ガンプロ9.23新宿大会 大家&GEN&翔太&バンビvs.藤田&Hi69&浪口、安部vs.冨永、PODvs.ドリフ
BAD COMMUNICATION 2015
日時:2015年9月23日(水・祝)
開場:17:00 開始:18:00
会場:東京・新宿FACE
観衆:390人(満員)
▼第1試合 GANBARE SUPER FIGHT!! 30分1本勝負
○那須晃太郎
9分33秒 串刺しジャンピング・ハイキック→体固め
●タイガーベッドシーン
▼第2試合 アニマルプラネット・スペシャル3WAYマッチ30分1本勝負
●4代目3代目J-Soulパンディータ
6分48秒 シッポチョーク
○木村ゴリラ
※もう一匹は新田猫子
▼第3試合 メジャースポーツへの共鳴!〜リアルタイガーマスクと初代タイガーマスクの弟子vs炎上軍〜30分1本勝負
○勝村周一朗/間下隼人
12分39秒 TKO勝ち(ニンジャチョーク→レフェリーストップ)
シバター/●三富政行
▼第4試合 アジアを超えていけ!パワー・オブ・ドリームス vs チーム・ドリフ〜第3代アジアタッグ王者の孫vs第94代アジアタッグ王者組〜30分1本勝負
力/●今成夢人
15分0秒 タイガースープレックスホールド
○石井慧介/入江茂弘
▼第5試合 Do Judge!! 30分1本勝負
○安部“自演☆乙”行洋
13分16秒 AOISHODO→片エビ固め
●冨永真一郎
▼第6試合 テキサス・トルネード・ハードコアスペシャルハンディキャップタッグマッチ 時間無制限1本勝負
●大家健/GENTARO/翔太/バンビ
15分52秒 Hi69のストゥーカ・スプラッシュ→片エビ固め
○藤田ミノル/Hi69/浪口修
バンビはやはり藤田のお友達!負けたら1人追放ルールで大家&ガン女と対戦へ
新たな友達に円華!Hi69は安部&冨永に怒り!今成はTHE OUTSIDER出場へ!?
オープニング
ガンプロ初の新宿FACE大会ということで、オープニングVTRは『BAD COMMUNICATION』の英語バージョンに乗せたモノクロの映像。VTR後に選手入場式へ。ベッシン、4代目3代目J-Soulパンディータ、力、今成、冨永、安部、翔太、そして大家がリング上へ。
マイクを持った大家は「本日はたくさんのご来場まことにありがとうございます。このガンバレ☆プロレス新宿FACE大会を満員にすることは、プロレスをメジャースポーツにするために必要不可欠な第一歩である、そう言いました。今日は……満員です! 自分はとても嬉しいです! ただこのガンバレ☆プロレスがさらにプロレスをメジャースポーツにするためにはまだちょっとだけ空いてる席あるよな? 完売だよ、完売! 私は今日のチケットを完売させたい! いまからでも遅くねぇ! 今日いまここで、ガンバレ☆プロレスをやっていいることを、お前らTwitterでも何でもいいや! 拡散して! 拡散して! 拡散しろよオイ! 途中からでもいいからお客さん呼んでください! お願いします!」と訴えかけた。
そしてスペシャルプレゼンターからの花束贈呈とアナウンスされると、『Subconscious』が鳴り響く。そこに現れたのは西口プロレスの中邑珍輔! 滾るあまり花束の花を飛び散らせながらリングイン。落ちた一輪の花を大家代表に手渡した珍輔は両腕ブラリからのブレイク。大家は「ありがとうございます! ちょっと面食らってしまいましたが、このガンバレ☆プロレスのビッグマッチ、私はとても成功させたいです! そのためには俺たち選手たちが一生懸命ガンバルことが大切だと思いますが、オイ! 観に来てるお前たちも一生懸命やることが大切だと俺は思っております! お前たちみんな立て! 立て! 一生懸命やるということがな、人間にとって一番尊いことであります。だからせっかくだ、中邑さんもいるし」と言った大家は「魂込めろよ! いくぞー! 一生懸命ガンバロー! イヤァオ!」と大会開会をコール。
第1試合
ガッチリ握手を交わしてからまずはロックアップ。腕を取っていったベッシンだが、ハンマーロックで切り返した那須。ヘッドロックに捉えてグラウンドにねじ伏せた那須だが、ベッSS員はヘッドシザースで脱出。再びグラウンドに持ち込んだ那須はクルックヘッドシザースからチキンウイング・アームロックを狙う。
ロープに逃れたベッシンをミドルキックで蹴り倒すと、もう一度チキンウイング・アームロックを狙う。どうにかロープに逃れる。ベッシンの左腕を腕固めに捉えた那須は、さらにキーロックにスイッチするが、ベッシンはロープに辿り着く。ベッシンの左杖を蹴り飛ばした那須はブレーンバスターを狙うが、これはベッシンが逆に投げていく。
