【試合詳細】4・29 全日本プロレス岡山大会 宮原健斗vs羆嵐 斉藤ジュンvs吉田隆司 佐藤光留&デイビーボーイ・スミスJr.&MUSASHI vs HAYATO&安齊勇馬&綾部蓮

『チャンピオン・カーニバル2025』
日程:4月29日(火・祝)
開始:13:00
会場:岡山県・岡山コンベンションセンター
観衆:725人
▼第1試合 8人タッグマッチ 20分1本勝負
青柳優馬/青柳亮生/●長尾一大心/カーベル伊藤
10分24秒 パワーボム→片エビ固め
芦野祥太郎/大森北斗/○田村男児/井上凌
▼第2試合 チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
○斉藤レイ【2勝3敗=4点】
9分25秒 逆エビ固め
●エーグル・ブラン【2勝5敗=4点】
▼第3試合 チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
○鈴木秀樹【5勝2敗=10点】
8分30秒 横入り式エビ固め
●ザイオン【2勝6敗=4点】
▼第4試合 チャンピオン・カーニバル Bブロック公式戦 30分1本勝負
○本田竜輝【4勝2点=8点】
12分22秒 ファイナルベント→エビ固め
●マイク・D・ベッキオ【3勝4敗=6点】
▼第5試合 佐藤光留デビュー25周年記念試合 6人タッグマッチ 1/25
●佐藤光留/デイビーボーイ・スミスJr./MUSASHI
13分04秒 バックドロップ→片エビ固め
ライジングHAYATO/○安齊勇馬/綾部蓮
▼第6試合 チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
○斉藤ジュン【5勝2敗=10点】
15分24秒 チョークスラム→片エビ固め
●吉田隆司【7敗=0点】
▼第7試合 メインイベント チャンピオン・カーニバル Aブロック公式戦 30分1本勝負
○宮原健斗【5勝2敗=10点】
17分03秒 シャットダウン・スープレックス・ホールド
●羆嵐【3勝4敗=6点】
岡山で行われたチャンピオン・カーニバルAブロックは宮原と斎藤ジュンが、Bブロックは鈴木と本田が勝利!佐藤光留がデビュー25周年記念試合で惜しくも敗北!
第1試合
亮生と井上から。井上が亮生をヘッドロックに捕える。Rウォークを披露する井上に亮生がドロップキックを見舞う。
カーベルと北斗。握手を求めて片手を差し出すカーベルを北斗が足蹴。ロープに振られたカーベルが北斗にヒップアタックで倒してから青柳兄弟、長尾に北斗をセットさせカンチョー攻撃で辱め。そこから北斗の尻への集中攻撃が開始。コーナーポストに北斗をセット。リング下に降りたカーベル、優馬、長尾が北斗の足を引っ張って股裂き。リング上では優馬が北斗にアトミックドロップからコーナーポストに後ろ向きに押し込んでカンチョー攻撃を行うが、手刀が尻にがっちり挟まれ「取れない!」と狼狽。うろたえる優馬を振り払った北斗が田村にタッチ。田村が優馬に串刺しラリアットからダイビングショルダーと猛攻撃でカバー。キックアウトした優馬を芦野がショルダー、田村がエルボーでサンドイッチ攻撃。田村のフォールを返した優馬がロックボトムで形勢逆転。すかさず長尾がミサイルキックで加勢すると、田村をコーナーポストに押し込んでカーベルが串刺しダブルニー、青柳兄弟も続く。芦野が割って入ってきて、両軍入り乱れて場外へ落下すると、カーベルがコーナー最上段から場外へカーベル・スプラッシュを敢行。
長尾が田村にエルボーを打ち込んでいくが田村の膝蹴りで長尾が一回転。田村がラリアット、ブレーンバスターでフォールも長尾が返すとパワーボムでとどめを刺した。
リング下では勝敗そっちのけで優馬が北斗のタイツを引っ張って岡山の観客に北斗の生尻を晒していた。岡山の観客には受けていた。
第2試合
