういう人間しかいない。その一人です。人間性もいいし、人もいいし、レスラーとしてもいいし。こんな素晴らしいアレクをいつまでも、いつまでも、そしてプロレス界のためにも皆さん応援してあげてください」とメッセージを贈った。
マイクを持ったアレクは「どうも今日はありがとうございました。話したいことはいっぱいあるんですけど、とにかく僕がいま20周年をこうして祝えるのは、佐山さんをはじめレジェンドと呼ばれるレスラーの方のお陰です。本当は10年とかで格好良く去りたいと思っていたんですけど、長くやる・続けてやるってことのほうの素晴らしさを教えていただきました(※アレクが涙ぐみ声を詰まらせると場内から拍手)。いろんな人生とか厳しいことはいっぱい起こりますが、とにかく道しるべを…皆さん前に進んでください。そうすれば何かが出来ます。僕もそうでした。必ず……みんなで一生懸命頑張りますので皆さんも一緒に頑張りましょう! ありがとうございました」と涙ながらに挨拶。
最後に井上大輔の『めぐりあい』が流れる中、出場全選手で記念撮影を行って、アレクの20周年を祝った。最後にひと言と言われたアレクは「さっき言い尽くしたつもりなので、とにかく本当に…本当にありがとうございました!」と叫んで頭を下げた。
<試合後コメント>
アレクサンダー大塚&モハメド・ヨネ
アレク「二人共20週年なんで。まさかねラヴ・ウォリアーズがおんなじような感じで、結果は一緒になってしまいました」
ヨネ「まさかリングの下でね、暮らした二人が20年経ってリングの上に立つとはね、感慨深いものがありますね」
アレク「色々そんな話してるとまた……ごめんなさい(涙)。泣けてきてしまうんですけど、ほんとに最終、大会前のインタビューとか受けてて、話てる中でどんどん昔思い出したり、結果これでほんと正解だったんじゃないかなと、まあ試合に負けたのは、負けた結果は正解じゃないんですけど、これから25年、30年とまた、一緒に、今やってるところ違いますけど、またどこかで会えたらいいなと思います」
ヨネ「組んだら思い出すもんですね、なんかね。連携とかはね、あんまり出る事なかったですけど、でも気持ちはね、なんかコーナーから『アレク、アレク』って言ってるのはね、すごい心地良かったですね」
――エロトピアと書いてあるあのガウンは?
ヨネ「アレ当時のやつを引っ張り出してきて、アレクが『ありますか?』って言うから、『あります!っ』て」
アレク「残念ながら、ラヴ・ウォリアーズのコスチュームは二人共でかくなってて」
ヨネ「入らず。パツンパツン(笑)」
アレク「それだけ成長したということで、ご了承ください(笑)。でも懐かしむだけじゃなくてこれから、はい」
ヨネ「やっぱり20年のね」
アレク「厳しく、ウンをつけられてここまでやってこれました」
ヨネ「そうですね、いろんなね、いろんな思いが先輩から色々かわいがっていただきましてね、バーミヤンスタンプとかもいっぱいくらいましたし(※記者の間から覗いて小坪のほうを見ながら)」
アレク「いい思い出です。今となっては」
ヨネ「そうですね」
アレク「キリがないんで、ありがとうございました」