それでもエルボーを連打していったベッシンは、那須を座らせて顔面に低空ドロップキック。さらにエルボーを叩き込んでいくと、カウンターのドロップイキックから卍固めへ。どういにか耐えた那須は、ベッシンをコーナーに叩き付けてジャンピングキック。これで倒れたベッシンをカバーして3カウント。
ベッシンは完全にKOされてしまい、セコンドたちに抱えられて引き上げていった。
第2試合
パンディータが会場を徘徊しながら登場したのに続き、アイスリボンの猫子が登場。最後にバナナの束を手に持ったアフロヘアーにラスタカラーのコスチュームを着たゴリラ。観客からは驚きの声と共に「ゴリラ」コールが起こる。さらに会場リングアナは「身長、体重、本名一切不明、ゴリラ〜」とコール。
流ちょうな日本語で「悪意しか感じないんだけど。ゴリラじゃないよね?」とつぶやくゴリラは、バナナでパンディータを手名付けようとするが、猫子が「お手」に反応してしまう。「お前じゃないよ!」と猫子を蹴散らし、パンディータにお手をさせたゴリラは、バナナを場外に投げてパンディータを取りに行かせる。
その間に猫子がアームドラッグでゴリラを投げるが、ゴリラがロープに飛ぶと場外のパンディータが足をすくって倒す。ゴリラは「オイ! お前バナナ食ったよな? 来いよ、この恩知らず!」と激怒して場外に出る。しかし入れ替わるようにリングに戻ったパンディータは猫子と一緒に寝転んで場外のゴリラを挑発。
ゴリラがリングに戻ると、今度はパンディータと猫子が場外へ。呆れ顔のゴリラは「これ、どうするの?」と木曽レフェリーに詰め寄る。何やら耳打ちされたゴリラは「いいの? やるよ!」と言ってリング中央で寝転んでみる。
そこに近づいていったパンディータと猫子。すかさずパンディータを捕まえたゴリラは、二匹をコーナーにホイップしてビッグブーツを狙ったが、パンディータが身を挺して猫子を守る。木曽レフェリーの分析ではパンディータが猫子に恋をしているではないかとのこと。そこでゴリラから「行け、行け!」とけしかけられたパンディータは猫子に向かって突進。
脅えながらかわした猫子だが、パンディータに向かって投げキッス。「いい加減にしろ!」とツッ込んだゴリラはパンディータを蹴散らすと、猫子にビッグブーツ。カウント2でカットしたパンディータは詰め寄ってきたゴリラにモンゴリアンチョップ。
猫子も尻尾でゴリラを殴打していくが、ゴリラは猫子の尻尾を掴んで倒すと、そのままパンディータの背後に回り込み、猫子の尻尾でパンディータの首を絞めていき、ギブアップを奪って勝利。
すると、そこに大家代表が現れて「新田猫子、引退間近にガンバレ☆プロレス参戦してくれてありがとう。あと数か月だけど1試合1試合一生懸命ガンバッテ! 何言ってんのか分からないけどガンバッテ! ……もう、いいや」と猫子に礼を言ってからゴリラに向かって「もう本当にものすごいピンチだったんだよ。試合数日前に欠場者が出て、代わりの選手も貸してくれない、これどうしようかって……本当、苦しかった! でも……本当ね、助けてくれてありがとう。ゴリラさん!」と礼を言うが、そんな大家を殴り倒したゴリラは「オイ! 忘れたの? 同期だよオイ! 大家健の同期だよ俺は! 同期の木村響子なんですけど。昔から知ってるよ! 忘れたの?」と言うが、大家は「ありがとうございました、木村ゴリラさん!」と言ってしまい、また木村に殴られた。
第3試合
炎上軍は自撮り棒を刀代わりにして炎武連夢ポーズ。さらにドローンを飛ばすがすぐに墜落。対するはガンプロ初参戦の“リアルタイガーマスク”勝村とリアルジャパンプロレスの間下。まずシバターと間下が牽制の蹴りを出し合う。するとシバターは控えの勝村に向かって「お前が来いよ! 元修斗チャンプ! 出来るのか?」と挑発。
勝村は同じ脇腹に3連続でミドルキックを叩き込むと、タックルでテイクダウンを奪って回転体を披露。思わず「ガンプロですよ!」という声が飛ぶほど異質な勝村。シバターは慌てて三富にタッチ。
三富は尻を突き出して挑発すると、自らロープに持たれかかって「ブレイクだ。プロレスだからな!」とアピール。さらに場外に出て「来てみろ! やったことあるか?」と挑発しながら小川直也ばりに飛行機ポーズ。勝村は逆にリング中央に座って「お前が来い」と挑発。リング上と場外での挑発合戦となる中、勝村の背後からシバターがミドルキック。
