笑顔あふれる興行でみんなの“特攻隊長”本間多恵が10年のプロレス人生に幕!後輩たちへ「本来リングってすごく自由で何にでもなれる。あまり根詰めないで」とメッセージ

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 13日、東京・新宿FACEにて『乱丸フェスタ vol.43』が開催。みんなの“特攻隊長”本間多恵が引退試合を行った。

 多恵は女優として活動しながら、2015年に当時スターダムの芸能部門であったBeginningプロモーションが主催した女子プロレス団体『Beginning』でアクトレスガールズデビュー。
 明るい性格と入場から盛り上げるパフォーマンス、相手の動きやお客さんの目線を察する事ができる目と感の良さから、誰と闘っても良い試合にする技巧派レスラーとして日本の女子プロレス団体のほぼ全てに参戦。2018年からはメキシコCMLLと提携したJ@stとの2団体所属となり、翌年にはメキシコに遠征する。
 同期の尾崎妹加とのタッグチーム“SPiCEAP(すぱいすあっぷ)”で様々な団体のタッグ王座を獲得し、角田奈穂との“以下省略。(いかしょうりゃくまる)”でも業界を盛り上げた。
 2022年からはフリーとして活動していたが、今年4月にこの日の現役引退を発表していた。

 多恵が引退の場に選んだのは、救世忍者乱丸が主催する“世界一オモロいプロレスの大会”乱丸フェスタ。コミカルな展開が売りの、選手を闇鍋に詰め込んでちゃぶ台返しでぶちまけるような何が起こるかわからないハチャメチャ興行だが、第2試合では『SPiCEAPラストマッチ』が組まれ“SPiCEAP”本間多恵&尾崎妹加vs“アジュール・レボリューション”世羅りさ&雪妃真矢が実現。世羅が来年1月に引退が決定しており、雪妃も長らく左腕骨折で欠場していたことから実現しないと思われていたカードだ。


 スパイスアップの連携攻撃でアジュレボは序盤から攻められ、多恵がまとめてぶら下がり腕ひしぎからミサイルキックで吹っ飛ばす。アジュレボは多恵の尻に狙いを定め、世羅がダブルチョップ、雪妃がミドルキックを連発し多恵の尻が真っ二つに。
 さらにアジュレボは雪妃が妹加を、世羅が多恵をセラリズムバスターで叩きつけるが、妹加が雪妃をアルゼンチンから俵返しで投げ捨てて反撃。
 妹加のスパインボムから多恵がジャックナイフも、返したアジュレボが合体ニーアッパーから合体ボム。スパイスアップも合体619から合体キン肉バスター。だが最後は雪妃が多恵の顔面にハイキックからスピンキックを叩き込み、ジャンピングニーから御神渡りと連撃。ダメ押しのタイガードライバーでトドメを刺した。

 このダメージにより多恵の尻の腫れがひかず、本来存在しなかった休憩時間が10分程度取られる事に。
 ボルテージが上がり続ける会場のメインイベントで組まれた『本間多恵引退試合』は、[チーム乱丸フェスタ]本間多恵&ハイビスカスみぃ&高瀬みゆきvs“コミック・エンジェルズ”なつぽい&安納サオリ&救世忍者乱丸の6人タッグマッチへ。
 アクトレスガールズ1期生の安納&なつぽい(万喜なつみ)&後輩の高瀬みゆきに“なにわ☆凡女ヴィーナス”の乱丸とみぃが別れてのタッグ対決はノータッチルールでスタート。

 試合が始まるなり乱丸が飛び蹴りからエルボー連打。さらに「シャキーン!シャキーン!パワー!」と観客のパワーを集めた乱丸がボディスラムで叩きつける。だが多恵も「引退最後にパワーをください!」と観客からパワーを集めるが、乱丸が耐えるとボディスラムで叩きつけ会場から大ブーイング。
 忍法金縛りでリング上の動きを止めた乱丸は、多恵を首投げからフォールもレフェリーも動きが止まっておりカウントが叩かれない。