睨みあいから組んでレイがエーグルを力技で跳ね飛ばす。コーナーに押し込まれたエーグルがレイのチョップをハイキックでカット。エーグルがレイにショルダータックルで吹っ飛ばされて場外へ。チョップをかわし鉄柱に自爆させたエーグルがブランチャも、レイがキャッチ。するとトップロープ越えのノータッチ・トぺ・コンヒーロを敢行。
リングに戻るとコーナー最上段からダイブも、レイが跳ね除けエーグルを踏みつけてからエルボードロップを落とす。ダイビングボディプレスを辛くもかわしたエーグルがフロントキック、延髄斬り、ミサイルキック、スワンダイブ式のジャンピング・ニーバットでレイを追い込んでフォールもカウント2。レイをコーナーポストに追い込んでチョップを連打するが体勢を入れ替えたレイに倍返しされ窮地に。丸め込むがレイのクロスボディで背面からマットに叩きつけられる。立ち上がったエーグルにチョークスラムを狙ったレイ。エーグルが切り返してコーナートップに上がると追撃のレイが雪崩式ブレーンバスターの体勢に。これも切り返し、逆にレイを飛びついた反動を利用してボムで叩き落し、450°スプラッシュでフォールするがカウント2でレイが返す。スワンダイブを狙おうとしたエーグルを捕えたレイがエーグルを放り投げ腰を落として逆エビ固め。たまらずエーグルがタップしてレフェリーが試合を止めた。
第3試合
ハカで詰め寄ってくるザイオンに気迫負けしたかの鈴木が場外へエスケープ。だがこれが鈴木の三味線。ザイオンを場外へ引きずり落とすとストンピング攻撃、エルボースマッシュ。背中にダブルアックスハンドル。
リングに戻った鈴木がザイオンをヘッドロックで絞り上げる。切り抜けたザイオン。鈴木は再び場外へ。追撃のザイオンがヘッドバット。客席の奥のほうまで逃げる鈴木。深追いのザイオンを振り切ってリングに戻る鈴木。場外カウントギリギリに全力で戻ってきたザイオンを待ち受けあっさり丸めて3カウント。唖然とした様のザイオンを笑顔で丸め込み抱擁をかわしつつこっそり観客に向かってVサインを送る鈴木。
第4試合
ロックアップ。リストの取り合いからベッキオがヘッドロック。本田が抜いてベッキオをロープに押す。クリーンブレイク。再びロックアップ。ハイテンションで叫び声をあげながらベッキオのリストを絞り上げていく本田。ロープに押しつけ反則カウント。ベッキオのエルボーで場外へ落下した本田にベッキオがブランチャ。場外で激しく打ち合う。ベッキオが本田を客席に向かってぶん投げる。リングに戻るとスワンダイブ式エルボーアタック、ボディスラム、エルボードロップ、ブレーンバスターと怒涛の波状攻撃を展開。だが本田がブレーンバスターで反撃開始。コーナーにセットしたベッキオを指さし確認してから串刺しラリアットを叩き込んでスパインバスター。スリーパーに捕え、レフェリーの「ギブアップ?」の問いかけにベッキオに代わって「ィエース!」と叫ぶ。がベッキオが力技ではねのけバックドロップでフォール。ハネ返したベッキオがその場飛びシューティングスター。エルボーの打ち合いは勝負つかず。ベッキオが全体重をかけたラリアットで本田を倒しコーナー最上段へ。ところが本田が「残念でしたーっ!」と飛び起き雪崩式ブレーンバスターでベッキオを叩き落す。立ち上がったベッキオにラリアット2発叩き込んでファイナルベントで3カウント奪取。歓喜のホンダンスで締めた。
第5試合
佐藤光留が故郷・岡山で25周年記念試合を行った。
光留は1999年にパンクラスに入門し、2000年2月にデビュー。パンクラシストとしてキャリアを積み重ねてきたが、当時DDTが主催していた『ハードヒット』でメイド服姿でプロレスデビューを果たしプロレスへ本格参戦を開始。名だたるメジャー団体から全国各地のローカルインディー団体、さらには女子団体などあらゆる団体で活躍。DDTからハードヒットの権利を譲り受けてからは現在進行系のUWFの担い手として「格闘技としてのプロレス」を掲げ興行を行ってきた。
光留とHAYATOから試合開始。グラウンドの攻防からHAYATOが光留をコルバタで場外へ落とすと飛ぶと見せかけフェイント。リング上で決めポーズ。怒った光留が「俺の記念試合だ!」と叫んで場外戦へ。客席へどんどん入っていきながら激しくチョップを打ち合う。客席にはHAYATOのチョップを受け悶え苦しむ息子をそっと見守る佐藤の父の姿があった。