すかさず三富がリングに戻って馬乗りナックル。どうにか間下にタッチしたが、三富は間下を自軍のコーナーに連れていってセコンドの河村を含めた3人で痛めつける。さらにシバターがクロスヒールホールドに捉えて動きを止めると、三富が顔面にニードロップを投下。
三富は間下の左腕をロープに巻き付けると、そこにドロップキック。さらに張り手を連発するが、間下も串刺しラリアットを返す。だが、もう一発狙った間下を追走した三富は串刺しドロップキック。シバターも入ってきて2人がかりで串刺し攻撃を叩き込むとシバターがボディブローを叩き込むが、間下はローリングソバットを返すと蹴りからの裏投げを決めて勝村にタッチ。
打撃でシバターを倒した勝村はカットに入ろうとした三富にニールキック。そして「決めるぞ!」とシバターをアキレス腱固めに捉えるが、河村から自撮り棒を受け取ったシバターは勝村の頭部を殴打して脱出。なおも勝村はスリーパーに捉えるが、シバターはレフェリーを巻き込んでコーナーに叩き付ける。
背後から三富が急所攻撃を見舞ってからシバターと2人がかりで攻撃。さらにシバターが自撮り棒を突き立てていくが、勝村も合体攻撃を狙ったシバターと三富をドロップキックで吹っ飛ばして間下にタッチ。シバターのミドルキックを食らいながらもエルボーを返した間下は、続く張り手を相打ちに持ち込む。
両者タッチして三富が飛び込んできた勝村にサミングを見舞っていくが、勝村もハンドスプリング・レッグラリアット。これは当たりが浅かったが、勝村はミドルキック。三富も逆水平チョップで応戦すると、勝村の蹴り脚をキャッチ。だが、勝村はそこに飛び付き腕十字。三富はうまく上から押さえ込んでいくと、続けて外道クラッチでカウント3寸前まで追い込む。
勝村がキックアウトすると三富はロープへ。しかし前蹴りで三富の動きを止めた勝村は胴絞め式フロントネックロック。だが、三富はそのまま立ち上がって急角度DDTで切り返して脱出。だが、そこに場外でシバターとやり合っていた間下が戻ってきて三富にハイキック。さらに勝村がフロントネックロックから後方回転してニンジャチョークを極める。これで三富が落ちてレフェリーが試合をストップ。
試合後、マイクを持ったシバターが「オイオイオイ、勝村! テメー何しにガンプロ来たんだよ! テメーの庭でやってろよ! お前タイガーマスクなんだろ? だったらお前にピッタリの相手用意してやるよ。カモーン!」と勝村への刺客を呼び込む。そこに現れたのは漫画『タイガーマスク』でもタイガーのライバルだったミスターノー。
しかし勝村はリングに上がってきたノーを見て「誰だよ(苦笑)。俺、ガンプロファンの皆さん、はじめまして。修斗元世界王者の勝村です。大家さんに言われて今日来ました。炎上軍やっつけて、ここだったら熱い闘いできるって聞いた来たんですけど、次の相手コレですか? なんで俺がぬいぐみとやらないといけないんですか? 試合するまでもないでしょ。試合するだけ無駄でしょ」と言うと、「いますぐやってやるよ!」と吐き捨ててノーに襲いかかりハイキック。
だが、自分の足にダメージを負ってしまった勝村にノーがヘッドバットをお見舞いすると、勝村はもんどり打って倒れ込む。シバターは「見たか! これがミスターノーの実力だ!」と勝ち誇りながらミスターノーとともに引き上げていく。勝村としてはミスターノー戦は避けられない闘いとなりそうだ。
第4試合
力が握手を求めるが、ドリフは拒否。その力と石井の先発で試合開始。ロックアップした瞬間にスクールボーイで丸め込んだ力に対し、キックアウトした石井は投球フォーム・チョップを狙ったが、力も空手チョップの構えを見せたためお互いにピタッと止まってタッチ。
入江は今成をヘッドロックに捉えるが、何とかロープに飛ばして脱出。だが、入江はもの凄い勢いのショルダータックルで今成を吹っ飛ばす。場外にエスケープした今成を追いかけた入江だが、今成はエルボーで向かっていく。
力も石井に空手チョップを叩き込んでいくが、石井は場外でDDT。さらに入江も今成に場外でパイルドライバー。ドリフの2人は先にリングに戻り、リングに戻ろうとする今成を蹴落としていく。それでもガムシャラにリングに戻った今成に対し、石井がエルボーからサッカーボールキック。
控えの力にもフロントキックを叩き込んだ石井は入江にタッチ。今成のエルボーを受け止めて「もっと来い!」と挑発した入江は一発のエルボーでなぎ倒すと、さらにヘッドバットを叩き込むと、石井は顔面へのドロップキック。