 金縛りが解除されると多恵となつぽいがエルボーの打ち合いから多恵が「今までありがとう」と背中にダブルチョップ。だが安納となつぽいでダブルの串刺しドロップキックからなつぽいがジャックナイフで捕らえる。
 返した多恵に安納がミサイルキックからエルボーの打ち合いになり、多恵が飛びつき腕ひしぎで捕らえるがなつぽいがカット。
 安納の投げ捨てジャーマンは高瀬がカットし、ダブルのドロップキックから高瀬が多恵を安納にブレーンバスターで叩き込む本間バスターがまさかの成功!
 高瀬が乱丸を、みぃがなつぽいを、多恵が安納をヘッドロックで捕らえてリング中央に突進し、全員がぶつかり倒れて起き上がるお約束から、再度安納にダブルドロップキック。本間バスターを狙う高瀬を多恵はブレーンバスターで安納に叩き込むが、安納が避けて高瀬が自爆しある意味成功。
 すぐさま安納が高瀬をポテリングも、多恵はスポンジ棒で安納のボディを叩いてカットする。

 安納がスポンジ棒を奪って『ドリルすんのかいせんのかい』の流れをくみながら多恵が「毛細血管がいっぱいつまってるとこ、わーきー!」と連続で叫んでいくが、安納が聞き返すセリフを噛んでしまい、これでリズムが崩れて順番も間違えたことで安納が全員にツッコまれボコボコにされる。
 何度もやり直しグダグダになった安納が強引に乳首ドリルせんのかいまでやり切ると、乱丸がドロップキックでふっ飛ばし「みんな出てこい」と多恵をコーナーに振って全選手参加のトレイン攻撃。師匠である堀田は抱きしめ、最後に乱丸が走り込むも、多恵が避けてなぜか乱丸へのトレイン攻撃がスタートする。

 最後に多恵が乱丸にミサイルキックからフォールも、味方であるはずの高瀬とみぃが泣きながらカットし「多恵ちゃん、これ終わったらもう、試合できないんだよ。最後なんだよ」「多恵さんが引退しちゃうでしょ」と説得する。多恵も「やだね、引退したくない」と抱き合うが、感動を壊すようにコミックエンジェルズが背後からスクールボーイもまさかの2。
 多恵が改めて乱丸に「乱丸さん!大好きー」とミサイルキックからフォールも、多恵は髪を掴んで2で引き起こす。
 多恵は「やっぱり乱丸さんからフォールは取れない」と涙ながらに抱きしめるが、油断した乱丸をスクールボーイで丸め込み3カウントを奪った。

 笑顔あふれるリング上で、マイクを持った選手たちからそれぞれメッセージ。
安納「多恵さん、楽しかった?(多恵「楽しかったけど間違えすぎや!」多恵さんとはこれからさ、リングでなくともプライベートで会うと思う。その時また、乳首ドリルやらせて」
なつぽい「多恵さん、10年間、お疲れ様でした。次は、私の引退の時絶対来てくださいね。待ってます」
高瀬「多恵さん、ほんとに、同じ団体の時から生意気で、でもフリーになってからは息がぴったりで、タッグの絆もどんどん深まっていって、最後も本間バスター決まりましたし、最後の最後に、高瀬バスターも編み出してくれてありがとうございました。多恵さん、私の引退まで、しっかりプロレスから目を離さないでくださいね。これからの人生も笑顔で。おつかれ様でした」
みぃ「多恵ちゃん、ごめんね先に泣いちゃって。ちょっとさっきも言ったけど歳を取ると涙もろくなっちゃってほんとにすいません。最後のパートナーに選んでくれてありがとう。いつも多恵ちゃんの笑顔に助けられてきました。これで最後かと思うとほんとにさみしいんですけど、プライベートでもまた一緒に飲みに行きましょう!ほんとにどうもありがとう」

 続いて引退セレモニーとして花束&記念品贈呈が行われ、フリーの選手からチェリー&水波綾&雪妃真矢&ウナギ・サヤカ&シン・広田さくら&秀美レフェリー、東京パフォーマンスドールの木原さとみさん&木伏夏子さん、PURE-Jの谷もも、マーベラスの川畑梨瑚、琉球ドラゴンのハイビスカスみぃ、プロミネンスの世羅りさ&柊くるみ&夏実もち、センダイガールズの橋本千紘&優宇&高瀬みゆき、ディアナの梅咲遥&香藤満月、WAVEの桜花由美&宮崎有妃&狐伯&炎華&咲蘭では宮崎が恥ずかし固めで記念撮影。アクトレスガールズ卒業生の関口翔&清水ひかり&長谷川美子、アクトレスガールズ1期生の角田奈穂&尾崎妹加&なつぽい&安納サオリ、T-HEARTS(元アクトレスガールズプレイングマネージャー)の堀田祐美子、アクトレスガールズの坂口敬二代表、ここで客席にいた現役アクトレスガールズの未依もリングに上がり新旧アクトレスガールズで記念撮影へ。
 そして乱丸フェスタの救世忍者乱丸、最後に本間多恵のご両親がリングに上がりレイを首にかけると多恵も涙。

