女装コスプレマッチがチャンピオン・カーニバルを押しのけてメイン戦に!全日本プロレスファンが創り上げた最新の“王道”

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 23日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『チャンピオン・カーニバル2025』が開催。異色のメインイベントがプロレス界を騒がせた。

 チャンピオン・カーニバル(以下:CC)は、全日本プロレスで春の風物詩として行われるシングルリーグ戦。今年はA,Bの2ブロックに分かれて計18選手が参戦。4月9日の後楽園ホール大会から5月18日の大田区総合体育館大会まで全国各地で熱闘を繰り広げていく。

 この日はCC公式戦が第1試合から第7試合までみっちり行われたが、意外なことにメインイベントは斉藤レイ&ライジングHAYATO&青柳亮生&田村男児&長尾一大心vs大森北斗&MUSASHI&井上凌&羆嵐&エーグル・ブランの10人タッグマッチ。

 CC開催中はどうしても影が薄くなってしまうジュニア戦士たちと、この日にCC公式戦がなかった選手たちの試合がメインとなった理由は、ファン投票の結果。全日本プロレスがSNS上でファン投票でメインイベントを決める企画を実施すると、今大会でCC本戦というメインストリームから外れた10人の選手たちが猛アピール。
CCのさなかでジュニアの活躍が見たいというファンの声、そして北斗らの「メインになったら女装する」というアピールが刺さったこともあってか、他の注目カードを抑えてこの試合がメインで行われることが決まった。

 北斗軍らの5人はおそろいのメイド服に身を包み『どりーみんパスポート』で入場。全員で「萌え萌えキュン♡」を決めると場内から黄色い歓声が上がる。
 対する赤コーナー側も亮生がナース姿で、一大心が赤ずきん姿で登場。普段通りの姿のレイがドン引きした様子で入場する中、男児は我関せずといった様子で普段通りに入場。中でもセーラー服姿で出てきたHAYATOのビジュアルは1人だけ完成度が違い、普通にかわいい女の子が出てきたことに場内がざわめく。


 マイクを取った北斗が「たくさんの投票、ありがとにゃん♡」とかわいくポーズを決めると、レイが顔をしかめながらビンタを見舞い場外乱闘となる中でゴング。全員が観客席になだれ込んでの乱闘を展開していく中、ナース亮生&セーラーHAYATOが階段上からのプランチャを敢行するなど序盤から試合は白熱。
 苛立つレイがMUSASHIのメイド服をひん剥くと、ブラジャーの中から胸がポロリ。MUSASHIが絹を裂くような悲鳴を上げてうずくまると、レイが今まで浴びたことがないであろう量のブーイングが降り注ぐ。しかし、その後にレイが北斗&羆嵐によって髪をかわいい2つ結びにされた際には場内から大歓声が起こった。
 5人のメイドたちでチャレンジした北斗軍スペシャルもやっぱり失敗。最後は亮生とMUSASHIの一騎打ちの構図となり、亮生がHAYATOとの合体ハウザーインパクトから必殺のファイヤーバード・スプラッシュで勝利。現世界ジュニア王者のMUSASHIから亮生が3カウントを奪った。

 その後、マイクを取った亮生はジュニアだけのリーグ戦開催を熱望。入場時にはコミックマッチ風味のものになるかと思われた試合は、ジュニアの意地とヘビー級の強さのコントラストが際立った名試合に。まさしく“明るく楽しく激しいプロレス”を体現したものとなった。

 バックステージに戻ったHAYATOは「これが今俺たちができる全力のこと。この格好を見て『ふざけてる』って思うかもしれないけど、ふざけてないよ。いたって真面目。俺たちは求められてることを全力でやってるから」と真剣な表情でコメント。自分たちが見せたいものではなく、ファンが見たいものを提供していくのだという意志を示した。

 昔プロレスが好きだった老人たちが実際に見もせずに「馬場さんが草葉の陰で泣いている」と大合唱しそうな試合となったが、今のプロレスは現在進行系でプロレスに時間とお金を使う今のプロレスファンのためのものだ。
 今の全日本ファンが求め、声を上げて創り上げた最新の“王道”の姿を温かく見守っていきたい。

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