石井は原型サンダーファイアーで今成を投げ捨て、入江は張り手からパイルドライバーの体勢。だが、腰を落とした今成はリバースで切り返していく。石井が飛び込んできて力へのタッチを阻止すると、入江が今成にエルボーから串刺しラリアット。今成もどうにかテーズプレスを返してようやく力にタッチ。
石井をチョップで蹴散らし、入江に正面飛びドロップキックを見舞った力はバックドロップの体勢。だが、腰を落とした入江はエルボー。力も空手チョップで対抗。入江のヘッドバットを食らっても倒れずに踏ん張った力は袈裟斬りチョップで入江をダウンさせるとコーナーに登っていく。
「セーバー」コールが起こるが、立ち上がった入江は下から張り手を叩き込むと雪崩式ブレーンバスター。タッチを受けた石井はニーアタックを顔面に叩き込むと、力の空手チョップに投球フォーム・チョップで応戦するが、力は逆水平チョップからのバックドロップを極めて今成にタッチ。
串刺しラリアットからブルドッキング・ヘッドロックを極めた今成はDDTから串刺し攻撃を狙う。これをかわしたバックを取った石井はジャーマンで投げ捨てると逆片エビ固め。入江は力のカットを阻止したが、今成は自力でロープ脱出。
入江が今成を肩車し、石井がコーナーに登るが、力が石井を叩き落とすと、今成が抑え付けた入江にセーバーチョップ(=ダイビング袈裟斬りチョップ)を投下。そこに石井がダイブしてくるが、力が空手チョップで叩き落とす。今成が石井にフェースバスターを決めるが、石井も反撃。そこに力が入ってくるが、入江も入ってきてビーストボンバーで吹っ飛ばす。
その間に石井が今成にフィッシャーマンバスター。カウント2で返した今成は石井と張り手合戦。しかし石井はそこからニーリフトで顔面をカチあげると、チキンウイング・フェースロック。そこから右手もリバースフルネルソンにスイッチするとタイガースープレックスで投げて3カウント。
マイクを持った石井は「勝ったぞ。パワー・オブ・ドリームス? 前からすごく気持ちがあって一生懸命で、個人的にすごい魅力を感じていたチームです。そのチームと今日闘えてすごくよかったし、このガンバレ☆プロレスにあがれて、今日あがれて本当によかったです。ありがとうございました!」と言うと、力と握手。そして顔をくしゃくしゃにする今成の健闘を称えると、両チームとも正座をして一礼。
ドリフが引き上げたあと、マイクを持った今成は「お客さん! めっちゃ悔しいっす! めっちゃ悔しいっす! 6人タッグのチャンピオンがもう強くて、こんなに痛いと身をもって知りました! でも力さん! でも俺らまだやりたいよね?」と叫ぶと、力も「やりたいです! パワー・オブ・ドリームス、何度だって向かっていっていつか勝ちます!」と即答。今成は「こんなじゃない、まだまだやるよね? またやるぞ! 俺たちがパワー・オブ・ドリームスだー!」と絶叫した。
第5試合
この日の安部はリングネームを「安部★自演乙★行洋」にし、『キルラキル』の纏流子のコスプレ姿で入場。アームドラッグで投げ合った両者はドロップキックも相打ちに。冨永はヘッドロックから髪の毛を掴んでいくとスリーパー。安部も下から冨永の髪の毛を掴んでいく、コーナーに叩き付けていく。
安部もコーナーに叩き付け返すが、カニ挟みで倒した冨永はフラッシング・エルボー。安部もカウンターでローイングクレイドルを決めると、嗚咽する冨永の上半身を外に出して張り手。さらに場外に出てダッシュするとドロップキックで蹴り上げる。
リングに戻った安部はレッグロックから冨永の左足にレッグドロップ。かわした冨永だが、安部は逆片エビ固めでなおも冨永の左足を痛めつけると、挑発しておいて反撃しようとしたところを左足を蹴飛ばしていく。冨永はカウンターのドロップキックで安部を場外に追いやると、ノータッチ・トペ・コンヒーロを発射。
リングに戻った冨永はコブラクラッチに捉えると、ロープに逃れようとした安部をそのまま河津落としで叩き付ける。安部もジャンピングキックで反撃すると、首筋にエルボーを落とす。「YOU!」と反撃しようとした冨永に張り手を見舞った安部は急角度DDTで叩き付けると、コンプリート・ショットから変型ネックロック。
どうにかロープに逃れた冨永は安部の串刺し攻撃を防御すると、コーナーに乗せておいてから飛び付き式の雪崩式フランケン。さらにJK(=座っている相手の肩をつかみ、ジャンプしてのヒザ蹴り)からオーバーヘッドキックを叩き込んでのムーンサルトプレス。これをかわした安部はハワイアンスマッシャーの体勢からgo2sleep。