リングに戻るとHAYATOが光留のお株を奪うスリーパー攻撃。切り抜けると今度は高身長の綾部のボディースラムが待っていた。コーナーに追い込んだ綾部に串刺しジャンピング・ハイキックを見舞ってスミスにタッチ。
スミスが綾部をボディスラムで投げるが、綾部がランニング・ネックブリーカードロップをお返ししてから安齋へ。安齋が串刺しジャンピングエルボーからフロント・スープレックス、ドロップキックと畳みかけていく。ジャーマンスープレックスを狙ってスミスの胴に手をまわしかけた瞬間スミスが安齋をDDTでマットに突き刺す。
ふらつく安齋にMUSASHIがチョップ、低空ドロップキック、フットスタンプ、ドロップキックで追い込むと光留が「むーちゃん!俺の記念試合だから!」とタッチを要求。
光留が安齊を脇固めで捕らえると、MUSASHIがHAYATOを、スミスが綾部をサブミッションで捕らえる三重奏。
続けて光留が安齊を仕留めにかかるが、綾部が必死のアシストで安齊を救出。綾部が光留をフルネルソンバスターで叩きつけ、HAYATOがライオンサルトを浴びせ、安齋がダブルアーム・スープレックスでぶん投げフォール。カットにはいったMUSASHI、スミスを綾部が場外へ排除し、HAYATOが場外へブランチャ。その隙に安齋が佐藤にジャンピングニーからバックドロップで3カウント。
光留は昨年の岡山大会での鈴木みのるとのシングルマッチに続き、25周年記念試合も勝利を逃したが、勝っても負けても故郷のファンは優しい。会場エントランスに置かれたメッセージボードは、観戦に訪れたファンから寄せられた佐藤へのお祝いの言葉で埋め尽くされていた。
<試合後コメント>
佐藤光留「何十年経ったって、負けて話すことはないよ」(ふいに声を荒げて)「佐藤光留がいない間にジュニアリーグの話を盛り上げているんじゃない!お前ら、25年のキャリアをなんだと思っているんだ。お前らが秋山準になったとき俺は渕正信なんだ。よく覚えとけよ。」
第6試合
ただならない気迫を漂わせリングインする吉田。それもそのはず、星は真っ黒の6連敗中。このまま終わるわけにはいかない。
試合開始から大・他花師コールに沸く会場の空気を追い風に吉田が握手を求めるも応じないジュンにブーイングの嵐が起こる。
吉田をヘッドロックでぎゅうぎゅう絞るジュン。
ショルダータックル合戦もびくともしないジュンに吉田が「すごいわー」と感嘆しつつ握手を求めるがまたもジュンは拒否。あまりのしつこさに乗せられ握手に応じたジュンに吉田が地獄突き。
さらに「昔を思い出せ」と相撲対決を要求しレフェリーに「行司をやれ」と言い放ち四股を踏む吉田。ジュンは「俺はやらないぞ。」とイケボイスで受け流すがぶつかり稽古。一瞬で吹っ飛ばされた吉田が場外に逃れる。追撃のジュンに鉄柱に飛ばされると最前列の観客が持っていたジュンの応援タオルを奪って鼻をかむ狼藉を働く。
リングに戻ると急所攻撃を受けたかのモーションでレフェリーにアプローチする吉田。しかもレフェリーが見ていない隙にジュンにローブロー浴びせバンテージをはがして首締め、顔面をロープにこすりつける。さらにジュンにナックルを落とし顔面に手首をこすりつけて痛めつけていく。調子づいて投げようと踏ん張る吉田を逆にジュンがブレーンバスターで投げ串刺しビッグブーツ。ショルダータックルで倒してエルボードロップを落としたあとチョークスラムを狙う。耐えた吉田が地獄突きから狙いを定めて延髄切りを叩き込みその場飛びのセントーンでフォールもジュンが返すとジュンの分厚い胸にチョップを放っていく。ジュンがエルボーを返すと吉田が倒れながら急所攻撃。体を九の字に苦しむジュンを尻目にコーナーのパッドを手慣れた動作ではずして金具をむき出しに。ジュンを振ろうとして逆に叩きつけられ喉をがっちりと掴まれもがきながら地獄突きのポーズのままフリーズ、チョークスラムに散った。