 改めて乱丸&多恵&高瀬による『ピンキーミルキー』で一度乱丸フェスタをしめ集合写真。その後多恵がリングに1人で残り、過去を振り返るエンドロールから「ありがとね。プロレスのプの字も知らなかった自分が、10年もリングに立ち、闘えてこれたのは、間違いなく、出会ってくれた皆さんのおかげで、闘ってくださった先輩、後輩、そして、何より、応援してくださる皆さんのおかげです。本当に、本当にありがとうございました。引退するけど!最後まで、本間多恵が生きてる限り、私のことを、ずっと、ずっと、ずーっと、好きでいてね。お願いします。(思い残すことは?)今日来てくださった皆様、そして配信をご覧の宇宙中の皆さまが、幸せでありますように。うぃ~ん、うぇい!」と邪気払い。

 引退の10カウントゴングが鳴らされ、会場中から多恵の名前が呼ばれてプロレスラー本間多恵は引退・・・と思いきや、最後の最後で乱丸が騎馬戦を挑み、チーム乱丸フェスタvsアクトレスガールズ1期生の騎馬戦は多恵が帽子を奪って勝利し、改めて本間多恵のプロレスラー人生が幕を閉じた。

 全てを終えてバックステージに戻った多恵は「多分今より、家帰って1日経って2日経って、みんなのSNSとか見て、みんなが試合するのも見て、自分はもう試合がないっていうの実感して、引退したんだなっていうふうに実感するような気がしてます。ほんとに大好きなプロレスを10年続けてこれて最後、大好きな乱丸フェスタで引退できてすごく嬉しかったです。プロレスから現役ではなくなるんですけど、プロレス大好きだし、同期もなつぽいも言ってたし、今後絶対に会えないとかプロレスから一切関わらないとかっていうことはないので、もしかしたら会場で皆さんと一緒に見たりとかもしてるかもしれないし、私と一緒にこれからのプロレス業界も一緒に愛していただいて、一緒にわくわくしていただいて、明日の活力にみんなでしていけたらいいなと思っています。ほんとに10年間ありがとうございました」と挨拶。
 そして新旧アクトレスガールズが揃った事については「アクトレスガールズがなかったら自分はいない。自分を見つけてくれた坂口さんだったり、その時にやっぱり旗揚げメンバーでやった初期メンバーだったり、そのあとにすごいみんな可愛い可愛い後輩たちが入ってきたから自分たちも続けられてたし。今は今で形を変えてアクトレスガールズはずっと続いてるので、なんかそういう歴史みたいなのが自分たちからスタートして今も続いてるっていうことは、すごく誇らしいし、嬉しいし、やっぱり私にとってはもう宝物ですね。無くてはならないもの。もうずっと好きなものです。大好きなもの。特別ですね」と感慨深そうに語る。

 そして後輩たちへ「色んなことがあってしんどい時も多いし、怪我だったりとか自分の思い通りにいかないことも多いと思うけど、でも本来リングってすごく自由で、何にでもなれるし、どんなふうにでも自分を表現できるから。もちろんそこに努力は必要かもしれないけど、あまり根詰めないで、苦しくても痛くても最終的に自分の心が豊かになって楽しいって思える自分スタイルのファイトを見せることが1番お客さんに伝わると思うので、もっと自由に楽しく。辛いけど楽しくプロレスを盛り上げてっていっていただけたら嬉しいなと思います。ずっと見てます。応援もしてます」とメッセージを送った。

 今後は応援してくれていた両親を旅行に連れていき長い休みを得た後は、新しい一歩を踏み出せるタイミングで女優業への復活を予定しているとのこと。形は違うが、本間多恵が今後も周りの人を笑顔にし続けていくことは変わらなそうだ。

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