カウント2で返した冨永だがなかなか立てない。「冨永、立てよ!」と叫んだ安部は冨永の張り手を「もっともっとだー!」と叫びながら受け止めると、逆に一発の張り手を返すと蒼い衝動(=変形フィッシャーマンバスター)で叩き付けて3カウント。
試合後、マイクを持った安部は「冨永、今日はありがとう。ユニオンを逃げたお前とDDTを逃げた俺が、巡り巡ってこのガンプロの新宿FACE大会、大きな大会のセミで試合が出来る! スゲーなぁ! プロレスって凄いな! プロレスって素敵だな! ありがとう、冨永!」と叫ぶと、互いに正座をしながらお辞儀。さらに握手をして健闘を称え合った。
第6試合
5月のガンプロに参戦した際、友人の大家に向かって離婚したことや資格取得のための学校を留年したことを吐露した藤田ミノルは、このガンプロや『劇場版プロレスキャノンボール2104』で見た大家を逆恨みし、大家にとって家族同然であるガンプロの選手を次々と撃破してきた。そして「お前とだけはやらない。なぜなら友達だから」という大家との対戦を承諾。
Hi69、浪口と組んだ藤田に対し、大家はガンプロカウンセラーのGENTARO、ガンプロ卒業生の翔太、さらに藤田が招聘したにも関わらず実は大家とは同期の絆があり、藤田サイドから寝返ったバンビと組むことに。
この試合はノータッチルールを採用し、場外カウントはないが決着はリング上でのみ。そしてレフェリーがとくに危険と判断したもの以外、すべての反則が認められるというもの。藤田組は有刺鉄線バット、一斗缶、竹刀、そして日高郁人との兄弟タッグで奪取したみちのくプロレスの東北タッグ王座のベルトを持参。
藤田組が奇襲攻撃を仕掛けていき、藤田とHi69が場外乱闘をする中、リング上では大家と浪口がエルボー合戦。ショルダータックルを見舞った浪口だが、大家は垂直落下式ブレーンバスターを返す。
そこに藤田が入ってきて翔太とイスのチャンバラを展開。翔太のイスを吹っ飛ばした藤田は翔太とGENTAROにイスを振り下ろす。藤田と大家がイスの取り合いをしていると、バンビが入ってきて藤田を羽交い締め。そこに大家がエルボーを放っていくが藤田がかわしてバンビに誤爆。バンビにコーナーで馬乗りナックルを見舞っていった藤田はHi69と代わって場外へ。
Hi69はバンビをコーナーに叩き付けてからサミング。翔太とGENTAROが救出に入ろうとするが、藤田と浪口が排除してバンビにトレイン攻撃。さらに藤田は有刺鉄線バットを持ち出してて殴りかかるが、大家が飛び込んできて身を挺してバンビを守る。
場外に出た大家に藤田は有刺鉄線バットを押し付けていく。さらに浪口がGENTAROの脳天を一斗缶で殴打。翔太はステージ上からブレーンバスターを狙ったHi69をどうにかナックルパートで叩き落とす。額から流血した大家をリングに戻した藤田は竹刀でタコ殴り。さらに浪口が抑え付けた大家の傷口にHi69が一斗缶を投げつける。
藤田は場外でセコンドの今成にも一斗缶攻撃。朦朧とする大家の頭部を竹刀で殴打した藤田は、倒れた大家を竹刀で滅多打ちにするとブレーンバスターの体勢に。だが、腰を落とした大家は逆に投げていく。
そこに浪口とHi69が入ってきて合体攻撃を狙うが、ダブルラリアットで吹っ飛ばすと、GENTAROと翔太が戻ってきてHi69と浪口を叩き付けてから、同時にシャープシューター。さらにバンビが鞭で殴打していくが、藤田がバンビを場外に投げ捨ててからGENTAROと翔太をイスで殴打。
さらに大家にもイスを振り降ろした藤田は大家の後頭部に串刺しニー。大家をコーナーに乗せて雪崩式フランケンを狙った藤田だが、うまく着地した大家は藤田を肩口に担ぎ上げるとカミカゼで叩き付ける。足を踏みならしてスピアーを狙った大家だが、ニーリフトで迎撃した藤田はSAYONARA(=ツームストン・パイルドライバー)で叩き付ける。
しかし翔太が延髄斬りを叩き込むと、GENTAROがツームストンパイルドライバー。さらに翔太のフロッグスプラッシュからGENTAROがダイビング・ヘッドバットを連続投下。カウント2でカットされたが、浪口とHi69を場外に連れ出すと、翔太がコーナー最上段からプランチャ。リング上では藤田がマットに両ヒザをついたまま「友達を殴れるのか?」と挑発するが、大家は意を決して藤田を殴る。