吉田はこれで7連敗。惨敗ぶりもここまでくると美学の域に達した感があり、逆に最後まで見届けたくなる。
<試合後コメント>
斉藤ジュン「勝ったぞ。何だったんだ、いまの・・・不思議な試合は。吉田隆司、シャラップ。DOOMの湖。」
吉田隆司「チクショーッ!7連敗の湖ーっ!でも、でもでもでも、まだ優勝するチャンスは残っているぞ。なんでかって?俺は針に糸を通す男だー。他花師、シャラップ。」
CCカーニバルに敗者復活戦はない。
第7試合
宮原は3年前のCC開幕戦で熊嵐のセントーンに圧殺され屈辱の敗北を喫した過去があり、3年越しに到来した雪辱戦を前に試合前から闘志を燃やしていた。
ロックアップから力比べで押し勝ったのは熊嵐。クリーンブレイク。熊嵐のヘッドロックを切った宮原がフロントハイキックも、熊嵐がショルダータックル一撃で宮原を倒す。場外戦も熊嵐優勢。ボディブローからエプロンに強打。宮原は熊嵐をかわして鉄柱に激闘させヘッドバットも、ボディスラムの体勢から肩に担がれエプロンに投げ落とされる。
リングに戻ると宮原をカバー。返すと再度カバー、返すとカバー。3度返した宮原をボディースラムでマットに叩きつけセントーンを浴びせボディーを踏みつける。宮原はコンビネーションドロップキックを決め串刺しエルボーからノーザンライトを狙っていったが、羆嵐がアルゼンチンに担いでバックフリップ、セントーンとボディへの集中攻撃でダメージを蓄積させていく。場外で腹部を抑えてのたうつ宮原。リングに戻ると熊嵐がすかさず宮原のボディを踏みつけセントーン。宮原は「負けてたまるか!」と叫び自らを鼓舞しつつエルボーを打ち合うが腹に手を当て表情が歪む。ボディへの一撃でおもわず倒れこむ宮原だったが、熊嵐をブレーンバスターで投げ膝を叩き込む。だが熊嵐がドロップキック、串刺しラリアット、ダイビング・セントーンと畳みかけ、コーナートップにずしんと腰を下ろしたところに宮原が追撃、雪崩式ブレーンバスターで逆転。勢いシャットダウンを仕掛けるが熊嵐が切ってクロスボディーから埼玉に乾杯!を決めてフォールも、カウント2.99で返した宮原。コーナートップに上がった熊嵐がダイビング・セントーンを放つとかわして自爆させ、ブラックアウト。熊嵐も宮原をラリアットでなぎ倒すが宮原がカウンターのジャンピング・ニーアタックからブラックアウトでフォールも熊嵐が返すと、渾身の力でシャットダウン・スープレックスを決めて3カウント奪取。
会場の鳴りやまぬ大・健斗コールに応えて宮原がマイクを取った宮原の"最高マイク"締め。
宮原「帰って来たぜ、岡山ーっ!そしてきょうは最後まで応援をありがとうございましたーっ!ただいまスーパースター宮原健斗、チャンピオンカーニバル2025、きょうで5勝目だ!岡山の皆さんの正直な声を聞きたい!チャンピオンカーニバル、誰が優勝してくれることを望みますか!誰が!優勝してくれることを望みますか!満場一致、宮原健斗です!次、チャンピオンになって岡山に帰ってくるぜ!岡山ーっ最高!」
<試合後コメント>
宮原健斗「勝ち取ったぞ、岡山。すげえな岡山のエネルギーは。あそこまで追い込まれても俺はファンのみんなのエネルギーを俺の力に変えて熊嵐から勝ったぞ。見ただろ5勝目だ!さあ、チャンピオン・カーニバルいよいよ佳境だ!なあ斎藤ジュン、てめえに負けた三冠戦いまでも覚えてるぞ!次は5月6日後楽園ホール、おめえには絶対負けねえぞ!斎藤ジュン、覚悟しとけ!」
Aブロックの戦況は、今大会終了時点で宮原健斗、斉藤ジュン、鈴木秀樹、デイビーボーイ・スミスJr.が5勝2敗(10点)で4人が並ぶ形に。5月6日の後楽園ホール大会では宮原vsジュン、秀樹vsスミスのカードが決まっているため、4人ともこの試合に勝たなければ決勝トーナメントに進めないという明快な状況となった。
宮原は、今年3月の大田区総合体育館大会でジュンの持つ三冠ヘビー級王座に挑戦して敗れたばかり。約5週間ぶちの再戦はまたもジュンが制するのか。はたまた宮原が意地を見せて新世代の台頭を打ち砕くのか。