張り手合戦からヘッドバットを見舞った大家は垂直落下式ブレーンバスター。カウント2で返した藤田は急所を蹴り上げると、有刺鉄線バットを振り上げる。だが、大家はそこにスピアーをお見舞い。するとバンビが入ってきて有刺鉄線バットを拾って藤田に向かって構える……が、次の瞬間、横の大家に向かって有刺鉄線バットをフルスイングしたバンビは藤田と握手。すかさず浪口が大家をLanakila-Hで叩き付けると、続けてHi69がストゥーカ・スプラッシュ(=手の先まで真っ直ぐ伸ばして投下するダイビング・ボディプレス)を投下。そのまま藤田がカバーして3カウント。
エンディング
試合後、マイクを持った藤田は「アハハハハハ! オイ、健さん! 残念だったなぁ。お前にひと言いう前に、今日はヒロちゃんが何だか怒っているようなのでマイクを渡しま〜す」と言ってHi69にマイクを渡す。Hi69はガンプロ勢のセコンドについていた安部と冨永に向かって「オイお前ら、今日セミいい試合だったよ。さすがだよ。お前らさすが団体から、DDTから逃げたことあるよ。そしてお前(=冨永)、どっかで見たことあるな? お前ちょっと千葉の匂いがするぞ。Blue Fieldの2階の寮で、俺にカレー出してくれたのはお前じゃないか? 間違ってたらごめん。お前、KAIENTAI逃げたよな? お前ら二人、今日の試合は素晴らしいよ。でも俺はひとつだけ許せねぇんだよ。のうのうとセミファイナルで団体を逃げた…お前らプロレスを1回捨ててんだからな。プロレスを捨てた奴がのうのうと達成感を持った顔して、お前ら試合をして、メインのセコンドについているお前らがムカつくんだよ。オイお前ら、次のガンプロ、俺が相手してやる」と宣戦布告。
藤田は「怖いね、ヒロちゃん(苦笑)。ひとつだけ訂正してやるよ。ヒロちゃんは優しいから『いい試合をした』とか言ってくれたけど、本当は誰も思っちゃいねぇんだからな! ヒロちゃんなら1対2でちょうどいい……かもしれないけど、せっかくならさ、公平に2対2がいいと思ってね。……じゃないな! ということで新しいお友達を紹介しよう! 新しいお友達、出ておいで!」と呼び込む。
そこに現れたのはHi69と同じ元KAIENTAI DOJOの円華! シャツを脱いだ円華は藤田の「I’M DIVORCED」Tシャツ姿を披露。藤田は「またお友達が増えちゃった。紹介しよう、某落花生臭い倉庫からの後輩であり、いまやお友達、円華センパイだ!」と円華を友達軍の新メンバーとして紹介。冨永は「友達だと思ってたのに円華さん!」と叫ぶが、藤田は「せっかくだからお前らガンバッテ、この二人に立ち向かってちょうだい」と、Hi69&円華vs.安部&冨永を決定してしまう。
続いて藤田はリング上で倒れたままの大家に向かって「さて健さん、起きてる? 泣いてるのかなぁ? オイオイオイ、泣いてるところ申し訳ないけどさ、今日こんなことになった張本人であるバンビさんからひと言頂戴しようか」と言ってマイクをバンビに渡す。
バンビは「オイ大家、同期だとか昔のぬるいこといつまでも言ってんじゃねぇよ!」と決別宣言。藤田は「バンビ先輩も怖いなぁ(苦笑)。健さん、そういうことだよ同期の絆なんてそんなもんだよ。どうする? 諦めるか? もう一丁やるのか? もういいよ。お前はガンバッた。ギブアップしろよ」と揺さぶりをかける。
だが、大家は「ふざけんじゃねぇよ! やってやるよ! やるよ!」と絶叫。藤田は「やるのか? やるんだな? そしたら今日裏切ったバンビ先輩と試合したいよな?」と尋ねる。大家が「お前達を絶対更正させる」とつぶやくと、藤田は「あぁ、そうだ。そうそう。じゃあ次の新木場は俺とバンビ先輩が組んで、お前とパートナーは……そうだなぁ。今度は男の子はダメだぞ。女子選手を一人連れてこい! あ、いねぇか友達? 今回に限ってはDDTグループの力とか借りちゃダメだぞ。そういえば何かガンバレ☆女子プロレスとかあったよね? そこから女子選手連れてこいよ。そのミックスドタッグ、それやってやる。いいな?」と提案するが、大家は無言のまま。
「バイトのシフト、入れたっていいんだぜ」と揺さぶりをかける藤田に対し、大家は熟考の末、「やってやるよ!」と返答。10.14新木場大会で藤田&バンビvs.大家&ガンバレ☆女子の選手を決定した藤田。
だが、大家の返事が遅かったことに腹が立ったという藤田は、ガンプロと友達軍団のミックスドマッチに負けたほうのチームから一人追放というルールを提案。大家は「やってやろうじゃねぇか! 何でもやってやるよ!」とヤケクソ気味に承諾。藤田は「お前らが負ければガンバレ☆プロレスの登場人物、一人追放だ。これは絶対条件だからな。オイ健さん、最後にひとつだけ教えてやるよ。男と男の友情関係をぐちゃぐちゃにしてくれるのは、いつの時代も女の子だってことを忘れるな! これからもガンバレ☆プロレス、ぐちゃぐちゃのドロドロにしてやるからな覚えておけ!」と吐き捨てると、友達軍は引き上げていった。
リング上に座り込んだ大家は「俺はぁ……悔しいっ! 絶対に! 絶対に! 今日絶対に藤田ミノルを更正されるって、そう誓ったのに! ダメだった……。同期の! バンビにも裏切られ俺は本当に悔しい! でも……ここで投げ出したら、ここで諦めたらやっぱり俺は昔のままなんだよ! 藤田ミノルが! どんな条件を出してこようとも! 俺は絶対にガンバレ☆プロレスを! 仲間を! 守る! 藤田ミノル! バンビ! 絶対に俺はアイツらを更正させる! そして今日こんなに新宿FACEにお前ら仲間たちが集まってくれた。本当にありがとう! 俺は絶対に諦めない! 藤田ミノルのことも、バンビのことも、ガンバレ☆プロレスの仲間のことも、そしてプロレスをメジャースポーツにすることも! だからいつもやつで締めるぞ」と言うと「いくぞー! ウィアー、ガンバレ☆プロレース!」と雄叫びをあげ、『BAD COMMUNICATION』に併せてガンプロの選手とユニバースのみんなで足を踏みならした。
ガンプロ集会
一度退場したあと「集会するぞ!」と今成や安部、冨永、翔太らとステージ上に並び立った大家が「勝村さんが大激怒してる! もちろん、あのミスターノーに」と言うと、そこに勝村が現れる。大家は「勝村さん、10月14日、ガンバレ☆プロレス新木場大会、カード組みますよ。10月14日、ガンバレ☆プロレス新木場大会、勝村周一朗vs.ミスターノー決定!」と発表。
すると今成が「俺は今日発表したいことがります。俺はいまガンプロで胸いっぱいのプロレスが出来るのが僕の財産です。今年上半期、ずっと大家さんのそばにいて大家さんがガンバッテいる姿をずっと見てきました。でもガンバレ☆プロレスはあなたのものだけじゃないですよ! 俺もガンバレ☆プロレスなんです!」と訴える。
「俺もプロレスをメジャースポーツにしたいんです。俺も自分なりにプランを考えました」という今成は、7月にディファ有明で見たリングスが主催するアマチュア総合格闘技イベント『THE OUTSIDER』が、12月13日に大田区総合体育館で大会を行うことをホームページで見たという今成。しかも大会概要を読んで出場選手を募集することも知ったという。
そして「俺、30歳になった反抗期始まっちゃいました!」と宣言すると、ユニバースから「反抗期」コールが起こる。そんな中、今成は「30歳からの不良はじめていいですか? 大家さん、俺はガンバレ☆プロレスを背負って、この12月13日THE OUTSIDERに応募します!」と宣言。
この体で特攻することでプロレスをメジャースポーツにするという今成に「そんな甘いものじゃないぞ」と言う大家だが、火が付いた今成は「重いもの背負いたいんですよ。大変なのは分かってますよ。でもね、もうあなたがガンバってるのを傍観しているだけじゃダメなんで。俺も特攻していかなきゃいけない! この体はどうなってもいいんですよ」と訴えると、心意気を買った大家は「分かった! お前に覚悟があるというのは分かった。応募しろ!」とTHE OUTSIDER出場に応募することを承諾した。
最後に大家は「僕らはいつか絶対死ぬんですよ。1日24時間しかありません。いや、24時間もないかもしれない。その中でいろんなことやりたいという気持ちはいっぱいあると思います。今成は映像・プロレスにその時間を割いています。そしてプラス、OUTSIDERに時間割かなかればいけない。でもね! 絶対に挑戦する価値あると思う。自分をそれだけ追い込む。みんなの前え公言して自分を追い込む。必要なことだと思っております」と今成の挑戦を後押しすると、大船渡での興行や一瞬とはいえKO-D無差別級王者となったこと、そして初の新宿FACE大会満員……これらだって最初は無謀と思われたことだけに、プロレスをメジャースポーツにすることだって出来るんじゃないのか? そう訴えた大家は「俺もこれからずっとずっとずっとプロレスをメジャースポーツにするって言い続ける。だからお前達も夢があるんだったら言い続けろ!」とユニバースたちに訴えた。
<試合後コメント>
大家健&今成夢人
今成「さっき発表させていただいたんですけど、発表っていうか募集要項見て応募したくなったと、いう気持ちを大家さんに伝えたと。まだ応募してないんですけど、これから応募したいです。えっと、7月に、その大会を見させていただくことがあって、すごいほんとに、もう、なんていうかな、攻撃力がすごい人達ばっかりが、集まってて。なんか、圧倒されちゃいました。でも、なんかこう、それに、こう、飲まれる人生でもいいのかなって思って。昨日の30になった時に、なんかすごい吹っ切れたんですよね。もうなんかこう、今まではプロレスキャノンボールカメラが回ってる前でも、僕が29歳で、なんかブレイクしたいとか、そういうことが言って恥ずかしいことも皆の前で晒して、ねぇ、もう何もないですよ僕には。もう捨て身しかないです。でもそういう20代の呪縛がほんとに昨日色んな意味で解かれた時に、ああもっと、重いもの背負って攻めて行きたいと思いました。そんな時に、うん、ここでガンバレ☆プロレスという、自分なりに、大家さんがやっぱ、KO-Dのチャンピオンになった、両国に上がったっていうのは僕にとってすごい背中を押してる部分があって、このまま何かを待ってるだけでいいのかなって思って。だったら、もう攻めちゃえばいいじゃんて。自分から乗り込めばいいって。チャンスがあるんだったら応募すればいい。色んなチャンスがこの世の中にあるんだから。だから、そこが、未知の世界だったら、乗り込んでみればいいじゃないかって思うようになりました。どっかで僕は、カメラを構えてね、傍観者なんですよ。傍観者の目線ですよ。でももっと色んな物を複眼的に見なきゃいけない。当事者になんないといけないし、もっと客観的に見なきゃいけないと。色んな目線あると思う。でも僕は、あえて、ここ飛び込むことに今意義があるんだと、思いました。そして、30歳になった瞬間に俺の反乱分子、ちょっとだけしかないかもしれないですけど反乱分子やっぱありました。何かに言いなりになって、なんか、イエスマンだったんですよ毎日。まあイエスマンでもいいですよ、イエスマンでも、いいと思います。でも、やっぱり、言いたいことも言えない、こんな世の中がポイズンなんですよ僕は。ポイズン、ポイズンなんですよ。だから、なんか、ポイズンな気持ち持って、やれる舞台が、これかなって。絶対甘くない。それはわかってるんです。だから、甘くないから、やりたいんですよね。背負う、もっと、自分に、背負う。そういうことを、テーマにして生きていきます。ほんとに、今日ドリフと、ドリフの二人がボッコボコにやられたことが、僕にとっては、なんかまたそれを背中後押しさせてくれたと思います。ほんとにアジアのチャンピオンにボッコボコにされたことが、それでもやっぱり、あの時溢れ出る涙は、たまらなかったですね! もっと味わいたかったですね!もっと味わいたいです。それを皆とシェアしたいですね。だから僕は応募します。もう止まれないです」
大家「皆の前で言ったことは、やんなきゃいけない。無理だと、思っても、公言してる。言い続ければ! それを叶えようとする気持ちが働く。言葉っていうのは俺は力があると思ってる。だから言い続けるんだろ! 藤田ミノル、今日更生させたかったでも無理だった。だったらどうするんだよオイ、10月、次、新木場で、やろうって言うんだったらやってやろうじゃねーか! バンビに裏切られて、俺は悔しい! 悔しいけど、でもあいつらの、心は、曲がってるっていうんだったら俺は、更生させたい。更生させたいという、その一心で俺は、新木場、藤田ミノル&バンビと、闘います」
今成「今日は、新宿FACEほんとに、沢山の人が来てくれました。ほんとに、成長のスピードはすごい遅いかもしれないです。それはすごい僕らも、感じてます。悔しいです。でも、今日、これが、あれだけの人が集まってくれた、まずこっからまた、色々、スタートできると思うんで。ね、大家さん」
大家「3年目ですよ3年目! キャパ変わんねぇって言ってな、なぁ」
今成「悔しいですよ」
大家「お客さん来ねぇって言って、スゲー悔しかった! でも今日! いつもの倍! いや、それ以上の人! 来てくれました。プロレスをメジャースポーツにするために、賛同してくれる人がこんなにもいる! また新宿FACE! やりたいし! 後楽園ホール! 両国国技館! 東京ドーム! 国立競技場! 俺はそこまで持って行きたい。プロレスを、メジャースポーツにするために。だからね、みなさん、これからも! よろしくお願いいたします!」